ヤバすぎる悪魔の実を食べたのは、現代日本から転生して天竜人になった男。 作:レルクス
俺の屋敷だが、最上階には最高峰の家具を揃えている。
そしてその隣には、『特別通信室』がある。
盗聴防止のための白電伝虫……の改良版、『琥珀電伝虫』を電伝虫につなげたものがあり、最高レベルの機密通信を可能とする部屋だ。
家具も最低限で、俺にしか入れない仕事場となる。
「なんだ
『……相変わらずだなお前は』
「そりゃな」
パンゲア城の『権力の間』……なのかどうかはともかく、『五老星』からの通信は、必ずここに来ることになっている。
まぁ、俺は仕事の都合上、いろんな機密通信が必要なので、そのたびにここは使うわけだが。
「で、何の用だ? またロズワードのところの……ああ、チャルロスあたりが騒いでんのか?」
『そんな些事だと思うか?』
「冗談だよ」
チャルロス聖。
今は本編の17年前なので、本編開始時22歳のチャルロスは5歳だ。
会ったことがあるが、『天竜人の中でも甘やかされて育つとこうなるのか……』と、開いた口が塞がらなかったのは覚えている。
使い潰した奴隷は数知れず、『聖界卿』として地位を確立しだした俺に対しても、『持ってる美味なものを全部よこすえ~』と言ってきたほどだ。
まぁ、親のロズワード聖が止めてきたので、俺も忙しかったし、その時はそれで済ませたが。
人間、自分より下の奴を見ると安心する生き物だが、そういう意味で、全ての人類が安心できると悟ったくらいである。
『最近、新世界で幅を利かせているアリュール海賊団。知っているか?』
「聞かねえ名だな」
『そうか? それは予想外だが、まあいい。均衡にふさわしくない存在だ。ニライカナイで隔離し、二度と外に出すな』
「ほー、海賊団を丸ごと一つ。こっちで隔離とはねぇ」
『すでにエージェントを使い、ニライカナイのエターナルポースを渡している。直ぐに到着するだろう』
「勝手に決めんなよそういうこと」
思わずため息が漏れる。
しかし、ドフラミンゴがドレスローザ編の後でインペルダウンにぶち込まれてたことを考えると、『隔離したい奴』は全てそっちに放り込まれると思ってたが、五老星としても『別枠』はあるらしい。
『隔離した後は好きにしろ。船長だけは殺すな。他は処分しても構わん』
「……それ、こっちである必要あるか? インペルダウンで良くね?」
『この海賊団の場合は『消息不明』が好ましいということだ』
「ほー。なら、なんでこの指令、ジジイから来てんだ? 海賊団の一つや二つ、消えるなんて日常茶飯事、機密通信とはいえ、ジジイじゃなくても良くね? オランピアとか、『部下に何を喋っちゃいけないのか』がよくわからんのだが?」
『我々からの指令ではない。という建前にしろ』
「我々……って、5人で話した結果かよ。ある意味、海賊冥利に尽きるんじゃね」
『私が関与するところではない……むっ、次の会議が迫っている。切るぞ』
「ほいほい。んじゃまたな。今度、良い酒を持って聖地に行くよ」
『楽しみにしている』
ガチャッと音が鳴って、通話が終了。
「……通話の開始時刻を指定してくる割りに、切るときも一方的なんだよなぁ。まあいいけど」
★
で、ジジイとの話が終わって、三時間後だ。
「ムーゲ様。監視部からの連絡で、海賊船の接近を確認しました」
「どこだ?」
「海賊旗は、『アリュール海賊団』とのことです」
「……そうか」
ジジイ。
三時間後に来てんじゃねえか! もうちょっと早く連絡寄こせや!
まぁ、ジジイも忙しいだろうし、別にいいけど!
