クロの切り落とされた肘と膝の断面は皮膚を縫い合わせた後、アンの炎で焼いたため断面がケロイドになっている。
傷口を縫ってふさいだ後にわざわざ焼いたのは、クロが尋常ではない再生能力を見せたからだ。
治癒魔法も使わずにゆっくりと、だが目に見えるほどの速度で骨と肉が伸びていき、放っておけば一日もすれば新たな手足が生えるであろう再生力だった。
そのためクロほどの危険人物を捕まえておくにはこのままでは危険と判断、アンの再生を阻害する意思を籠めた魔力の炎により表面を焼いたのである。
明らかに人間離れした再生能力のため、クロが人間ではないのではないかと疑われたが、歴史を紐解けばクロをはじめアンのような人知を超えた力を持つ一騎当千の猛者はたびたび現れていた。
そのため、魔法の国はクロを未知の人型生物ではなく、人間と仮定し、どうやってその超人的な力を手に入れたかを探ることになった。
例えばアンの場合は炎の精霊と友人になり、力を借りることで人が貯蔵できる魔力量ではありえない規模の魔法の行使を可能にしている。
クロがどうやって鍛え抜かれた兵士10人がかりでも引けないほどの強弓を扱える肉体と、はるか遠くの獲物を見通し命中させる千里眼、そして再生力を手に入れたのか?
それを解き明かすことができればクロのような英雄を量産することができるかもしれないという考えからだ。
とはいえ再現ができるような方法で英雄になれるのであれば、この世は英雄だらけになっている。
アンの炎の精霊に気に入られるという方法は容姿、魔力、性格、歌声、全てがたまたま精霊の中でも神格を宿すほどの強力な精霊の好みだったが故の奇跡で、狙ってできるものではない。
過去には何万人もの生贄を捧げ、上級の悪魔と契約して自身を悪魔へと作り変え、周辺の国を恐怖に叩き落した国王などもいるが、その儀式の方法はすでに失われている。
もしアンが王族という立場で強権を発動していなければ、クロは拷問、実験、何でもありでその体の秘密を調べられていたことであろう。
そんな周りを黙らせ、クロを自分のものにしたアンが少しの間クロと離れることになった。
突如現れた強力な魔獣が周辺の村の人間を襲うという事件が発生し、その討伐に行かなければならないからだ。
既にいくつかの村がなくなるほどの被害で、騎士たちによる討伐隊も返り討ちにあっている。
屋敷に引きこもり肉欲にふけっていたアンでも、流石に自分が行かなければならない事態だと察するには十分な被害であった。
「数日出かけてくるから大人しくしてるんだぞ」
アンは子供に語り掛けるような口調でクロに告げると、ちゅっちゅっと何度も唇を合わせてから屋敷の外に出る。
「留守の間はクロの事よろしく頼むぞ」
「かしこまりました。どうかご武運を」
迎えに来た馬車に乗り込み、屋敷を後にするアンをシズネは深々と頭を下げて見送る。
クロを一人にするわけにはいかないため、戦場でも付き従うシズネも今回は留守番である。
アンが見えなくなり、見送りを終えたシズネは早速屋敷の掃除に取り掛かりはじめた。
アンの専属メイドであるシズネは激務である。
本来は何人もの人間で維持するような大きな屋敷だ。
それを一人で維持しているのだ。
そこにクロのトイレの世話なども重なれば、当然その仕事量は相当なものになる。
専属メイドであるシズネは見た目、礼儀作法、教養、護衛としての戦闘力、全てを兼ね備えた非常に優秀な人間であるが、一人で出来る事には限界があった。
「あーつかれた」
その結果のこの発言である。
シズネはメイド服のまま自室のベッドに飛び込み溜息を吐いた。
一通り仕事が終わり、残った仕事はクロの体を拭くのみ。
疲れた体がベッドにどこまでも沈んでいき、眠りに落ちそうになるが、誘惑を振り切りなんとか体を起こす。
