TSゆりフタ令嬢侍女メイド! 作:min(みならい)R18
◆♀◆ 9、ネムリタロッカ、フターリアに挑戦する ◆♀◆
「そろそろ、発たねばならぬ」
と、バーシー王が言いました。
「冬至には、儀式があるのでな。どうしても、都に居らねばならぬのじゃ」
雪が止んで、晴れ間の戻った日。
バーシー王とツクノーさまは、アスカリア領を出立されました。
「皆の衆、元気での! また遊びに来るからして」
「まこと、楽しい休日じゃった。アスカリア領に繁栄あれ」
皆に声をかけながら、下町を抜けてゆきます。
ユリとフタゴンが死闘(?)を演じた、あの通りですね。
「へいか~!」「ツクノーさま~!」
見送りの人々は、明るく、人懐っこいです。
全体に薄汚れた町なのですが、雰囲気はいいですね。
「また金配りに来てくれ~!」などと抜かしとるヤツもいましたが・・・。
私たちは、見送りです。
ユリが、今日は馬上の人。鹿毛の堂々たる戦馬にまたがっております。
同じ鞍にマレーナ姉さんがいて、ユリの背中に抱きついてます。
この戦馬、陛下から頂いたんだそうですよ。太っ腹ですな!
「ツクノーが申した通り、楽しい休日であった。そなたたちも、ぜひ都に来てくれ」
そのバーシー王が、最初に離れてゆかれました。
続いて、女侯爵のツクノーさまが。
「コノマーズにも来てくれよ。夏がええぞ。海に入れるでな」
見送りもここまで。
と、あいなったのですが・・・
「・・・。」
王女が、馬を止めたまま、なにやら迷っています。
「いかがなさいました? ネムリタロッカ姫」
ユリが問いかけると、王女は、ちょっとこちらに馬を寄せて。
小声で・・・
「フターリア姫」
と、私を呼ばれました。
なんで私?
びっくりして、ヒョイと首を出します。「はい?」
王女は、暗色の目を可愛らしくキッと私に向けて、こう仰いました。
「私は、負けませんからね」
うむ?
ライバル宣言?
ユリを巡るライバルって意味でしょうか。
しかし・・・。
ユリの相方はマレーナ姉さんなのですが?
私はユリを見ました。ユリは目を逸らしました。
おい。オマエが原因だろ。責任取れや。
・・・どないしよ。
冷たくあしらうワケにはいかんぞ。
恩のある相手だしね。王女。ウチの弟の大失敗を救ってくれた人だから。
「そうですね」
私は、営業的な対応に出ました。
『とりあえず同意。自分の意見は後回し』というヤツです。
「ネムリタロッカさまなら、どんな状況でも、きっと戦い抜かれることでしょう」
「え? いえ、戦の話では・・・」
王女さま困惑です。
無視してたたみかけます。
「ただ、殿下は2年間眠っていらっしゃいました。これは、大きな不利です」
「・・・。」
「不利な状況を避け、有利な状況で戦う。これも大切なことではないでしょうか」
「えーと・・・そうですね?」
ネムリタロッカ王女は、首を傾げました。
子供っぽい。
13歳のお姫さま。
白かった肌も日焼けして、健康も取り戻した御様子。
しかし、どこか子供っぽいのです。13歳の立ち居振る舞いではない。
・・・あ、こっちの世界での13歳ね。『中学1年』ってニュアンスじゃなくて。
畑仕事や奉公では、ふつうに仕事させられててもおかしくないんですわ。ブレロッケ王国の13歳は。
「フターリアさまなら、きっと、有利な状況を作るのもお上手なのでしょうね」
「え? いやー・・・、どうかなぁ?」
今度は私が困惑です。
お返しされると思ってなかった。
「私は、アレです。オオカミに丸呑みにされたりしてますからね」
「まあ。オオカミに?」
「ええ。勇者さまが助けて下さったからいいようなものの」
「・・・。」王女はピクッと眉を上げました。「・・・御無事で何よりでした」
「ありがとうございます」
私は髪を掻きました。
いまは侍女モード。髪はポニテにしてます。耳の後ろがちょっと痒い。
「ま、危難に襲われてから、慌てふためくタイプ、というコトです」
「そうは見えませんわ」
「いやホントに。死にたくねえぇぇぇ! って、毎回叫んでます」
「そんなw」
王女は笑いました。
で、ハッと気づいて、背後を振り向きます。
父王とツクノーさまを待たせていることを思い出された御様子。
