※この作品はR-18です。

もし、ヒロイン達が『最後の一線♡』を超えたなら 〜キスシーンで終わり? 朝チュンでごまかす? …「お約束」で守られた純潔なんて、もう、いらない♡〜   作:のびすけ。

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化物語 戦場ヶ原ひたぎ編
ひたぎエンゲージ


(これは、阿良々木くんとわたしが、本当の意味で重さを分かち合う、そんな夜の、ほんの序章の物語)

 

学習机の椅子に腰かけた阿良々木くんの膝の上に、わたしは後ろ向きに座っている。

彼の体温が、薄いワンピース越しにじんわりと伝わってきて、なんだか悪いことをしている気分になるわ。

 

もちろん、これからするのは、とびきりいけないことなのだけれど。

 

「ねぇ、阿良々木くん」

 

わたしは首だけをゆっくりと彼の方へ向ける。

近い。

吐息がかかる距離で、彼の瞳が揺れているのがわかる。

 

「わ、わたしを…その、なんだ…全部、受け止める覚悟はできたかしら?」

 

(…なんて、古典的な言い回しだったかしら。まるで昭和の恋愛ドラマね)

 

(でも、今のわたしには、これくらいの言葉しか出てこない)

 

(だって、心臓がうるさくて、指先が痺れて、期待と不安で蕩けてしまいそうなんだもの)

 

阿良々木くんは、わたしの言葉に少しだけ目を見開いて、それから蕩けるように優しい顔で微笑んだ。

 

「覚悟なんて、とっくにできてる。戦場ヶ原が、俺に全部くれるっていうなら…俺は、全部もらうよ」

 

彼はわたしの腰に回していた手を、そっと頬に添えてくる。

ごつごつしているけれど、あたたかくて、大きな手。

わたしの全てを暴いて、そして全てを許してくれる、優しい手。

 

そのまま、吸い寄せられるように、唇が重なった。

 

最初は、触れるだけのやさしいキス。

まるで壊れ物を扱うみたいに、そっと。

かわいい、お子様みたいなキス。

 

(…ふふっ、かわいいのは、阿良々木くんのほうよ)

 

(そんなに緊張しなくても、わたしはどこにも逃げたりしないのに)

 

わたしは彼の首に腕を回して、ぎゅっと抱きしめる。

もっと、阿良々木くんを感じたい。

彼の匂い、彼の心臓の音、彼の熱…わたしの全てを、彼の情報で満たしてしまいたい。

 

「ん…♡」

 

応えるように、彼の舌がわたしの唇をこじ開けて入ってきた。

さっきとは違う、深くて、濃密なキス。

 

角度を変えるたびに、くちゅ、と微かな水音が響く。

脳が痺れて、思考が真っ白に塗りつぶされていく。

 

(だめ…こんなキスだけで、腰が抜けちゃいそう…♡)

 

唇が離れたときには、どちらのものか分からない唾液の糸が、きらりと光って垂れていた。

はぁ、はぁ、と彼の荒い息遣いが耳をくすぐる。

 

「戦場ヶ原…」

 

掠れた声でわたしの名前を呼んで、今度は耳たぶに唇を寄せた。

 

「ひゃぅっ…♡」

 

ちゅ、と吸われて、思わず猫みたいな声が出た。

ぞくぞくと背筋を駆け上がっていく、甘い疼き。

全身の力が抜けて、彼の腕に体を預けるしかできなくなる。

 

(…ああ、もう、だめ)

 

(わたしの知らないわたしが、どんどん暴かれていく)

 

(阿良々木くんが触れるたびに、わたしの身体が、わたしのものではなくなっていくみたい…♡)

 

彼の顔が、わたしの首筋を、鎖骨を、ゆっくりと下っていく。

その唇が次にどこへたどり着くのか、わたしはもう、予感していた。

心臓が、破裂しそうなほどに、高鳴っていた。

 

阿良々木くんの唇が、わたしの身体をゆっくりと旅していく。

その軌跡が、まるで新しい星座を描くみたいに、熱の痕を残していく。

わたしは、彼の首に腕を回したまま、されるがままに、そのすべてを受け入れていた。

 

(違う…これは、わたしが望んだこと)

 

(この人に、阿良々木くんに、わたしのすべてを暴いてほしかった)

 

(過去の汚れた記憶なんて、この人の熱で、ぐちゃぐちゃに溶かして、上書きしてほしかったの)

 

