※この作品はR-18です。

TSゆりフタ令嬢侍女メイド!   作:min(みならい)R18

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アスカリアの会議

◆♀◆ 19、彼氏にな~れ ◆♀◆

 

 フターリアです。

 アイメンカを撃退して一夜明け、朝になりました。

 

 朝は、たいてい会議があります。襲撃明けの今朝は、当然あるでしょう。

 ということで、お嬢さまと私は食堂(≒会議室)へ向かったのですが・・・

 

「リア。会議の前に確認したいコトがある」

 ユリに呼び止められました。

「はい? 確認?」

「うむ。リアの身体と健康について」

「俺の? 健康だけど・・・」

「確認だよ。全員、私とマリの寝室に集合な。リアは、確認しやすい服装になってもらうぜ」

「はぁ」

 

 そして。

 

「変容せよ、浮気な浮気なフターリア。あなたにない性器も手に入れて、私たちの彼氏にな~れ!」

「・・・。」

 

 お嬢さまの呪文で、俺は『変容』。

 男の機能を手に入れました。

 ふたなり状態です。

 フターリアの──デカパイ美少女の裸体に、男性器が生えてきた、という。

 エプロンだけは身に着けているので、丸見えではありませんが。

 

「あれ?」ユリが首をひねりました。「もっと『男』って感じだったぞ?」

 「女のコのままですねぇ」ダーリン姉ちゃんがうなずきます。

 「おかしいですわね・・・」お嬢さまも首をひねりました。

「あのさ、」

 俺は、左手でデカパイを支えつつ、右手を挙げました。

 

「なんで裸エプロンなワケ?」

 

 フターリア。現在、素っ裸にエプロン一枚です。

 夏の朝の、まだひんやりしてる床に、裸足で立ってる。

 髪飾りも取られた。引っ詰めてた黒髪が、長ーく垂れてる。

 裸エプロンなんで、デカパイは手で抱いとかないと、こぼれる。そんな状態です。

 

 女体のままだから『リアちゃんの裸エプロン』で済んでるけどさぁ・・・

 男体になってたら、ひどい光景になってんぞ・・・

 

「その方が面白いじゃんかw」とユリ。

「さっきは『確認しやすい服装』とか言ってただろ!」

 「おっぱいのサイズも一緒ですねぇ」ダーリン姉ちゃんに乳揉まれました。

「あふン♥」

 「でも、ちゃんと生えてるわ」お嬢さまがエプロンめくってきました。

 「・・・。」マレーナ姉さんも、ジーッと股間を見つめてきます。

 

 股間には、小さな男のモノが生えてきたんですがね。

 金玉はないです。

 竿があって、その下に女性器がある、という状態・・・らしい。自分では見えんが。

 

「あのさ、」

 「形成に失敗したのでしょうか?」

 「失敗したのなら、『変容からの帰還』が発動するハズだから」

 「ですよね。では女性器内部に隠れているのでしょうか」

 「うーん・・・なさそうだけど。見てみましょうか」

 黙って立ってたら、割れ目を広げられそうになりました。

「あのさ! すごく見世物っぽいんで、やめてほしいんだけど!」

 「・・・。」

 「・・・。」

 股間の2人に睨まれました。この2人はホンマ・・・。

「もっともだな。さ、2人とも離れなさい」

 ユリが私の手を掴んで引っ張りました。

「ハァハァ」ベッドに引きずり込もうとしてきます。

「会議どうすんだよ!」私は抵抗しました。

「む!?」ユリはガクンとなりました。

 「力、強ぅなっとるみたいやねぇ」ダーリン姉ちゃんに背中を撫でられました。

「・・・。」ユリは、ふくれっつらになって、グイグイ引っ張ってきました。

「そのうちな。そのうち」

「・・・主人の夜のお楽しみを妨害しやがって」

「朝だよ」

 「あっ、」お嬢さまがお尻を撫でてきました。「もしかして、『妨害』した?」

「尻触るのやめろ。・・・したかな? したかも知んない」

「リア。おまえ『妨害』の訓練したことないの?」

「全然ない」

「そっか。じゃ、無意識にやっちゃってもおかしくないな」

 「なにか『妨害』したい理由でも?」マレーナ姉さんはジーッとお尻を見てます。

「んー・・・」

 私は肩をすくめました。

「・・・モリーヌがいないトコで初披露したら、かわいそうかな、とは思った」

 

