この投稿はiOSアプリ「小説を聞こう」などで読み上げる用のバージョンですので、キャラクター名や本文中の一部の表現が漢字を使わずに書かれています。通常版(漢字表記)はpixivをご覧ください。
pixiv(同一の作品)
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=27999633
(……うう……ここのハネがなおらない……どうしよう……)
洗面台の前に小柄な女性が立ち、クシを動かしながら鏡とにらめっこしている。彼女はヨシモトシズカ。小中学生と見紛うほどの風貌だが、今では立派な成人女性。お花の蜜大学の文学部に通う女子大生だ。今日はダイジな約束の日のようで、時間をかけてめかしこんでいるらしい。
「シズカ、そろそろ約束の時間でしょ?いつまで洗面所にいるの?」
洗濯物を手にした母が洗面所に入ってきた。
「あともう少しだけ」
シズカは鏡を見ながら右手で髪をとかしつつ、左手でスマホの画面を操作し、機械音声で返事をした。彼女は生まれつき自分の口で喋るのが不得手であり、愛読書の文章を引用して他者と会話をする。もともと母にはよく思われていなかった手段であったが、シズカの彼氏、アイジョーレンタローの尽力もあり、今では自宅でもその方法でコミュニケーションをとることが認められている。それ以来、ヨシモト家の家族間の会話は次第に弾むようになり、今では普通の親子と変わらぬ意思疎通ができているようだ。
この2次創作小説ではシズカの引用セリフも普通に単純な鉤括弧で記述するのでその辺は脳内で補完してほしい。
「今日はハナゾノさんのおうちにお邪魔させてもらうんだったわよね?長い付き合いのお友達だからといって失礼のないようにするのよ」
「もちろんです」
「今日は他にも誰か来るのかしら?」
「ナノさんも来ます」
「ああ、いつも一緒にいるあの子ね。じゃあ高校の頃からのお友達と女子会って感じかしら」
「そんなところです」
他愛のない会話をしつつもシズカは母と目を合わせず、一生懸命髪をぬらしたりとかしたりの作業を続けている。
「……ホントはレンタローくんも来るんでしょ?」
「!!!!!」
母の言葉が図星だったシズカは思わずクシを手から滑らせ、わたわたしながら目を泳がせた。その様子を見てクスッと笑いながら彼女の母は言葉を続けた。
「……見てたらわかるわよ。あなた、お友達とお出かけするときより彼とのデートのときの方が支度の時間が長いんだもの、全くわかりやすい子ね」
「……!母上には敵いませんな」
「でもいつもならデートって普通に言うじゃない?なんでまた今日はごまかすようなことを……」
「そ、それは……!」
シズカが返答に困っていると家の前に車が止まる音が聞こえた。
「お迎えがきたようです」
「シズカ、今のは人が死ぬシーンのセリフじゃないの?それは流石にやめなさいよ……」
「かたじけない」
ピンポーン……。
チャイムの音に反応し、シズカはトテトテと走ってインターホンの元へ向かった。かわいいね。
「お待たせいたしました、シズカ様。お迎えにあがりました」
インターホンの画面にハナゾノケのメイド、メイドメイが映っていた。
「ありがとうございます、メイさん。今出ますね」
シズカが玄関で靴を履いていると、シズカママが驚いた表情で駆け寄ってきた。
「ちょっとシズカ!車で迎えにきてもらえるってのは聞いてたけど、あれリムジンじゃない!ハナゾノさんってもしかしてかなりいいとこの娘さんなんじゃないの!?」
「お母さん、ハカリさんはお嬢さんだと前に伝えたはずですよ」
「そうだけど、てっきりちょっといい立地のところに住んでるってくらいかと……そうよね……私立ならそういう子もいるわよね……」
娘が金持ちの家の令嬢と懇意なことに実感が湧いておらず頭を抱えるシズカママ。
「とにかくホント失礼のないようにね!?」
「全く心配性でやんすなぁ」
玄関を開けて軽やかな足取りで家から踏み出し、自宅の前に停車しているリムジンの元へ向かうシズカ。それとは対照的に硬い表情でメイドに挨拶するシズカママ。しかしその表情はメイには見えていない。
リムジンに近づくと、ハナゾノハカリとエイアイナノが乗っているのが見えた。窓からフタリがのぞいて挨拶する。
「おはようございますシズカさん」
「ハナゾノハカリ、今はこんにちはの時間帯。こんにちは、ヨシモトシズカ」
「ごきげんようお二人さん。今日は髪型がなかなか決まらなかったぜ」
「そうなんですか?別におかしくないですよ」
「むしろ普段より癖毛の跳ね返りが2割少ない。時間をかけた可能性が高い」
「あら、シズカさんったら、今日はあとでちゃんとマイさんがヘアアレンジしてくれるのに。気合い入っちゃってますね〜!」
「ついついな」
他愛のない会話をしつつリムジンに乗り込むシズカ。腰をおろしつつスマホの横のボタンをカチカチと押し、音量を上げて母親の方へ向ける。
「ではお母さん、いってきます」
シズカは車の中から母に軽く手を振り、メイがドアを閉めた。シズカの母は玄関先で固まっている。
ほどなくしてリムジンはしずかに発車し、ヨシモトケから遠ざかっていった。
「あの子どういう交友関係してるのかしら……」
少し首を傾げつつ、洗濯物の続きに戻るシズカママであった。
時は数日前に遡る。
(うう……緊張するなぁ……)
自室のベッドの上でもだえるシズカ。ハカリとカラネからレンタローとのはじめての夜の報告を受け自分の番になったことの実感が湧いてきてその感情を処理できないでいる。
(……そろそろレンタローくんにあのことを伝えておかないと……)
震える手つきで画面を操作し、彼にメッセージを送る。
「レンタローくん、今週末のことで少し電話できますか」
爆速で既読がつき返信があった。
「うんいいよ!夜の10時からとかでいいかな?」
シズカは「りょうかいです」と書かれたうさぎのスタンプを送り、スマホを置いた。
(わたし初めてなのに、みんなととんでもない約束しちゃったのかも……!)
