夢叶って画家になれた転生主は、ともかくブルアカ本編に関わりたくない_IF_R18 作:木暮鬼一
これは本編の方でアンケート取っている内容とは別で、作者が描きたかった話です。
※エスミが、ナギサとミカの両方と恋人関係になり、かつ2人から猛烈に愛されている世界線です。一応、こっちの世界線では身体に異常はない完璧超人のエスミですが、その代わり2人には散々身体を汚されてます(良い意味だよ)。
「エスミちゃんって、オナニーは週に何回してるの?」
その発言の直後、『ガタンッ!!』と大きな音を立てて膝を机にぶつけてしまったのは桐藤ナギサと栢間エスミ、果たしてどちらなのか。
もしくは2人揃って驚きのあまり机に膝をぶつけてしまったのかもしれませんが、エスミの方は依然として何食わぬ顔を維持する一方で、ナギサは冷や汗をだらだらと流しながら幼少期からの付き合いである幼馴染の聖園ミカに驚きの視線を向けるのでした。
「ミ、ミカさん……私の聞き間違いでしょうか。今、エスミさんに対して、淑女にあるまじきとんでもない質問をされたような気がするのですが……私の聞き間違いですよね? いえ、そうであってください」
「もー、ナギちゃんってば驚き過ぎ。別に私たちだってお年頃の女の子なんだからオナニーぐらいはするに決まってるでしょ? もしかしてナギちゃん……その歳にもなってまだしたことがないの!? アハハッ、ナギちゃんってばいくら何でも純情すぎ☆」
「なっ!? し、失礼ですね‼ わ、私だってありますよそのぐらい!!」
「ふーん♪ じゃあナギちゃんは週に何回ぐらいするの?」
「そ、それは……」
その瞬間、チラッと視線をエスミの方へと向けたナギサ。
しかしすぐに視線をミカへと戻した彼女は恥ずかしそうにしながらも口を開きました。
「さ、さん……かい……で、す……」
「ナギちゃん、ナギちゃん。ごめん、全然聞こえないんだけど?」
煽りではなく、割と真面目な様子でミカがそう聞き返すと、ついにナギサは顔を真っ赤にしながら半ば叫ぶような形で再度口を開きました。
「3回!! 3回です‼ いつもエスミさんやミカさんのことを想いながらシテます‼ さあこれで満足ですか!? 満足ですよね、こんな公開処刑をしておいて‼ そう言ってくださいミカさん‼」
「わ、わーお……そんな感じで開き直られると流石に私も反応に困っちゃうよナギちゃん……」
「桐藤……3回もしてるんだ」
週に3回もしているという驚きの数字はさておき、あのナギサが自分たちの事を想いながらオナニーをしているという事実をいきなり突きつけられたことで、エスミとミカの両名は多少の気恥ずかしさを感じながら各々違った反応を見せました。
何であれ3人で仲良く恋人関係を築いている以上、あのナギサが本当に自分たちのことを真摯に想ってくれていると知れて嬉しいのです。
まあとはいえ、普段の冷静沈着な態度を崩し始めてしまった現在のナギサは止まりません。
未だに興奮と羞恥心から顔を真っ赤に染めている彼女は、今度は自ら幼馴染であるミカに詰め寄ると、その肩を力強く両手でガシッと掴みながら綺麗で整った顔をミカに近づけました。
「さあ私は言いましたよ。今度は言いだしっぺであるミカさんが応える番です‼」
「え、ええっ!? わ、私もなの!?」
「当たり前です‼ お2人の前であんな秘密を暴露してしまった以上、ミカさんも道連れするに決まっているじゃないですか‼ 逃げおおせるとは考えない事です‼」
「別に私のオナニー事情なんてナギちゃんに比べたら全然凄くもないし、面白くもないんだけど、それでも本当にいいの!?」
「まるで私の自慰が飛びぬけて異常みたいなその反応は何なんですか!? 週に3回なんて極めて普通の回数のはずですよね!? ミカさんは違うと言うんですか!!」
「だ、だって私、1回か2回ぐらいしかしないよ‼ そんなに普段から溜まってる方じゃないし、エスミちゃんやナギちゃんに会えただけでスッキリしちゃうんだから‼」
「わ、私だってミカさんやエスミさんと楽しくお話できただけでも解消するタイプですが、それはそうと自慰が週に多くてたったの2回!? あのミカさんがそれだけの回数で収まるんですか!?」
「ねえ、ナギちゃんの中の私のイメージってどんな感じなの!? もしかしてセックスしか頭にない獣だと思ってる感じ!?」
