『冒険者で寝取られ』その5
1
全員がもうとっくに死んでいるとばかり思っていた男が姿を現した時、
「ベンゼマッ……!」
喜びを隠さず誰よりも早くそう叫んだのはレスティアでした。
他の皆んなも──ペティとアスリナンの目も特に輝いていました。
連れて行かれた時と同じ──僕らと同じ真裸のベンゼマを女性陣の牢前まで引っ立てたオーク共は、まるで話す時間を与えるかのように少し離れて半円状に取り囲みました。ただ突っ立っているだけの奴らを不審そうに眺め渡したベンゼマでしたが、牢の方へ向き直るとペティ達を安心させるような優しい笑みを浮かべました。
「生きててくれたのね、ベンゼマ……」
鉄格子越しににじり寄って来て生気がわずかに蘇った目で見上げるレスティアに、ベンゼマもしゃがみ込んで格子を握る彼女の手に手を重ねて包み、彼女と彼女の周りに集まった五人と一人ひとり順に見つめ合いました。
「ああ…………また会えて嬉しいぜ、皆んな。こいつら、何故か俺を食わずに別の場所で生かしといたんだ。そしたら、こうしてまた連れて来られてな……一体何がしたいんだかさっぱりだ……」
「でも、無事でいてくれて嬉しい…………私たちも貴方はオークの胃袋に収まってしまったって思ってたのよ…………」
と、涙を流すレスティア。
すると、鍵を持っていたオークが錠前を開け、ベンゼマを後ろから突き飛ばすように押しやって女性陣の牢の中に入れ、再び鍵を掛けたのです。
そして、オーク共はペティ達のからだに名残惜しそうな目を送りながらも、またゾロゾロと出ていきました。
僕達はいつもと違う奴らの行動に若干呆気にとられましたが、気を取り直して改めて再会を喜び合いました。
ペティ達の喜びようは──僕からすれば──尋常ではないぐらいでした。
裸同士なのも気にせず、全員がベンゼマと熱い抱擁を交わしていました。アリサでさえ喜びを隠さずそうしたのです。
でも、こんな悲惨な運命に堕ちてから初めて心に光明が射し込む出来事が起きたのですから、むしろこれが普通の反応だったのかも知れません。
──僕だけ離れた牢に独りきり、皆んなからは一瞥されただけで、彼らの喜びようを遠くから眺めているだけでしたが…………。
それからはベンゼマはずっと女子牢に入っていました。
長く洗身しておらず髪もボサボサでオークの子を身籠ってお腹が大きくなっているのも恥ずかしがり、また悲嘆に暮れる女性達でしたが、ベンゼマはそんな彼女達を力強く励ましていました。
「生きてることを喜ぼう。利用価値がある間は殺されはしないということだ……だったら、まだ希望はある。生きていれば、まだ。助けを待つんだ」
「でも……。助けなんて……来るかしら…………」
レスティアが悲しげにそう呟くと、
「君達は協会を通した依頼でオーク退治に来たんだろう? だったら、来る筈だ」
「もうだいぶ経ってると思うけど…………」
と、ペティが膨らんだ自分のお腹を見下ろしながら力なく言う。
「そりゃここは辺鄙な場所だからな。時間はかかるだろうさ。だが、いつかは必ず来る。必ずだ。それを信じるんだ」
女性達は誰も言葉を返しませんでしたが、ただ、ベンゼマを見つめる彼女達の表情に──僅かであっても──生気が戻るのが分かりました。
ベンゼマは先程も言った通り生かされている理由も告げられないまま、空き部屋の一室に長い間独りで閉じ込められていたそうでうす。ただ、僕をチラリと見て、「……まあ、奴らがなぜ男まで生かし続けているかなんて、どうせ碌でもない理由だろうがな……」と、付け加えましたが。
何にしろこの牢獄の内外に出入りしたのは確かですから、脱出の望みが生まれるような新しい情報なり発見なりを皆んな期待しましたが、ベンゼマは苦渋の表情になって首を振り、
「それは……すまない……現状の俺達では不可能に近い──という確信が増しただけだ……」
と、苦しげに言いました。
「移動できたのは此処と別室の往復時だけだが、この隣はやはり俺達を脱走させないためのオーク共の溜まり場になっている。行きの日もさっきも室内に入り切らないのが通路に座り込むぐらい何十匹と詰めていたのを見たし、武装してるのも多数いた。一つ上の階層まで歩かされたが、俺達がこのダンジョンに来た時と打って変わって、そこかしこにオーク共の姿があった。よほど俺達を逃がしたくないようだな。
言い辛いが、脱出はもう考えるだけ無駄な気がする……オークだけしかいないとは言え、百匹以上もいて、こうも警備の意識を持っている上に、一人残らず服すら与えられないほど身ぐるみ剥がされてもいる……。
それに──」
ベンゼマはペティ達の身重のからだを見渡した。
「──な。だから救助に望みを託そうってことなんだ」
女性陣は項垂れ、アスリナンなどはしくしくと泣きもしましたが、彼女達の間に漂った空気は悲観と言うよりも諦念と言った方が正しかったです。ペティやレスティアも諦めたような笑みを浮かべ、大きなお腹に触れ、ベンゼマに釣られるように小さく首を振りました。
それから六人は輪になって座り小声で会話していましたが、そのうちささやかな笑い声が聞こえて来ました。久しぶりに聞いた明るさが宿った声音でした。ペティ以外は一週間も一緒にいなかった男との再会を喜んでいる仲間達。
ペティも嬉しそうに皆んなと笑っていました…………。
僕は……黙りこくってそれを見つめていました。彼女達に罵られ嘲られる立場になっていた僕はかける言葉もなくて──鉄格子の向こうのそんな光景を遠くからただ見守るだけだったのです。
だけど、ほんの少しであってもペティ達に明るさが戻って良かった──そんな温かい気持ちになれました。ベンゼマがどんな男であれ、彼女達に希望をもたらしてくれた。僕もわずかですが気が晴れるようでした。
まあ、あちらは僕のことなんて気にも掛けていませんでしたけどね…………。
その日と次の日、オーク共は食事と女性牢の排泄処理の仕事以外ではやって来ませんでした。
ベンゼマが無事に戻って来たことといい、驚くべき変化が続けざまに起こりましたが、此処に閉じ込められて以来の安らげる時間となったのは間違いありませんでした。
ベンゼマが合流してから何度目かの食事が運ばれて来た時、
「なあ、彼女らを入浴させてくれないか。せめて髪やからだを綺麗にするぐらいの水と布が欲しい。このままじゃ病気になっちまう。お前らだって彼女らを死なせたくないんだろう?」
と、彼がオーク共に頼み込みました。
僕は息を呑みました。それは彼女達が何度も嘆願しても聞き入れられず、逆に奴らの怒りを買って蹴られたり殴られたりした願いだったからです。
ベンゼマは男だから、それ以上の悲惨な目に遭うのではないか──そう思わずにはいられませんでした。
ですが……オーク共は顔を見合わせ、何やら豚鼻を寄せてブヒブヒと話し込み、ベンゼマに危害を加えることはしませんでした。食事を置いて出て行ったのです。
そして……。
しばらくして奴らは戻って来ました。水がなみなみと入った幾つかの木桶と数枚のボロ布を持って。
女性陣の喜びようったらありませんでした。誰もがベンゼマに感謝をして、チェニーなど裸を気にせず抱き着いて彼の顔を舐めていました。