レンタローファミリー家族会議のことを思い出すシズカ。レンタローの彼女たちはそれぞれ自分が初めてを担当するプレイがあり、シズカはコスプレの担当となっている。さらにハカリの提案で、コスチュームにあわせたロールプレイングをしながらエッチをすることになっているのだ。
(せっかく台本まで用意してもらったんだから頑張らなきゃ……!)
台本といっても全てのセリフがきっちり決まっているわけではなく、ロールプレイの設定やエッチまでの持っていきかた、行為中にレンタローを喜ばせる言動などをリストアップしたものであり、メルとマイとハカリによって作られたものである。まずメルが書き下ろした王子とヒメのメルヘンな設定をベースに、まいが女性的に"めっっぢゃいい"感じに仕立て、そしてハカリの手によって男が喜びそうな要素を入れて仕上げた究極の台本。そのPDFが今シズカのスマホに入っている。シズカはその台本を何度も読んでイメトレを重ねる。
(恥ずかしいけど……台本のおかげでどうやってはじめたらいいかには困らないからそれはいいことなのかな……?)
テコン!
(……わっびっくりした!レンタローくんからだ)
気づけば電話の約束の時間になっており、彼からメッセージが入っていた。
(ついに伝えるときがきちゃった……!)
「もしもしシズカちゃん?10時になったけどいま大丈夫?」
「問題ないでやんす」
「よかった、えっと、今週末ってハハリさんに呼ばれてる件だよね?新しい衣装ができたからそれ着て一緒に写真撮ろうって約束の。」
「その通りなのであった」
「シズカちゃんはおヒメ様みたいなドレスなんだよね?どんなのか楽しみだな〜」
「……。」
「……?シズカちゃん?どうかした?」
「……その日の撮影会というのは、実は、我々が花園家で会うための、口実なのであった」
ドキドキしながらスマホを操作するシズカ。
「……?こ、口実……?」
淡々としているはずの機械音声から彼女の動揺を感じ取るレンタロー。
シズカは言葉を続ける。
「説明しないといけないことがあります。しかし少し心の準備をする時間がほしい」
「うん、待つよ」
(うわぁっ……つ、ついにハナシを切り出しちゃった……言わなきゃ……そういうことするって言わなきゃ……)
(……!も、もしかして、順番的に次はシズカちゃんとエッチする番だけど、そ、そういうことなのか!?いや待て早まるな俺……ちゃんと彼女の話を聞くんだ……!)
フタリはドキドキしながら無言で電話を握りしめている。自分の心臓の鼓動が電話越しに伝わっていないか不安になる。
「……この前、カラネさんから最近のデートの件を聞きました」
「えっと、小動物カフェに行ったときのことかな?」
「はい、レンタロー君に似たウサギと、カラネさんに似たハリネズミがいたそうですね、私も見てみたいと思いました」
「うん、じゃあそれはまた別の日に行ってみよっか」
「はい、それで、、、、」
少しまがあく。
「……その日の夜のことも聞きました」
「……えっ、あっ、そ、そうなんだ……」
レンタローの心臓が跳ねる。
「ウサギとハリネズミが……"なかよし"するハプニングがあって気まずいデートになりそうだったけど最終的にはとてもよかった、とカラネさんが言ってました」
「そ、そっか……」
ニヤけてしまいそうなのをこらえるレンタロー。
「それで、順番的には、次は私なのです」
「……うん」
「そういえば、小動物カフェのレンタロー君に似たウサギは、小柄なウサギとも……"なかよし"……していたとききました」
「あっ、それも聞いたんだ、そんなこともあった……かな……うん……」
「……レンタローくんも、小柄なウサギはお好きかな?」
「……えっと、それって、そういうこと?」
ピコン。
YESのスタンプが送られてくる。
「……うん、小柄で愛らしいシズカちゃんとも、俺は愛を確かめ合いたいよ」
できるだけ下品にならないように気の利いた返事を試みたレンタローだったが、心臓バックバクである。
「よかったです。実は皆さんに協力してもらって、私たちの……初夜、、、は、衣装を着てロールプレイングすることを計画しているのです」
その後通話にハカリが参加し、計画のあらましが彼女によって説明された。
「と言うわけでこの台本にしたがっておふたりにはエッチしてもらいます♡あとで感想聞かせてくださいね〜♡」
ハカリからレンタローに台本が共有された。
「なるほど。これを頭に入れた状態で俺たちは、そういうことするんだね?難しそうだけど……でもちょっと興奮するかも?なんてね」
冗談混じりにあえて欲をちらつかせるレンタローであった。
「……というわけで、私、ヨシモトシズカがレンタローくんに提供するハジメテは……コスチュームプレイです」
電話越しの機械音声にも関わらず、その声はなぜか恥ずかしげに聞こえた。
「メロメロにしてやるぜ」
「……はい、シズカさん、できましたよ」
シズカは妹に髪のセットとメイクをしてもらい、鏡を渡された。鏡に写っていたのは、見事に癖毛を整えられた自分。プリンセス衣装に似合う髪型になっていた。具体的な髪型は、読者ちゃんのお好きなものを想像して読んでほしい。
「ありがとう、完璧です」
「ふふ、よく似合ってますよ。ではあちらでレンタローさんを待ちましょうか」
2人はハナゾノ親子のいる部屋へ移動した。
「ほんぎゃああああああ!!!!」
部屋に入るやいなや、ハハリが聴き慣れた声をあげる。
レンタローはまだ着替え中のようで、部屋にはいない。
「わあ!よく似合ってますよシズカさん!」