ワンピースの薄い生地の上から、彼の手がおっぱいを優しく揉む。

 

「んっ…♡」

 

びく、と身体が震えた。

初めて触れられる、女の子の場所。

 

手袋越しの愛撫とは違う、直に伝わる彼の体温が、恥ずかしくて、でも、たまらなく気持ちいい。

 

「戦場ヶ原…意外と、大きいんだな…」

 

「…当たり前でしょう?阿良々木くんのために、今日まで大事に育ててきたのだから♡」

 

強がりを言ってみせるけど、声が震えているのが自分でもわかる。

彼の手が、乳輪をなぞり、内側へ、内側へと近づいてくる。

頂点に触れるか触れないかの距離で、くるくると円を描く意地悪な指。

 

(あ…だめ…そんな、やらしい触り方…♡)

 

「んぅ…っ、あ、ぁ…♡」

 

じらされた末に、きゅっと乳首がつままれる。

同時に、彼の唇がもう片方を覆って、ちゅ、と吸い上げた。

 

「ひゃぅううっ!?♡♡」

 

脳天まで突き抜けるような、強い、強い快感。

全身の力が抜けて、阿良々木くんの膝の上で、ぐにゃりと身体が蕩けていく。

 

脇腹を撫でられ、お尻をわしづかみに揉まれて、もうどこがどうなっているのか分からない。

ただ、彼の触れる場所すべてが、信じられないくらい、気持ちいい。

 

「戦場ヶ原…脱がしても、いいか…?」

 

「…今更、なにを言っているのかしら。好きにして、阿良々木くん。わたしは、全部、あなたのものよ…♡」

 

彼の指が、ワンピースの背中のジッパーにかけられる。

その瞬間を、わたしは固唾をのんで見守った。

 

過去のトラウマが、亡霊のように脳裏をよぎる。

――大丈夫。この人は、違う。わたしを傷つけたりしない。

 

ジッパーが下りて、ワンピースがはらりと床に落ちる。

彼の息を呑む音が、静かな部屋に響いた。

 

「…きれいだ…」

 

その一言で、わたしの心は救われた。

わたしは、彼の手を取って、自分のパンツの上へと導く。

 

もう、びしょびしょだった。愛液で重くなったレースの生地が、糸を引いて彼の指に絡みつく。

 

「…すごい、濡れてる…」

 

「…誰のせいだと、思っているの…?♡」

 

彼が、おずおずと指でヴァギナのあたりを撫でる。

布一枚を隔てただけの刺激が、もどかしくて、甘酸っぱい。

わたしは彼の肩に顔をうずめて、その愛撫をねだるように腰を揺らした。

 

「んっ…んちゅ…♡ もっと、さわって…♡」

 

パンツがゆっくりと脱がされていく。

そして、わたしのすべてが、彼の眼前に晒された。

 

「…阿良々木くん…お願い…なめて、ほしいの…♡」

 

わたしの、生まれて初めての、欲望。

彼が少しだけ躊躇したのがわかった。童貞の彼には、少しだけ刺激が強すぎたのかもしれない。

でも、すぐに覚悟を決めたように、わたしの足の間に顔をうずめた。

 

「んんっ…!♡」

 

温かくて、柔らかい舌が、大陰唇のまわりをぺろりと舐め上げた。

びくん、と腰が跳ねる。

そのまま、ヴァギナの入り口を、舌先でなぞっていく。

 

(あ、あ、あ…♡ なに、これぇ…♡)

 

知らない感覚に、頭がぐちゃぐちゃになる。

そして、彼の舌が、一番感じるところ――クリトリスに、触れた。

 

「ひっ…!あ、ぁあああっ!!♡♡」

 

皮の上からなのに、ごり、ごり、と硬い芯を擦られる感覚。

今まで感じたことのない種類の快感が、背骨を駆け上がっていく。

わたしは彼の頭を抱きしめて、喘いだ。

 

「だめっ、そこ、いちばん、だめぇっ…♡」

 

懇願は、催促に聞こえたのかもしれない。

彼が、指でそっと皮を剥いて、隠されていたそれを、直接舌で舐め上げた。

 

「ああああああああーーーーーっっ!!!!♡♡♡」

 

コリコリ、コリコリコリ…!