「・・・とにかく、負けませんから!」
「はい」
ここは私も真面目にお受けしました。
「まこと、光栄なことです。正々堂々、お相手いたしますわ」
こうして、国王と女侯爵は出立なさいました。
その帰り道。
私の前に座ってるお嬢さまが・・・
└(・_-)─
・・・こんな顔で振り向いてきました。エルフ耳が私の顔に刺さりそうです。
「なんです?」
「あなた、身分が上の人に挑戦する誓いでも立ててるの?」
「お嬢さま。私が挑戦したように見えたのですか?」
「ホラまたそうやって挑戦するぅ~」
お嬢さまは背中でぶつかってきました。
私は、彼女の細い体を抱きしめて、お腹をくすぐりました。
キャッキャしながら帰る私たちを、ユリはふくれっ面で見ていました。
◆♀◆ 10、冬至は任せた ◆♀◆
「冬至の儀式だけど、」
ユリ・アスカリア伯爵が、私を呼びつけて、こう言いました。
「フターリア。君に任せたい。やってもらえるか」
はい、フターリアです。
お役目を言いつかわされました。
えーと。
冬至の儀式というのは、ブレロッケ王国の風習のひとつです。
太陽がもっとも短くなる冬至の日に、太陽の女神さまを祭って宴をするのです。
領主は、果実酒や肉を、たっぷり振る舞わねばなりません。
ケチると反乱が起こったりします。
「重大な役目ですな。私で大丈夫ですかね?」
「去年まではマレーナが担当してたんだけどね」
「・・・去年?」
「なに?」
「まだ領主じゃないですよね。去年は」
「うん。・・・それが何か?」
コンコン。
会話は、ノックに遮られました。
「ボス。俺だ」
「ああ。入れ」
ガチャ!
ドアを開けて入って来たのは。
「おまえは、浮浪者A!」
「ア?」
私をジロッと見た、その顔。
間違いない。
私たちが、初めてこの薄汚れ――アスカリア領に来たとき、道端で酒瓶持って寝てた男です。
「なんだ浮浪者Aって」
「いや名前知らんし。やっぱり、ユリの手下だったのか」
「へぇ、気付いてたのか。やるじゃねえか」
「まあな」気付いたのはモリーヌだけどな。
「バカ。褒めてる場合か」ユリが低い声を出しました。「バレないようにしろ」
「へい。すみません、ボス」
「で?」
「吸血鬼どもが動き出した。去年より、規模がデカい」
「そうか。では防衛に入れ。私への伝令に、ダーリンを持ってっていいぞ」
「へい」
浮浪者Aは出て行きました。
「・・・なるほど」
「なにが?」
「いや、領主じゃなかったけど、ボスではあったんだなーと」
「うん」
ユリはため息をつきました。
「人が足りない」
「ウチのお嬢さまは?」
「未成年だからね」ユリは椅子にもたれました。
「あ、遠慮してくれてるんだ」
「マレーナの帳簿作業の補佐と、事務員の育成補佐と、あとは・・・アイメンカ家との交渉かな」
「コキ使ってんじゃねぇか!!!」
アイメンカ家との交渉って。
めっちゃ神経使うとこじゃん。それだけで倒れてもおかしくないぞ。
「もちろん、リアが手伝うのは禁止しないよ?」
「くそ。わかったよ。手伝うよ」
私は立ち上がりました。
ユリも忙しそうだしね。
立ち上がって・・・
机を回り込んで・・・
ユリの頬にキスして、こう囁きました。
「頼りにしてるぜ、アスカリア伯」
「お♥」ユリはエロオヤジみたいな表情をしました。「なに? 今夜もヤラれたい?」
「バカw」
私はユリから離れました。
しかし、ユリの手は速い。
離れようとするフターリアのお尻が、鷲掴みにされました。
「ひゃッ!?」
「この前ヤッてから、オンナらしくなったよね」
「バカ。何言って、あッ!?」
ユリの指は、お尻の丸みを掴むだけでなく、内側にまで喰い込んできます。
メイド服の分厚いスカートの上から、なのですが・・・
それだけで、フターリアの背筋に稲妻が走ったみたいになりました。
「あ、あっ・・・♥」
「うへへw 夜までガマンするんだよ、リアちゃん」
「くそ・・・!」
余計なアピールで、ユリを挑発してしまったフターリアちゃん。
その夜、言葉通りにメチャクチャにされてしまったのでした。
「ひ・・・人手不足で、忙しいんじゃないのかよ・・・!」
「忙しいほうが興奮するんだよ」
「ふあ・・・♥ やめっ、もう寝かせて・・・!」