はかりがまともなトーンでシズカを褒める。
「このように美しいお召し物をご用意していただけて、なんと感謝を申し上げて良いやら」
長めの文章をまるごと引用するシズカ。
「いいわよいいわよ私が見たかったんだから♡いっぱい写真撮らせて〜♡」
といいつつすでにパシャパシャと一眼レフをしばたたかせているハハリであった。
「みなさま、お待たせしました」
しばらく談笑していると、王子の衣装をまとったレンタローを連れて、メイが部屋に戻ってきた。レンタローの衣装も読者ちゃんのご想像にお任せしよう。ちなみにレンタローは、シズカの準備に時間がかかることを見越してシズカより後に花園家を訪れており、今日はまだシズカに顔を合わせていない。
「こんな感じになったんだけど、どうかな似合うかな……ってほんぎゃあああ!!!!!」
シズカの姿を見たレンタローが、ハハリ同様にスットンキョウな声を上げる。いつものようにすっとんでリアクションを取りそうになったが、服が乱れそうなので踏ん張った。
(別に後でもっと服が乱れることするでしょうに……)
思ったことを口に出さず心にしまったハカリであった。
2人が揃って撮影会が始まった。と言ってもちゃんとした写真をメイが数枚撮った後、ハハリがパシャパシャと好き勝手にとりまくるだけである。
しばらくして息を荒らげたハハリが尋ねる。
「ねぇレンタローちゃん……ヒメと王子のキスって写真映えすると思うんだけど……どうかしら……?」
「もうハハリさんったら、確かに俺たちはたくさんキスしてますけど、見せ物じゃないんですから……一回一回のキスを俺は大事にしたいんです。でもシズカちゃんがよければ撮影しても……んぐっ!?」
シズカがレンタローに不意打ちキスを決めた。
「うおおおおトレダカトレダカ!!!!!」
「ふぅ……いっぱいいいのが撮れたわね……」
満足いくまで撮影を終えたははりが
落ち着きを取り戻すと、
場の雰囲気は急にしんとなった。
いたたまれなくなったシズカが、ハカリに目配せする。
シズカのアイコンタクトをキャッチしたハカリが
口を開く。
「さてさて、お母様が満足されたようですし、
そろそろ今度はお二人がマンゾク♡するお時間ですね♡」
(わ……ついにわたしほんとにこの格好でレンタローくんと…!)
(やばい、心臓はち切れそうだ俺……!)
2人は互いの顔をチラッと見て、目が合うと
さっと視線を逸らし、顔をマッカにした。緊張で震えるシズカに、はかりがささやく。
「大丈夫ですよシズカさん。レンタローくんとのエッチは……とってもキモチイイですから♡」
それを聞いて余計に顔をマッカにするシズカであった。
「ではお2人さん、ロールプレイングの準備は大丈夫ですか?」
「う、うん、俺は大丈夫!」
「お、おいらも覚悟が決まったでやんす!」
「あっ、ではマイも案内の準備しますね!」
一同の準備が固まった。
どすけべロールプレイングが幕を開ける。
設定はこうだ。
ある王国のヒメは絶世の美女であり、多くの国から求婚の申し出があった。そしてヒメ本人の意志に関係なく、ヒメの婚約相手は国の上層部に決められてしまった。いわゆる政略結婚である。ヒメの夫となる男はA国の王子だが、2人には一切面識がなく、ヒメは結婚に乗り気ではない様子。
A国の王子との婚姻の儀の日が近づいたある日、この政略結婚をよく思わなかったB国によってヒメは攫われてしまい、牢に幽閉されてしまう。牢屋の近くにはB国が飼い慣らす魔物がおり、取り返すのは困難。B国はA国に取引を持ちかける。
しかしA国は取引に応じず、腕の立つ者にヒメの奪還を命じる。多くの者が魔物に敗れる中、A国の属国である小国、C国の王子が巧みな剣術で魔物を倒し、見事ヒメの奪還に成功する。そしてヒメとC国の王子は惹かれあってしまった。そのヒメ役がシズカ、王子役がレンタローということである。
C国の王子がヒメを連れて帰る道中、宿に立ち寄る場面から話は始まる。
(えっと、俺から何かセリフを……)
「ヒメ、お疲れではないですか?今夜はこの街の宿に泊まりましょう」
「ありがとうございます」
レンタローがあたりを見渡し、近くに立っているマイに話しかける。
「失礼、この街で警備のしっかりした宿を探しているのですが」
「まぁ、それでしたらうちの宿はいかがですか?最近夜に魔物が現れるので、夜間の警備はバッチリですよ」
「なるほど、それはいい。では最も等級の高い部屋を1つと、最も安い部屋を1つ用意していただけますか」
「かしこまりました」
花園家の長い廊下を歩き、ゲストルームの前へついた。
妹の案内に連れられ、ゲストルームの中へ入るフタリ。
「こちらがウチで最も等級の高い部屋でございます。2部屋となりが、一般等級の部屋となっています。こちらが部屋の鍵です。それではごゆっくりおやすみください。」
「ありがとうございます」
妹がシズカにニヤッとしながら目配せして、そっとゲストルームのドアを閉めて退出した。
「ヒメ、こちらの部屋でお休みください。」
「でもよいのですか?路銀にも限りがあるでしょう」
「しかしヒメを安い宿に泊まらせるわけにはいきませんから。」
「では、お言葉に甘えます」
シズカはベッドに腰掛ける。
「それでは私は別の部屋で休ませていただきます。何かありましたらお申し付けください。」
レンタローが部屋を出ようとすると、シズカが立ち上がり、彼の裾を掴む。
「待ってください」
「どうされました?ヒメ」
「……1人は不安です。今夜は同じ部屋に泊まってくださいませんか?」
もじもじしながら潤んだ目で彼を見つめる。
