※この作品はR-18です。

カンスト勇者のやり直しハーレム無双~異世界帰りの俺、今度はアニメの推しヒロイン達を全員幸せにします~   作:のびすけ。

2 / 29
偶然の出会いは必然の恋

1.風の悪戯と優しい手

 

光の粒子が収束し、佐藤海斗の意識と肉体が再構成される。

目を開けると、そこは見慣れた自室ではなく、どこまでも青い空と、近未来的なデザインのビルが立ち並ぶ街並みが広がっていた。

 

「ここが、学園都市…」

 

スキルによる転移は完璧だった。指定した場所、時間、寸分の狂いもない。

そして、彼の耳に、鈴が転がるような少女たちの楽しげな笑い声が届いた。

 

視線を向ければ、まさに思い描いていた通りの光景がそこにあった。

自販機の前で談笑する、四人の少女たち。

 

茶髪のショートボブに、名門・常盤台中学の制服を着こなす、勝気そうな少女。

学園都市第三位の超能力者(レベル5)、『超電磁砲(レールガン)』こと御坂美琴。

 

同じ制服に、腕には風紀委員(ジャッジメント)の腕章を巻いたツインテールの少女。

大能力者(レベル4)の空間移動能力者(テレポーター)、白井黒子。

 

黒子が溺愛する、柵川中学の制服に、頭の花飾りがトレードマークの少女。

風紀委員第一七七支部に所属する、初春飾利。

 

そして、その親友で、腰まで伸びる黒髪が美しい、同じく柵川中学の制服を着た少女。

無能力者(レベル0)でありながら、誰よりも好奇心旺盛な、佐天涙子。

 

(本当に、いるんだ…)

 

アニメや漫画の中でしか会えなかった彼女たちが、今、目の前で生きている。

その事実に、海斗の胸は高鳴った。異世界で十年戦い抜いた彼の心臓が、あの頃とは違う種類の興奮でドキドキと音を立てている。

 

さて、どうやって声をかけるか。あまりに不自然な登場をしてしまった自覚はある。

海斗が思案していると、まさに天の助けか、強い風が吹き抜けた。

 

「きゃっ!」

 

一番に悲鳴を上げたのは、佐天だった。

風は意地悪く彼女のスカートをまくり上げ、そこに隠されていた純白の世界を白日の下に晒そうとする。

 

「佐天さん!」

「佐天さん!」

 

初春と美琴が叫ぶが、間に合わない。

だが、その一瞬早く、ふわりと現れた影が、佐天の前に立ちはだかった。

海斗だった。

 

彼は咄嗟に佐天の前に回り込み、自分の身体を盾にするようにして、周囲の視線から彼女の無防備な姿を隠したのだ。

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

振り返りながら声をかける海斗。

その拍子に、彼の右手が、スカートを押さえようとしていた佐天の左手の上に、そっと重なった。

布越しに、彼女の太ももの柔らかな弾力と、驚くほどすべすべした肌の感触が伝わってくる。

 

「え…あ、はい…。あ、ありがとうございます…」

 

佐天涙子の視点に切り替わる。

 

(――え?)

 

風でスカートがめくれちゃうのは、いつものこと。

でも、いつもと違うのは、目の前に、知らない男の子がいたこと。

私の前に立って、壁になってくれてる。

その背中が、なんだかすごく大きく見えた。

 

「大丈夫ですか?」

 

優しい声。振り返った彼の顔は、なんていうか、すごく整っていて、でも威圧感は全然なくて、すごく穏やかな目をしていた。

そして、私の太ももに、彼の手が…。

私の手を包み込むように、大きな手が触れている。

そこから、じんわりと熱が伝わってくる。

男の子の手って、こんなに大きくて、あったかいんだ…。

 

どくん、と心臓が跳ねた。

顔に、ぶわっと熱が集まるのがわかる。

恥ずかしいはずなのに、嫌じゃなかった。

むしろ、触れられた太ももの奥、お腹のずっと下のあたりが、きゅう…って、疼くような、初めての感覚。

 

なんだろう、これ。

この人のこと、全然知らないのに。

 

「あ、ご、ごめん!咄嗟に…!」

 

我に返った彼が、慌てて手を離す。

その仕草もなんだか可愛くて、私の胸はますますドキドキした。

 

2.四つの蕾と騎士(ナイト)の登場

 

「あなた、どちら様ですの?お姉様に気安く近づかないでいただきたいですわ!」

 