◆♀◆ 11、冬至の計画 ◆♀◆
「冬至の儀式だけどね、」
テニッサメイズ・アイメンカ侯爵令嬢(ただし妾腹)が、お茶を口にしながら言いました。
「フターリアが、新しい『変容』を披露する――というのはどうかしら?」
寝不足のフターリアです。
お嬢さまの声がちょっとだけ遠く聞こえます。
「新しい『変容』ですか?」
「ええ。フタゴンで盛り上がったでしょう? アレで、みんな期待してるみたいなのよ」
「期待」
「また面白い変身を見せてくれるんじゃないかって」
「見世物じゃないですか」
「イヤ?」
「イヤってほどではないですがね・・・」
私は、肩をすくめました。
「ま、なじむためには、アリかも知れませんな」
「そう、私もそう思ってね」
私たちは、アイメンカ侯爵の陣営メンバー。
ユリ・アスカリア伯爵は、いまのところ独立の伯爵です。
『他陣営の姫が、なぜウチに混ざっとるんだ?』というのは、当然出てくる疑問です。
「ユリのために私が見世物になれば、上下関係はハッキリしますわね」
「ええ。伯爵の御令嬢に『演し物になれ』なんて、本来は言えないんだけど・・・」
「メッチャ言ってるじゃないですか」
「だって。あなた、ユリの下になるの好きでしょ」
「嫉妬かい!」
「いやー、それにしても、お嬢さま」
「なに?」
「このクソ忙しい時に、新しい呪文覚えたんですか?」
「昨日寝れなかったから」
「・・・。」
「・・・。」
私とお嬢さまは、それぞれお茶を口にしました。
「一晩で覚えるなんて、あなたはホントに天才ですね」
「ありがとう。ちなみに、弱点を補う研究でもあるのよ」
「弱点」
「いま、あなたがなれるヤツ。どっちも寒さに弱いでしょ?」
フにゃーリア(ネコ娘)。寒いのは好きではない。動けないほどじゃないですが。
フタゴン(ドラゴン娘)。寒いと眠くなる。だけでなく、変身時間が短くなるもよう。
「変身って、砂時計をひっくり返すみたいなものなんだけど、」
「ほう」
「ブレスを吐いたり、寒さに抵抗したりするのは、砂を取り出して、外に捨てるようなものでね」
「それで、時間切れが早くなると」
「そうそう」
「ネコは、日をまたいで変身が続いたりしますよね?」
「差分が小さいからでしょうね」
「差分」
「ネコと人間は、ドラゴンと人間より、ちがいが小さいってコトよ」
「ああ」
「ファリアの才能も大きいんでしょうけどね」
「私の、『変容』の才能ですか」
「そう。特に、フタナリへの適性の高さは異常よね」
「はぁ」
「ホントに謎だわ。解き明かせば、論文作れるんじゃないかしら」
「論文?」
「魔術大学に入るのに論文があったほうがいいって、マレーナさんに言われてるの」
「仕事忙しいんですよね?」
「『論文ぐらい、余暇で書けますよね?』って言われたわ」
「しごき過ぎだろ!」
私はキレました。
「お嬢さま。無理しちゃダメですよ。あなたに倒れられたら、」
「ユリとフタナリセックスできなくなるものね」
「いっ、いやっ、そういうコトじゃなくてね!?」
「・・・。」お嬢さまは、お茶を口に近づけながらこっちを睨みました。
「・・・ニーズ? 愛してます。あなたが一番ですよ」
「・・・。」
「えー・・・、それでその、ホントに、無理はしないでくださいね」
「はいはい」
お嬢さまはカップを置きました。
「いまは、楽しいのよね。だから大丈夫だと思うわ」
「楽しいですか」
「実家を出れて、力をひそめる必要もなくなって・・・当初の計画とは、全然ちがうけど」
「そうですね。私の『変容』の才能とか、もうバレバレで」
「ええ。もう隠さずに伝えるようにしてるわ」
「侯爵家からは、何と?」
「何も」
「おや?」
「帰還して、派手に活躍されても困るんでしょ」
「あー・・・」
「ちょっと強いぐらいならともかく、フタゴンはねw」
「すみませんねえ」
「ちがうの。問題は私のほうよ」
「フタゴン本人ではなく?」
「あなたは、お兄さまの嫁にしてしまえば功績を吸収できるでしょ?」
「うへぇ」
「私の始末よ。どうやって功績を取り上げるか」
「もう無理では? フタゴンはお嬢さまの呪文って、みんな知ってるし」
「ええ。そういう流れにしてきたつもりよ」