「なっ……!婚姻の儀を控えたヒメと相部屋などすれば問題になってしまいます!警備のしっかりした宿を選んでいますから、どうか……」
「それでは、眠るまで話し相手になってもらえませんか?」
「そもそもヒメの部屋に長居すること自体怪しまれてしまいます……!」
「……では私の方からあなたの部屋に押しかけようかしら?そうすれば王子は等級の低い部屋で私と同衾したことになりますね」
ニッと笑うシズカ。
「なっ……わ、わかりました。まだ外が明るいですし、日が沈むまでであればこの部屋に私もいるとしましょう……」
「ありがとうございます。ほら、立ってないで腰かけてください。私よりお疲れでしょう」
「恐れ入ります」
2人は少し距離を空けて、ベッドに腰掛けた。フタリの間に沈黙が流れる。
「レンタロー王子、話を聞いてくださりますか」
「はい、なんなりと」
「……私、帰りたくないんです……」
「どうしてですか!?」
「婚姻の儀があるからです」
「A国は大国です。きっとヒメもご満足いくと思いますが」
「それでも私はA国の王子がどのようなかたなのか一切知りません。そのようなかたの伴侶になるより、もっと気心の知れたかたと一緒になりたいと思ってしまいます」
しばらく沈黙の後、シズカが再び端末を操作する。
「……例えば……レンタロー王子……とか……」
「わ、私ですか!?そんな畏れ多い!わたくしめではとてもヒメとは釣り合いません!」
「そんなことはありません。A国の属国とはいえ、あなたも王子でしょう?それにあなたは見事な剣捌きで私を救ってくださいました。私はそんなあなたに……恋心をいだいてしまったのです。」
「ヒメ……しかし私はA国からのメイレイでヒメを助けに来たのです。そのヒメを私が寝とってしまうなど大問題になります」
「せめて今夜だけでも……思い出をつくらせてもらえませんか?」
シズカはレンタローの膝に手を乗せて身を寄せる。
「なりません、ヒメ!」
「……私のことはそういった目で見られませんか?」
「いえ、決してそんなことは!むしろ、その……もし身分が釣り合えばあなたのような方と一緒になれればどんなに幸せかと空想することは……ございます……」
「ふふ、嬉しい」
シズカが微笑む。
「誰も見ていないんですから、口裏を合わせるだけでうまくことが運びますよ。それに、私は一国のヒメ。来たるときに備えて殿方を喜ばせる技術を身につけております。体験してみたくはありませんか?」
シズカがヨウエンな表情で膝を撫でる。
「そ、それは……」
たじたじになるレンタロー。
「もう……女性に恥をかかせるおつもりですか?それでは、あなたに従属の魔法をかけましょう。ベッドに横になりなさい」
シズカがレンタローの前に立ち、手をかざす。
「……ううっ、あらがえないっ……!」
レンタローはベッドの上で仰向けになった。
その上にドレスのスカートをひらつかせてまたがるシズカ。
「まずは、私を助けてくださったお礼をさせてください」
レンタローは息を呑んだ。
「腰を上げてください」
シズカがレンタローの腰に手をかけ、ゆっくりとシタバキをおろしていった。するとレンタローのイチモツがあらわになった。
「……。……ッ!」
「……シズカヒメ?」
シズカは今の今まで役に入り込んでいたが、レンタローのレンタローを前にして、急に我に帰ってしまった。いつぞやのハナゾノケの浴場で見てしまった事故が脳裏によぎった。
(……わっ私いまとんでもないことしてる……!ほんとにわたしなにしてるんだろう……!)
見る見る自分の顔がほてっていくのを感じるシズカ。
(えっと、とにかくハカリさんから聞いたことを実践しなきゃ!)
おそるおそる手を伸ばし、シズカは彼の股間にそっと手を触れた。
(わっ……し、シズカちゃんが俺のアソコに触れてる……!)
レンタローの心臓の鼓動が速くなる。
シズカはヒメの衣装に似合うサテンの手袋をつけている。指先が通電する特注のもので、手袋をはめたままスマホが操作できる優れものだ。その手袋をはめたまま、右手で彼のイチモツを握った。そして上下に動かし始める。
「……いかがかな?」
左手で端末を操作し、レンタローに尋ねる。
「あっ……きもちいいよ……」
サテン生地のサラサラした感触に思わず声が漏れるレンタロー。
しばらくしてシズカが尋ねる。
「殿方は、手だけでなく、口でも刺激されたいものだと、教えを受けています。レンタロー王子もそうなのですか?」
「え?あ、その……はい、、、でもそれは、ヒメは禁じられているのではないですか?」
フェラチオはクルミとの初夜までおあずけのはずである(過去話参照)。
「すみません、どうしても気になったので聞いてしまいました。ご存知の通り暴食の魔女にコウインを禁じる魔法をかけられています」
「暴食の魔女って……笑」
彼女の言葉選びについ笑ってしまう。
「ですがかわりとして、こんなのはいかがかな?」
シズカが顔を近づけ、レンタローの陰茎に頬擦りをした。
(わっ……シズカちゃんのほっぺた……ぷにぷにした感触が伝わってくる……!)
シズカはペニスの側面を擦りながら、自分の頬に押し当てる。頬に熱い感触が伝わってきて、自分の頬が赤くなっていくのを自分で感じる。なおすけべな読者諸君ならご存知の通り彼女の頬の感触はカラネの胸と似ており、このシーンでレンタローは擬似的にカラネのパイズリを受けていることにもなる。エロ〜い。
「いかがかな?いかがかな?」
上目遣いで彼を見つめながら手のスピードを早めていく。
(くっ……かわいいっ……!)
