もし、ヒロイン達が『最後の一線♡』を超えたなら 〜キスシーンで終わり? 朝チュンでごまかす? …「お約束」で守られた純潔なんて、もう、いらない♡〜 作:のびすけ。
アンタへの想いは、演算不能!
「……待ちなさいよ、アンタ!」
あたしの声は、自分でも情けないと思うくらい、上ずって震えていた。
第七学区の、自販機がポツンと置かれたいつもの路地裏。
追いかけて、ようやく捕まえたと思った彼の背中は、なんだかいつもよりずっと遠く感じられた。
「…ビリビリ?」
振り返ったアイツ…上条当麻は、困ったように眉を下げて、その右手でガシガシと頭を掻いている。
ああ、もう、その顔! いつもいつも、あたしのことなんて眼中にないみたいに、飄々としてて。
でも、誰かのためなら自分の危険も顧みずに、どんな絶望の中にだって飛び込んでいく。そんなアンタだから、あたしは…。
(ダメ。また、このまま「お約束」の展開に流されちゃう…)
ふと、あの白い空間での記憶が蘇る。
数多の世界から集められた、あたしと同じ“ヒロイン”たち。
脚本(シナリオ)に抗い、自らの意思で幸せを掴むのだと誓った、あの決意。
いい雰囲気になって、でも次の瞬間には何もかもがリセットされる。
そんな不完全燃焼な関係は、もう終わりにする。この胸の中で、ずっとショート寸前だった恋心。今日、この場所で、最大出力(フルスペック)でぶつけてやるんだから!
「アンタさ…あたしのこと、どう思ってんのよ」
「へ? どうって…そりゃ、ビリビリで、すぐ怒るし、おっかないけど…でも、いざって時は誰よりも頼りになる、すごいヤツだって…」
「そーいうこと聞いてんじゃないのよ、この朴念仁!」
あたしは一気に距離を詰めて、彼の学ランの胸倉をぎゅっと掴んだ。
見上げた先にある、少し驚いたような彼の瞳。もう、逃がさない。
「単刀直入に聞くわ。あたしは、アンタが好き。…アンタは?」
言った。
言ってやった。
心臓が、まるでモーターみたいに激しく脈打って、全身の血液が沸騰しそう。顔が熱い。耳まで真っ赤になっているのが、自分でもわかる。
彼は、あたしの言葉の意味を咀嚼するように、何度か瞬きを繰り返した。
そして、何かを言おうとして、口を開き…そして、閉じた。
(また…また、そうやってはぐらかす気!?)
もう、待たない。
待っているだけじゃ、何も変わらない。
あたしは、掴んでいた胸倉をさらに引き寄せ、ぐっと背伸びをした。
狙うは、彼の唇。
「…っ!」
彼が息を呑むのが、わかった。
あと数ミリ。
触れるか、触れないかの、ギリギリの距離。
物語(シナリオ)が、またここで幕を引こうとする。
(させるもんですか…!)
あたしは、目を閉じて、自らの意思で、その最後の数ミリを埋めた。
あたしの覚悟、受け止めなさいよね!
柔らかい感触が、唇に触れた。
(…しちゃった)
あたしから、キス、しちゃった…。
頭の中が真っ白になって、でもすぐに、後悔と羞恥と、そしてほんの少しの達成感がごちゃ混ぜになって押し寄せてくる。
あたしは弾かれたように身体を離した。
「ご、ごめん! 今のは、その…事故よ、事故! 不可抗力っていうか…!」
しどろもどろな言い訳を並べ立てるあたしを、上条は呆然と見つめている。
やばい。完全に引かれてる? 最悪だ。もう顔が見れない。
「…なあ、御坂」
「な、なによ! 文句があるなら聞きなさいよ!」
「…ここじゃ、なんだから。場所、変えないか」
彼の真剣な声に、心臓が跳ねた。
その手があたしの手首を掴む。いつもみたいに振りほどくことなんて、できなかった。
あたしたちは、誰にも見つからないように、路地裏を抜けた。
彼がどこへ向かっているのかはわからない。でも、この手を離したくない。
ただ、それだけだった。
たどり着いたのは、何の変哲もないビジネスホテルの一室だった。
無言でチェックインを済ませ、部屋に入って、ドアが閉まった瞬間、沈黙が重くのしかかる。
(ど、どうしよう…! なんでホテル!? いや、あたしが望んだことだけど、いざとなると…!)