ダイレクトな刺激に、もう声も出ない。

 

ビクンビクンと痙攣するわたしの腰を押さえつけて、彼は舌で膣内をねぶるように抉ってくる。

じゅる、じゅる、と生々しい音が響き渡る。

 

「いくっ、いっちゃううううっ!!♡♡」

 

クリトリスを舌先でとんとんと突かれて、もう我慢の限界だった。

膣の奥から、熱いものがこみ上げてくる。

 

「あ、あ、あ、あくめぇええっ!!!」

 

ビュッッ!!

 

自分でも信じられないくらいの量の潮が、彼の顔めがけて噴き出した。

びちゃびちゃ、と音がして、彼の髪や顔を濡らす。

 

「はぁっ、はぁっ、ごめんなさい…」

 

「…ううん。すごく、きれいだよ、戦場ヶ原…」

 

愛液で濡れた顔のまま、彼は優しく微笑んだ。

その顔を見て、わたしは、もう、どうしようもなく、彼のおちんちんが欲しくなった。

 

「阿良々木くん…もう、いれて…♡ わたしの中に、阿良々木くんの、おっきいおちんちん、いれてください…♡」

 

彼が服を脱いで、その逞しいおちんちんを露わにする。

亀頭を赤黒く濡らして、びくびくと脈打っている。

わたしは足を大きく開いて、それを受け入れる準備をした。

 

彼のおちんちんの先が、濡れたヴァギナの入り口に押し当てられる。

ぬるり、とした感触。

 

「んぅう…♡」

 

クリトリスを擦られて、また変な声が出た。

彼は、すぐには入れてくれない。

亀頭の先だけを入り口に埋めたまま、焦らすように、わたしの乳首を吸う。

 

「や…♡ はやく、いれてぇ…♡ おねが、い…♡」

 

わたしの懇願を聞いて、彼が、ゆっくりと腰を沈めてきた。

 

「…いっ…!」

 

皮膚が裂けるような、鋭い痛み。

でも、それ以上に、彼と繋がれた喜びが、わたしの全身を支配する。

半分ほど入ったところで、彼は一度動きを止めた。

 

「…痛いか…?」

 

「…大丈夫。…うれしい、だけよ…♡ だから、全部、奥まで、いれて…?」

 

わたしの言葉に頷いて、彼が、最後の一線を越えてくる。

 

ずぶり。

鈍い音を立てて、彼のおちんちんが、わたしのすべてを貫いた。

 

「…は、ぁ…♡ はいってる…阿良々木くんが、わたしの中に、ぜんぶ…♡」

 

膣内が、彼の形で満たされる。隙間なく、みちりと。

慣れるのを待ってくれていた彼が、そろりと腰を動かし始めた。

 

ぬぷ…、ぬちゅ…

 

「んっ…♡ あ、ふ…♡ きもち、いぃ…♡」

 

ゆっくりとした動きが、だんだんと早くなっていく。

わたしの喘ぎ声に合わせて、彼の腰つきも、激しさを増していく。

 

ぐちゅ、ぐちゅ、ずぷんっ!

 

「あ、あああっ!♡♡ そこっ、そこ、きもちいいのおおおっ♡♡」

 

子宮の入り口を、ごり、ごりと彼の固いおちんちんで抉られる。

もう、めちゃくちゃだった。

 

ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!

肉と肉がぶつかり合う、いやらしい音。

ぐじゅ、ぐじゅ、とヴァギナが鳴る音。

 

「ひたぎっ…!!」

 

「あららぎ、くぅん…!♡ もっと、もっと激しく、ついてぇえええ!!♡♡」

 

お互いの名前を呼び合って、獣みたいに腰をぶつけ合う。

彼のペニスが、膣の奥で、びくん、びくん、と脈打つのがわかった。

 

「いくっ…!ひたぎ、だすっ、中に、だすから…!!」

 

「いいっ…♡ 全部、わたしのなかに、全部だしてぇええっ!!♡♡」

 

彼が、わたしの奥の奥で、熱いものを解き放つ。

びゅくっ、びゅくっ、と子宮に精子が注ぎ込まれる感覚。

 

「ああああああああああーーーーーーーっっっ!!!!♡♡♡♡」

 

彼が射精するのと、わたしがアクメに達するのは、まったく同時だった。

痙攣するわたしを、彼は優しく抱きしめて、何度も、何度も、キスをしてくれた。

 

これが、わたしの、初めてのセックス。

わたしの身体も、心も、すべてが、この人のもので満たされた、記念すべき夜。

 

ーーーーー

 

空っぽになったはずの身体の奥で、新しい熱が、再びじんわりと灯り始める。

阿良々木くんの腕の中で、わたしは彼の心臓の音を聞いていた。

 