「勿論です‼ エスミさんと行為される度に、いつも勢い良くがっついてはエスミさんをスタミナ切れにさせている張本人なんですよ、貴女は‼ いつも疲れ果てているエスミさんを介護している私の身にもなってください‼ それこそ一日中エスミさんを抱いていた日のミカさんはかなり酷かったんですからね‼ いくらエスミさんが止めても言うことを聞くことは無く、結果としてエスミさんは半日も寝込むほど疲れ果ててしまったんですから。あんな事をしておいて、よく1回か2回程度で発散出来ますね‼ 驚きですよ‼」
「へ、へぇー!! そんなこと平気で言っちゃうんだナギちゃんって!! じゃあ私も言わせてもらうけど、ナギちゃんだってオナニーが週に3回だけって少なすぎるよね⁉ いつもエスミちゃんの身体に歯型とかキス痕残すぐらい独占欲が強くて、普段からエスミちゃんを狙う周りの子に堂々と威嚇なんかしているナギちゃんのくせに、オナニーがたったの週に3回で本当にそのムラムラを解消出来てるの!? エスミちゃんの事を想いながら実は何回もしてるんでしょ絶対!!」
「言っておきますが、私が自慰をしているのはエスミさんを抱けなかった日だけです‼ 叶うなら、エスミさんを毎日抱くことが出来れば自慰なんてそもそもしません!!」
「ほらそれ‼ それだよナギちゃん‼ 結局ナギちゃんだって蓋を開けたら底無しのセックスモンスターじゃん‼ エスミちゃんがいつもバテちゃうのは私だけじゃ無くてナギちゃんも原因なんだからね!?」
「私はミカさんと違ってしっかりエスミさんの身体を大事に気遣っていますが!?」
「じゃあエスミちゃんの胸や首にいつも歯型を付けるのはどうして!? 前なんか何十個もエスミちゃんの身体に痕を付けてたじゃん!! おかげで私が付ける場所が全然無くて困ってたんだからね‼ あれのどこか身体を気遣ってるって言うの!?」
「エスミさんは私の恋人ですよ‼ 悪い虫が付かないよう証拠を残すのは当然です‼ それにエスミさんだって嫌がっていませんでしたし、むしろエスミさん自身が痕を付けることを望まれているのですから、私はただ彼女の願いを実行しただけに過ぎません!!」
「だとしても流石に付けすぎだよね⁉ あと言っておくけどエスミちゃんはナギちゃんだけの恋人じゃないもん!! 私の恋人でもあるんだから、私にも痕を付ける権利ぐらいはあるはずだよ!!」
言い合いがヒートアップしてきたせいか、気付けばミカの方も自ら顔を近づけ、ほぼ至近距離でナギサと向かい合いながら愚痴に近い言葉を吐き出し始めました。
当然、負けず嫌いを発症したナギサもあれこれと昔の出来事を掘り返してはミカに負けじと言葉を並べ始めたのですが、そんな2人の口喧嘩を止めたのは他でもない……この場にいるもう1人の登場人物、栢間エスミでした。
「2人とも……いい加減にして、そこまでだよ。いくらなんでも抱かれてる本人の前で情事の内容を話されるのは恥ずかしいんだけど」
エスミは至近距離で向かい合っていた2人の身体を強引に引き離すと、丁度2人の間に割って入る形で自ら身体を滑り込ませました。
そして耳まで真っ赤にした姿でミカとナギサの両名に対し向き合うと、いかにも『私は怒ってます‼』という空気を醸し出すのでした。しかしエスミの言う通り、常に2人に抱かれている側である受け担当の彼女にとっては、セックスの中身はおろか事後に関してまで赤裸々に語られるのは流石に我慢の限界だったことでしょう。
それはミカとナギサの両名もちゃんと分かっていた事らしく、2人は先程まで続けていた口喧嘩モードとは打って変わって、しゅんとした様子で素直に『ごめんなさい』と頭を下げて謝るのでした。
だがしかし、そこで終わりを迎えないのが彼女達です。
「じゃ、じゃあ今度はエスミちゃんのオナニー事情を教えて‼」
「そ、そうですね。元はと言えばこれはミカさんが好奇心からエスミさんに対して投げた質問から始まった事ですし、一旦ここは出直すことにしましょうか」
「……えっ、本当に言わないといけないの、これ?」
せっかく本人が介入してくれたのだから、このままエスミのオナニー事情を知りたいと乗り気になり始めた2人。一方でエスミは呆気に取られた様子で困ったような反応を返しましたが、2人は全く意に介していない様子です。
「も、勿論だよ‼ だってエスミちゃんって、私たちがセックスに誘わない時はいつも絵ばっかり描いてるでしょ? だから最初はそういうのは全く興味が無いんだろうなぁって思ってたんだけど、でもそんなエスミちゃんも意外とセックスには乗り気になってくれるし、それに何だかセックスの知識も豊富だからオナニーぐらいは経験済みかなぁって。だから気になって当然!! うん、むしろこれは恋人として絶対に知るべき権利だと思うの!!」