 モリーヌ。我が侍女。

 いま、北東に何日も離れた実家のほうにいます。

 マレーナ姉さんが置いてきちゃったせいです。

 

「なるほど」ユリが姿勢を正し、私の手を放しました。「それは失礼したな」

「あ、いえ。俺もオッケーしたわけだし」

 

 すまんモリーヌ。

 俺はいま、おまえをダシにした。

 

 ホントは『裸エプロン男なんてイヤだ!!!』って思ったんだ・・・!

 

 まあでも、おまえを思い出したのはホントだから。

 許して。

 

「よし! じゃあ、テニスとリア。北領に向かえ。途中でモリーヌを拾ってな」

 「はい。北領での目的はなんでしょう?」

「祭りの下準備だ。詳しくは、この後の会議で話そう」

 「かしこまりました」

「さて。それでだが、」

 

 ユリは、自分が着けているマントを外し、上着を脱ぎ始めました。

 

「おいユリ。なに脱いでんだよ」

「貴重なテニスの呪文枠をムダにはできない」

「・・・そりゃそうだけど」

「機能の確認ぐらいはしなくてはならぬ」

「はぁ。で、なんでオマエが脱いでんの」

「これ一張羅だぞ?」

「つまり、ヤリたいのか」

「いや。さすがにな。いま私が孕んだら困るだろ」

 生々しい発言をしながら、ユリは上半身裸になりました。

 

 綺麗な乳してやがんな・・・

 ミルクみたいな肌、という言葉がぴったりです。

 デカくないけど、色も形もホントに綺麗。コイツは筋肉もしっかりしてるしね。

 

 で、その綺麗な乳房を、私の腕にこすりつけてきました。

 

「私が直々に可愛がってやるからさ。一発出してみろよ♥」

「おお・・・?」

 「勃ってきたわ!」お嬢さまが股間で喜んでます。

 「小さいわね」

 

 マレーナ姉さん、その発言はダメですよ!

 確かにフターリア砲よりは小さいけど。あっちがおかしいんだよ。

 

「ふふふ♥」ユリは満足そうです。「その気になった?」

「うん、なった」

 私はユリの裸の背中に腕を回して、抱き寄せて、頬にキスしました。

 うれしそうなユリ。キス継続。首筋や耳を濡らしてから、唇にいきます。

 「準備完了って感じね!」

 「いつものより太いわね。匂いもちがうわ」

 股間の2人組はマイペースです。

「じゃ・・・いつでも出していいからな」

 

 ユリがニンマリ笑って、その2人の中間にひざまずきました。

 私のエプロンの下に頭を入れて・・・

 完全に勃起した男性器を握って・・・

 キスしてきました。

 女勇者さまのチ×ポキス・・・!

 

「ユリ・・・!」

「むふふ」

 ユリは威張ってます。

 『テニスより先に愛撫した』ってことに満足してんのか?

 コイツ負けず嫌いだからな・・・。

 お嬢さまは、いいんだろうか。

 目だけで会話してみます。

(いいの?)