もう時間感覚が無くなっていたのでおそらくですが──その日の二度目の食事が終わってしばらくしてからです。静かな時が過ぎていて僕もウトウトしていたのですが、あちらから、「あ……♥ あ……♥」と、か細くはありましたが女の艶声が聞こえてきたのです。
心が縮こまった僕は目も覚め、腐りかけの藁敷きから起き上がると鉄格子に顔をつけて目を凝らし耳を澄ませて、台の向こうにある牢の中の気配を探りました。
天井から伸びる棒に繋がれた魔法の球は常時赤い光をこの牢獄中に放っていますから、赤色で多少見ずらくとも様子が覗えるのです。
──こちらとは対象的に先日交換されたばかりの真新しい藁山のベッドで、仰向けに寝転がったベンゼマにレスティアが跨り、大きくなったお腹を揺らめかせながら、ねっとりとした腰遣いで動いているところでした。
ベンゼマとレスティアは吐息とも喘ぎともつかない口気をアァアァとつき、両手の指を一本一本絡めながら握り合い、熱く見つめ合いながら下半身を繋げていました。赤色の世界の中でも揺れ動くロングヘアがエルフ特有の金の輝きを放っているようにも映り、女性達が指を水で濡らしつつ助け合いながら丁寧に仲間の髪を梳いていたのを思い出します。清拭していた肌も同様に美しい滑らかさと光沢を取り戻しているように見えました。
「いいのかよ、そんなに動いて……流産しちまうぞ……」
「構わないわ……」
「そしたら、怒った奴らが何をしてくるか……」
「フフ、殺されるかしら? いいわ、殺すなら殺しなさいよ…………。それなら、なおさら私は……貴方とこうしてたいわ…………」
「そうか……そうだな…………」
こんな会話をして互いに求め合う二人を、周りの四人は温かな微笑みすら浮かべて見守っていました。
オークによる凌辱の日々に僕達は精神まで侵されてしまい、他人の交淫を平然と眺められるようになり、逆もまた然りになってしまったのかも知れません。
ベンゼマとレスティアのセックスは当初ゆるやかでしたが、より熱を帯びてくると、それはもう愛し合っていると言ってもいい蕩けようで、四人──と僕──に見つめられているのも気にせず、
「レスティア! レスティア!」
「ベンゼマ! ベンゼマァ♥!」
と、最後には名前を呼び合いながら激しく求め合い、昇り詰めたのです。
二人は動かなくなっても、ずっと下半身を密着させながら長い間幸せそうに躰を震わせ、やがてベンゼマの胸に倒れ込んだレスティアを彼は優しく抱き締め、二人はまた長い間キスをしていました。
その間ずっとベンゼマのペニスはレスティアの秘裂に突き入れられたままで、その結合部から白濁の体液がとめどなく溢れ出ていました……。
やっと彼女が離れると、すぐに動いたのがアスリナンでした。
彼女はすがりつくようにベンゼマに抱きつき、「私も抱いて……!」と、はっきり告げたのです。
そして、今度はこの二人が口づけを交わし、抱き合い始めたのです。
アスリナンもベンゼマと愛の言葉を送り合い、彼に労られて、
「あぁ…………♥」
と、安堵するような顔つきになり、正常位でベンゼマを迎えると、膨らんだ腹部を恥ずかしがっていましたが、
「恥ずかしがることなんてない……これは君達が命を懸けて戦ってる証拠だ……君達の大切な命の一部……君達自身じゃないか……とても美しいぜ…………」
こんな異常な事態の中にあっても、なんて歯の浮く台詞を言うんだと僕はむず痒くなってしまいましたが、女性陣は違ったようです。特にアスリナンは感動に満ちた顔で涙をこぼし始め、両腕を伸ばしてベンゼマをギュッと強く抱き寄せ、彼もそんな彼女を抱き締め返し、二人はそんな風に情熱的に抱き合いながら、互いに名を呼び合いながら、熱い想いをぶつけ合うように比較的短い時間で絶頂を迎えました。
「あっ……♥! あっ……♥! あぁっ…………♥!」
と、ベンゼマのザーメンを注がれている間じゅう、アスリナンは彼の頭を掻き抱き、腰を両脚で挟み込み、幸せそうな嬌声を漏らし続けていました……。
満足気にぐったりと動かなくなったアスリナンをベンゼマが優しく抱き上げて藁のベッドの端に移すと、今度はチェニーが四つ足でおそるおそる彼の足元に寄っていき、まるで飼い主に哀願する犬のようにうるうると目を潤ませた顔つきで見上げました。
ベンゼマはそんな半狼少女の前にしゃがみ込んで背中に腕を回しながら頭を撫で、辛かったなと一言告げると、
「とっても痛くて、苦しかった! でも、チェニー我慢したよ!」
と、チェニーはベンゼマに抱き付いて今にも泣きそうな声で言ったのです。
これまでチェニーだけは僕に何も言いませんでした。レスティアやペティが言葉豊かに僕を詰(なじ)る中、非難や罵倒などせず黙っていましたし、僕を見る時も見下したり侮ったりした目つきでは決してありませんでした。
でも……あの底抜けに明るかった瞳からは温かい光は完全に消え失せ、深い絶望の昏(くら)い闇に沈むようになっていました。チェニーの目や表情からは感情や感動が無くなっていたのです。
僕を見ているようで見ていない、とでも言えばいいのか……僕という存在がどうでもよくなってきて、認知の範疇外になっているような──
それはある意味、憎まれるより辛いことかも知れません。
──その目に久しぶりに感情が戻っていたのです。
ベンゼマが優しげに抱き返すと、チェニーはさらに彼の首をギュッと掻き抱いてワァワァとひとしきり泣き、泣き腫らした顔でベンゼマの頬をペロペロと舐め始め、その口をベンゼマが口で塞ぐと、
「ん…………」
と微かに喉を鳴らし、頬に赤みが差して緩み、ベンゼマの口づけを受け入れました。
ベンゼマはキスをしながら藁の上にチェニーを優しく押し倒すと、その肌に手を沿わせながら愛撫を始め。
小さなからだに不釣り合いなほど大きく膨らんだお腹が目立つ半狼少女は、
「あっ……♥」
と、明らかに喜色を含んだ声を漏らしました。
ベンゼマの手はチェニーの細い肢体を巧みに渡り歩き、最終的には口も用いてアソコを弄ることに集中すると、チェニーはオークとの交わりの中ですっかり身についてしまった〝官能的なダンス〟を披露し始めました。目をうっとりと閉じて、快感を覚えているとはっきり分かるほどからだを妖しくくねらせ、あんまり動くなと言われるぐらい腰を踊らせるんです……。
ベンゼマが僕のパーティと共にいたのは一週間にも満たないほどですから、レスティアはともかくこの二人が言葉を交わしたところなど、救出後の野営地で改めて僕とペティ以外のメンバーが一人一人挨拶した時ぐらいしか記憶にありません。その時も、「チェニーだ!」と一言だけでしたし。
心を許した相手には愛情深い分、見知らぬ人間には人一倍警戒心が強いチェニーが、接点が殆どなかったベンゼマに懐くようにからだを預けたのです。
強い魔物とも恐れずに戦える心体を持ちながら、セックスするには──子供を作るにはまだ早い年齢の筈でした。そんな少女が、ベンゼマにからだを許し、クンニを女として感じている表情をしているんです。
よく見ると、妊娠してから厚みが増した胸の双端が驚くほど膨らみ尖り伸びて、チェニーの昂奮具合をよく現していました。