「ミカさんの言う通りです。自由気ままに生きて周りをかき乱すミカさんや、ティーパーティーとしての仕事に忙殺されている私ですら自慰をしているのです。いくら絵を描くのが好きなエスミさんと言えども、自慰を全く経験しないまま生きてこられたとは思いません……これは、あくまでも参考です。本当に参考程度ですが、是非ともエスミさんの自慰について……その、どのくらいの頻度でされているのか興味があります」
ミカは興奮した様子で近づき、対してナギサは好奇心に満ちた目でエスミに近づきます。
気付けば元は2人を口喧嘩から引き離したはずなのに、今度はエスミを取り囲むようにして再び距離を縮められてしまいました。その圧がむしろ『答えるまで解放しないぞ』と訴えているように思えて、エスミは面倒そうに溜息を吐きました。
「……そんなに知りたいの、私の、その……オナニーの頻度が?」
「うん、知りたい‼」
「是非とも知りたいです‼」
「……く、食い気味に応えるじゃん2人とも……えっと、それじゃあ……あまり、驚かないで欲しいんだけど……」
ぐぐっと更に距離を縮めて来る2人から顔を逸らし、エスミは気恥ずかしそうに口元に手の甲を当てながらボソリとこう答えました。
「……ゼ、ゼロ……だよ」
「……ん?……ぜろ? ゼロって、あれ? 数字だと1の前にくるやつだよね?」
「ミカさん……むしろそれは〝無〟を意味してるのでは?」
彼女の口から出てきた答え、それは『ゼロ』。
つまり、エスミは今日の今日までオナニーを全くしたことが無いということ。その驚きの答えはあのミカやナギサさえ唖然としてしまうほどの衝撃を秘めていました。
直後、ミカが驚きながらエスミの肩を掴むと、ガクンッガクンッと大きく揺らし始めました。
「えっ、嘘でしょ、嘘だよねエスミちゃん!? 無いの!? 本当に今までオナニーをしたことが無いの!? あんなにエッチな声で鳴くほどセックスの素質があるのにオナニーしたことが無かったの!? お願い、嘘だって言って‼ これだと私たちがただのセックス大好きな痴女みたいになっちゃうよ⁉」
「ミ、ミカさん。それではエスミさんの肩が外れてしまいます……まずは落ち着いてください。あと痴女なのは事実では?」
「だってナギちゃん‼ あのエスミちゃんが一度もオナニーしたことが無いなんてビックリニュースだよ!?」
「彼女は今日の今日までずっと美術に熱い情熱を注いできた方ですよ? 性に関する知識はあっても、自慰の経験が無かったのはあまり驚くことでは――」
「ねえエスミちゃん‼ なら私達と初めてセックスするまでは、どうやってあのムラムラを発散してたの!? エスミちゃんだってそういう日ぐらいあるよね⁉ もしかしてずっと溜め込んできた感じ⁉ 大丈夫、それで具合悪くなったりしなかった⁉ あっ、そういえば前に凄く不機嫌だった時があったよね‼ やっぱり溜め込むのは身体に悪いからエスミちゃんもオナニーぐらいはした方がいいよ‼」
もはやナギサの静止などお構いなく、ミカは尋問するかのようにしてその勢いを止めようとはしません。
エスミの方もなるべく彼女を宥めようとするのですが、興奮状態に突入しているらしい今の彼女を止めるのは流石に容易ではなく、結果的に彼女が落ち着くまでそれなりの時間が経過するのでした。
もっとも、正確にはミカの暴走を見ていられなかったナギサが半ば強制的に彼女の動きを封じ込め、その口にロールケーキをぶち込むというゴリ押しによって得られた結果なのですが、それはここだけの秘密です。
≪1-2≫
「一応訂正はするけど、流石に私だってオナニーぐらい経験はあるからね? ただし、君たちと恋人になって夜のお誘いが増えてからは、全くオナニーをすることが無くなったという事だけだから」
あの後、ナギサによって口に放り込められたロールケーキを静かに食べ始めたミカを一旦放置し、エスミはしっかり例の『ゼロ』発言に関する説明をナギサに対して始めました。
どうやら彼女も何だかんだオナニーそのものは経験があるらしく、少しだけ口で説明することに恥ずかしがってはいましたが、それでも有耶無耶にすることはなく言葉を続けます。
「私がオナニーを始めたのは君たちに会うよりも前の頃だけど、それでもやっぱり美術に熱中している間はあまり気にすることは無かったし、せいぜいストレスや欲求不満が溜まったときにしかしてこなかったから、頻度自体はせいぜい週に1回……いや月に2回はあるか無いか、だったかもね」