刺激こそ強くないが、慣れない感触と視覚的なエロさに興奮が高まるレンタロー。
「ヒメ、とても気持ちいいのですが……そのままではヒメの顔にかけてしまいそうです……!」
「なるほど、そろそろ出そうなんですね。では仕上げといきましょうか」
シズカはスマホを置き、レンタローに背を向けて彼の腹部に跨った。ボリュームのあるスカートがめくれてレンタローの顔にかかる。
「わっ、シズカちゃ、じゃなかった、ヒメ、スカートが……!」
スカートに潜ったような形になったレンタローの目の前にはシズカのお尻があり、純白のパンツが丸見えになっている。
「ご堪能あれ」
シズカは右手の手袋を外し、レンタローの股間に被せ、手袋ごしにペニスを握る。そして左手は睾丸に添える。自分の股間がどうなっているか見えておらず戸惑うレンタロー。
「ヒメ、何を……ってうおっ!?」
シズカは無言で右手を激しく上下に動かす。シコシコ……シコシコ……。そして彼女の左手が睾丸をサワサワと優しく撫で回す。手袋の通電部分の素材が一味違った刺激を陰嚢に与える。ハカリから教えられていた彼の弱点を丹念に攻める。サテン生地が亀頭付近を撫でまわし、シズカの爪が睾丸をカリカリ掻き回す。
「ああっヒメ!!そのままでは出てしまいます!あっ……手袋の感触やばいっ……あっダメだもうこれ出っ……!」
シコシコシコシコ!!
カリカリカリカリっ♡
「ああっ!!ヒメ!出ますっ!!!!」
レンタローはシズカの手袋の中に精をはなってしまった。シズカは手の中で彼の脈動を感じ、彼をイカせられた喜びと恥ずかしさでいっぱいになった。
射精が落ち着いて手袋を持ち上げると、白い液体が少し垂れた。それを手に取ってまじまじと見てしまうシズカ。
(……こ、これがレンタローくんの……これがわたしのお腹に入ったら……って私、何考えてるんだろう……!)
「シズカヒメ?そんなに出したものを見られるとなんだか恥ずかしいです……」
「し、失礼した!」
シズカはとっさに立ち上がって手を拭い、汚れた手袋を脇へやった。レンタローも起き上がり、2人は向き合って座った。
「すみません、お召し物を汚してしまって……」
「いえ、はじめからこうするつもりでした。手袋は道中でなくしたことにします。それより、わたしの技術はいかがでしたか?」
「その……とても気持ちよかったです……」
ハカリとカラネとの初夜でのゼンギではイかせてもらえなかったため、実際に非常に満足感を覚えているレンタローであった。
「では、その……お礼をいただけませんか?」
シズカが目を瞑る。
「ヒメ……好きです……」
2人はキスを交わした。
しばらくの抱擁の後、レンタローが口を開く。
「ヒメ、大変もったいない体験をさせていただきました。しかしやはりこれ以上同じ部屋にいては怪しまれます……」
「……自分だけ気持ちよくなっておいて、私をおいて部屋を去るのですか?」
「そ、それは……」
「先ほどあなたは自分の意思でキスを返してくれました。さらにあなたのお礼が欲しいのです」
シズカは彼の手を握ってスカートに突っ込ませた。シズカの華奢な太ももの付け根にレンタローの手が触れる。
「……私のここも、その……気持ちよくしてくれませんか?」
「……わかりました」
(めちゃくちゃグイグイくるヒメだな……)
ドギマギするレンタロー。
レンタローは両手をスカートに入れ、パンツに手をかける。彼女が腰をうかし、するすると下着を下ろす。そしてスカートの裾から白い下着が覗く。
「殿方はこういうのがお好きと伺っています」
シズカはパンツを脱ぎ切らず、片足にかけたままの姿になってベッドに寝そべった。
「……では、失礼します」
レンタローがスカートの中で手を動かし始める。太ももを下からツツツ……と滑るように撫でる。
(……ッ!えっちなところ触られてる……!)
太ももに彼の温かい手が這い回るのを感じるシズカ。
スリスリ……スリスリ……
彼女の割れ目に沿ってレンタローが指を滑らせる。しばらくすると手探りで陰核を探し当てられる。
「ヒメ……このようなのはいかがですか?」
レンタローが彼女のクリトリスを指先で弄び始めた。撫でたりそっとつまんだりして軽めの刺激を与える。
「……あっ……」
地声が少し漏れるシズカ。彼女の肉声を聞いて興奮したレンタローが少し刺激を強める。クリトリスを右手の指先でトトトトッとつつく。
……ピチャピチャピチャ……
シズカの股間から音がし始めた。
「ヒメ、もしかして濡れていますか?」
シズカは無言で顔を覆い、体をくねらせる。
「ご自分で指を入れたことはありますか?」
フルフルと首を振るシズカ。咄嗟に否定したが、本当は大学生になってからはハカリに勧められた本を読んで一人でするようになっていたため嘘である。シズカちゃんも大人になったね。
「では小指から入れてみましょうか」
レンタローが割れ目に小指を走らせて穴を探す。
つぷっ……つぷぷぷ……
(レンタローくんの指が入って……!)
体をついこわばらせてしまうシズカ。
「痛いですか?」
「いえ、大丈夫です、でもちょっと恥ずかしくて緊張してしまっています」
「なるほど、では緊張をほぐしましょうか」
レンタローが手を止めてシズカを抱き寄せ、頭を撫でる。
(レンタローくんに撫でられるの……好き……)
目を瞑り、彼に身を任せてリラックスするシズカ。
(ほんと小動物みたいで可愛いんだよな……)
そう思いつつ再度手をスカートに潜らせる。今度は薬指を入れる。
ちゅぷちゅぷちゅぷ……
ぴちゃぴちゃぴちゃ……
しばらくして指が抜かれ、中指が入ってくる。彼の男らしい大きな手の一番長い指が彼女の膣内をまさぐる。
(あっ……自分の指じゃ届かないところ刺激されて……うそっ、そこ気持ちいいかも……)
「王子……そこ……もっとください……」
「ここが良いのですか?かしこまりましたヒメ」
レンタローが一定のリズムで奥のほうの膣壁を撫で回す。
(私のいちばん敏感なところ……レンタローくんの指じゃないと届かないところにあったなんて……き、気持ちいいっ……)
息を漏らすシズカ。
「ヒメ、私に身を任せて気持ちよくなってくださいね」
甘く囁くレンタロー。刺激するペースを変えないまま愛撫する力を少し強める。
(あっ……私……好きな人にナデナデされながら……おなかの中かき回されて……気持ちよくなっちゃってる……私はじめてなのに……レンタローくんの手でイっちゃうっ……!ああっ……!)