 (うん)

(いいんだ)

 (話はついてるわ)

 どうやら、ユリと打ち合わせ済みっぽい。

 

「うぅっ♥」

 気持ちいい。

 女勇者にして伯爵のユリちゃんに、男性器の先端を、咥え込まれました。

 キュッと締められて、ヌルヌル舐め回されます。

「おっ・・・お嬢さまっ!?」

 「なあに?」

「やっぱり、これはっ♥ 避妊っ、必要ですっ♥ かねっ?」

 「たぶんね」とお嬢さま。

 「射精したらココに出してね、あなた」マレーナさんは小皿をユリに押し付けてます。

「んむ」ユリは男性器を吸い込みながらうなずきました。「ンむ・・・んん♥」

 

 やべぇ。

 

 感度は、正直、鈍いけど。まあフターリア砲が敏感すぎるというか。

 ファンタジーな感じじゃない。『好きな女が舐めてくれてる』って実感がある。

 すごいドキドキする。

 

「ユリ・・・ユリっ・・・!」

「ん、ふっ・・・むふ・・・」

 

 女たちが見守る中、ユリのフェラチオが続いて・・・

 

「出る。ユリ、出る・・・!」

「んっちゅ♥ んっちゅ♥」

 

 最後にものすごい吸い込みをかけられて、俺は射精しました。

 ユリの口に、たっぷりと・・・

 

◆♀◆ 20、アスカリアの会議 ◆♀◆

 

 で、会議です。

 

「──まずは、感謝祭の話をしておこう」

 我らが女伯爵・ユリが口火を切りました。

 

 ユリのヤツ、平然とした顔してるけど・・・

 唇は綺麗に拭ってるし・・・

 服もちゃんと着てるんだけど・・・

 目元に、淫らな雰囲気が残ってて。それが、すごくエロい。

 

 私のほうは、もう女に戻っております。

 もちろん裸エプロンではありません。メイド服です。

 男性器は、一発射精しただけでフニャッとなって、女たちをガッカリさせました。

 ・・・いやだから、フターリア砲が異常なんだってば。

 

「ヒサモンモーリアさまに、正式に感謝をする。そういうお祭りだ」

 

 なるほどね。

 

 ヒサモンモーリアさまは、『日差さぬ森』の女神さまです。

 王女を救出したとき、私たちを助けてくださいました。

 簡単なお礼はしたのですが・・・

 その時は、まだユリが領主じゃなかったからね。

 領主として、正式に、御礼・御挨拶申し上げる・・・っつーワケですな。

 

「王女とツクノーも招いて、儀式をやり、ロンバキーズの街で祭りを開く。その準備をしろ」

 「森で儀式をし、城下町で祭りをする──この2つですね?」とお嬢さま。

「そうだ。ヒサモンモーリアさまは神殿をお持ちでないので、儀式は不明だ。それも任せた」

 「かしこまりました」

 「誠意をもってやります」私もうなずきました。

「うむ。リアには、司祭をやってもらうからな」

 「・・・俺が、司祭?」

「そうだ。今回限りの、臨時の司祭な。ツクノーも『そうしろ』と言ってきてる」

 「ツナちゃんが? ・・・儀式とかは、あの御方のほうが得意そうだけど」

「コノマーズは木を切るので良くなかろう、と仰せだ」

 「うん?」

「造船だよ。大量に木を伐採するだろ?」

 「あー!」

 

 この世界の船は、木造です。なので、ものすごい木を使います。

 ヒサモンモーリアさまは、森の女神さま。

 それも、人間が踏み入ることすら嫌うような御方なので・・・

 

「ファリアが適任じゃろう、とさ」

 「なるほど。わかりました。付け焼き刃ですが、勉強します」

「うむ」

 

「──防衛について」

 マレーナ姉さんが次の議題を上げました。

「ユリの存在が大きすぎるわ。ダーリンのような代官が、この本拠地にも必要だと思う」

「うむ」ユリ、うなずく。「まあ、君しか居らんが」

「私ですか・・・」マレーナさん、げんなりする。

「問題は人手だな。文官も武官も足らん」

 「港から送りましょか?」ダーリン姉ちゃんが発言しました。

「そんな余裕あんのか?」

 「余裕はないですけど、人は寄ってきますからねぇ。ウジャウジャと」

「ダークエルフが?」

 「だけやのうて、人間の商人もですねぇ。港はホンマ人集まりますわぁ」

「なるほど」

 

