先生に会うためシャーレを訪れた私は先生がいつも仕事をしている部屋に入った。
「おや? 先生?」
そこにはソファーに座りながらぐっすりと眠ってしまっている先生の姿があった。
「……寝ているのですか? 先生?」
小さく声をかけたが反応はなく、寝息だけが部屋に響いている。
「…………」
周りには誰もおらず、二人っきりのこの状況。私の頭に悪い考えが浮かんだ。
やってはいけないこと、やるべきではないこと。
わかっていても私は私を止められなかった。
部屋の鍵を閉め、誰も入ってこれないようにする。
私と先生、完全な二人きりの密室。
私は先生の目の前に膝立ちで座り、両手を先生の股間へと伸ばした。
「……申し訳ありません、先生」
じぃぃと先生のズボンのチャックを下ろし、カチャカチャとベルトを外す。先生が起きないように、ゆっくりと、丁寧に。
ズボンに隠されていたパンツが目に映る、とともに鼻に届いてくるのは独特な臭い。今まで嗅いだことのない刺激臭。けれど不快感は全くなく、むしろもっと嗅いでいたいと思ってしまう魅惑的な臭い。その臭いを嗅ぐたびに鼓動が速くなり、連動して呼吸も速くなる。そして呼吸が速くなるたびに臭いを嗅ぐこととなり、どんどんどんどん息が荒くなっていく。
「――んくっ」
のどが鳴り、恐る恐る右手が伸びる。少し近づくたびに手の震えが大きくなっていく。覚悟ができていない右手の人差し指が先生のパンツに触れる。それだけで表しようのない気持ちがあふれ、さらにその気持ちを体は貪欲に求め始めた。
気が付けば私の右人差し指は先生のパンツに引っかけ、少しずつ下におろし始めている。息を荒げ、目は血走り、鼓動は今までの人生で一番早く脈打っている。
ズボンに隠されたパンツの、さらにその先に隠された秘宝。その秘宝が今まさにあらわになろうとしていた。
「――――っあ❤」
突如ボロンとパンツから跳ねるように飛び出していた秘宝。ほとんどの生徒が目にしたことがない先生の――男性器。
それを目にした瞬間、呼吸を忘れ、思考が止まり、感情が消え去る。まるで時間が止まったかのように。
けれどそれもほんの一瞬の事だった。パンツの上からでも臭ってきていた刺激臭がむわっと顔全体にぶつかり、鼻の穴へと入り込む。そしてその刺激臭は脳を、肺を、いや体全体を支配してくる。私の体はその臭いに耐えきれず体が震え、力が抜け、声にならない声が周囲を震わす。
「~~~~~~ッ❤❤❤!!??」
膝立ちを保つことすらできず、尻もちをつき、体が倒れないよう両手を床につけ、顔はがくんと下を向き、口はだらしなく開かれ、よだれが床へと伸びていく様をチカチカとした目でぼぉと眺めていた。
次第と意識がはっきりしてきた。一体どれくらいの間そうしていたのか自分でもわからないが、床に垂れたよだれがかなりたまっているのを見るに相当な時間がたっているのだろう。
顔を上げ、もう一度先生の男性器に目を向ける。そこには先ほどと変わらず力なく下を向いている先生の男性器があった。
私の視界にはもうそれ以外の物は映らなくなり、目をそらすことは出来なかった。むしろそらす理由がなかった。
もう一度右手を伸ばす。先ほどと同じようにゆっくりと、丁寧に。けれど手が震えることはなかった。むしろ吸い込まれていくみたいに一直線に右手は伸びていった。
やがて私の右手は先生の男性器をつまむ。
「……あたたかい」
ぽつりとつぶやいた言葉。当然だ。だって先生は生きていて、血が通っているのだから。だからあたたかいのは当然のことだ。だというのに新事実を発見したかのように衝撃を受けてしまう。
「これが、先生の…………おちんちん」
その名前を発しただけで体の奥から恥ずかしさがこみあげてくる。べつに誰かに聞かれたわけじゃない。ただ体の一部の名称を言っただけ。それだけでここまで恥ずかしさがこみあげてくるものなのか。
つまんだ右手で先生の男性器をフニフニと押したり、さわさわと撫でまわしたりする。初めて触れる先生の男性器にどこか可愛らしいという感想を持ちながらいじっていると次第に先生の男性器が変質していく。
やわらかかった男性器は徐々に硬くなり、手のひらに収まるサイズだったのがいつの間にか手のひらから零れ落ちそうなほど大きくなり、あたたかかった男性器が脈うつことで熱を持ちはじめた。
可愛らしいなんて感想はどこかへ飛んでいき、凶悪な姿に変質した男性器に心奪われる。
慈愛の怪盗なんて呼ばれている私も女子学生でもちろんそういったことに興味はあった。いや、先生と出会ったことでその興味は膨大に膨れ上がっていた。
だからそういったことの知識はちゃんと頭に入っている。けれど実践したことなんてもちろんあるわけがなく、これからすることに緊張が止まらない。
「……し、しつれいします」
両手で先生の男性器を包み込むように握る。硬く、太く、熱く。勃起した男性器を握っているという状況に興奮が収まらない。
