※この作品はR-18です。

ヤバすぎる悪魔の実を食べたのは、現代日本から転生して天竜人になった男。   作:レルクス

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アリュール海賊団

 俺の屋敷だが、最上階には最高峰の家具を揃えている。

 

 そしてその隣には、『特別通信室』がある。

 

 盗聴防止のための白電伝虫……の改良版、『琥珀電伝虫』を電伝虫につなげたものがあり、最高レベルの機密通信を可能とする部屋だ。

 

 家具も最低限で、俺にしか入れない仕事場となる。

 

「なんだナス寿郎(クソジジイ)。こっちは奴隷の開発プランを考えてて忙しいんだが?」

『……相変わらずだなお前は』

「そりゃな」

 

 パンゲア城の『権力の間』……なのかどうかはともかく、『五老星』からの通信は、必ずここに来ることになっている。

 

 まぁ、俺は仕事の都合上、いろんな機密通信が必要なので、そのたびにここは使うわけだが。

 

「で、何の用だ? またロズワードのところの……ああ、チャルロスあたりが騒いでんのか?」

『そんな些事だと思うか?』

「冗談だよ」

 

 チャルロス聖。

 

 今は本編の17年前なので、本編開始時22歳のチャルロスは5歳だ。

 

 会ったことがあるが、『天竜人の中でも甘やかされて育つとこうなるのか……』と、開いた口が塞がらなかったのは覚えている。

 

 使い潰した奴隷は数知れず、『聖界卿』として地位を確立しだした俺に対しても、『持ってる美味なものを全部よこすえ~』と言ってきたほどだ。

 まぁ、親のロズワード聖が止めてきたので、俺も忙しかったし、その時はそれで済ませたが。

 

 人間、自分より下の奴を見ると安心する生き物だが、そういう意味で、全ての人類が安心できると悟ったくらいである。

 

『最近、新世界で幅を利かせているアリュール海賊団。知っているか?』

「聞かねえ名だな」

『そうか? それは予想外だが、まあいい。均衡にふさわしくない存在だ。ニライカナイで隔離し、二度と外に出すな』

「ほー、海賊団を丸ごと一つ。こっちで隔離とはねぇ」

『すでにエージェントを使い、ニライカナイのエターナルポースを渡している。直ぐに到着するだろう』

「勝手に決めんなよそういうこと」

 

 思わずため息が漏れる。

 

 しかし、ドフラミンゴがドレスローザ編の後でインペルダウンにぶち込まれてたことを考えると、『隔離したい奴』は全てそっちに放り込まれると思ってたが、五老星としても『別枠』はあるらしい。

 

『隔離した後は好きにしろ。船長だけは殺すな。他は処分しても構わん』

「……それ、こっちである必要あるか? インペルダウンで良くね?」

『この海賊団の場合は『消息不明』が好ましいということだ』

「ほー。なら、なんでこの指令、ジジイから来てんだ? 海賊団の一つや二つ、消えるなんて日常茶飯事、機密通信とはいえ、ジジイじゃなくても良くね? オランピアとか、『部下に何を喋っちゃいけないのか』がよくわからんのだが?」

『我々からの指令ではない。という建前にしろ』

「我々……って、5人で話した結果かよ。ある意味、海賊冥利に尽きるんじゃね」

『私が関与するところではない……むっ、次の会議が迫っている。切るぞ』

「ほいほい。んじゃまたな。今度、良い酒を持って聖地に行くよ」

『楽しみにしている』

 

 ガチャッと音が鳴って、通話が終了。

 

「……通話の開始時刻を指定してくる割りに、切るときも一方的なんだよなぁ。まあいいけど」

 

 ★

 

 で、ジジイとの話が終わって、三時間後だ。

 

「ムーゲ様。監視部からの連絡で、海賊船の接近を確認しました」

「どこだ?」

「海賊旗は、『アリュール海賊団』とのことです」

「……そうか」

 

 ジジイ。

 

 三時間後に来てんじゃねえか! もうちょっと早く連絡寄こせや!

 

 まぁ、ジジイも忙しいだろうし、別にいいけど!

