ヤバすぎる悪魔の実を食べたのは、現代日本から転生して天竜人になった男。 作:レルクス
「いっ、ぎっ! ああっ! さ、裂けるっ」
「大丈夫です。この部屋にあるものは全て、痛みだけを与えて傷をつけません」
角度が45度の三角木馬。
薄ピンク色になっており、これが『特別製』を意味している。
俺の能力を『かなり応用したもの』なので、他では見られない物だ。
「角度が45度の三角木馬……まぁ、紙の直角部分を半分に折ればできる角度です。そこが敏感な部分に食い込むのは相当な激痛でしょう。足をピンと伸ばしても地面には届かず、股間で全てを支えなければならないのは地獄だと思います。『よく知っています』よ」
オランピアが解説しているが、ハンコックはそれどころではなさそうだ。
「純度の高い海楼石の手錠をつけた状態では、木馬の側面に上手く足を押し付けることもかなわない。無力で、ただ激痛があるだけ。残酷な方法ですからそうしました」
「や、やめっ、む、むりっ……」
「ですから、裂けませんよ。あなたの足に、同じ特別製の鎖を巻き付けて巨人族がぶら下がっても、股が裂けることも足がちぎれることもない。そういう物質なのです。もちろん、その場合、体が真っ二つになるような激痛が股間を蹂躙しますが」
「い、いぎ、いやぁ!」
顔が青くなるハンコックだが、徹底的な調教に必要なのは、徹底的な絶望だ。
「そして、三角木馬に乗ったあなたに使うのは、こちらになります」
「えっ……ひっ!」
薄ピンク色の、乗馬用の鞭を取り出した。
「こちらも、痛みだけを与えて傷をつけない物になります。インペルダウンにおいても、女囚には『顔だけは鞭を打たない』ことがあるそうですが、ここでは違います。男性の場合――」
「オランピア。ストップ。話が逸れてる」
「失礼しました」
余計なことを言いそうになったオランピアを止める。
……ただ、実際、どうなるのやら。
原作キャラだと、この手のオモチャを与えて喜びそうなキャラは『サディちゃん』なのだが、今は本編の17年前。
原作開始時点で21歳のサディちゃんは、現在4歳なのだ。
天竜人である俺としてもちょっと言葉に困る。
とはいえ、データはどこかで多分、万に一つくらいの可能性で必要になるだろうから、いずれ、サディちゃんにインペルダウンの囚人で試してもらおう。
ただ、その時の実験結果の報告書をサディちゃんに書いてもらうとなると、おそらく人間には解読できない言語になりそうなので、ハンニャバルにも実験場所に同席してもらい、レポートをまとめてもらおう。彼は真面目なので多分やってくれる。
「これは乗馬用の鞭です。扱い方を間違えれば人が死ぬものですが、これは問題ありません。死ぬほど痛いのが続くだけです」
「いっ、ひぎぃ……」
「こんなふう……に!」
「いあああああああああああああああああああああああっ!」
ピシャアンッ! と背中に鞭が振られる。
痛みで痙攣し、体を揺らすが、当然、それは股間の三角木馬の激痛が増すことになる。
ハンコックは目が、虚ろになってきた。
「ふむ、やはり12歳。心は脆いですね」
目は見ていない。
だが、見聞色の覇気は鍛えている。
何かを隠す余裕のない心など透けて見えるだろう。
「ふーむ……」
本編だと、ハンコックの奴隷期間は4年だった。
拷問器具など『椅子みたいな感覚』で普通に持っているのが天竜人なので、三角木馬や鞭くらいは普通にやっていたはずなのだが。
というか、他の天竜人の屋敷にお邪魔すると、大体、拷問部屋に置かれているのだが。
拷問を開始して2日目でこれは、ちょっと脆すぎるような気がしなくもない。
「ムーゲ様。いかがなさいましたか?」
「いや、ちょっと考え事。ハンコックは『苦痛奴隷』じゃないし、プランの変更も考える必要がある」
「では、どのように?」
「今日は放置しようか。鞭はちょっと普通の拷問すぎてダメだ。両足に、それぞれ30キロの重りを吊るして夜まで放置しよう。そこまですれば、この『拷問部屋』がどれほど、『痛み』に特化した場所なのかがわかるだろう」
「畏まりました」
「さ、さんじゅ、きろ? ……い、いや! いやああああああああっ!」
「ムーゲ様の命令は絶対です」
オランピアは滑車を二つ用意して、ハンコックの両足の傍に設置。
そのまま、枷を両足首にそれぞれつなげた。
そのまま、鎖を巻き取って、重量を加えていく。
「いっ、ひっ、ひいいいっ、いぎ、ヒイイイイイイッ!」
「まだ1キロですよ?」
「も、もう無理! 裂ける! 裂けるううううっ!」
「……ムーゲ様。一気にやりますか? ジワジワとやりますか?」
「一気に」
ズギュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!
……言葉にすればそんな感じだろうか。
合計、60キロが股間にかかり、ハンコックは目を回して泡を吹いた。
「……起こしますか?」
「夜は電流で寝られないだろうし、まあいいんじゃないか?」
「承知しました」
鎖を固定して、オランピアを連れて拷問部屋を出る。
「さて、ゲームのゴールを考えると、プラン。どうするかな」
「ハンコックは『性奴隷』がゴールですが、最初に拷問を徹底することで、『ここに入れられたくない』と本能に刻むというプランです。少々早いですが、明日からは性感帯の開発ですか?」
「そうだな。夜の電流も、低電圧を使ったものにするし、パンクのジジイに大金出して作ってもらった器具もいろいろあるからな」
「パンク……あの快楽玩具。世界最大の頭脳に依頼されたのですか?」
「その、なんだ……ピストンと歯車の仕組みやら互換性やら、意外と盛り上がってな。まぁ、盛り上がったというよりは、話を弾ませた方が俺から大金を引っ張れそうだったから誘導した節がある」
ありとあらゆる学問を修めているとされる男なのだ。
人から金を引っ張る会話術くらいはお手の物だろう。
俺自身、目的のものがもらえたらそれでよかったし。
「どれくらいの額を渡したのですか?」
「100億だ。まぁ、もっと欲しそうにしていたが、手持ちの都合でそうなった」
「100億ベリーですか……」
「まぁ、俺、稼いでるからな」
「確かに」
「サターンのジジイから横やりが入らなけりゃもっと話せたんだが、まあいいか」
おそらくパンクのジジイとしては、『奴隷に与えられるのが苦痛ではなく快楽になるならそっちの方がマシだ』ということで作ってくれたっぽいが、まぁそれはそれ。
「そういや、今日は客が多い日だ。準備しないと」
「トレーニングビーストも準備しておきます」
「ああ。海軍やサイファーポールの訓練用猛獣……揃えてるが、どこまで戦えるのやら」
さーて。
……来ている客の中に、ロブ・ルッチがいるとのことだが、今は500人の兵士の人質ごと、海賊団を壊滅させた事件の2年前だから、11歳だよな。
この時点のアイツって、どんな奴なんだろう。