シズカが腰をびくつかせはじめた。
ビクッビクッビクッ……!
彼の腕に抱かれて体を小刻みに痙攣させる。
「ヒメ……もしかしてイきました?」
両手で顔を覆って頷くシズカ。
(うおお彼女をイかせた!)
内心テンション爆上がりのレンタロー。しかし絶頂に戸惑っている彼女の前でそれを態度に出さないようにする。
「ヒメ、顔を見せてください……」
レンタローが彼女の顔を覆う手をどかす。マッカでとろとろになっている彼女の顔があらわになる。
「ヒメ……可愛いです……!あっそうだ!」
彼女をひょいと持ち上げ、おヒメ様抱っこをする。
「こう言ったシチュエーションいかがですか、ヒメ」
大好きなレンタローが王子の格好をして自分をオヒメサマ抱っこしている……シズカにとって憧れのシチュエーションに他ならない。
(ああ好きっ……私の王子様……)
シズカは目を瞑る。
「愛しております、シズカヒメ……」
2人は口付けを交わした。
ぽーっとした彼女に下着を履かせてそっとベッドに戻し、身なりを整え始めるレンタロー。
「ヒメ、申し訳ありませんがここまでにしておきましょう。これ以上は本当に後戻りできなくなります。私は自分の部屋に戻りますね。よい思い出を頂けました。これは我々の中の秘密にしておきましょう……では。」
立ち上がり去ろうとするレンタロー。
ハッと我に帰るシズカ。
レンタローの裾をつかんで引き留める。
「待ってください……!ここまでしておいてやめるんですか?」
「そ、それは……私も惜しいです。でも理性が働くうちに辞めておかなければまずいです。ヒメも国を追われるかもしれませんよ!?」
「それでも私はあなたと結ばれたい。私を救ってくれたあなたとなら、どこででも暮らせます。だから……既成事実、作ってしまいましょう?」
レンタローににじりより、彼の股間にそっと手を触れる。
「手だけでは満足できません……王子のこちらの剣術も、味わわせてくれませんか?」
(うわああっ言っちゃったああっ!!!)
顔面がオーバーヒートしそうなシズカ。
(うおおっ!!おねだりキタぁっ!!!)
興奮が最高潮に達するレンタロー。
バクバクと脈打つ心臓を落ち着けようと深呼吸し、レイセイに演技を続ける。
「な、なりません、ヒメ……!」
「ここまでのことをもし宿の者に知られていたとしたら、もう同じようなものではありませんか?」
食い下がるシズカ。
「……たしかにここまでやってしまっては……いやしかし……」
据え膳になかなか箸を伸ばさない彼に痺れを切らしたシズカは、強硬手段に出た。
「では、我が王家に伝わるチャームの魔法を」
シズカはレンタローの両頬に優しく触れ、唇にキスをした。
そして彼女はどこからともなくゴムを取り出し、ぎこちない動きで彼の股間に被せた。
「これであなたは私と交わりたくてたまらなくなります」
そう言ってシズカはレンタローに微笑みかけ、ベッドに再度横たわった。
(わっ、わたしやっぱりとんでもないことをしてるんじゃ……!)
自分の行動に顔をマッカにするシズカ。
(でもここまで来たら覚悟決めなきゃ……!)
シズカはドレスのスカートをたくし上げ、下着を見せて膝を立て、彼を誘う体勢に入った。
「ほらほら、どうですか王子?」
その様子を見て唾を飲むレンタロー。
「くっ……!ヒメのチャームにあらがえません……!」
レンタローがまたシズカの下着に手をかける。
(ああっ……私ついに大事なところ見られちゃう!)
シズカは顔を隠して腰を上げ、下着を脱がされた。
(私ついにレンタローくんと……!)
(可愛い可愛いシズカちゃんとついに……!)
2人の鼓動が最高潮に達する。
「……シズカヒメ……」
「レンタロー王子……」
2人はもう一度キスを交わした。
「ヒメ、行きますよ……」
レンタローはシズカの割れ目に自分の肉棒を擦り付け始めた。
(シズカちゃんは小柄だからカラネ以上にナカが狭いかもしれない……少し力を入れないと入れにくいかな?でも痛くしないように気をつけないと……)
そう思いつつ少し強めにレンタローが腰を動かそうとすると……
……ずぶずぶずぶっ!!!!
「……ああうっ!!」
「うおっ!!!??!?!?」
シズカの膣内は思いの外ほぐされており、レンタローの熱い剣はいとも簡単に奥まで飲み込まれてしまった。
「……あ……あう……」
突然の感覚に思わず声を漏らすシズカ。
「ごめんシズカちゃん、力入れすぎて一気にはいっちゃった……!」
慌てて素に戻ってしまったレンタロー。それに気づいたシズカは目に少し涙を浮かべつつも端末を操作する。
「……少々驚きましたが問題ありません。それよりヒメに向かってちゃん付けとは何事か」
シズカは痛みを堪えながらも演技を続けるよう促した。
「……!はっ、し、失礼しました、ヒメ。しかし勢いよく剣を突き立ててしまったのでいちど仕切り直した方が良いかと存じます。いったん抜きま、、、ってあれっ……!?」
ペニスをゆっくり引き抜こうとしたレンタローは股間の感触に衝撃を受けた。軽い力では抜けないのだ。
「……抜けない……!?すみません、ヒメ、また少し力を入れますね……」
ぐぐぐ……ずろろろろっ!!!
「うおおおっ!?!?」
シズカの下半身の吸い付きにあらがって無理矢理引き抜くと、レンタローの陰茎全体をつかんで逆撫でするような強烈な快感が走った。たまらず再度奥まで挿入してしまうレンタロー。
(なんだこれっ……!フタリのと全然違うっ……!)