我に返った白井黒子が、警戒心も露わに海斗との間に割って入る。

その瞳は、大事なお姉様を不審者から守ろうとする風紀委員のそれだ。

 

「く、黒子、そんな言い方ないでしょ。助けてくれたんだから」

「ですがお姉様!」

 

美琴が窘めるが、黒子は引かない。

初春も、どうしようとオロオロしている。

そんな三人を前に、海斗は困ったように眉を下げて、人の良さそうな笑みを浮かべた。

彼の『魅力』スキルが、穏やかなオーラとなって周囲に広がる。

 

「ごめんなさい、驚かせてしまって。ちょっとこの辺りで道に迷ってしまって…変なところから出てきちゃったみたいで」

 

当たり障りのない嘘。

だが、彼の不思議な説得力と優しい声色が、少女たちの警戒心を少しずつ解かしていく。

 

「道に迷った?あなた、この辺りの生徒じゃないの?」

 

美琴が代表して尋ねる。

 

「ええと、僕は佐藤海斗って言います。今日、こっちに引っ越してきたばかりで…」

「へえ、そうなんだ!私は佐天涙子!よろしくね、佐藤くん!」

 

一番に食いついたのは、やはり佐天だった。

彼女は先程の羞恥心を好奇心で上書きし、キラキラした瞳で海斗を見つめている。

 

「佐天さん、ですね。よろしくお願いします」

 

海斗がにこりと笑いかけると、佐天の頬がぽっと赤らんだ。

そのやり取りを見ていた初春も、おずおずと前に出る。

 

「あ、あの、私、初春飾利です。こっちは白井さんで、こっちが御坂さんです」

「初春さんに、白井さん、御坂さん。よろしくね」

 

海斗が一人一人の顔を見て丁寧に挨拶する。

その誠実な態度に、黒子の敵意も少しだけ和らいだように見えた。

 

そんな和やかな雰囲気の中、新たなトラブルが一行を襲う。

ガシャン!という大きな音と共に、数人のスキルアウトと思しき不良たちが、自販機を蹴り飛ばしていた。

 

「んだよこの自販機!金いれたのによぉ!」

「お嬢ちゃんたち、ちょっと金貸してくんねえかなあ?」

 

不良たちが、美琴たちに気づき、下卑た笑みを浮かべて近づいてくる。

学園都市の日常。だが、少女たちにとっては不快な出来事だ。

 

「あなたたち…」

 

美琴の身体から、バチバチと青い電気が迸る。

常盤台のエースとして、友人たちを前に無様な姿は見せられない。

黒子も、いつでもテレポートできるよう体勢を低くする。

 

だが、彼女たちが動くよりも早く、海斗が一歩前に出ていた。

 

「皆さん、少し下がっていてください。彼女たちに何か用ですか?」

「ああん?なんだテメェ。ヒーロー気取りか?」

 

不良の一人が、海斗に殴りかかる。

大振りで、素人目にもわかる遅いパンチ。

異世界で魔王軍の幹部たちと渡り合ってきた海斗にとって、それはまるで止まっているかのように見えた。

 

海斗は殴りかかってきた男の手首を軽く掴むと、そのままくるりと回転させ、関節を決める。

 

「ぎゃっ!?」

 

そのまま、もう一人の鳩尾に軽い掌底を一つ。

不良たちは、何が起こったのかもわからないまま、数秒で地面に転がっていた。

カンストしたステータスを、ほんの少しだけ使っただけだ。

 

「…え?」

 

美琴たちは、呆気にとられていた。

あまりにも、一瞬の出来事だったからだ。

 

「す、すごーい!佐藤くん、強いんだね!」

 

佐天が目を輝かせて駆け寄る。

 

「たいしたことないですよ。それより、皆さん、怪我はありませんか?」

 

海斗が振り返って微笑んだ、その時だった。

 

「わっ!?」

 

興奮して駆け寄った佐天が、転がっていた不良の足に躓いてしまったのだ。

バランスを崩し、海斗の方へ倒れ込む。

そして、その連鎖反応で、近くにいた初春、美琴、黒子までもが将棋倒しのように巻き込まれてしまった。

 

「うわっ!?」

 

海斗も咄嗟に全員を受け止めようとするが、四人の少女の体重はさすがに支えきれない。

全員、もつれるようにして地面に倒れ込んでしまった。

 

幸い、誰も怪我はなかった。だが、問題は、その体勢だった。

 

海斗の上には、四人の少女が折り重なるようにして乗っかっていたのだ。

 

初春飾利は、海斗の胸に顔を埋める形になっていた。

男の子の硬い胸板と、石鹸のような優しい匂いに、頭がくらくらする。

(ひゃあっ!?か、海斗さんの胸…!ど、どうしよう、心臓の音がうるさいですぅ…!)