「ンアアン……♥ キモチイイ……♥」
と、色気を帯び出した嬌声も上げるほどで……。
──それから十分もしないうちに、四つん這いになったチェニーにベンゼマが覆い被さり、彼女のラブジュースでグチョグチョになったアソコを貫いていました。
「アッ♥ アッ♥ キモチイイよう♥ キモチイイよう♥」
何十日にも渡る凌辱開発ですっかりメスの穴として目覚めたチェニーのアソコは、オークにも負けない逞しさのベンゼマのペニスを滑らかに迎え入れていました。
ベンゼマの四肢という檻の中に囚われたような体勢は、見世物小屋で狭い檻に入れられていた頃の姿を彷彿とさせます。
小さなからだに比べて痛々しいほどに膨らんだお腹を揺らせながらベンゼマの抽送を受け止めるシルバリオの少女。
それなのに、快楽と安堵に満ちた顔で赤い舌先を覗かせながら喘ぎまくるチェニーの姿は、背徳的ですらありました…………。
「チェニー、君も俺の愛を受け止めてくれるか? 君が望むんだったら、いくらでも与えてやるぞ」
「欲しい♥! 欲しい♥! オマエのが欲しい♥!」
「ベンゼマだ」
「ベンゼマの欲しいッ♥!」
「よしッ!!」
ベンゼマのピストン運動が早くなり、チェニーの中で果てたのはそれからすぐでした。
「ンアアァァァーーーーーッッ♥♥!!!!」
間違いなく詰め所にいるオーク共が聞いてしまうぐらいの大きな声で、チェニーは心底気持ち好さそうにベンゼマの膣内射精を迎えたのです…………。
ですが、オーク共が様子を窺いに来ることはありませんでした。
チェニーもまた幸せそうにぐったりすると、ベンゼマは残った二人の方に振り向きました。
ペティと視線を絡め合ったベンゼマですが、ふっと、横にいるアラサに顔が移りました。
スッと美しく伸びた背と出っ張ったお腹というアンバランスさで正座しながらそれまでの光景を見続けていたアラサは、腹部に負けないほど大きく垂れた胸を張りながら彼としばらく見つめ合っていましたが、
「……気味が悪いほど優しいのだな…………」
とだけ言いました。
「それ以外に……今の君達に何が必要なんだ…………?」
悲しそうな目でアラサのお腹を見やるベンゼマ。
「……」
アラサはキュッと唇を引き結びましたが、よく見ると口端が痙攣し、目にも虚ろさがありました。
今にも壊れそうな──少なくとも僕はそう感じました。
そんな彼女の頬にベンゼマが腕を伸ばし優しげに撫でると、その手に手を添え、アラサは瞼を閉じて彼の掌の感触を確かめるように頬ずりしました。彼女らしい気丈さなどまるでない弱々しい仕草にしか見えませんでした。
「これが……人の……男の……温もりか……フフ………人より先に……魔物の体温を知ってしまうとはな…………」
「……黒髪の民族は幾つか知っているが、君の髪質は彼らとも違う気がする…………」
と、もう一方の手でベンゼマはアラサの髪に触りました。
「もっと彼方の国から来たんじゃないか? 同胞もいない遠い土地のダンジョンの奥で、こんな…………想像するに余りある」
ろくに手入れ出来ていないためボサボサな──それでも水の供給でいくらか艶めきが戻った黒髪を優しげな手つきで撫でるベンゼマ。
「アラサ……と言ったよな」
「ああ…………」
「君さえ良ければ……そのからだに染み付いてるだろうおぞましい魔物の記憶を……ひと時だけでも忘れさせてやるぞ…………」
「……その元気、私以外に使えばよいのではないか? 全員を相手するのは大変だろう……」
「仲間外れは作りたくないな」
「フフ……それがお前のやり方か…………」
「……だめか……?」
「いや……………」
首を振るアラサの顔をベンゼマは両手で包んでまた見つめ合い、ゆっくりと顔を近付けていきました。
チェニーと同じくあまりベンゼマと接していなかった筈ですが、アラサは──数日間程度の付き合いだった男の唇が寄ってくるのを見つめる目が徐々に細まってゆき、頭は口づけを受け入れる傾きになっていったのです。
大人を感じさせるベンゼマとアラサのキスでしたが、すぐに二人の吐息は騰がってゆき、互いの躰を抱きながら情熱的な口づけになりました。唇を重ねながら藁の上に横になり、ベンゼマが上になり、また横になって──と、二人とも相手を求める気持ちで躰の動きが止まらないといった感じでキスをしていましたが、その時にはベンゼマの愛撫が始まっていて、チェニー同様にアラサはベンゼマにからだを預け、あぁあぁと気持ち好さそうな喘ぎ声が絶え間なく続きました。
アラサの体躯の方がやや大きいほどでしたが、そんな差は気にならないほどの男と女の絡み合いとなっていました。
しばらくして二人は正常位で一つとなり、ベンゼマが腰を動かし始めるとアラサの嬌声はひときわ高くなりました。凛然孤高とした凄腕剣士の面影など微塵もない潤み蕩けた女の声でした。
ベンゼマとアラサの交わりは前の三人よりも長く、途中から後背位に移ってベンゼマはさらにたっぷりとアラサを喘がせました。奴は誰よりも大きく肉厚なアラサの双臀を掴みながら、パンパンパンパンとリズミカルに音を鳴らし己の腰を何度も何度もぶつけたのです。妊娠の影響で膨張した乳房が迫力を感じるほどにブルンブルンと揺れていました。
オーク共の陰茎は大概が並の人間の男より長く太く禍々しい曲がり方をしていましたが、ベンゼマの陰茎も同性の僕から見ても負けず劣らずの逞しさを感じずにはいられない代物でした。巨根と言って差し支えないサイズでした。その長大な肉棒をアラサの豊かな尻は美味しそうに全部呑み込んでゆくのです。
最初は、「アラサ……アラサ……!」と、ベンゼマが相手の名前を呼びかけるだけでしたが、後背位になってからは後ろから烈しく突かれる快感でアラサの淫惑の表情もさらに深まり、「おお……ベンゼマ……ベンゼマ……♥!」と、己のナカを往来している男の名前を好ましげに呼ぶようになり、最後の方は上体を突っ伏して腰だけ掲げた姿勢でベンゼマのもたらす心地好い刺激を感じまくっていました。
「アラサ……そろそろ出すぞ……!」
「おお……♥ え、遠慮はいい……存分に出して…………♥!」
「おおおッ……!」
ベンゼマが絶頂すると、アラサの奥深くまで突き入れた密着姿勢のまま、彼は射精の快感に酔い痴れるように躰を震わせていました。
「お~……♥ おぉ~~~……♥」
と、アラサも気持ち好さそうな吐息をつきながら突っ伏したまま、やはり全身を奮わせ、うっとりとその膣内射精を感じていたのです。
ベンゼマより遥かに強いだろうアラサが、まるで奴に屈服して支配されているかのような光景でした…………。
アラサの胎内で射精し終えるとベンゼマは体液まみれになったペニスをヌッポリと引き抜き、アラサの横に寝て労るように彼女の頭や肌を撫でていました。呼吸が落ち着いてきたアラサも彼にからだを寄せて余韻に浸っていましたが、
「あと一回しないか?」
と言ってきたベンゼマに、フッと吹き出すような笑みをこぼしアラサは嬉しそうに頷きました。
二人は壁際まで行き、そこで立ちバックでまたサカり始めたのです。
初めて肌を触れ合わせたばかりの関係だと言うのに、ベンゼマがアラサを求める様、アラサがベンゼマを求める様は、本当の恋人同士のような情熱的な交尾でした。