普段はアンがクロの世話をほとんどするのだが、今日はシズネしかいないためここで眠るわけにはいかない。
シズネはお湯を入れた洗面器と手ぬぐいを用意しクロの部屋を訪れた。
「失礼いたします。お体を清めに参りました」
クロはまだ起きていたようで、ベッドの上で体を起こしシズネに向かって頷いた。
シズネは部屋に入るとベッドの傍に置かれた机の上に洗面器を乗せ、手ぬぐいを取り出して水を絞る。
取り出された手ぬぐいでシズネはクロの体を顔、首、上半身、下半身という順番で拭きはじめた。
シズネは最初は手足のないクロの痛々しい姿に、内心吐き気を覚えていたがもう見慣れたものである。
クロの姿を見なれたことで心に余裕のできたシズネは、クロの逞しい体を役得と言わんばかりに視姦し手ぬぐい越しに肉体を堪能する。
浮き出た鎖骨、陰影のある腹斜筋、横が凹んだお尻。
シズネは汚れが残らないよう、余すことなくクロの全身の汗をふき取り、ムラついていく。
アンが惚れるだけあって顔立ちが良く、彫刻のようなクロの肉体は手足がないことを除けばシズネから見て酷く性的に見えていた。
いずれアンが嫁いだ時に着いていき、アンの旦那にお手付きされる運命にあるシズネは、官能小説を愛読するむっつり処女メイドである。
体を拭く作業は最後に陰部へと移った。
シズネはまず玉袋を持ち上げる。
するとシズネの手に妙に柔らかく、ズシリとした見た目以上の重さが加わる。
(随分子種が溜まっているのですね……)
シズネはその重さにアンにセックスの仕方を教えた時に、精液が顔にかかったことを思い出した。
その時は初めてかいだ精液の酷い臭いに顔をしかめていたが、時間がたつことで思い出は美化され、今ではシズネのオナネタになっている。
(今朝もアンリエット様が出発する前にされていたようですが…………)
持ち上げられた玉袋の裏側を拭いた後、皮をすこし引っ張って伸ばして皺を伸ばして袋そのものを拭う。
最後に玉袋を包み込み睾丸の形を確かめているかのようにコリコリと弄んだ後はペニスの番だ。
少し大きくなりかけのペニスを手ぬぐいで包み込むと、ぐにぐにと手ぬぐい越しにペニスを指で揉む。
するとシズネの手の中の手ぬぐいが見る見るうちに持ち上げられ、手ぬぐいの中から亀頭が現れシズネの鼻先に突き付けられた。
ちらりとシズネがクロの顔を見ると、シズネと目が合ったクロが恥ずかしそうに目を背けた。
そのクロの様子に、シズネは唾を飲みこみたくなるが、唾を飲み込む音がクロに聞こえそうな気がして我慢し、唾液を口に溜めたまま作業を続ける。
ちなみにシズネがクロを勃起させたのはわざとである。
勃起すると拭きやすくなる上、どうせ触るなら勃起してる方が興奮するからだ。
勃起することで皮が引き伸ばされ汚れが拭きやすく、そして手で握りやすくなったペニスをゴシゴシと上下に扱くようにして手ぬぐいで拭いていく。
その動きは一度や二度程度でいいはずなのだが、シズネは必要以上にペニスを握った手を上下に動かし、もはや扱くという動作になっている。
必要以上にしつこいシズネの陰部洗浄はクロにとってただの手淫でしかなかった。
シズネに下心がある時点で手淫に違いないのだが、シズネは表情を崩さない鉄面皮で作業をしているため、クロからすれば真面目に体を拭いてくれているのか手コキをしているのか判断がつかなかった。
シズネは汚れが溜まりやすい裏筋とカリ首を指でなぞることも忘れなかった。
カリカリと手ぬぐいごしに爪でひっかくようになぞられる男の敏感な部分。
クロは勃起を抑えることはもはや不可能なので、せめてペニスが反応して動かないように力を抜こうとするが、どうしてもシズネの指に触れられるたびにビクビクと動いてしまう。
クロは射精しないように尻に力を籠め、必死に我慢するのだった。