「・・・意図的に?」
「ええ」
「どのへんから?」
「あなたがフタゴンになったあたりかしら? もう隠せないと思って、作戦を練り直したわ」
「策士・・・」
私は唸りました。
お嬢さまの賢い動きに。そして・・・
「家を出たほうが安心して活躍できるなんて、皮肉ね」
・・・私の考えたことは、お嬢さまが、言葉にしました。
「お母さまが戦場に戻ったのも、こういうコトだったのかも知れないわ」
「じゃ、やってみるわね」
「待った待った待ったァ!」
「モゴモグモ?」
お嬢さまが、パッと呪文をかけようとしたので。
私は、あわててその口をふさぎました。
「服着てる時はやめて? 痛かったり破れたりするから。脱ぐまで待って。ね?」
「そんなに私の目の前で脱ぎたいの? 変態ね」
「お黙り」
「モグモゴモゴゴモ、モグモモグモ」
「なんて?」
「口をふさぐなら、もっと素敵なやり方があるんじゃなくて?」
「お嬢さまも変態ですね・・・」
私は、お嬢さまを抱き寄せて、唇に唇を合わせました。
柔らかい、可愛い唇。しっかりふさいで、何も言わせないようにします。
ハーフエルフの細い身体を、片手でしっかり抱いて・・・
もう片手で、メイド服を脱ぎます。
抱き締めディープキス・ストリップです。俺は一体何をしてるんだ・・・。
メイド服とシャツを脱いで、諸肌脱ぎみたいになって・・・
ブラジャーを肩から落として、白い乳をこぼし・・・
重たい乳をお嬢さまに載せようとしたら、両手でグニュッと掴まれて乳首ごと揉みたくられ・・・
昨夜ユリに徹底的にイカされた身体が、またムラムラしてきたところで・・・
コンコン。「モリーヌです。フターリアさま、いらっしゃいますか?」
「・・・真っ昼間から何をなさっておられるのですか」
「いや、これには、あっ・・・♥ ワ、ワケがあって、あ♥」
「変身の準備中よ」
柔肌を2人に揉みたくられながら言い訳する私を、モリーヌはジトーッと見つめてきました。
「そんなこと仰って・・・フターリアさま、」
「な、なに? あ、あっ♥」
「またおっぱいが大きくなってるじゃありませんか」
「なっ、なんの話を、あっは♥」
女主人と侍女に揉み込まれるフターリアです。
なんかネチネチ耳元で囁かれながら2人がかりで生乳しごかれてます。
綺麗な揉み方じゃなくて、ガチレズっぽいネチっこい揉み方です。
乳搾るみたいにギューッとやられたあと、乳首をイジメられたりします。
「やっぱり、ユリさまに開発されてるのかしら」
「でしょうね。すっかりオンナっぽくなってしまわれて」
「将来が心配ね!」
「ですね。私たちがしっかり慰めてあげなくては」
「いやちょっ♥ 時間っ、時間ないから」
「ユリさまと一晩アオーンアオーン吠える時間はあるのに?」
「あの時間の半分でも睡眠に当てておけば、ココがこんなになることもなかったでしょうに」
「あっ♥ やめっ、摘むなっ♥」
忙しいってのに、ずいぶんしつこく乳責めされてしまいました。
で、2人が腕組みして見てる前で、ストリップです。
「・・・。」「・・・。」
2人とも黙って見てますが。
フターリアの内腿は、ヌルヌルです。濡れまくってます。
「あの、もう、脱ぎましたので・・・お嬢さま?」
コンコン。「マレーナです。テニスさま、いらっしゃいますか?」
「はい。どうぞ、中へ」
「どうぞじゃねえ!」
「失礼します」
マレーナ姉さんが入ってきました。
白と濃紫の、清潔な感じの長衣に身を包んだマレーナさん。
フルヌードで内腿をヌルヌルに光らせてる私を、じー・・・っと下から上へ見て、
「テニスさま、こちら、御実家からの御手紙です」
「はい」
「ノーコメント!?」
「・・・ほどほどにしておくほうが、長続きしますよ? 身分貴き妹よ」
マレーナ姉さんは私に近づいてきました。
指一本触れずに、吐息が感じられる距離で、私のお尻のほうに回り込んで・・・
しゃがみ込んで・・・
お尻を、冷たい手で、かすかに撫でて・・・
「ふああ♥」
「今度は、何に『変容』させるおつもりです?」
「よくぞ訊いてくれました」
お嬢さまが意気込みました。
「どうぞ、見届けてください。樹木のフターリア――樹ターリアの勇姿を!」
「は?」
じゅターリア?