「アラサッ、アラサッ!」
「ベンゼマッ、ベンゼマッ♥!」
と、恋人が呼び合うように互いの名を叫ぶのです。
今度はベンゼマが昇り詰めるのは先程よりも早く、「ぐっ……もう……出ちまうッ!」と、射精に向けて腰の動きが速くなると、「来て、来て……♥!」と、アラサも女の声を出して歓迎するように両脚を踏ん張り、膨らんでいる腹などお構いなくベンゼマの種を注いで欲しいという姿勢で彼のラストスパートを迎えました。
もっとも、ベンゼマは種無しなので、妊娠していなくとも子供は出来ませんが……そういう問題ではなく、アラサはもしベンゼマに子種があっても受け入れるという意志を示したのです。
二度目のベンゼマの精液がアラサの胎内に注がれると、彼女はからだじゅうを戦慄(わなな)かせ、上の空になったように悶えた声を漏らし続け、幸福感すら感じる惚けきった顔でベンゼマの膣内(なか)出しを受け止めていました。
「くそ、オークなんかに渡したくなかったな……アラサ、お前のマンコ……気持ち好すぎるぜ…………」
そう言って射精はとっくに済んでいるだろう時間が過ぎてもベンゼマはアラサと下半身を密着させたままでしたが、
「…………バカ………………♥」
と、アラサは甘ったるい声を出し、情愛が浮かんだ目でベンゼマに振り返って微笑んでいました…………。
2
満足して横たわる女体の数が四つになると──。
最後まで残されてずっと座り込み、仲間達が悦び満たされる様子を見守っていたペティの横に、ベンゼマが腰を降ろしました。
「随分と待たせちまったな、ペティ……」
「…………」
ペティは黙りこくったまま顔を逸らし俯いていましたが、肩をぐいっと力強く抱かれて引き寄せられると、
「あっ……」
と、ベンゼマにもたれかかってしまいました。
ですが、拒む素振りはありませんでした。
──僕の視線があっても…………です。
「ペティ……お前が生きていてくれてて、俺がどんなに嬉しかったか分かるか?」
「……わからないわ…………」
と言うペティでしたが、その声の調子は尽きかけの蝋燭の火のような儚さを帯びていました。
「お前までオークに孕まされちまってよ……ちくしょう、悔しすぎるぜ」
そう言ってベンゼマは彼女のお腹の膨らみを撫で回しました。ベンゼマに無遠慮に触られたペティでしたが、やや身じろぎしただけで、特に嫌がっている風もありませんでした。ですが、不意にベンゼマに顔を向け、
「フフ……それは残念ね……。あなたも……あんなに……私の中で出しまくってたのにね…………♥」
と、皮肉げな笑みを浮かべながらそう言い放ったのです。
「おい──」
ベンゼマの顔がこちらに向きました。それに合わせてペティも。
この時初めて、僕は彼らに意識されたのです。
「……もう……今さらよ…………」
と、悲痛に顔を歪ませて一旦は僕から目を逸らしたペティでしたが、再び視線が戻って来た時には、不敵な笑みに変わっていました。
「ねえ、クラスト。この際だから言うわ。もう気付いてるかも知れないけど……。
私、まだ盗掘団にいた頃、ベンゼマに抱かれてたの」
知ってる、それどころか再会したその日にヤッてただろう──僕はペティと見つめ合いながらそう思いましたが、声になりせんでした。口が動きませんでした。喉も舌もカラカラに乾いていました。
もうとっくに知っているのに──実際にこうしてペティ本人の口からはっきりと言われると、僕の心は張り裂けんばかりに痛みました。意識が薄まり失神しそうでした。
他の四人だけでなく、僕の大事なペティも容赦なくオーク共の慰み者になる光景を……それどころか、彼女から積極的に奉仕して、平気で豚面とキスをし、腰を振り、善がり喘ぎ、「イクイクイクゥッ♥!」と叫びながらオークと同時絶頂を迎え、恍惚とした表情を浮かべながら奴らの子種を胎内に注がれている姿を──正直言って他の誰よりも淫乱だった姿を──何度も何度も何度も何度も……眼前で見せつけられたというのに、僕の内面にはまだ痛みを覚え血が流れる箇所があったのです。
「この人、まだ月のものが来たばかりの私にセックスを覚え込ませたのよ。中出しもされたわ。それも、一度や二度じゃない…………一年ぐらい続いたのよ。此処のオーク共みたいに、何度も何度も……遊ばれて、求められて…………。他にも女はいたのに、この人は私も性の捌け口にした。
……でもね。本当は…………私もすっごく気持ち好かったの………………♥」
まるで妖婦のような微笑みをペティは浮かべていました。オーク共とのセックス漬けの毎日がもたらした変化なのか、淫気を纏ってるような気配さえ感じました。
「この人、乱暴にはしなかったから……。最初の頃はフェラチオで終わらせてくれたし、処女じゃなくなったのも……関係が始まって二、三ヶ月ぐらいしてからだった…………。
でも、その数ヶ月の間で、挿入なしのセックスを何度もして、おマメでは数え切れないぐらいイカされて……♥ 本当の意味で〝イッた〟のは、もっと後…………中出しされるようになってからだけど…………♥
そうそう、この人、種無しなの。だから何度中出しされようが子供は出来なかったのよ。クラストもそれで気付けなかったのかもね。
この人ったら、子供の私相手にもすっごくねちっこかった…………♥ でも、優しくしてくれたから、私も、本当は……この人とセックスするの……イヤじゃなかったの…………♥」
「それは嬉しいな……イヤがってないのは分かってたが、懐きもしなかったからな……初めて聞いたぜ、お前の本音」
二人は唇を重ね、旧交を温めあうように親しげにキスをしました。
「まだ子供だった私を弄(もてあそ)んどいて……何言ってんのよ…………♥」
「俺はお前を子供とは思ってなかったぜ……一人の女として見てたんだからな」
「……ウソつき…………」
「それだけお前に魅力を感じてたんだよ……だから乱暴にはしなかった。じっくり時間をかけてたんだ。クラストがいる手前、慎重に事を運んでたんだぜ……お前を失うのが怖くてな。いずれはお前の心も俺のモノにして、ハッキリと俺の女だと宣言しようと思ってた。途中でそれどころじゃなくなったがな…………」
「…………そう……だったの…………?」
信じるな、ペティ──僕はそう思いました。
「ああ……そうさ、信じてくれ……俺はお前を守っただろう? お前らを乞食から拾い上げ、食うものも寝るところも安全も仕事も……何もかも与えたのは俺だ。俺はお前らの救世主だったじゃないか。
改めて考えてくれ……俺はお前を弄(もてあそ)んだだけか? お前を求めて何が悪い? そんなに許されないことか? 男が女を求める……ただそれだけのことじゃねえか」
そう言ってベンゼマは再びペティの唇に唇を近付けていきました。
「今でも……お前が欲しい気持ちは変わっちゃいねえんだ……それは分かるだろ…………」
「ベンゼマ………………」
僕とはまるで違う温度でベンゼマと見つめ合うペティ……。
皆んなと同じ──そう、〝雌の顔〟になっていました…………。
(やめろ…………やめてくれ………………ペティ……………………!!