「…悪かったな、急にこんなところに連れてきて」
「べ、別に…。アンタがヘンな気起こさない限りは、安全でしょ」
「…起こしたら、どうするんだ?」
彼の低い声に、びくっと身体が震えた。
見ると、彼はあたしのことを、今まで見たこともないような、熱を帯びた瞳で見つめていた。
それは、男の人の“オス”の顔だった。
「…っ、起こしてみなさいよ。返り討ちにしてや…」
強がりを最後まで言い終わる前に、あたしの身体はぐいっと引き寄せられ、彼の腕の中に閉じ込められた。
そして、今度は彼の方から、深く、唇が重ねられた。
「ん…っ♡」
さっきのあたしのキスなんて、比べ物にならないくらい、情熱的で、貪るようなキス。
彼の舌が、あたしの唇をこじ開けて、中に侵入してくる。
(な、な…!?)
「んんっ…♡ふ、ぁ…♡」
あたしの口の中を、彼の舌が縦横無尽に掻き回す。
角度を変えながら、何度も、何度も。
ちゅぷ、じゅる…っと、生々しい水音が部屋に響く。
頭がクラクラする。立っているのがやっとで、彼の身体に全体重を預けた。
「はぁ…っ、ん…♡」
唇が離れたときには、あたしたちはベッドの上に倒れ込んでいた。
彼が、あたしの上に覆いかぶさっている。
「…御坂。本気なんだな」
「…当たり前でしょ。あたしが、冗談でこんなことすると思うの…?」
あたしの瞳から、ぽろりと涙が一粒、こぼれた。
彼が、その涙を指で優しく拭ってくれる。
「…あたしから、させてほしい」
「え?」
「だから! 今日は、あたしが主導権を握るって決めたの! アンタは、黙ってあたしの言うこと聞いてればいいのよ!」
そう。これは、あたしが決めた、あたしのための物語の“続き”。
恥ずかしいけど、譲れない。
あたしは彼を押し退けて、ベッドの上に座り直した。そして、震える指で、自分のブラウスのボタンに手をかけた。
ひとつ、またひとつとボタンを外していく。
彼の視線が、あたしの肌に突き刺さるのがわかる。恥ずかしくて、死にそうだ。
ブラウスを脱ぎ、スカートのホックを外す。下着姿になったあたしは、もう羞恥心でどうにかなりそうだった。
「…きれいだ、御坂」
「う、うるさい! 見てんじゃないわよ、このエロガキ!」
(でも…嬉しい、かも…)
あたしは勢いのまま、今度は彼が着ている学ランに手をかけた。
ボタンを外し、シャツを脱がせる。現れたのは、あたしなんかよりずっと逞しくて、硬い筋肉に覆われた男の子の身体だった。
(な、なによこの身体…! 喧嘩ばっかしてるだけあって、すごい…)
ごくり、と喉が鳴る。
あたしは、吸い寄せられるように、彼の胸に顔をうずめた。
汗と、彼だけの匂い。それだけで、身体の奥がじんわりと熱くなっていくのがわかった。
「…美琴」
彼が、あたしの名前を呼んだ。
下の名前で呼ばれたのは、初めてかもしれない。
それだけで、胸がきゅーっとなって、嬉しくて、涙が出そうになった。
「…うん。これからずっと、美琴って呼んで♡」
「…あたしも、当麻って、呼んでいい♡?」
「…ああ」
あたしは彼のズボンにも手をかけた。
バックルを外し、チャックを下ろす。
そして、下着ごと引き下げると、彼の熱く膨れ上がったペニスが、勢いよく姿を現した。
(ひっ…!?)