とくん、とくん、と力強くて、優しいリズム。

わたしのために、こんなにも激しく動いてくれた、愛おしい音。

 

「…阿良々木くん、のど、渇かない?」

 

「え…? あ、ああ…」

 

わたしは彼の腕からそっと抜け出し、冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出す。

まず、わたしが一口、水を含んだ。

そして、ベッドに戻り、まだ少し呆然としている彼の唇に、自分の唇を重ねる。

 

「ん…っ!?」

 

こくり、と喉を鳴らして、彼がわたしからの口移しを受け入れた。

冷たい水が、熱い舌と舌の間を通り抜けていく。

なんて、いけない遊びだろう。

 

「…ふふっ。これで、元気、出たかしら?♡」

 

「…戦場ヶ原は、俺を殺す気か…」

 

潤んだ瞳でわたしを見る阿良々木くんを、わたしはベッドの上に押し倒した。

そして、彼の上に跨る。

 

「殺しはしないわ。ただ…もっと、阿良々木くんをめちゃくちゃにしてあげたいだけ♡」

 

対面座位。

彼の顔が、すぐそこにある。

 

わたしは、彼のおちんちんを自分の手で掴み、ゆっくりと、愛液で濡れたヴァギナに導いた。

 

ずぶ、ずぶ、ずぶ…

 

「んぅうう…♡♡」

 

今度は、痛みなんてない。

ただ、彼のすべてを受け入れる、とろけるような快感だけ。

根元まで完全に飲み込むと、わたしは彼の肩に手を置いて、そっと腰を上下させ始めた。

 

「…ひたぎ…」

 

「なぁに…? あららぎ、くん…♡」

 

きしり、とベッドが軋む音。

ぬちゅ、じゅく…と、いやらしい水音。

 

自分の体の中で、彼のおちんちんが動いているのが、全部見える。

恥ずかしくて、でも、興奮でどうにかなりそうだった。

 

「…自分で動かすのって…こんなに、きもち、いいのね…♡」

 

「っ…!ひたぎ、あんま、かわい、こと言うな…!」

 

わたしは彼の言葉を無視して、彼の瞳を見つめたまま、キスをした。

深い、深いキスをしながら、腰を揺らす。

 

彼の好きな場所、Gスポットを、自分のおちんちんの角度で、ぐり、ぐりと押し付ける。

 

「あ、あ、あああっ♡♡ そこ、だめぇっ、すきぃっ♡♡」

 

「ひたぎっ…!俺、もう…!」

 

彼の腰が、びくん、と大きく跳ねた。

もう、限界が近いのがわかる。

 

「まだ、だめよ♡ わたしと、一緒じゃなきゃ…♡」

 

わたしは動きをさらに激しくする。

上下だけでなく、ぐるり、と腰を回して、膣内を隅々まで彼のおちんちんで掻き回す。

 

「ああああああんっ♡♡ おかしくなっちゃうううううっ♡♡」

 

じゅくじゅくと、愛液が溢れて、太ももを伝っていく。

彼もわたしも、汗と愛液でぐっしょりと濡れていた。

そして。

 

「ひたぎぃいいいっ!!」

 

「いっしょに、いくううううううっ!!♡♡」

 

彼が二度目の精子をわたしの中に注ぎ込むのと、わたしの膣が痙攣して彼を締め上げるのは、同時だった。

愛情たっぷりの、とろけるように甘い、二度目のアクメ。

 

ーーーーー

 

二度目の絶頂の余韻で、わたしは彼の胸に顔をうずめて、ぐったりとしていた。

もう、指一本動かせないくらい、満足していた。

…はずだった。

 

「…ねぇ、阿良々木くん」

 

「…なんだ?」

 

「…わたし、まだ、足りないみたい」

 

彼の腕の中で、わたしはくるりと身体の向きを変えて、四つん這いになる。

大きく突き出したお尻を、これみよがしに、左右にふりふり、と振ってみせた。

 

「…犬みたいに、めちゃくちゃに、犯してほしいの…♡」

 

それは、わたしの中に残っていた、最後の毒。

過去のトラウマへの、わたしなりの決着の付け方。

阿良々木くんは一瞬だけ息を呑んだけど、すぐに、わたしの意図を理解してくれた。

 

「…わかった。ひたぎが、めちゃくちゃになりたいって言うなら」

 

背後から、三度、彼のおちんちんがわたしを貫く。

今までの優しさが嘘のような、激しい、突き上げるようなピストン。

 

ぐっぷ、ずどんっ!ぐちゅ、ぐちゅぐちゅっ!