◆♀◆ 12、樹ターリア ◆♀◆
「変容せよ、フターリア。その肌は堅く、髪は色鮮やかな葉となって、幹太く立つものとなれ――樹木の乙女に、な~れ!」
「樹木!?」
ミシミシミシ・・・私の背が伸びてゆきます。
白い乳房は茶色のコブに、2本の腕は広がった枝に、黒い髪は濃緑の葉に。
そして、足は部屋の床にしっかりと広がった、太くて広い根っこに。
これは・・・ちょっと、いままでにないパターン過ぎないですか!?
もう『○○娘』の範疇じゃないですよこれ!!?
「フターリアさま・・・」モリーヌもポカーンとしてます。
「大きい・・・きゃっ」マレーナ姉さん、ベッドに尻もち。
「すごいわね! ホント天才だわ!」お嬢さまは、はしゃいでます。
いったい・・・どうなったんじゃ?
「いーーったーーーい、どーーーう、なーーーったーーーんじゃーーーぁ?」
「なんて?」
「お、お嬢さま。声が間延びしてます」
モリーヌがうろたえました。
「大丈夫なのですか? あ・・・頭の中身まで、木になってしまったのでは!?」
いや、してない。それは大丈夫。ちゃんとみんなの話も理解できてるし。
「いいーーやぁーーー、しーーーてなぁーーい。そーーーれはーーー、だぁーーい」
「元に戻すわね。も~どれ!」
「ほわーーーぁ・・・!」
突然戻されて、私はコケました。
素っ裸のお尻を、絨毯でちょっと打ってしまった。
「おお。お嬢さま」モリーヌがバスタオルで私を抱いてくれました。
「どうなってたんです? 私は」
「かなり樹木でした」とマレーナさん。
「しゃべるのが遅くなってたわ」とお嬢さま。
「ふつうにしゃべったつもりだったんですが・・・」
私たちはしばらく情報交換をしました。
その結果。
「動きだけが、遅くなっていたのでは?」
マレーナさんが、分析に成功しました。
「肌が堅くなっていたようですし。発音というのは、複雑精妙な運動ですから」
「あ、たぶんそれだ」
「じゃ、もう一回かけてみるわね」
「待たんかい!」
「なに?」
「まず、お嬢さまは大丈夫なのですか? 眠気とか。あと、私の知能が下がってないかという問題」
「眠いのは大丈夫よ。昨日寝れなかったせいだから」
「・・・。」
「知能については、変身中に頭を傷つけられたりしない限り、ちゃんと元に戻るわ」
「そうですか」
「そもそも、いまのは、生ける樹木への変身よ。ヘタしたら人間より賢いわよ」
「そうなの?」
「ハイエルフが恐れるという、深い森の生き物ですね」
と、マレーナさん。
「ブレロッケ王国では、見たという魔術師は居りませんが・・・」
「母は『何人か友達にした』と書いてました」
「アンタの母ちゃんホンマ英雄やな・・・」私はあきれました。
「じゃ、もう一回かけるわね?」
「はいはい。少し距離を取りますね・・・」
◆♀◆ 13、樹ターリアは、気付かれない ◆♀◆
コンコン。「ユリいるゥー?」
クソガキちゃんが、部屋に入って来ました。
「先に名前を名乗るんですよ」
「へーい。シノババアがユリ探してる」
「このお館では、ユリのことは『伯爵』と呼ぶんですよ」
「マリ姉はうるせぇなぁ・・・」
クソガキは部屋を見回しました。
「・・・フタゴンは?」
「フターリアさまのことは、『ファリアさま』と呼b」
「わかったっつーの! んでドコ?」
「ユリなら、防柵の点検と増築で出てます。夕方まで帰りません。急ぎの用事ですか?」
「わかんねぇ。金集めの報告っつってた」
「ああ、寄付金集めの結果報告ですね。わかりました。戻ったら行くように、私が伝えておきます」