 水運は、輸送効率がダントツだからね。

 地下に吸血鬼がいたって、野心のある商人は集まってくるでしょう。

 

「早く税制を整備しないと・・・」マレーナ姉さんがため息をつきました。

「いや、税は遅れても構わん」とユリ。「港の活性化を優先する」

「商人を増長させると、後が厄介よ?」

「ああ。だが、ダークエルフの故郷の復興を優先したい。仲間が増えるからだ」

「ダーリン、それでいい?」

 「ええ。停泊料や倉庫使用料は取ってますからね」

「そう。なら」

「じゃあ人材育成の計画を出してくれ。およそでいいからな」

 「はい。──女も送れますけど、どないします?」

「女?」

 「若い女が余ってしもとるんですわ。吸血鬼戦争で・・・」

 

 吸血鬼どもは、捕まえた人間の扱いを、3パターンに分けるそうです。

  1、カラカラになるまで血を吸い尽くす。被害者は死ぬ。

  2、少量の血を吸って、下僕にする。被害者は吸血鬼になる。

  3、愛玩動物にする。被害者は生き延びる。

 で。

 屈強な男は(2)の下僕ルート、美女は(3)の愛玩ルートにされやすいそうな。

 結果、美女だけが生き延びてしまう・・・と。

 

「ウチに来たいと言ってるのか? 故郷に戻りたい、ではなく」

 「はい」

「なんでまた?」

 「娘どもが、夢見とるんですわ」

「夢」

 「『ウチも伯爵のオンナになれるかも!』っちゅうてねぇ」

「・・・。」

 

 あー。

 ユリが、公の場で、ダーリン姉ちゃんに求婚したもんな。

 『勇者さまってレズなんだ!』『ダークエルフでもいいんだ!』ってなるわな。

 

「いいんじゃないかしら」とマレーナ姉さん。

 「えっ?」私は思わず声を出してしまいました。

「なによ、リア」

 「いや、いいの? 第一夫人として」

「ばかね」

 「兵士の妻にするのよ」とお嬢さま。

 「ああ・・・」

 

 ユリで釣って、アスカリアのおっさん連中とくっつけるのか。

 ダークエルフの美女さん、かわいそ・・・

 

 「手ェ出すんじゃないわよ?」お嬢さまに釘差されました。

 「出さないですよ」

 「嘘おっしゃい。いま同情したでしょ」

 「・・・。」

 「リアちゃん。ダークエルフは色仕掛け得意やから、ヘタな同情は禁物やでぇ?」

「リアはホント気を付けなさいよ」

「うん。オマエが一番危ない」

 

 集中砲火・・・。

 

「わかった。ただし、売春婦はいらんぞ」

 「ええ。教育はしたい思うてます。最低限、家計簿キチッと付けれるように」

「・・・高等教育だな」

 「吸血鬼は、ペットだけはそこそこ教育しますからねぇ。文字は読める子が多いんですわ」

 

「こんなトコか?」

 ユリがまとめると、テニスお嬢さまが手を挙げました。

「どうぞ、テニス」

 テニスお嬢さまは、立ち上がって話を始めました。

 

「モリーヌの扱いについて、抗議させて頂きますわ」

 

◆♀◆ 21、テニスとマリ、対決する ◆♀◆

 

「フターリアの腹心であるモリーヌを、主人の許可なく引き剥がした件。抗議をいたします」

「ふむ」ユリは腕を組みました。「テニスは・・・リアの代理人、ってコトか?」

「はい」

「では、テニスとマリ。2人で議論をしてみよ」

 ユリが命じて、お嬢さまとマレーナ姉さんの対決が始まりました。

 