 

「ったく、ハンコックのプランを考えてたのに……まぁ、どのみち快楽漬けだし、まあいいか、で、どんな連中だ?」

「端的に言えば、町からいろんなものを奪っていく海賊団です」

「なんじゃそりゃ。拠点じゃねえ町から適当に物を持っていくなんて、普通の海賊だろ」

 

 新世界は四皇が支配する海。

 それは間違いないが、とても広いし、まだ縄張りになっていない島なんていくらでもある。

 

 そういったところから奪っていく連中なんて珍しくない。

 

 少なくとも、よく取引しているビッグマム(クソババア)のテリトリーで好き勝手していないのは事実だろう。

 

「あまり見ない形態の海賊団でして……船長の手配書がこちらです」

「ん? ……ほう」

 

 手配書をもらって見たが……かなりの美人だ。

 

 艶のある赤い髪を伸ばし、胸元を大きく開いたワインレッドのドレスを着ている。

 

 手配書の写真ではあるが、『商材』と言っていい出来栄えだ。

 

「『紅巣(こうそう)』のカーミラ。懸賞金は……15億か。そりゃなかなか……」

「海賊の中では最も美しい。との噂です」

「まぁ、そりゃ分かる話だ」

 

 とはいえ、15億。

 マンガ本編でクソババアとやりあった後のルフィと同じ懸賞金で、七武海制度撤廃後のハンコックの懸賞金が16億5900万ベリーのはず。

 

 もっと言えば、本編時点で、カイドウのところのキングが13億9000万ベリー。白ひげのところのマルコが13億7400万ベリーと考えると、『四皇のナンバーツーレベル』と考えていい。

 

「ハンコックがもうちょい育ってもタメ張れるレベルの美貌だろ」

「私もそう思います。属性は違いますが」

「だな。写真からわかるが、ハンコックと違って、敷居は低そうな美しさだ」

 

 手配書をオランピアに返す。

 

「で、こいつがトップとして、『変わった形態』ってのは?」

「端的に言いますと、『カーミラが誑かして集った略奪集団』。それがアリュール海賊団です」

「誑かした?」

「情報によりますと、どうやら功績を出した部下には、夜を共にする権利があるとか」

「部下っつうか、その文化だと『下僕』じゃね?」

「私もそう思います」

「……で、他には?」

「特に、酒場やカジノ、夜の町など、歓楽街に入っては、『良さそうな物』を全て奪っていくとのこと」

「それで15億ってどういうことだ? やっぱり戦闘力もあると?」

「ベッドなら功績を出した部下であれば誰でも招くそうですが、風呂に関しては忠誠心がある部下しか呼ばないとのことです」

「能力者か」

 

 水場で全力を出せないゆえに、そういう処置をとっているはず。

 

「何の能力だ?」

「サイファーポールも握っていないそうです」

「ほーん……」

 

 何の実を食べたのかわからないとなると、『凶悪な悪魔の実』を食べた可能性もある。

 だからこそ、殺すのではなく隔離措置ということなのか。

 

 殺してその実がどこかで出現すれば、それが次の悩みの種になる。

 

「美貌って能力由来なのか?」

「いえ、調査によると、元は巨大な歓楽街がある国……『パイプジョイン王国』の女王でした」

「パイプを作るどころか接続する気、満々じゃねえか。歓楽街ってことは、セックスってことだろ?」

「そうですね。で、よくプールで男と泳ぎながら鬼ごっこをして、『一番最初に捕まえた人とその場でプールセックス』というゲームをしていたそうです」

「プールで泳いでいたなら、その時点では能力者じゃないか」

 

 というか。

 

 とても少年ジャンプの世界とは思えないんだけど。

 

 まぁ言い換えると、絶対に原作キャラではないし……。

 

「女王でしたって言ったか?」

「ええ、国は滅びました」

「……」

 

 まぁ、そんな国、潰れておくに越したことはない。天竜人の俺が言うのもなんだけど。

 

「大体わかった。で、そいつらが友好的に、商売に来た可能性はあるか?」

「ないでしょう」

「はぁ……全部確保するか」

「承知しました。では、捕縛準備を進めます」

「ああ。任せる」

「はい」

 

 オランピアは(ソル)で消えた。

 

「……世界って、すごいな」

 

 まぁとりあえず、新しい奴隷たちだ。丁寧に絶望させようか。

 

 今はハンコックのゲームプランを考えていたところなんだ。

 

 そのスケジュールを狂わせた罪は重い。

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