そいつは……他の女にも同じことを言う男なんだ…………!!
周りの皆んなにも同じことを言う男なんだぞ…………!!)
僕はそう叫びたかった。
二人が心を通い合わせようとしているのを止めたかった。
知らないうちにフウフウと鼻息を荒げながら、僕は両手の爪から血が滲むほど鉄格子を握り締めていました。
でも、僕は────
一言も……何も……わずかな嗚咽すら発せられませんでした────。
何故だろうと今でも考えます。
盗掘団にいた時からペティがベンゼマと関係していたという衝撃がまだ抜け切っていなかったからか。家族以上の強い絆があった──と、僕が勝手に思っていた──彼女が他の男と熱愛的なセックスをして……種無しだとまだ知っていない段階で中出しを簡単に許すどころかそれを気持ち好さそうに感じている光景を見てしまったショックがまだ心の何処かにあったからなのか。それとも、愛しい人が性欲だけが取り柄のような低俗な魔物共の性処理便所にされ、おぞましい異種姦生殖乱交の宴の生贄にされ、オークの孕み袋にされた姿を見させられ続けたからか。その全部か。
そんな数々のダメージで僕の心も叩き壊されてしまったからなのか…………。
それとも────
トラップの知識や技術がありながら錠前一つ外せず、戦士の真似事をしながら血が出るほど握り締める鉄格子の一本も曲げられず。
五人の仲間がオークに犯されているところを眺めているだけの僕の言葉は、もう、彼女たちには届かず。
大事な人が泣きながら魔物に犯され、人ならざる子種を注がれ、悪夢のような生命を胎(はら)に宿してしまっても、何一つ出来ず。
いつしか──僕も完全に諦めてしまっていたからなのか…………。
絶望と無力のあまり、人生で一番大事な人すら諦めてしまうぐらいに………………。
僕は大粒の涙を流しながら口をパクパクさせるだけで、ペティがベンゼマの口づけを受け入れるように唇を重ねるのを、彼女自身がそれを望んでいるような光を湛えた双眸を閉じてゆくのを────。
ただただ……穴が空くほど、虚無な穴が空くほどにじいっと……ただただ押し黙って…………。
ペティとベンゼマの唇が結ばれるのを見つめていたのです………………。
3
この二人の交わりは、他の誰よりも親密でした。
もはや僕のことなど気にすることなく奴を受け入れたペティは、本当に長い間ベンゼマと抱き合って気持ち好さそうに口づけを繰り返し奴の愛撫する手の動きを感じていました。合間合間に安らいだ微笑みを交わしながら。
「ペティ……ペティ……♥」
「ベンゼマ……ベンゼマ……♥」
と、最初からお互い愛しそうに名前を呼び合ってさえいたのです。
初めから僕のことなどどうでもよかったのではないか──と、思ってしまうぐらいに。
盗掘団時代には、もう、僕よりベンゼマのことを好きになっていたのではないか──と。
まだ子供で肉付きの薄かったあの頃のペティが、ベンゼマの手で何ヶ月もかけてからだを開かされ、僕の知らないところで──奴の個室のベッドで成熟していないオマンコをさらにじっくりとほぐされて大人のペニスを気持ち好く迎え入れ、まだ子供なのに快感を覚える生ハメセックスをベンゼマとして…………。
あの頃のペティのオマンコにベンゼマのザーメンが何度も注がれていて、ペティはそれが気持ち好くて、イヤじゃなくて、ベンゼマに調教されていた時から彼女は奴のことを…………。
ベンゼマが遠慮もなくペティの股の間に手を入れ、
「なんだよ……もうココはグッチョグチョじゃねえか…………」
「イヤ……ダメ…………♥」
と、ふざけあう恋人同士のようなやり取りをする二人に僕は現実に戻されました。
「フフ、ナニがダメなんだよ……おい、まずは昔みたいに俺の息子を可愛がってくれないか……」
「もう、しょうがないわね……♥」
その言葉とは裏腹にペティは嬉しそうに笑んでベンゼマが拡げた両脚の間にからだを入れ、奴の股間に顔を近付けました。二人のその何気ない一連の動作はスムーズで慣れ親しんだ空気があり、いよいよペティとベンゼマの関係の深さの裏付けに感じられました。
ペティが驚いたような声を出し、
「……随分と変わったのね、あなたのココ……。前はもっと肌色に近かったけど…………」
と、ベンゼマの黒々とした陰茎に指を沿わせます。
「男のイチモツは段々黒ずんでいくもんなんだよ。女としてたらなおさらな。イイ歳した男なんて皆んなこんなもんさ。女だってそうなんだぜ……?」
「そうなんだ……にしても、すごい黒さよ…………まるで──」と、嫌そうに眉を顰めるペティ。「まるであいつらの色みたい…………」
「考えすぎだ、たまたまさ。オーク共も躰は人間と同じようなもんだしな。それよりさっさとしてくれよ」
「え、ええ……」
ペティは頷いてベンゼマの陰茎の下の方から舌を這わせ上げ、同時に根元を握り込もうとしましたが、
「あは、片手じゃ握り切れない……指がくっつかないわ……前より太くなってる……♥」
と、気分が戻ったのか嬉しそうにそう言ってしごき始めました。
「それにすごく……熱くてカチカチ…………こんなのをチェニーやアスリナンにも遠慮なく突っ込んだのね……ひどい人……♥」
「太くて固い方がいいだろ?」
「そうだけど……慣れてないと痛いんだからね……♥」
「俺が無理やりするような男だと思うか? お前をあれだけ時間をかけて女にしてやったのは誰だ?」
「フフ…………そうね…………♥」
ペティはあーんと口を開けて亀頭から呑み込み、「んっ、んっ……♥」と、頬をすぼめて頭を上下に揺らし出しました。
ベンゼマは、「おぉ……」と、感嘆の吐息をつきました。
フェラチオは僕も何度かやって貰ったことがありますが、思い返してみればペティはやけに上手だった気がします。そういう時はあまりの気持ち好さと彼女にして貰うのが嬉しいばかりで気付きもしませんでしたが……こういうことだったのかと理解できました。盗掘団時代に仕込まれたのでしょう……男を喜ばせる口唇技術が身に付くぐらい、ペティはベンゼマと男女の行為をしていたわけです…………。
「おお……最高だ……ペティ、たまらねえぜ……お前のフェラチオは最高だよ……」
節くれ立つ棍棒のように太く長い男根をズチュズチュと音を立てて頬張りながら、そう褒めるベンゼマを目を細め嬉しそうに見やるペティ。
ペティは棹をしゃぶるだけではなく、上は亀頭から下は陰嚢までキスの雨を降らせたり、亀頭だけを入念に責めたり、かと思ったら陰嚢をいじりながら棹に舌を這わせたり、その陰嚢だけを唇と舌で満遍なく舐めしゃぶったり、そうして再び肉棹を頬張って──と、ベンゼマの男性器全体に愛の奉仕を配りました。僕はあそこまでされたことはありませんでしたよ。