「モリーヌを、主人に無断で置き去りにした。これは、他人の部下に対する越権行為ですわ」

 「やむを得ない処置でした。宣戦布告してきた国の戦士と旅はできないわ」

「ユリさまは、フターリアをダンゼイズ戦に出しておられますわ」

 「それは後の話でしょ」

「待遇の一貫性の問題です。また、許可を得る努力もなさいませんでしたね」

 「王都にいるリアに連絡はできないわ」

「なぜです?」

 「派閥に助けを求めたと誤解されたら、大戦争になる恐れがあるからよ」

「許可が得られなければ、他人の部下を動かしてもよいのですか」

 「いえ、ダメよ。ただ、捕縛したりせず、実家に帰したことは評価してちょうだい」

「宣戦布告を受けた場で切り離しただけでは?」

 「モリーヌの合意は取ったわ」

「・・・初耳ですが」

 「彼女が書いてくれた手紙よ」

 

 マレーナさんは、ここで突然モリーヌの手紙を出してきました。

 

┏━━━━

┃ とりあえず、落ち着いて下さい。

┃ 私も、事を荒立てないように努力します。

┃ 御身が傷付けば関係修復は絶望的になります。それだけは避けてください。

┗━━━━

 

 ・・・みたいな中身です。

 

「なぜ隠していたのです!」

 お嬢さまがちょっとキレました。

 ぶっちゃけ、私もキレかけました。出すの遅すぎだろ。

「不誠実ですわ、マレーナさま」

 「ダンゼイズ戦にリアが出るとは思ってなくて。ユリの出陣後に渡すつもりだったのよ」

「実際は、いまのいままで渡してくれず、謝ってもくれませんでした」

 「テニス。あなたの家が攻めてきたせいでしょ? 話す余裕がなくなったのは!」

 

「両者そこまで」

 ここでユリが議論を打ち切りました。

「マリの越権行為については、私から謝罪する。賠償も払おう。それでどうだ?」

「ファリア?」とお嬢さま。

 「はい。あと、私の部下からの連絡を隠すのも、やめて頂きたいですね」

「マリ、いいな?」とユリ。

 「はい。抗議を認め、謝罪します。ごめんなさい、リア」

 

「──では、会議は終わりだ。それぞれ仕事に戻れ」

 

 全員立ち上がり、持ち場に戻ります。

 私は残って、ユリにお茶を淹れようとしましたが・・・

 

「茶なんか呑んでる場合じゃないぞ、リア」

 「え?」

「言ったろ? 戻ったら特訓だって」

 「うへぇ」

 

 ・・・表に引きずり出されて、ユリにしごかれるハメになるのでした。

 

◆♀◆ 22、『空蝉』特訓(短) ◆♀◆

 

「はひっ・・・はひっ・・・!」

「遅いぞリアぁ!」

 「声が出とるうちは、まだ走れますぞ! 姫ぇ!」

  「リアちゃ~ん、頑張ってぇ~」

 

 ユリと戦士長とダーリン姉ちゃんに追い立てられて、フラッフラの状態で峠道を走ります。

 アイメンカと戦闘になった、あの峠道ですな。

 防衛のために犠牲になった一本松さんは、いままさに撤去中です。

 その作業をやってるアスカリア兵の横を、デカパイ揺らしながら汗だくで駆け抜けます。

 

 ユリもダーリン姉ちゃんも戦士長も、汗はかいてるけど、シャキッとしてる。

 私だけヘロヘロで前屈み。呼吸が苦しい・・・

 いやー・・・

 

 朝イチでしごかれた後に特訓でしごかれんのはキツいわwww

 

 やっぱ俺は『変容』がないとダメだなー・・・

 

「よし。じゃ、『空蝉』使ってみようか!」

「え?」

「指輪もらっただろ。練習しとかないと、使い方わからんだろうが」

「あ、忘れてた」

「おいおい・・・」

 

 侯爵に頂いた『空蝉』の指輪を使ってみることにしました。

 

「これ、ちょっと条件が面倒でさ」

「そうか。じゃあ裏庭でやろう。説明はしなくていいぞ」

「・・・ん?」

「おまえの生命のかかってる術だからな。言わなくていい」

「あ、はい」

 