ゆっくりと手を動かす。初めて行う行為に戸惑い、緊張しながらもゆっくりと、優しく、丁寧に、慎重に。
慣れてくると次第に男性器をしごくのが速くなり、自身の荒くなった呼吸とリズムが合い始める。
しばらくすると男性器の先っぽから汁がにじみ出していた。
「これが、いわゆる先走り汁……」
顔を近づけ、臭いを嗅ぐ。
「~~~~っはぁぁぁぁ❤❤❤」
臭いを嗅いだ瞬間、体を満たす幸福感。これはまるで中毒性を持っている麻薬のようで、たまらずもう一度臭いを嗅ぐ。
「~~~~ふぁぁぁあああ❤❤❤」
先生の男性器によって脳は麻痺し、理性は働かなくなっていた。その結果私は本能に支配され、気が付けば先走り汁を舐めとっていた。
口の中に広がる先生の味。それはおいしい、まずい等と区別できる味ではなかった。その味を形容することは難しく、しいて言うならば幸せの味、といったところだろうか。
私は思わず男性器の先っぽに口づけをする。ちゅっという可愛らしい音は、逆に淫らないやらしさを引き立てた。
そしてそのまま口を開け、歯を当てないよう慎重に咥える。口全体に広がる先生の味はそのままのどを越え、肺を満たし、血液に乗って全身に運ばれていく。
口の中ではよだれが際限なくあふれ出し、先生の男性器をコーティングしていく。
「――んちゅ❤、じゅる❤……ぷはっ❤……はぁ、はぁ……❤」
うまく呼吸ができず、すぐに放してしまう。呼吸を整えようとするが、さっきまで感じていた口の中を侵略し、圧迫し、支配してきた男性器の感覚が恋しい。アレが口の中で暴れていないことがものすごくもどかしく、ものすごく寂しい。
だからか、まだ呼吸が整っていないのに私の口は男性器を求め、再び咥える。
ゆっくりと頭を前後に動かし、苦しくなったら放し、また咥える。
何度も、何度も、何度も、何度も何度も何度も何度でも……。
次第にコツをつかみ、フェラをしながらでも呼吸することが出来るようになった。そのことがたまらなくうれしい。この愛おしい男性器をずっと咥えていられる、その事実が私の心を歓喜に震わしてくれる。
じゅぽ、じゅぽ、と二人だけの広い部屋に響く淫らで、いやらしく、いかがわしく、卑猥な音。この音を私自身が出していることに背徳感を憶える。それも、先生の寝込みを襲っているというこの状況がその背徳感をいっそう強くしてくる。
もし先生が起きたらどうなってしまうのだろう。やはり怒るのだろうか? それとも悲しむのだろうか? 案外乗り気になってくれるのかもしれない。
先の見えない不安が今の快楽を甘美に味わうスパイスになってる。
「――ぷはっ❤ 先生❤ 先生❤」
恋しいこの人の名をささやく。貴方は今どんな夢を見ているのでしょう? 誰かに犯されている夢でしょうか? それとも愛を確かめ合っている夢でしょうか? 自身の内なる欲望を開放し誰かに当たり散らかしているのでしょうか?
なんにせよ、その誰かが私であってほしい。その思いを込め私の声を、臭いを貴方に届けたい。
そう思った時には自身のベルトを外し、ズボンを脱いでいた。私のショーツが淫靡な臭いで充満した外気に触れたとき、気付いた。
「――おやおや、自分のことながらなんてはしたない❤」
私のショーツはぐっしょりと濡れていて、クロッチが変色していた。よく見ればさっき脱いだズボンもほんのりと濡れていた。
「これでは人前には出れませんね❤」
そんなことを言いながら、『でも、隣に先生がいるのなら悪くない。むしろその姿を見せつけたい』なんて考えてしまっている自分にここまで淫乱な性格だったのかと呆れてしまう。
だがそれは間違いではないのだろう。なぜなら私は今、濡れたショーツを手に取り、それを先生の鼻元まで差し出しているのだから。
「先生、嗅いでください❤ そして憶えてください、私の臭いを❤ そして私の臭いで体中を満たしてください❤ もっと❤ もっと❤❤ もっと❤❤❤」
先生の鼻で空気を吸う音が聞こえるたび、その空気の中に私の臭いが、淫乱な私の臭いが混じり、先生の鼻から肺へと満たしている事に興奮を隠せない。
なんて偏執的で、倒錯的で、歪んだ独占欲なのだろう。
「………………んぅ」
「――!!!???」
とっさに先生へと近づけたショーツを先生から離す。ドキドキドキドキと心臓が激しく脈打つ。荒れそうになる息を必死に押し殺し、何一つ物音を立てないように体を固定する。
いつもはあっという間に感じる一秒がまるで数分、数時間にも感じる。
どれくらいの時間がたったのかまるで分らないが、今のところ起きるそぶりはない。
ほっと一息をつき、全身を安心感が満たす。力が抜けた手からをショーツが零れ、床にパサリと落ちた。
ここで終わろう。今ここですべての証拠を片し、離れれば明日からも今まで通りの生活が送れる。
そう自分に言い聞かし、先生の股間に右手を伸ばし、先生の男性器を掴み、そのまま口で咥えた。
なにをやっているのだろう私は? 全部片づけて終わりにするはずが、なんでまたフェラを再開しているのだろう?