大きい。硬そう。熱そう。
漫画とかで知識としては知っていたけど、本物を見るのは、もちろん初めて。
先端が、あたしを見つめているみたいで、目が離せない。
「…すごい、のね。アンタの、ペニス…」
「…お前のせいだろ」
彼はそう言って、あたしの下着の中に、そっと手を入れてきた。
「ひゃぅっ…!?♡」
布越しに、あたしの秘密の場所を、指が優しくなぞる。
そこはもう、彼の熱気に当てられて、じっとりと湿り始めていた。
「んんっ…♡や、やめ…っ」
「嘘つけ。こんなに濡れてる」
彼の指が、ショーツの隙間から滑り込んでくる。
そして、一番敏感なところを、こり、と直接刺激した。
「あああんっ♡♡♡だ、だめぇ…!そこ、だめだってばぁ…♡」
(なにこれ、なにこれ! 電流が、身体中に…! 思考回路が、ショートしそう…!)
くちゅ、くちゅ、と彼の指があたしの中を掻き回す。
腰が勝手に、びくん、びくんって揺れて、甘い声が次から次へと溢れ出した。
「あっ、んくぅっ…♡き、もち、い…♡もっと、もっとぉ…♡」
恥ずかしいとか、もうどうでもよくなっていた。
ただ、この気持ちよさに、身を委ねていたい。
あたしは、彼の大きなペニスに、おそるおそる手を伸ばした。
「(これが…アンタの…。あたしを、めちゃくちゃにするもの…)」
その熱さに、また身体が震える。
あたしは覚悟を決めて、自分のショーツをずり下げた。
「…美琴?」
「あたしが、自分でするって言ったでしょ…」
あたしは、彼の上に跨った。
そして、彼のペニスを自分の手で掴んで、ゆっくりと、濡れた入り口へと導いた。
「…っ♡」
先端が、ぬるり、と入り口にめり込む。
それだけで、身体中に電気が走ったみたいな衝撃があった。
「い、入れるわよ…! 文句言っても、知らないんだからね…!」
自分に言い聞かせるように呟いて、あたしはゆっくりと腰を下ろしていく。
みち、みちち…っ。
狭いところが、無理やり押し広げられていく。痛い。けど、それ以上に、彼と繋がっているっていう実感で、胸がいっぱいになった。
「んふぅっ!」「あぁっ!」「んんっ…!♡は、入って、る…♡」
ずぶり、と音を立てて、彼のペニスの全てが、あたしの中に収まった。
奥まで、ぎっちりと埋め尽くされている。すごい、圧迫感。
「…大丈夫か、美琴」
「…平気よ、これくらい」
強がって見せて、あたしはゆっくりと腰を揺らし始めた。
最初は、ぎこちなく。
ずぷ…ん、ちゅぽ…♡ ぐぷ…ん、ぬぷ…♡
「あっ…♡ ん…っ♡ ふ、ぁ…♡」
痛みは、すぐに快感に変わっていった。
おちんちんが、中の一番気持ちいいところを、ぐりぐりと擦るたびに、甘い痺れが腰から背筋を駆け上がっていく。
「きもち、い…♡ アンタの、おっきいおちんちん…あったかくて、すっごく、気持ちいい…♡」
「美琴…っ、お前、そんな可愛い声も出せるんだな…」
ぱん、ぱん! とあたしのお尻と彼の腰がぶつかる音のリズムが、だんだん速くなっていく。
あたしはもう夢中で、ただ快感を追い求めて腰を振り続けた。
「あっ♡あっ♡あんっ♡あんっ♡♡」
「はぁ…っ、美琴…! いい、すごくいい…っ!」
(すごい…! すごい電気が、お腹の奥に溜まっていくみたい…!)
(このままじゃ、ほんとにショートしちゃう…! でも、もっと欲しい…!)
「と、当麻…っ!♡ なんだか、へん…! お腹の奥が、きゅーって…! ああっ、もう、きちゃうぅぅぅ!!」
視界が、バチバチって火花みたいに明滅する!
身体が、勝手にびくんびくんって大きく痙攣して、あたしの知らないあたしが、絶頂の叫びを上げた!
「あああああーーーーーっ♡♡♡ で、でちゃうぅぅぅ…! いっぱい、でるううううっ♡♡♡」
(これが、あたしの…初めての、恋人との、アクメ…!)