「ったく、ハンコックのプランを考えてたのに……まぁ、どのみち快楽漬けだし、まあいいか、で、どんな連中だ?」
「端的に言えば、町からいろんなものを奪っていく海賊団です」
「なんじゃそりゃ。拠点じゃねえ町から適当に物を持っていくなんて、普通の海賊だろ」
新世界は四皇が支配する海。
それは間違いないが、とても広いし、まだ縄張りになっていない島なんていくらでもある。
そういったところから奪っていく連中なんて珍しくない。
少なくとも、よく取引している
「あまり見ない形態の海賊団でして……船長の手配書がこちらです」
「ん? ……ほう」
手配書をもらって見たが……かなりの美人だ。
艶のある赤い髪を伸ばし、胸元を大きく開いたワインレッドのドレスを着ている。
手配書の写真ではあるが、『商材』と言っていい出来栄えだ。
「『
「海賊の中では最も美しい。との噂です」
「まぁ、そりゃ分かる話だ」
とはいえ、15億。
マンガ本編でクソババアとやりあった後のルフィと同じ懸賞金で、七武海制度撤廃後のハンコックの懸賞金が16億5900万ベリーのはず。
もっと言えば、本編時点で、カイドウのところのキングが13億9000万ベリー。白ひげのところのマルコが13億7400万ベリーと考えると、『四皇のナンバーツーレベル』と考えていい。
「ハンコックがもうちょい育ってもタメ張れるレベルの美貌だろ」
「私もそう思います。属性は違いますが」
「だな。写真からわかるが、ハンコックと違って、敷居は低そうな美しさだ」
手配書をオランピアに返す。
「で、こいつがトップとして、『変わった形態』ってのは?」
「端的に言いますと、『カーミラが誑かして集った略奪集団』。それがアリュール海賊団です」
「誑かした?」
「情報によりますと、どうやら功績を出した部下には、夜を共にする権利があるとか」
「部下っつうか、その文化だと『下僕』じゃね?」
「私もそう思います」
「……で、他には?」
「特に、酒場やカジノ、夜の町など、歓楽街に入っては、『良さそうな物』を全て奪っていくとのこと」
「それで15億ってどういうことだ? やっぱり戦闘力もあると?」
「ベッドなら功績を出した部下であれば誰でも招くそうですが、風呂に関しては忠誠心がある部下しか呼ばないとのことです」
「能力者か」
水場で全力を出せないゆえに、そういう処置をとっているはず。
「何の能力だ?」
「サイファーポールも握っていないそうです」
「ほーん……」
何の実を食べたのかわからないとなると、『凶悪な悪魔の実』を食べた可能性もある。
だからこそ、殺すのではなく隔離措置ということなのか。
殺してその実がどこかで出現すれば、それが次の悩みの種になる。
「美貌って能力由来なのか?」
「いえ、調査によると、元は巨大な歓楽街がある国……『パイプジョイン王国』の女王でした」
「パイプを作るどころか接続する気、満々じゃねえか。歓楽街ってことは、セックスってことだろ?」
「そうですね。で、よくプールで男と泳ぎながら鬼ごっこをして、『一番最初に捕まえた人とその場でプールセックス』というゲームをしていたそうです」
「プールで泳いでいたなら、その時点では能力者じゃないか」
というか。
とても少年ジャンプの世界とは思えないんだけど。
まぁ言い換えると、絶対に原作キャラではないし……。
「女王でしたって言ったか?」
「ええ、国は滅びました」
「……」
まぁ、そんな国、潰れておくに越したことはない。天竜人の俺が言うのもなんだけど。
「大体わかった。で、そいつらが友好的に、商売に来た可能性はあるか?」
「ないでしょう」
「はぁ……全部確保するか」
「承知しました。では、捕縛準備を進めます」
「ああ。任せる」
「はい」
オランピアは
「……世界って、すごいな」
まぁとりあえず、新しい奴隷たちだ。丁寧に絶望させようか。
今はハンコックのゲームプランを考えていたところなんだ。
そのスケジュールを狂わせた罪は重い。