お腹の奥が、ぽかぽかと温かくなるのを感じた。

 

白井黒子は、海斗の腰のあたりに不時着していた。

お尻に、何か硬いものが当たっている。

それが何かを理解した瞬間、彼女の顔は沸騰したように真っ赤になった。

(こ、これは…!?お、お姉様以外の殿方の…!い、いえ、これは事故ですの!断じてわたくしが感じているわけでは…!で、でも、身体の奥が、熱いですわ…!)

羞恥と、未知の感覚に、頭がショートしそうだった。

 

そして、御坂美琴。

彼女は一番上に乗っかる形になったが、その胸のふくらみが、海斗の腕にむにゅっと押し付けられていた。

(なっ…なによこれーっ!?わ、私の胸が…!こ、こいつ、絶対わざと…!いや、でも、助けてくれたし…)

腕に当たる柔らかな感触と、下から見上げてくる彼の心配そうな瞳に、ツンデレな思考回路は完全に停止。

電撃のような痺れが、胸からお腹を通って、子宮のあたりをきゅうっと締め付けた。

 

四者四様、初めての感覚に戸惑う乙女たち。

この瞬間、彼女たちの心に、「佐藤海斗」という少年が、忘れられない存在として深く刻み込まれたのだった。

 

3.未来への約束

 

「み、みんな、大丈夫!?」

「だ、大丈夫です…」

「も、問題ありませんの…!」

「…別に」

 

大慌てで起き上がった少女たちの顔は、全員真っ赤に染まっていた。

気まずい沈黙が流れる。その沈黙を破ったのは、やはり佐天だった。

 

「あはは!なんか、すごいことになっちゃったね!でも、助けてくれて本当にありがとう、海斗くん!」

 

彼女は、いつの間にか「佐藤くん」から「海斗くん」へと呼び方を変えていた。

 

「ううん、僕の方こそごめん。受け止めきれなくて」

「そんなことないよ!海斗くんがいなかったら、どうなってたか…」

 

佐天の言葉に、他の三人もこくこくと頷く。

美琴も、ぶっきらぼうな口調ながら、頬を染めて言った。

 

「…ま、まあ、助かったのは、事実、だし…。あ、アンタ、名前は?」

「佐藤海斗だよ」

「そう…カイト。…その、ありがと」

 

蚊の鳴くような声でお礼を言う美琴。そんな彼女の姿は、非常に珍しい。

この一件で、四人と海斗の距離は、一気に縮まった。

 

その後、彼らは近くのファミレスに場所を移し、自己紹介もそこそこに、話に花を咲かせた。

海斗は異世界で培ったコミュニケーション能力と、スキルの補正を最大限に活かし、四人それぞれが楽しめる話題を振っていく。

 

美琴には、彼女の能力を褒め称えつつ、一人の女の子として扱う優しさを見せ、

 

黒子には、お姉様への忠誠心を尊重しつつ、彼女自身の頑張りを認め、

 

初春には、彼女のハッキング技術への興味を示し、その知識を尊敬する態度を見せ、

 

佐天には、彼女の明るさと、友達想いなところを真っ直ぐに褒めた。

 

『鑑定』スキルで彼女たちの望む言葉を的確に選び取る海斗の会話術に、少女たちはどんどん惹きつけられていく。

 

「海斗くんって、私たちのこと、なんでもわかってくれるみたい」

 

佐天が、うっとりとした表情で呟く。その言葉に、他の三人も黙って同意した。

 

時間はあっという間に過ぎ、解散の時間になる。

 

「あ、そうだ!海斗くん、よかったら連絡先、交換しない?」

 

佐天がスマホを取り出しながら提案する。

 

「えっ、僕のでいいの?」

「もちろん!また、こうやってみんなで遊びたいし!」

 

佐天に促され、初春も、そして美琴も、少し照れながらスマホを差し出す。

黒子だけは「わ、わたくしはお姉様が交換なさるなら…」と、最後までツンデレを貫いていた。

 

こうして、海斗は学園都市に来た初日にして、物語の主要ヒロイン四人全員と連絡先を交換するという快挙を成し遂げたのだった。

 

「それじゃ、またね、海斗くん!」

「うん、また連絡するよ」

 