 ということで、伯爵邸の裏庭へ。

 黙って準備します。

 

 えっと・・・

 いま着てる服は生成りの麻のシャツだから・・・

 

 同じような色合いの、木綿のバスタオルを持ってきます。

 それを庭仕事用のショベルに掛けて、壁に立てかけました。

 立てかけるとき、指輪をはめた指を握り締め、合言葉を唱えておきます。

 

「そなたは現身。その時だけは」

 

 準備完了。

 

「ちょっと小石投げてみてくれる?」

「ん」ビシッ!

「いてっ!?」

「・・・なにやってんだ」

「速過ぎるだろ! 投げるのが!!!」

 

 ユリのヤツ。

 『投げてみて』って言った瞬間に、手の中から小石飛ばしてきやがった。

 しかも、ノーモーション。いつ投げたかわからんレベルの小さな動作で、私の額に当ててきた。

 

「どうやって投げたの・・・」

「指弾だよ。手首から先だけで投げる」

「どんだけ技の引き出しあるんだよオマエ」

「これは子供の頃に覚えたw」ユリは楽しそうです。

「まあいいや。もう一回やってみて」

「ん」ビシッ。

 

「いまがその時!」

 

 ぼふっ。ショベルに掛けた木綿のバスタオルに、小石が命中しました。

 ショベルは地面に倒れます。

 倒れるのは当然でした。壁も何もない位置に、そのショベルは立っていたのですから。

「よっと」

 私は、ユリの背後から、彼女の肩に手を置きました。

 ・・・置いたつもりでした。

 

「あれ?」

 気付いたら、地面に仰向けになってました。

 

「言ってなかったけど、私に不意打ちするのはやめとけ」

 ユリが、一方の手で私の手首を掴み、もう一方の手で私の頭を支えていました。

「とっさに投げちゃうんだ。いまは手加減できたけど、できないこともあるから」

「・・・は、はい」

 

 ウソだろ・・・

 

 いま、俺、『空蝉』でユリの背後に瞬間移動したんだぜ・・・?

 肩に触れる前に察知して手首掴んで投げ飛ばすってオマエ・・・。

 なに? 空気の動きでも感じてんの?

 

「勇者には通用しないか・・・」

「いや、いいんじゃないか? 完全に見失ったしな、いま」

 「色気出して攻撃しようとしたんが失敗かのう」

  「そやねぇ。逃げるんなら逃げるって決めて、迷わず逃げたほうがええかもねぇ」

「そっかぁ・・・!」

 私は立ち上がりました。

「へへへw」

「なに笑ってんだよw」

「いやぁ・・・」

 

 実力が上の人たちに真剣に見てもらえるのは、楽しいなぁと思って。

 言わねぇけど。

 

「・・・笑ってちゃダメだよな。生命がかかってる時の切り札だもんな」

「そうだな。また練習したくなったら言えよ」

「うん。ありがと。じゃあ、」

「じゃあ、もう一往復行こっか!」

「え?」

「どうした。置いてくぞ!」

 「十分休憩したハズですぞ! 姫ぇ!」

  「もうちょっと頑張ったらお昼ご飯やでぇ~」

 

 フターリアちゃんは、ブッ倒れるまでしごかれるのでした。

 

◆♀◆ 23、ニーズとイチャイチャ ◆♀◆

 

 その日の夜。

 仕事を終えた私は、『卵酒フターリア風』を作ってもらって、寝室に戻りました。

 

「いま戻りました」

「お帰り」

 お嬢さまが、薄い青色の長~いワンピースを着て、ベッドに座ってました。

 メイド服の私は、とりあえずお嬢さまに軽くキスをしてから、卵酒を温めます。

 完成はしてるんですが、舐めてみたらアルコールがキツかったんで。

 ビールの香りが立ちのぼる・・・

 その隣で、煎餅みたいなものを炙ります。

 お魚の匂いが・・・

「それ、王都のアレ?」

「のパクリですね」

 