ベンゼマは終始気持ち好さそうでしたが、そのうちペティの棹しゃぶりが一段と熱を帯びてくると、奴も声を大きく張り上げました。
「ああ、激しいぜペティ……! そんなにされたら、もう、出ちまう……おぉ……!」
奴のペニスを咥え込んだままのペティがコクリと頷くのが見えました。
「いいんだな、出すぞ……おおっ……!」
ベンゼマが半ば無意識にペティの頭頂を手で抑え、わずかに浮かせた腰が痙攣しました。
「オオッ……!」
「ん……♥ ん……♥」
ペティの喉首が何度も何度も動いていて──うっとりとした目で────
ベンゼマの射精を口の中で受け取っているのが解りました────
しばらくしてやっと頭を上げ、最後のひと呑みもゴクリと下したペティは、
「んん……♥ もう何発も出してるのに……量も……濃さも……凄すぎ…………♥」
と、恍惚とした表情でベンゼマを見上げながら言いました。
「見せてみろよ」
ベンゼマにそう言われるとペティは口を大きく開きました。
さすがに僕の位置からでは口の中まではなかなか見えませんでしたが、ベンゼマの快心そうにニヤけた笑みで、どれだけ奴の精液の残滓にまみれているかが分かるような気がしました。
「フフ、たまんねえ顔しやがって……」
「ホントに種無しなの…………♥?」
「それはお前が一番よく分かってるだろ?」
「そうだけど……♥」
「ああ、ペティ、昔よりずっと良い女になってるぜ……」
ベンゼマはペティを立たせ、彼女の顔を撫でながら言いました。
「俺のザーメンを美味そうに呑んでくれて。嬉しくなっちまったよ」
「ベンゼマ……♥」
「ペティ……♥」
二人は恋人のように抱き合って口づけをしました。ベンゼマは彼女の口内に己の体液がまだ残っているのも気にせずにペティとキスをしたのです。
「またお前と一つになりたい……種なんて関係ねえ……孕んでても関係ねえよ……昔みたいに……お前の胎(はら)にガキ仕込むつもりで……オークの仔なんざ押し退けてよ……お前に俺の精液を注ぎ込みたくて堪んねえよ…………」
「ベンゼマ………………♥」
ペティの表情がますます潤んで〝雌の顔〟が深まり──二人は再び唇を重ね、裸と裸を密着させながら、今度は情熱的なディープキスをしていました。
やがて彼女はベンゼマが促すままに鉄格子を握って奴に尻を向け、二人は立ちバックの体勢になりました。ベンゼマは首を後ろに曲げたペティとまたキスをしながら背後から彼女のからだを優しげに撫で回し、お互いの名前を愛おしそうに呼び合ったのです。他の皆んなもそうでしたが、清拭で久しぶりに綺麗になったペティのからだはちゃんと水浴びした時よりも──今まで見たどんな時よりも美しく見えるぐらいでした。
「そろそろ挿れるぞ、ペティ……」
嬉しげな表情のペティが何の躊躇もなく腰を突き出しながら前を向き────
僕と目が合いました。
「……あら、クラスト……まだそこにいたのね…………」
「すまないなクラスト。お前じゃこいつを抱くことなんて出来ないだろ? だが、可哀想なペティには今、慰めが必要なんだ。代わりに俺が慰めてやるからな」
「やめろ……ペティ…………!」
ここで僕はやっと喋ることが──彼女の名を呼ぶことが出来ました。まるで死にかけの老人のようなしゃがれた掠れ声でしたが。
「喋れたんだ」ペティは嘲るように、でも悲しそうに笑いました。「もう口も利きたくなくなったって思ってたわ。私があいつらに犯されてる時も、助けを求めた時も、何も言ってくれなかったくせに………」
「それは…………!」
ペティ達に降りかかる淫惨な凌辱の日々の中で、絶望に打ちのめされた僕は何の力も持たない言葉を発する意味を見失っていたからでした。
でも、これは。
これは違う。
それはハッキリと理解できました。
「大丈夫よクラスト。私はもう妊娠してるんだし、ベンゼマは種無しなのよ。どれだけ中出しされたって平気だわ……♥」
「そう……じゃ……ないだろ…………!」
「じゃあ、あなたが私を慰めてくれるの? オーク共に何日も何日も犯され続けてボロボロになった私を慰めてくれるの?」
「ぐうっ………………!」
「無理じゃない…………」
と、ペティは妖しく微笑みながら、優越げに笑んでいるベンゼマと熱い口づけを交わしました。
そして、自分の膨らんだお腹をさすり、
「ねえ、見て、このお腹……。あなたの子なんかじゃない。オークの仔よ…………。こんな変わり果てたお腹をしてても、ベンゼマは優しくしてくれる……私を欲しいって言ってくれる……私達を慰めてくれる…………あなたはどうなの?」
「くううう…………!」
「無理しないで、クラスト。あなたもひどい顔よ……休まなくちゃ。あなたの代わりにベンゼマが私を慰めてくれるトコロ……いつものように…………何も言わずに見てて…………♥」
ベンゼマが己のイチモツを掴みながらペティの尻にくっつきました。彼女のアソコに先端を当てているのです。ペティは嬉しそうに自分からも腰の位置を合わせました。
「ペティ、いくぜ……昔みたいに楽しもうぜ…………」
「うん……♥! 来てぇ……ベンゼマ…………♥!」
やめろおおお──────!!
ですが────当然のように止まる筈もなく。
ペティと、ベンゼマは。
お互いに望み合いながら一つに繋がったのです………………。
「ンアアアアッッ♥♥!!」
と、ペティはゾクゾクとからだを奮わせ、挿れられただけでイッてしまったような声を上げました。
「おおおお、ナカの肉がうねりまくって……すげえ熱い、すげえ歓迎ぶりだ、ペティ…………♥!」
「ベンゼマァ…………♥!」
「ペティ…………♥!」
そこからは、もう、二人は言葉を無くしたように行為に没頭し始めました。たまに出ても相手の名前を愛おしそうに叫ぶだけ。二人の口から発せられるのはケダモノのような声。ケダモノのような勢いの交わりでした。
パンパンパンパンパンパンパンパン!
「ベンゼマ♥ ベンゼマ♥ ベンゼマ♥」
「ペティ♥ ペティ♥ ペティ♥ ペティ♥」
二人の正直な気持ちがぶつかり合うような、茹だるような情慾にまみれたセックス────!
オークの赤子なんて流産して構わない、いや流産させてやる、代わりに俺の子を仕込んでやるといった勢いで後ろからペティを突き回すベンゼマ。
その激しい突き入れを嬉々として受け止め、真っ赤に泣き腫らした顔で乱れまくるペティ……!