手を振って別れる。

遠ざかっていく四人の背中を見送りながら、海斗は満足げに微笑んだ。

最高のスタートだ。これから、この世界でどんなハーレムを築いていこうか。

彼の胸は、希望と、そして少しのスケベ心で満ち溢れていた。

 

4.乙女たちの芽生え

 

その日の夜。

四人の少女たちは、それぞれのベッドの中で、今日出会った不思議な少年のことを思い出していた。

 

【佐天涙子の回想】

 

(海斗くん…かっこよかったなあ…)

ベッドに突っ伏して、今日の出来事を反芻する。

不良を一瞬で倒しちゃった強さ。私を庇ってくれた優しさ。

そして、私の太ももに触れた、大きくて温かい手…。

思い出すだけで、顔が熱くなる。

下着の中が、なんだかむずむずするような、変な感じ。

(なんだろう、この気持ち…。また会いたいな。ううん、すぐにでも会いたい)

もし、次に会ったら…。今度は二人きりで会えたら、なんて。

(そしたら、海斗くん、また私のこと、守ってくれるかな…。ううん、守られるだけじゃなくて…その、もっと、触って…ほしい、なんて…)

そんな恥ずかしい妄想をしてしまい、佐天は枕に顔を埋めて足をばたつかせた。胸のドキドキは、一向に収まりそうになかった。

 

【初春飾利の回想】

 

(佐藤海斗さん…素敵な人だったなあ)

パソコンのモニターの光を浴びながら、ぼんやりと彼の顔を思い浮かべる。

胸に抱きとめられた時の、硬い感触と優しい匂い。私の頭の花飾りを、「綺麗だね」って褒めてくれた時の、穏やかな笑顔。

(私のスキルにも、すごく興味を持ってくれたし…)

今まで、男の子とあんなに話したことはなかった。緊張したけど、それ以上に嬉しかった。

もし、また会えたら、今度はもっと色々お話ししてみたいな。私の知ってる美味しいケーキ屋さんとか、教えてあげたい。

(そしたら、海斗さん、また頭を撫でてくれるかな…。「初春さんはすごいね」って、褒めてくれるかな…)

そんな想像をしただけで、身体中がぽかぽかしてきて、お腹の奥が甘く疼いた。

 

【白井黒子の回想】

 

(…あのような破廉恥な殿方!)

ベッドの上で、一人悶々とする。

お姉様以外の殿方とあんなに密着するなんて、風紀委員としてあるまじき失態。

(ですが…あの強さは本物でしたの。お姉様をお守りする上で、あるいは協力者になる可能性も…?)

必死に、彼を評価しようと理屈をこねる。だが、脳裏にこびりついて離れないのは、腰に感じた、男性の熱と硬さだった。

(いけませんわ、わたくし!わたくしの全てはお姉様のために!あのような殿方に心を乱されるなど…!)

そう自分に言い聞かせれば聞かせるほど、彼の優しい声や、力強い腕が鮮明に思い出される。

(もし…もしまた、あの殿方に抱きしめられたら…わたくしは…どうなってしまいますの…!?)

未知の感情の奔流に、優等生である彼女の思考は、完全にパニックに陥っていた。

 

【御坂美琴の回想】

 

(なんなのよ、アイツ…)

ベッドの中で、ゲコ太のぬいぐるみを抱きしめながら、ぶっきらぼうに呟く。

いきなり現れて、私より先に不良を倒しちゃって、なんか、調子狂う。

(でも…強かったのは、認めるしかない、かな)

常盤台のエースとして、誰かに守られるなんて経験はほとんどない。それが、少しだけ、悔しくて、でも、それ以上に…。

(胸、当たっちゃったし…アイツ、絶対気づいてたわよね…。うう、恥ずかしい…!)

思い出すだけで、顔から火が出そうだ。でも、それと同時に、胸の奥からじんわりと熱が広がっていくのを感じる。お腹の底が、きゅうっと締め付けられるような、甘い痛み。

(べ、別に、また会いたいなんて思ってないんだから!でも…もし、連絡が来たら…返事くらいは、してあげても、いい、かな…)

素直になれない自分に悪態をつきながらも、彼女の心は、次に鳴るかもしれない携帯の着信音を、今か今かと待ちわびていた。

 

こうして、四人の少女たちの心に、恋という名の小さな、しかし確かな蕾が芽吹いた。

カンスト勇者のハーレム計画は、今、静かに、そして完璧に、その第一歩を踏み出したのである。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。