「うん。で、フタゴンは? ――あ、ファリア姉ちゃんは?」
「この部屋にいますよ」
「は?」
クソガキちゃんは、部屋を見回しました。
マリ姉ちゃん。ユリの相棒のうるさい姉ちゃんです。
ハーフエルフのチビ。13歳なのに、自分より体重が軽そうなチビ女です。でも魔術師らしい。
ファリア姉ちゃんの付き人。大人の女です。コイツは怒らせたらアカン感じがする。
・・・あとはふだんの室内と変わりません。
あ、いや、全然ちがうわ。
「なんだこの木? クソデケぇ」
バカみたいにでっかい木が、部屋の隅っこ(暖炉から遠い方)に立ってました。
天井ギリギリまで葉を茂らせて、なんか窮屈そうです。
「冬至のお祭りで使おうと思ってるのよ」
ハーフエルフのチビがそう答えました。
「どうやって運び込んだんだよ、こんなの」
ベシン。
クソガキちゃんは樹皮を叩きました。
「ここで作ったのよ」
「作った・・・?」
「魔術でね」
「へぇー」クソガキちゃんは樹皮をむしろうとしました。
「やめろ!」大人の女が睨んできました。「その木から手を放せ」
「・・・あ、はい。ごめんなさい」
クソガキちゃんは、この部屋に長居しないほうが良さそうだと察知しました。
ベッドにたたんであるメイド服を見て、首を傾げつつ、部屋を出ます。
「っかしーな・・・さっき、フタゴンの声が聞こえたんだけど・・・」
「気ぃーー付ぅーーきぃーーませぇーーんでーーーしーーーたねぇーー」
クソガキちゃんが出て行ったので、私は目を開き、言葉を発しました。
すると、お嬢さまがビクッとしました。「顔、そこだったのね」
「はぁーーいぃーー?」
「このへんが顔に見えるんですよ」
モリーヌがコブのへんを撫でてきました。
そこは乳じゃ。
「そぉーーこぉーーはぁーー、」
「もうちょっと速くしゃべれない?」
「むぅーーずかしーーいぃーー、でぇー」
「会話には付いてこれてるのよね? ちょっとペラペラしゃべってみるけど私の言ってることが理解できるようならその樹木の口でこういう言葉を唱えてみてほしいの『お嬢さまは最高の恋人です二度と浮気はしませんしユリには見向きもしないと誓います』ってねさあできる?」
「おぉーー嬢ぉーーさまはぁーー、最高ぉーーですぅーー、けどぉーー」
「ダメね! やっぱり人間の速度には付いて来れないようだわ」
「聞ぃーーけやぁーー」
「会話相手には適しませんね」
マレーナ姉さんが笑いました。
「ただ・・・時と場合によっては、とても素敵な付き人になると思います」
「どんな状況かしら?」
私たちは、ユリ邸の庭に移動しました。
「あと1回なら大丈夫」とお嬢さまが言うので・・・
いったん魔術を解除して、メイド服を着直して、移動して、また脱いで・・・
「ちょっと試しに、エプロンだけ着けててくれない?」
「・・・面白がってません?」
「ちがうの。緊急時の試験のためよ。真面目な目的」
フターリア、冬のお庭で裸エプロンになりました。
バカすぎる・・・。
恥ずかしいとかエロいとか以前に、バカだし寒いしで逃げ出したくなるわ・・・
「ふむ・・・」
「さっさとかけろ!」
で、裸エプロンからの変身を試みた結果。
「白樺みたいになったわ!」
「装備が取り込まれたということでしょうか?」
私は、白い樹皮の木になったようです。
「だ、大丈夫なのですか!? ファリアさま」
「うぅーーんんーー? たぶぅーーんーーー、だぁーーいじょぉーーぶぅーー」
「ちなみに、この花壇は私の花壇なのですが」
「ほぉぉーーー」
「このスペースに、木を植えようと前から思っていまして・・・」