 お魚せんべい。

 王都のパン屋で売ってた変わり種。お嬢さまが気に入ってたヤツ。

 

「アレをね、料理人に頼んで、再現してもらったんですわ」

「へぇ」

「どうです? 一枚」

「お酒みたいな言い方ね」

 

 パリポリパリポリ・・・お嬢さま、小さな口で食べ始めます。

 味わってます。

「ふむ」

 グツグツ。卵酒が煮えました。軽く冷まして、お嬢さまに。

 パリポリパリポリ・・・ちびちび・・・パリポリパリ・・・ちび・・・

 食べては、卵酒を呑み。また食べては、呑み。

 そんなお嬢さまに、くっついて座って。

 フワッフワの金髪に、軽~くブラシを当てて差し上げました。

 そのあいだに、お嬢さまは一枚食べ切ってしまいました。

「ふぅ・・・」満足そうです。

 私も、せんべいをバリボリやって、卵酒をグイ呑みしました。

「ふぅ・・・」

 

 しばし沈黙。

 

「・・・再現度高いわね」

「でしょ! 頑張ってパクらせたからね」

 

 料理人に小遣いを渡して、頼んで。

 『できました』ってのを味見して、注文をつけて、また小遣いを渡して。

 ・・・ってのを3回ほどくり返して、丸パクリお魚せんべいが完成したのです!

 

 ちなみに「絶対『フターリア』とか付けないでね」と釘は差しておきました。

 

「・・・。」

 お嬢さまがお皿を覗いてきました。

 もうないよ。

 私の分の、かじってない方を向けてあげました。

「いいの?」

「一緒に食べましょ」

「じゃ、」

 

 パリポリパリポリ・・・

 2人でせんべいをかじりました。

 なくなるころには唇がくっついてたので、キスしてイチャイチャしました。

 

「今夜どうします? 呪文かけます?」

「モリーヌが合流するまで取っとくわ」

「あ、すみません。気遣って頂いて」

「楽しみは取っておいたほうが、ね」

「どーもどーも」

「でもダークエルフに手ェ出しちゃダメよ」

「出しませんってばw」

 

 お嬢さまが抱きついてきたので、私も迎え撃って・・・

 呪文ナシの、レズSEXに雪崩れ込みました。

 ゆったりとね。食べた後だし。

 激しく揺さぶったりはしないで、裸で抱き合ってイチャイチャする感じで。

 

 で、それが終わった後で。

 お嬢さま、フターリアの乳を揉みながら、

 

「・・・お父さまって、何しに来たのかしら」

「ぶっふwww」

「なにがツボに入ったの?」

 

 いやだって、急にボソッとさぁw

 

「いまのwwwお父君が聞いたらショボーンとするなってwww」

「ああ」

 

 私の笑いが落ち着くまで、しばらくかかりました。

 

「はー・・・失礼しました。いや、ウチにくらべたらマシですよ」

「そう? でも、戦士長があなたに襲いかかった時はヒヤッとしたわよ」

「私も目の前が真っ暗になりましたよ」

 私は、お嬢さまの髪を撫でました。

「両家とも、娘の仕官先に貢ぎに来ましたー! みたいな結果になってるよね」

「ホントよ」

「まあでも・・・」

「なに?」

「お父君は、ニーズと話したかったんじゃないかな。夫人のいないトコで」

「・・・。」

「戦だってコトにしとけば、会いやすいでしょ」

「そんな理由で戦やられても困るんだけど!」

「まったくね」

「『なんで負けたの!』って噛みつかれたんじゃないかしら」

 

 お。お嬢さまから父上を心配する一言が出ましたね。

 やったね父ちゃん。娘の好感度アップしてるよ!