「おおおっ……これはっ……ペティ♥! お前が気持ち好すぎて……たまらねえ、もう出ちまうッ……!」
「いいのッ、出して、出してッ♥! 一番奥で出してぇ……ッ♥!」
「おおっ……受け止めてくれ……! 俺の愛を…………!」
「ベンゼマァァ…………ッ♥♥!!」
グイッと彼女のからだが持ち上がるほど後ろからベンゼマに突き押し上げられ、ペティのお腹と乳房が鉄格子に圧し潰されました。
「────~~~~~ッッ♥♥♥♥!!!!」
歓喜に包まれるペティの声にならない声。
二人が繋がった股の間から、白濁の粘液がボタボタと真下に垂れ落ちてゆくのが見えました。
直前に四人も相手にしながら、まだあれだけの量の精液を放てるなんて──と、僕は驚きを覚えずにはいられませんでした。
それだけベンゼマもペティのことを────
本気で──────
──と思ってしまう自分に、どうしようもない惨めな敗北感に囚われてしまって。
お互いに昂奮にまみれながら愛を確かめ合い求め合った末に射精し、射精されて、昇天しそうなほどの心地で最高の瞬間を味わっているペティとベンゼマ。
オークの仔を妊娠しているなんて関係ありません。
まだ大人と言うより少女と言った方が相応しい年齢なんて関係ありません。
ペティは心からベンゼマのザーメンを……まるでベンゼマの子種が詰まっているザーメンを子宮に迎え入れて女の幸せの極地に達したかのような嬉悦を全身から発していました。
それに比べ、僕は逆に地獄の底まで落ちていきそうな力の無さでずるずるとその場に崩折れ、もう、ペティの方に顔を向けられませんでした。
「ペティ……♥」
「ベンゼマァ……♥」
それでも心を通わせたように呼びかけ合う二人の声が残酷にも届いて来て、その声音にお互いを求め合う愛情が籠もっているのを感じて、ベンゼマの孕ます気持ちが籠められた膣内射精をペティが紛れもなく愛を抱きながら受け止めたのだという事実に、僕の意識はさらなる絶望に満ちた果てしない闇の中へとどこまでも吸い込まれてゆきました………………。
4
それからの日々は……僕にとってさらに辛く、地獄にいるよりも陰惨なものとなったのです。
ベンゼマが戻ってきたのを機にオーク共がペティ達を慰み者にする頻度が減りました。具体的にはこれまでほぼ毎日のように夥しい数のオークがドヤドヤとやって来て妊娠しているのもお構いなしに彼女達を長時間犯して楽しんでいたのですが、それが二、三日に一度の割合となったのです。
根本的な状況は何も変わっていませんが、心身ともに負担が劇的に減ったペティ達の様子は明らかに変わり、目に見えるほど元気を取り戻していきました。完全に回復したとはとても言えませんでしたが、それでも何の希望も無い表情で項垂れたり無気力に寝転がっていたり、虚空を見つめながらブツブツ呟いていたりする頃とはまったく違いました。
いつも彼女達の中心にはベンゼマがいて、彼らは親密そうに肩を寄せ合い、楽しげに会話をし、よく笑い合うようになっていました。
ベンゼマを見つめるペティ達の信頼と親愛の目つきといったら…………。
オーク共がやって来ない日は、あちらの牢ではベンゼマと女性達がよろしくやっていました。ペティ達は彼を取り合って仲違いすることもなく、むしろ同じ運命を分かち合う仲間として淑女協定──淑女と言い表すのはおかしいかも知れませんが便宜上──を結び、五人仲良くベンゼマの女となったのです。
性欲旺盛なベンゼマは五人全員だろうが喜々として相手にして、順番に尻を並べてハメまくって腟内に注ぎまくり、オークの仔を身籠っていようが種が無かろうが己のザーメンで孕むことを五人に想像させ、全員がその命令通りに今お腹の中にいるのがベンゼマの子だと想像しながらアクメに達し、五人とも幸せそうに逝きまくって満足することもしょっちゅうでした。
五人でベンゼマの黒光りする男根に群がって場所を取り合うように舐めたり口づけしたりとグロテスクさなどもはや気にせずに愛しげに奉仕したり、五人のからだを集めて外出しザーメンシャワーを浴びせたり、かと思えば一対一で甘い言葉を囁き交わしながら愛し合う時間を持ち回りで作ったり、後ろの穴でもすんなり受け入れられるようになったためアナルセックスに興じたり、必ずしも毎回五人全員が参加するわけではなく体調の悪い者が出れば3P、4P、5Pなどになったり……。
とにかく色々です。
一つ言えることは、ベンゼマとの交わりは慰めの範疇を超えて六人の若い情熱のままにヒートアップしていく一方だったということです。
ベンゼマの求めに応じて彼女たちはどんなに卑猥な体位や行為でも喜んで受け入れ、奴の男根を崇拝するように自分達の発情したアソコを拡げ捧げて嬉々として根元まで吸い込みこの上ない歓喜の声を上げ、種無しだからこそ妊娠させるつもりで膣内射精するベンゼマの気持ちを汲み取って奴の子を受胎する気分に浸り、でもその妊娠想像に酔い痴れるあまり、奴に膣内(なか)出しされている時、本当に愛しい男に種付けられているかのような甘い嬌声を張り上げて惑乱することも多かった。
そんな爛れた交淫が何回も続くと、気付けばペティ達はもうすっかりベンゼマの情婦同然になっていました。
彼女達はベンゼマのためにオーク共の凌辱に耐え、その翌日には奴との情愛と肉慾にまみれたセックスに勤しんでいたのです。
誰も流産を気にしないほどのサカりようでした。でも本当に流産したら、お腹のオークの仔はともかく、母体にも影響が出るんじゃないか──その心配が僕の脳裏に過ぎりました。ですが、今さら話しかけられるわけもなく、話しかけられる雰囲気でもなく、ベンゼマとの性交を何よりも望み優先するようになった皆んなの姿を、僕は暗澹とした気持ちで見ているだけでした。
オーク共にそのからだを開発されたと言ってもいい女性陣は、すっかり淫乱さが開花してしまったようで、ベンゼマとのセックスを皆んなが目の色を変えて求めて、楽しんで、満たされて──ベンゼマと彼女達がからだの繋がりで心も繋げ合って愛を語っているのを眺める時間の方が多くなったほどでした…………。
やっていることはオーク共と同じなのに、ベンゼマにされるのは良いのか──休めばいいのに──などと何度も思いましたが、それを言うなら人類だってそうです。僕を含めて。悔し紛れの反論にもなっていませんでした。
そんな中でも、ペティとベンゼマが一対一で愛し合うのを見るのが、一番辛かった…………。
あのペティが情慾を隠しもせずにベンゼマを求めて、奴と性慾をぶつけ合うようなセックスをして、どんなに激しく奴のペニスを抜き差しされようとも、俺の子を孕む想像をしろと命令されて膣内射精されても、快楽に染まり切った艶声を上げながら悦んで奴に従う浅ましい女になっている姿を見るのが…………耐え難い拷問でした。
他の四人もそうですが、二人での営みになるとペティももうすっかりベンゼマの恋人ぶりが板について、この二人もセックスしている時の熱愛さと言ったら……とても見続けてはいられないんです。