「おぉーーれはぁーー、庭ぁーー木にぃーー、なぁーーる気はぁーー、なぁーーいでぇーーす、よぉーー?」
「そうですか・・・一緒に花壇の世話ができたら素敵だなと思ったのですが・・・」
「そぉーーれぇーーはぁーー、いーーーいでぇーーす、けぇーーどぉーー」
ザックザックザック。「ただいまー。何やってんの?」
砂利道を踏みしめて、我らが領主・ユリが戻って来ました。
私はそっと目と口を閉じました。
ザックザック。ユリが歩いてきます。
「お帰りなさい。あなた」
「うん。どうだった?」
「緊急の用件はありませんわ。シノが、寄付金について報告があると」
「わかった」
「あとは・・・あ、その前にひとつだけ、私的な質問をいいですか?」
「なに?」
「あなたの恋人の順位を、ハッキリさせてもらいたいのです」
「ほう?」
ザック、ザック。
ユリは私のすぐ近くに歩いて来ました。
私に背中を向けたようです。で、マレーナさんにこう答えました。
「一番は、もちろん君だよ、マリ」
「そうですか・・・!」
「二番はダーリン。この2人は、もう一生、変えるつもりはない」
コイツ首締めたろか。
・・・などと考えた私に、ユリは、背中をくっつけてきました。
「三番は、リアに入って欲しいかな。私は、リアも大好きだ。ずっと一緒にいたい」
サワサワサワ・・・私の髪、というか葉っぱが波打ちました。
いや風。風だよ。動いてねえよ。
「それは交渉できない事柄ですわ、伯爵」お嬢さまが言いました。
「あなたから奪うつもりはないよ、リアの女主人」
ユリは笑ってる感じです。
「しかし、あなたはリアと結婚できるのかな?」
「・・・。」
「私はリアを第三夫人にしたい。そうできる状況を作るつもりでいる。まあ・・・」
ユリは私を振り向いて、白いエプロン樹皮に、ぴとっ・・・と、手を乗せてきました。
「・・・『夫』かも知れないけどね? リアは」
コブを撫でさすってきます。
そこは、フターリア砲の生えるトコじゃ。いまはないけど。
「ね?」
「・・・バぁーーレ、てぇーーた、のぉーー?」
「こんなとこに木生えてなかったしw」
ユリは私にくっついてきました。
またがる感じで、股間を押し付けてくるのがエロいです。
これ・・・アリかも知れん・・・!
とか興奮してたら、すぐに離れてしまいました。ちぇっ。
「よく化けてるよ、うん。変な木だけど」
「変でぇーー、悪ぁーーるかぁーーったなぁーー」
私は変身を解いてもらって・・・
裸エプロンの姿を、ユリにたっぷり視姦されました。
寒くてしゃがみ込んでるのにニヤニヤしてるユリもお嬢さまもサドだと思いました。
・・・ま、エロいからな。
裸エプロンのフターリア。
黒髪デカパイ美少女で、目元はキリッとしてて、お尻のカーブも実に見事で。
エロいわこれは。
「なるほど、この角度・・・背の高いリアだからこそ、しゃがみ込んで涙目になると、効く・・・」
「いつまでやるんです?」
鏡を持ってもらったモリーヌには、ずいぶん呆れられましたが。
なので、一緒にお風呂に入って、可愛がってやりました。
彼女、ずいぶんフターリアの身体を撫で回してきました。
本当に心配しとったんやな。
「すまんな。でも大丈夫だから」
「そ・・・そうですか・・・?」
「むしろ快適だった。寒くないし、安定感あるし、立ってても疲れないしね」
「はぁ」
「初めはギョッとしたけど」
「ですよね」
「悪くないよ。樹ターリアは」
「はぁ、そうですか」
「冷たいな」
「きゃん♥ あ、あなたは・・・いつでも、悪くありませんよ」
「ふふふ、こいつめ」