すでにフタリ抱いたことでおよそ挿入の感覚を知った気になっていたレンタローは油断していた。
(2人もめちゃくちゃ気持ちよかったけど……シズカちゃんはまた違う方向性の感覚だっ……!)
ハカリはふわとろ、カラネはキツキツ、そしてシズカはしがみつくような強烈な吸い付きを誇る名器を有していたのだ。みんな違ってみんなエロい。
「……っ!気持ち良すぎるっ……!すみませんヒメ、ヒメのチャームが強すぎてあらがえませんっ……!」
挿入状態で身動きが取れなくなるレンタロー。2人は感覚に慣れるまでしばらくハグを交わした。
しばらくしてシズカのスマホから声が出力された。
「王子……お伝えしたいことがございます」
「ヒメ……なんでしょうか……今の私はチャームにあらがえず正気ではありませんが、出来る限りのことはいたします……!」
快楽に悶えながらレンタローは返事をする。
「そのチャームのことです」
「はい……?」
「実は私はチャームの魔法をかけたわけではありません。」
「!!!!!」
「私はただ、あなたに言い訳を与えただけなのです。つまりあなたは100%自分の意思で、私と交わることを決めたのですよ……♡」
「そっそんなっ……」
「魔法のせいになんかして……本当は私のカラダが欲しかったんですね……♡」
シズカがしてやったりな顔で彼を見つめる。
「……レンタロー王子のエッチ♡」
「なっ……!」
一瞬取り乱したレンタローだったが、その言葉で逆にスイッチが入ってしまった。
「いけません、ヒメ……」
「えっ……?」
レンタローはシズカの肩に手をかけ、彼女の服をずり下ろした。シズカの胸元があらわになる。
小さな胸ゆえに、充血してたっている乳首がよく目立つ状態だ。
「ひゃっ……!」
「かのシズカヒメがそのように男を誘惑するふしだらな女とは思えませぬ。これはきっと淫魔が取り憑いているに違いありません」
「違います私はただあなたと……」
(淫魔!?そっそんなの台本になかったような……!)
実は彼らはそれぞれ少し違った台本を渡されていたのだ。序盤はシズカが強く出る描写を散々入れておいて、挿入シーンになったら一転攻勢、レンタローが彼女をかき乱す。しかしシズカは自分が優勢な台本を渡されているので負けじと強く出続ける。そしてフィニッシュに向かって彼らはヒートアップしていく。このどすけべ台本の総監督、ハカリの完璧な計画である。
「淫魔を祓うには性的に満足させてしまうのがいちばん手っ取り早いのです」
急にノリノリになったレンタローがいきなりシズカの両の乳首をきゅっとつまんだ。
急に敏感なところをせめられたシズカは表情を歪めるも、声を漏らさず、
スマホを操作して反応する。
「いきなり弱点をねらえばいいものではないぞ」
ちょっとムッとした表情のシズカが上目遣いで彼を見つめる。
調子に乗りすぎたことに気づくレンタロー。
「失礼しましたヒメ。私としたことが。ここからはシズカヒメが安心してきもちよくなれるよう精進します」
(び、びっくりした…)
突然乳首に触れられたことに動揺し、まだ落ち着かないシズカ。
思わず胸元を押さえてドキドキしていると、レンタローの手が自分の頬に触れた。
(あっ、あったかい…)
「ヒメの肌はまるで絹のように美しいですね…」
レンタローの男らしい手が彼女の頬をなでる。
(レンタローくんの手、大好き…)
シズカはおもわず自分から彼の腕にすりよった。
(かっ、かわいすぎるっ……!こんなの我慢できないっ……!)
レンタローは彼女の両肩あたりに肘をつくような体勢で前のめりになった。
「シズカちゃ、じゃなかった、シズカヒメ、動きますよ…」
レンタローが腰を前後に動かし始める。
「好きに動いてください♡」
ずろろろろっ、ぶちゅっ……ずろろっ、ばちゅっ……
引き抜いては押し込む動作を繰り返す。吸い付く感覚がたまらず、息が荒くなるレンタロー。イきそうになり、いったん完全にペニスを引き抜き、胸をせめることにする。
「ヒメ……ヒメ……!」
彼女の胸を両手で覆う。可愛らしい小さな胸だが、確かに女性らしいふくらみがあり、それをゆっくり揉みしだく。
(……ゴツゴツした男の子の手で……私の胸が……!モミジさんに触られてるときと違ってなんだか頭ふわふわする……!)
「ヒメ、我慢できません、失礼します!」
そう言って彼は彼女の胸に顔をうずめる。しばらくして舌を這い回らせ、乳首を優しく舐める。
「ふふ、王子、なんだか可愛いですよ♡」
今度はシズカがレンタローを撫でる。
「たまりません、ヒメ!」
レンタローは再度挿入し腰を動かす。シズカの膣内は先ほどよりもっと濡れており、早く動かせるようになっている。
「はぁっ…はぁっ…ヒメ、私はもう限界ですっ…!」
レンタローは息をあららげ、射精のときが近いことをつげる。
「わかりました。では思う存分気持ちよくなってくださいませ♡」
シズカはスマホをわきに起き、両手を彼の背中に回してゆるいハグをした。
「イキますよっ!シズカヒメっ!シズカヒメっ!」
レンタローがフィニッシュに向けて腰の動きを速める。
じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽっ!!!
(吸い付きヤバいっ吸い付きヤバい!腰止まらない、イクイクイクっ……!!)