でも、目を背けても二人が愛し合う音や声が聞こえて来る。肉慾にまみれてペニスとヴァギナを繋げている淫猥な音と、快感にまみれ理性の溶けたペティの喘ぎ声。耳を塞いでも完全には遮断できず、ペティの甲高い嬌声が──ベンゼマに愛される悦びに満ちた声が指の間をすり抜けて頭の中に入って来る。
それも、回数を重ねる度にその愛しさが彼女の中で定着していくような気がして…………。
ペティとベンゼマの絆がどんどんと深まってゆく気がして…………。
それが堪らなく辛かった…………。
ベンゼマとの子供は作れない。
ベンゼマとの子供は作れない。
僕に残された支えはもうそれだけでした。そう考えることでしか精神を保てなかった。
オークの仔を妊娠していなければ、ベンゼマに子種があれば、絶対にペティはベンゼマの子供を孕むだろうほどの濃密な愛の営みから目を背けるには、それしかありませんでした。
子供が出来なくとも、もう、ペティは戻って来ない────。
子供が出来なくとも、ペティとベンゼマは子供が出来そうなぐらいの愛し合い方で、子供が作れるカップルに負けないぐらいの愛し合い方で、これからも中出しセックスをし続けるだろう────。
ペティのヴァギナを世界で最も悦ばせられるのはベンゼマのペニスとなり。
種があろうがなかろうが、ベンゼマのザーメンだけがペティの愛に包まれて彼女の子宮に招き入れられる────。
ペティはベンゼマの子を孕む想像をしながらアクメを迎える癖を身に付けて────。
そんな有り様になってしまった現実から目を背けるために……………………。
地獄より辛い世界から逃れるために……………………。
──そんなある日のことでした。
体感的にまだオーク共が来るタイミングではない時間に突然扉が開き、コツコツと歩く音を響かせて誰かがこの牢獄に入って来たのです。
オークではありませんでしたし、ゲストンでもなく──いえ、そのゲストンは数匹の配下と共にその者の後から付き従うように姿を現しました。
このダンジョンに入って初めて見るオーク以外の魔物。
台の前に立って傍若そうに牢獄内を見回すそれは、明らかに人間とは思えない灰色の肌であり、漆黒のように光を吸い込む長い黒髪からは二本の角が生えていて、その髪の色に劣らないほど黒いマントを羽織り、照明の淡い赤光とは比べ物にならないほど爛々と光り澱む赤眼、唇も不自然なほどぷっくりと紅かったですが、その暖色さが褪せるほどの冷然とした印象の顔つき──。
尻の付け根から伸びた細く長い尻尾は黒く。
僕は何度か遭遇したことがありますから、しばらく観察して直観が働きました。
魔族────
の、女。
そう、女でした。ゲストンより遥かに小柄で、上背はレスティアやペティぐらいしかなく、マントの下には躰のラインが浮き出たピッチリとして胸も股も切れ込みの深い黒いボディスーツを着て、豊かに円曲した胸と尻が目立っていました。肉付きの善い太ももから下はやはりダーク系のストッキングで覆われ、先ほどの高い靴音の正体である真っ黒なヒールを履いていて。
絶世の美貌といい、その格好といい、からだつきといい、男ならばとても魅力的だと感じずにはいられなかったでしょう──魔族でさえなければ。
「ここも臭いな……もう少し環境に気を配れ。家畜は生かさず殺さずだ……」
その女は魔族特有の極寒の大地の猛吹雪よりも聞く者を凍えさせそうな冷え冷えとした無機質な声音で喋ると、またコツコツと靴音を立てて女性牢の方へ歩き、中にいるペティ達をジロジロと眺め回しました。
女性達は──正確に言えば、レスティア、アスリナン、そしてペティ──この三人が瞼が裂けそうなほど目を瞠(みは)り、驚怖に引き攣り、カチカチと歯を鳴らして魔族の女を見上げていました。明らかに何かを感じ取っているようでした。
特にアスリナンの様子が深刻そうでした。魔族でも原初に近いものは魔王から直接力を授けられているとか何とか伝承では特別なもののように語られているそうで、魔法使いは魔力にも敏感ですから、そのせいかと思います。チェニーとアラサは三人ほどではないものの、やはり緊張した面持ちで睨んでいました。
「もうすぐのようだな……異常はないか?」
「ゴアンシンヲ ジュンチョウデ ゴザイマス。ワレワレ ハ ジョウブニ ウマレルノガ トリエ。シカモ ハヤイ! ヤスイ! ウマイ! ハヤク ウマレ ヤスク フエ タネヅケ ノ ウマサハ マカイイチ!」
ゲストンがたどたどしくも気味悪いほど丁寧な言葉遣いで頭を下げながら喋り、最後は得意気にゲヘゲヘと笑いました。
そんなモヒカンオークを視線だけで氷柱にしそうなほど冷ややかな目で──多分呆れたという感情でしょうが、見ているこちらも凍えそうでした──見上げた魔族の女ですが、すぐに視線を切り、今度はベンゼマに顔を向け、しばらく注視していましたが、彼が居た堪れない様子で身じろぎすると、
「フン……」
と鼻を鳴らし、今度はこちらへ歩いて来ました。
カツンとヒールのトップリフトを鳴らして鉄格子越しに立ち、僕をじっと見下ろすと、
「フン……」
と、今度は愉快そうに片側の口角を釣り上げ目を細めました。
「こちらも……なかなかよく育ってるじゃないか…………」
「……?」
僕は恐ろしいほど冷艶な容貌をわけもわからず見上げるしかありませんでした。
冒険者になってから魔族でも最下等の下級悪魔と戦って打ち負かしたことはありますが、その時とは比べ物にならないほどの恐ろしい気配を──言ってみるとするのなら、人生が破滅する運命の味を肌で実感するような……そんなおぞましいほどに脳がざわつく気配を感じたのです。
命が締め付けられるような脅威を感じましたが、殺意を向けられているのではないのです。殺気ではなく、もっと違う……そう、先ほども言った破滅。破滅の予感……そんな言葉がありますが、それに近いものがあるでしょうか。しかしこれは予感ではなく実感なのです。
理屈ではなく、何か得体の知れない存在の根源が具現したものを間近にしているような────
これが本物の魔族の恐ろしさなのか────。
それからその魔族の女は牢獄のあちこちを監査するように見回り、何か気付く毎にゲストンにこうしろああしろと命じ、やがて去って行きました。
直後にアスリナンが嘔吐し、数日間高熱を出して寝込みました。
誰も何も言いませんでしたが、あれが魔族であることは──それも決して低くない力を持つ悪魔であることは全員が理解したようでした。本来ならオークが棲み家とする程度のダンジョンに姿を現すことなどないはずの高位の魔物。
なぜそれほどの魔族がここにいるのか。
家畜……?
オーク共が見たことのない戦術を使って来たことといい、やはり何かが普通とは違う。冒険に普通なんてないと言われればそれまでですが。
僕らはただオークの繁殖のために捕らえられただけなのか。
ペティ達が一斉に産気づいたのは、それから間もない日のことでした…………。
(つづく?)