 まあその娘さんは俺の隣でハダカで寝てるけどな。

 

「そこは『勇者と一騎討ちになって惜敗した』とすればカッコつくじゃないですか」

「騎兵隊連れてきて、ユリさまとあなたの2人に撃退されたんじゃない」

「そのへんは、いなかったコトにすりゃいいんですよ」

「イヤよそんなの」ニーズは腕を掴んできました。

「大丈夫だよ。消えたりしないから」

「当然よ」

 

 その夜、ニーズは腕を離してくれませんでした。

 

◆♀◆ 24、司祭の提案 ◆♀◆

 

 それから数日。

 ダーリン姉ちゃんは『希望の港』に戻りました。

 伯爵邸では、ユリ・マレーナさん・テニスお嬢さまが、フル回転で事務作業。

 

 私は、淫魔神殿に行って、司祭さまとイチャイチャしました。

 

 ・・・いや、あのね? サボってたんじゃなくてね。

 

「紹介できるのは、淫魔神殿だけなんだよなぁ」

 とか、ユリが言いやがったワケですよ。

「しょうがないからあそこで習ってこいよ」

「・・・まあ恩人ではあるけど。大丈夫なの? あそこ」

「司祭さまは信頼できるぞ。逃げなかったし」

「逃げなかった?」

「吸血鬼戦争でな。この地を見捨てなかった唯一の神殿が、あの淫魔神殿なのさ」

 

 アスカリア領は、かつて、吸血鬼にメチャクチャに荒らされたワケですが・・・

 淫魔神殿だけは逃げずに残って、ケガ人の面倒を看てくれたんだとか。

 

「だから、淫魔神の信者、結構多いんだよ」

「へえ・・・!」

「外ではしゃべるなよ。誤解されやすい神さまだからな」

「あいよ。わかった」

「淫魔神さまは融通の利く御方だし、相談には乗ってくれるんじゃないかな。やらしいけど」

「まあ、そういうことなら・・・」

 

 ってことで、土産を持参して、お願いに行ったら・・・

 

「あらぁ、『変容』のフターリアさまぁ! 入信してくださると思っておりましたわ♥」

 「きゃー♥」「きゃー♥」「フターリアさまー♥」

 

 熱烈な歓迎を受けてしまいまして。

 揉みくちゃにされて。

「いや入信ではないんですよ」というのは、なんとか、説明はしたんですが。

 そのころには、なんか、服脱がされてて。

 司祭さまと見習いたちに、それはもう念入りに『接待』されてしまった。

 というワケです。

 

 ハニトラやんけ!

 

「さて、」

 妖艶な女司祭は、私の唇から唇を離して、話し始めました。

「このような接待は、ヒサモンモーリアさまには、不適切でしょう」

「かも知れませんね・・・」

 私はブラジャーを留め直しながら応じました。

「・・・そもそも、ヒサモンさまの儀式って、どんなのなんでしょう?」

「まったくわかりません」

「わかりませんか」

「神殿がありませんのでね」

「そっか・・・」

「ですが、まず、木造建築は避けた方がよろしいでしょう」

「そうですな。森に人間が踏み込むのも嫌がる御方ですし」

「ええ」

「じゃあ、石造の神殿?」

「どうでしょう。『眠りの城』は、崩れ落ちたんですよね?」

「はい」

「人間の建物すべてを『目障りだ』と考えておられるかも知れませんよ」

「あー・・・」

 

 私は、森の中で出会った女神──キジトラカラーのトラの姿を思い出しました。

 

「・・・ありそう」

「フターリアさまは、大きな木のウロのそばで、女神さまにお会いしたのでしたね」

「はい。その通りですわ」

「その出会いをなぞってみてはいかがですか?」

「なぞる」

「ええ。フターリアさまは樹にもネコにも『変容』できると伺いました」

「はい」

「でしたら、出会いが再現できるではありませんか」

「・・・。」

「建物ではなく、芸を──」

 司祭さまは、私の髪を弄びながら、こういう提案をしてくれました・・・

 

「御身の才能である『変容』の芸を、女神さまに奉納しては、いかがでしょう」

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