すると突然シズカがぎゅっとレンタローにしがみつき、耳元に顔を近づけた。
「れれ、れんたろくんっ、すきっ♡」
シズカは急にヒメとしての演技をやめ、地声で愛を囁いた。
「えっちょっ!?シズカちゃんそれはズルいってっ!あっ……!!♡」
限界までこみあげていた感覚が彼女の声を皮切りに暴発し、レンタローは思い切り射精した。彼女の華奢な体を強く抱きしめつつ、股間の脈動が放つ快楽に身を任せる。
「あっ…めっちゃ出るっ…!きもち良すぎるっ!ああっ!」
「すすす、すきっ♡すきっ♡れれんたろくん♡れんたろくん♡」
「くっ!くああっ!」
彼女の温かい膣内の感覚を噛み締めつつ脳内で反響する彼女の声に溺れ、レンタローは彼女の奥で果てたのだった。
「はぁ……はぁ……っううっ……」
余韻に浸るレンタローに突然眠気が襲う。はかからのときと違いゼンギで一度出しているため彼にも疲れが出たようだ。
「どうされました、王子」
「大丈夫、ちょっと眠くなっただけ……もしまだシズカちゃ……ヒメがご満足でなければ動けますし、会話を続けることも……も……問題ありませ……ん……自分が満足するだけしておいて行為後のケアをしない男は……クズ……」
「ご無理をなさらないでください。殿方が奥義を発動した反動で賢者にジョブチェンジし昏倒するというのは耳にしております。ハカリヒメとカラネヒメも王子が眠気を抑えてお話をしてくれてなんだか可愛かったと言っておりました。」
「2人がそんなことを……じゃあシズカヒメもお話を……」
「いいえ、私のことは気になさらず寝てください。お疲れでしょう」
「……でも……。」
「……私がおやすみのキスをしてみたいのです。レンタロー王子はしたくありませんか?」
シズカは機転を効かせ、“寝ていい”ではなく“寝てほしい”というニュアンスの言葉を選んだ。
「……!……ありがとう……じゃあお言葉に甘えるね……」
2人は軽くキスを交わす。
「おやすみ……シズカヒメ……」
「はい、ごゆっくりお休みください、レンタロー王子」
シズカに見守られながらレンタローは眠りに落ちていった。
「寝顔、写真に収めたりしましたか〜?」
「……!その発想はなかった」
ここはハナゾノケ大浴場。レンタローが寝ている間に、シズカはハカリ、ナノとともに入浴中だ。彼との初エッチについて語り合う彼女たち。
「や〜ん♡いい話聞かせてもらいましたシズカさん!これは次も期待が高まりますね〜、ね、ナノさん♡」
「ナノさんや、緊張してるかい?」
「いえ、問題ない。そもそも付き合いはじめたばかりの頃は、男女交際で得られるものは子どもくらいだと……つまりはっきり言って肉体関係以外はほとんど無意味な関係性だと思っていた。だから最初から性交渉は考慮していた、キスも早かった」
「ひゅ〜♡さすが効率少女ですね〜♡」
「もう少女という年齢ではない。……ただ、子作りを目的としない性行為……愛を確かめ合うためのセックスというのは……当初からしてみると想定外。そこは少し不安かもしれない。性的なことは記憶に刻まれやすい……彼との嫌な思い出は作りたくない」
「ナノさんなら大丈夫ですよ♡」
「いい思い出が作れるはずだぜ」
風呂場で語り明かす彼女たち。昼過ぎに始まったヒメコスHは無事終了し、穏やかな夕暮れどきとなった。
「レンタローくん、レンタローくん」
「ん、ああ、すっかり寝ちゃってた、ってその格好どうしたの!?」
入浴を終えたシズカは体にタオルを巻いた状態で彼の前に現れた。
「こういうのはいかがかな?」
シズカがはらりとタオルをとる。
「わっ、ちょっとシズカちゃん!?」
さきほど彼女の素肌を見たばかりだというのに、レンタローは思わず目を瞑る。
「裸ではないですよ、目を開けてください」
おそるおそるレンタローは目を開ける。目の前にいたのは、初めてのプールデートのときと
同じ格好の彼女だった。
「そそれは…すっ、スク水っ!」
「初めてのプールデートのとき、レンタローくんは
スクール水着が尊いと言ってくれました。カラネさんとは水着で盛り上がったとも聞いています。ならばこのような姿でのプレイもお好きかと」
ごくっと唾を飲むレンタロー。
「も、もしかして、それ着てさせてくれるってこと?」
「はい♡」
シズカがベッドに入って彼にすりより、スマホを操作しながら上目遣いで彼を見つめる。
「コスチュームプレイ、続行でやんす♡」
その言葉を聞くや否や、レンタローが彼女を引き寄せて覆い被さり、2回戦が始まった。今度は最初から最後まで演技のないセックスであり、2人は一段と燃え上がるように心と体を交わした。ここの詳細は誰か他の人が書いてくれ。
「いや〜明るいうちからいっぱいしちゃったな〜♡」
シズカが眠っている間に風呂を借りることにしたレンタローは、彼女との行為を思い出しながら脱衣所でいそいそと服を脱ぎ始めた。
「さて、しっかり体洗わないと!いつでも身綺麗で清潔感ある彼氏でなきゃいけないからな!」
軽く服を畳みタオルを持って浴室のドアの方へ向かうレンタロー。
……ウィイイン……
ハナゾノケの浴場は自動ドアになっている(そのせいで巻き寿司状態のシズカがレンタローのレンタローをみてしまう羽目になった)。その問題の自動ドアをくぐると、旅館にきたかと思わせる規模の浴場が目の前に現れた。
「何度も使わせてもらってるけど相変わらずすごい広さだな……」
花園家特有のサイズ感にいまだに慣れず、つい見渡してしまうレンタロー。女性陣が使った後ゆえにやや濃い湯煙が浴室を覆っており、窓際の湯船付近はまるで霧に包まれたようだ。数秒経ってその白いもやの先で揺れ動く影にレンタローは気付き、よく見ようと目を細めて近づいた。
「ん?あれなんだ?……って、え、ちょっ!?」
突然慌てふためくレンタロー。その視線の先には……?
次回、大浴場で大欲情!
汚れてもすぐに洗えて効率的♡