 

「あっ、あっ、あっ、あああああああっ!!♡♡♡」

 

子宮の奥を、えぐるように、何度も何度も突かれる。

さっきイったばかりなのに、もう、身体の奥が、ずくん、ずくん、と疼き始める。

 

「や、だめっ、はや、いぃいいっ!!♡♡」

 

イキながら、イカされる。

一度目のアクメの波が来た瞬間、彼はさらに奥を抉って、二度目の波を無理やり呼び起こす。

 

「あああああっ!こわれ、るっ、ひぎっ、うぐっ…!」

 

快感が、許容量を、超える。

頭が真っ白になって、口からは意味をなさない声が漏れるだけ。

さらに、彼はわたしのクリトリスを指で激しくこすりあげた。

 

「あああああああああああああ!!!!!!!」

 

三度目の、特大のアクメ。

もう、失神寸前だった。

 

喘ぎ声も上げられなくなって、わたしはただ、ぐったりとベッドに突っ伏す。

それでも、阿良々木くんのピストンは、止まらない。

意識が遠のく中で、わたしの身体は、彼の欲望のままに、ただ揺さぶられ続けていた。

 

ーーーーー

 

どれくらいの時間が経ったのかしら。

気づけば、わたしは阿良々木くんの腕の中で、優しく抱きしめられていた。

激しいセックスの後、痙攣していた身体を、彼がずっと撫でてくれていたらしい。

 

「…ごめん…なさい。…めちゃくちゃ、だったわ…」

 

「ううん。全部、受け止めるって言っただろ」

 

彼の声が、優しくて、涙が出そうになる。

わたしは、もう一度だけ、彼にキスをねだった。

最後は、甘い、デザートがほしい、と。

 

三度目は、正常位で、ゆっくりと。

まるで、壊れ物を確かめるように、一回一回、丁寧に、深く。

 

激しい快感じゃない。

じんわりと、身体の芯から温かさが広がっていくような、甘いアクメ。

 

彼が、わたしの膣の中に、三度目の精子を注ぎ込む。

わたしたちは、本当の意味で、一つになった。

 

ーーーーー

 

「…阿良々木くん」

「ん?」

「…わたしね、ずっと、空っぽだったの」

 

彼の腕枕で、天井を眺めながら、わたしはぽつり、ぽつりと話し始めた。

 

「蟹に体重を持っていかれてから、わたしの中には、何もなかった。思い出も、感情も、全部。だから、虚勢を張って、毒舌を吐いて、自分を守るしかなかったの」

 

「…」

 

「でも、阿良々木くんが、わたしを見つけてくれた。わたしの失くしたものを、一緒に取り戻してくれた。…そして、今日、わたしの空っぽだった場所に、阿良々木くんの愛を、たくさん、たくさん、注いでくれた…♡」

 

わたしは、彼の胸に顔をうずめて、声を殺して泣いた。

 

「もう、わたしは、空っぽじゃないわ。阿良々木くんの愛で、思い出で、重たいくらいに、満たされてる。…ありがとう。わたしを、ただの女の子にしてくれて、ありがとう…」

 

彼は、何も言わずに、ただ、強く、強く、わたしを抱きしめてくれた。

その温もりが、なによりの答えだった。

 

ーーーーー

 

翌日、学校の教室の扉を開けると、待ち構えていたかのように、委員長――羽川翼が立っていた。

 

「おはよう、戦場ヶ原さん」

 

「…ええ、おはよう、羽川さん」

 

彼女はわたしの顔をじっと見て、ふわりと微笑んだ。

 

「何か、吹っ切れたような、いい顔をしているじゃないか。まるで、失くしていたものを取り戻したみたいだね」

 

「…!」

 

「何でもは知らないけれど、知っていることは知っているよ」

 

彼女の言葉に、わたしは、もう毒舌で返す気力もなかった。

ただ、心の底から、幸せな気持ちがこみ上げてきて、わたしは、彼女にだけわかるような、小さな笑みを返した。

 

「…ええ、そうね。昨日、わたしは…世界一の宝物を、手に入れたのよ」

 

それは、誰にも奪われることのない、わたしだけの、重たくて、愛おしい、宝物の物語。

ハッピーエンドなんて言葉じゃ、到底足りないくらいの、幸福な物語の、始まり。

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