私の思いとは裏腹に勝手に動いた体。控えめながらもいやらしい水音を立てる私の口。
どうして? そんな疑問が浮かぶが答えは簡単だった。そんなの、私がしたいと思ったからだ。なんて単純明快な答えなのだろう。
もう私の体は私の意思では動かない。いや、したいという意思が変わることがない。ならばもう全てを身に任せ、心にゆだねよう。
私はフェラを続けた。再び体を満たす先生の味。全身に広がる快楽。部屋中に充満した私と先生の淫らな臭い。それを吸うことで私はさらに発情し、淫らな臭いをまき散らす。
右手で男性器を握り、口で奉仕し、手持無沙汰になっていた左手。その手は自分で意識しないまま動き出し、自分の股へと伸びていった。その指先が秘部に触れた瞬間、背筋を走り、全身を震わせる電撃が広がった。
「――ぁ❤ ぁあ❤」
イってしまった。軽く触れただけ、ただそれだけでイってしまった。
今まで感じたことのない快楽。自分でシている時よりも何倍も、何十倍も強烈な快楽に私の体は支配されてしまった。
そして快楽に支配された体はさらなる快楽を求め左手を動かす。
気持ちいい❤
左手を動かすたびに感じる快楽。
下から込みあがってくる快楽と、上から下へと充満していく先生の味がぶつかり合い、混じり合い、形を変えて全身に広がる。そのたびに私の体はイってしまう。
脳がバチバチとはじけ、視界はキラキラと輝き、私の体はまるで宇宙空間にいるかのようにふわふわと浮いている感じがした。
「――んちゅ? ……んん❤ じゅる❤」
私の口の中で先生の男性器がさらに脈打つのを感じる。最初は何だろうと思ったがすぐに理解した。
先生も、限界が近いんだ❤
そう思った瞬間、私の体が快楽をため始める。少しずつ、着実に。
けれど私の体にはもう余裕がなく、すぐにでも限界に到達しそうだった。
このペースだと私が先に果ててしまい、先生の濃厚な味を楽しめない。それだけは嫌だと思った私はペースを上げ、音は激しく鳴る。
先生が起きてしまう、そんなことはもうどうでもよかった。
この先どうなろうとも私は今、先生の精子が欲しかった。
はっきりとしない意識で、限界を迎えそうな体で、先生に出してもらおうと必死にフェラをする。
けど、もう限界だった。
必死に快楽をせき止めていたダムは決壊し、無数の快楽がなだれ込む。その快楽に私の体はピンと硬くなり、フェラが止まってしまう。
……ダメだった。かなしい。くやしい。失意の底に沈みかけていく私の心。快楽に絶望が混じり込み始めたその時、新たな快楽が私の心を破壊した。
口の中に広がる濃厚で、どろっとした液体が喉奥へと流れていく。今まで感じていた先生の味よりも何百倍も深い味で脳を溶かしていく。
これが、先生が射精したときの精子の味❤
きっと、誰も味わったことがない。私が初めて知った。私だけが知った味❤
少しずれたけど、一緒にイクことが出来た。そのことがたまらなくうれしい❤
どくどくと未だ止まることなく出され続ける精子。喉奥へといこうとしている精子の順番待ちの列が口からあふれていく。あふれ出した精子はどろりと垂れていき、私の太ももの上に落ちた。
こくこくとのどを鳴らし、精子を飲み込んでいく。気が付けば私の口の中から精子はなくなり、先生の男性器も射精を終えていた。
先生の小さくなった男性器を放すことで、口の中に広がっていた圧迫感はなくなった。けれど私の口の中は先生の精子の味をおぼえていて、何度も何度も反芻する。
熱に浮かされた私の体は放熱を続け、次第に冷めていく。
少しづつ冷静さを取り戻した私はとんでもないことをしでかしたと焦り、目覚める様子がない先生を見てすぐに後片付けを開始した。
臭いを消し、跡を消し、私がシャーレに訪れる前の状況を完全に再現する。これなら先生が目覚めてもなににも違和感を覚えることはない。
最終確認を終えシャーレから去ろうとしたとき、足が止まった。
「…………この続きは、是非とも先生の手で」
叶わないであろう望みを口にし、シャーレを去る。
アキラが去ったことによって訪れた静寂。
「…………やっちゃったなぁ」
その静寂を破ったのは先生の後悔をはらんだ声。両手で顔を覆い、低いうめき声をあげ、ソファーに倒れ込みじたばたと暴れだす先生。
熱に浮かされた2人の心がまた燃え上がるのはそう遠くはないのかもしれない。