ペニスの清掃が終わり、シズネが手ぬぐいを取るとガチガチに聳え立つペニスが現れる。
未だシズネの手淫の快楽が残っているのか、もう触れていないにも関わらず、びくびくと上下に震えている。
シズネはクロを勃起させたことに女としての肯定感と満足感を感じながら、その震える様を眺めていると、硬く血管を浮き出させ孤立するペニスの先端から透明な液体が浮き出てきた。
いつもならシズネの陰部洗浄はこの我慢汁を拭って終わりだ。
これまでの行為も明らかにやりすぎではあるが、ここまでならまだギリギリ言い訳ができないでもないとシズネは思っている。
ここからさらに何度も扱いて射精まで導いてしまえば、明らかに言い訳の余地なく主君に対する裏切り行為になってしまう。
もしクロの方からメイドであるシズネに手を出すのであれば問題ないかもしれないが、メイドの方から手を出すのはご法度である。
シズネはそれを重々承知のため、シズネは役得と言いながらクロの体をお世話の延長と言えるまでで済ませていた。
ただこの時のシズネは疲れていた。
一人で隅々まで掃除するにはとてもではないが手が足りない大きな屋敷を、一人で管理しているのだ。
使わない部屋は閉めておいたりするなど、ある程度の妥協はしているが、時折現れる使者に対して恥ずかしくないように目に見える範囲は掃除していなければならない。
しかも一人ということは、休日が存在しないというブラックな働き方になる事へもつながっている。
そんな彼女の唯一の娯楽は、就寝前に読む官能小説とオナニーである。
最近のシズネのお気に入りの官能小説は、メイドが若い領主に手を出され、所かまわず奉仕させられるメイド物である。
自分と同じ職業のヒロインというシチュエーションが自分と境遇を重ねやすく、想像力を掻き立てるのだろう。
特にその官能小説でシズネがよく使っているのはシチュエーションは、執務室の机の下で書類仕事をしている領主のペニスをフェラするというものだ。
メイドは主人が勃起すれば口か股を開いて奉仕しなければならず、まるで道具のように使われるというシチュエーションにシズネは酷く興奮を覚えていた。
官能小説の記述と想像でしか知らなかった、ペニスの硬さと臭いを知った今、妄想が強化されシズネのオナニーは日々激しくなるばかりであった。
そんな仕事で疲れ、クロの体に触れることでムラついたシズネの脳は、いつもオナニーする時のように妄想を繰り広げはじめ、シズネに衝撃の行動を取らせてしまうことになる。
「?!」
シズネの手淫に耐えていたクロだが、ペニスに突然訪れたやけに温かい感触に飛び起きた。
クロは頭を起こし、股座を見ると自分のペニスを咥える黒髪メイド。
シズネがパクリとクロの亀頭を口の中に収めてしまったのだ。
なぜそんなことを?
アンにバレたらまずい。
そういうクロの内心をシズネが容易に察せられるほど、その表情は驚きに満ちている。
対するシズネは表情こそ変化はないが、我慢汁をなめとってしょっぱさを感じて我に返っていた。
(どうしましょう……)
シズネがなぜそんなことをしたのかと言えば、魔が差したとしかいいようがなかった。
極上の体を持った男のガチガチになったペニスがあり、それを日常的に触れているシズネの性欲は溜まる一方だった。
愛読している官能小説で繰り広げられるロマンスに興味津々な18歳処女。
オナニーする際は官能小説のキャラと自分を重ね合わせたり、自分を登場させてセックスする妄想をよくする、世界と時代が違えば夢女子と言われる女になっていたであろう18歳処女。
特にご主人様の勃起したペニスを口で処理するシチュエーションがお気に入りの18歳処女。
(よく考えればクロ様は声が出せないんですよね……)
初デートやら初キスやら全てをすっ飛ばし、人生初フェラをしてしまったシズネは内心パニックである。