あたしの絶頂を感じ取って、彼が下から強く突き上げてきた。
彼のおちんちんが、びくん! びくん! とあたしの中で脈打つ。
「美琴っ…! 俺も、もう、ダメだ…!」
「…っ♡」
彼が何かを言いかけたけど、あたしはそれを遮るように、彼の唇を塞いだ。
そして、耳元で、あたしの最後の、そして最大のお願いを囁いた。
「…あたしの中に、して…♡ アンタのぜんぶ、あたしにちょうだい…♡」
その言葉が、引き金になった。
「…っ、ああ!」
びゅるるるるっ…!
どく、どく、どくっ…!
熱くて、ドロリとした液体が、子宮の奥に、何度も、何度も撃ち込まれてくる。
あたしは、そのすべてを受け止めて、彼の首に強く抱きついた。
ーーーーー
しばらく、あたしたちは汗だくのまま、ただお互いの鼓動を感じていた。
部屋には、荒い呼吸と、シーツの擦れる音だけが響いている。
さっきまでの狂乱が嘘みたいに、穏やかな時間。
「……すごかったな、御坂」
「…美琴」
「ん?」
「美琴って、呼んでくれないと、またビリビリするわよ」
「…ははっ、わかったよ、美琴」
彼が、あたしの髪を優しく撫でてくれる。
その手つきが、なんだかすごく愛おしくて、あたしは彼の胸に顔をうずめた。
「…怖かった」
「…うん」
「でも、すっごく、気持ちよかった…。アンタと、本当に一つになれた気がして、嬉しかった…♡」
素直な言葉が、自分でも驚くくらい、すらすらと口から出てくる。
もう、強がる必要なんてないんだ。
「あたしね、ずっと、もどかしかったの」
「もどかしい?」
「そう。アンタといい感じになっても、いつもそこで物語が終わっちゃうみたいで…。本当は、その先がしたいのにって、ずっと思ってた」
白い空間での出来事を、彼にわかるように、少しだけ話した。
彼は、黙ってあたしの話を聞いてくれた。
「だから、決めたの。もう、物語の都合でアンタとの関係を止められるのは嫌だって。あたし自身の意思で、アンタと結ばれたかったの」
「……」
「あたしの“ヒロイン”は、アンタだけのものなんだから…! だから、今日、あたしから…」
そこまで言って、急に恥ずかしくなって、言葉に詰まった。
すると、彼がくすっと笑って、あたしを強く抱きしめてくれた。
「…ありがとうな、美琴。俺を選んでくれて」
その一言で、あたしの心は、完全に満たされた。
あたしの長い長い演算は、ようやく、最高の答えにたどり着いたのだ。
ーーーーー
翌朝。
あたしは、上条当麻と手をつないで、いつもの通学路を歩いていた。
昨日までの自分なら、絶対に考えられないこと。
周りの目も気になるし、恥ずかしいし、そもそも柄じゃない。
でも、今のあたしは、そんなことどうでもよかった。
繋いだ彼の手のひらの温かさが、昨日の夜の記憶を鮮明に蘇らせる。
それだけで、心がぽかぽかして、無敵にだってなれる気がした。
「あら? お姉様、ご機嫌ですのね。その猿とご一緒だというのに」
「黒子…」
案の定、空間移動(テレポート)で現れた黒子に、ジトっとした目で見られたけど、今日のあたしは一味違う。
「ええ、そうよ。大好きな人と一緒だもの。機嫌も良くなるわ」
「…はへっ!? お、お姉様が、で、デレていらっしゃいま…!?」
衝撃のあまり固まっている黒子を横目に、あたしは彼の腕に自分の腕を絡めた。
彼は少し驚いていたけど、優しく微笑んでくれる。
あたしは学園都市第三位の超電磁砲(レールガン)、御坂美琴。
でも、今はそれだけじゃない。
…上条当麻の、彼女。
これから先、あたしたちの世界では、またいろんな事件が起こるんだろう。
面倒なことに巻き込まれるだろうし、すれ違うことだってあるかもしれない。
でも、もう大丈夫。
あたしたちの心と身体は、誰にも邪魔できないくらい、深く、固く、結ばれたんだから。
「さあ、行こっか」
あたしは彼の手をぎゅっと握りしめて、太陽に向かって笑いかけた。
「あたしたちの新しい日常(ネクストステージ)が、ここから始まるんだから!」