「なるほど。むしろエスミさんらしい事情で納得はできました。しかしここ最近の頻度がゼロというのはどうしてでしょうか? むしろ昔に比べれば、有名画家となり今まで以上に多忙の身となっている現在の方がストレスや欲求不満を抱えていそうですが……?」
ロールケーキを食している最中のミカも幼馴染のナギサに同意するように頭を激しく縦に振ります。
するとエスミはあまり口にしたくない様子で眉をひそめました。
「まあ……その理由は明確というか……むしろ今だからこそゼロになったと言うべきか……」
「???」
「???」
言葉を濁す彼女に対して、幼馴染2人組は不思議そうに揃って首を斜めに傾けます。
こういう時だけ仲の良い行動を見せる彼女たちに呆れた溜息を吐き、エスミはその場で腕を組み、加えて顔を真っ赤にしながらこう言い放ちました。
「君たちが……毎晩毎晩、交互に私を抱くからオナニーなんてする必要が全く無いんだよ」
「えっ、私たちのせいですか?」
「そんな大げさだよエスミちゃん☆ 私とナギちゃんのセックスぐらいでオナニーする必要が無くなるなんてそんな変な話が――」
「いつも私を数時間も寝たきりにさせるほど激しいセックスをするくせに関係が無いって? 本気でそう言ってるの、君たち? 水分補給すらペットボトルにストローを刺さないと飲めないぐらい疲労するのが当たり前だって言うのに?」
「その節は大変ご迷惑をおかけしました」
「ごめんなさい」
反射的に2人はその場で勢いよく頭を下げて謝罪の言葉を口にしました。
「し、しかしエスミさん。それはつまり、疲れ果てて自慰をするのが不可能ということになるのでは?」
「まあ、そういう事でもあるね。オナニーなんて過去の実体験から言わせてもらえれば僅か数十分で済むはずなのに、君たちは平気で数時間も私を抱くから、むしろ行為1回で数日分のオナニーをしてるようなもの。それが毎晩続けばオナニーなんてそう積極的にしようとは思わないでしょ? そんなのでストレスや欲求不満なんて溜まるはずが無いんだから」
「そ、それは……確かにそうですね」
「じゃあ私たちって、エスミちゃんが欲求不満にならないぐらい毎回セックスで十分に満足させてあげてるんだね」
ネガティブではなく、あえてポジティブに考える方向へとシフトチェンジしたのか、いつのまにかロールケーキを完食しているミカが相も変わらずニコニコと嬉しそうに笑みを浮かべながらエスミの下に近づき、ぎゅっとその片腕に強く抱き着きました。
エスミは『それはそうだけども……』と少し眉をひそめて口を開きましたが、それよりも先にミカから放たれた言葉の方が先でした。
「ねえねえエスミちゃん。ここだけの話、私とナギちゃんのセックス。どっちが一番気持ち良くて、もっとも満足してるのか是非とも聞かせてほしいなぁ☆」
「……はい?」
ピクッとその言葉を聞いたナギサの眉が動き、彼女の綺麗な目が鋭くそして一段と細くなりましたが、一方でエスミは自身の腕に抱き着いているミカの相手に忙しくその反応に気づきません。
そしてミカはと言うと、彼女の腕に自信の豊満な胸を押し付けながら、まるで甘えるような声を出して会話を続けます。
「だってエスミちゃん、オナニーなんて必要が無いぐらい私たちのセックスで毎回満足してるんでしょ? それってつまり、私とナギちゃんのどっちかがセックス上手って事だよね☆ エスミちゃんの心だけじゃなくて、脳までトロトロに溶かして、身体の奥底にまで快楽を与えちゃうようなセックスでもしないと、そんなこと絶対に無理だもん。だから聞かせて。エスミちゃんを満足させちゃうセックス上手は私とナギちゃん、どっちなの?」
「ちょっと聖園。そういう優劣を決めるようなことはしないって、恋人になる前に3人でしっかりと約束したはずだよね?」
「あれー、そうだったの? ごめんねエスミちゃん。私、たぶんその話ちゃんと聞いてなかったかも☆」
「このバカ。大事なことなのに聞き逃してどうするの」
「えへへっ、だってエスミちゃんと恋人になれるのが嬉しくてそれどころじゃ無かったんだもん。そ・れ・に~……えいっ☆」
「あっ、ちょっとこらっ⁉」
直後、ミカはエスミの背後に回ると、そのまま腕を伸ばしてエスミの胸を触り始めました。いいえ、触るというより完全に揉んでいます。制服を着こんでいるのでパッと見では分からないとはいえ、エスミの胸のサイズは背後の彼女と全く同じ。しかも柔らかさで言えばエスミの方に軍配が上がるなど、ある意味で魅力的な胸を持つため、たとえ布越しであってもミカの手には確かにエスミの胸の感触が伝わってきました。
「やっぱりエスミちゃんって胸大きいよね。私、エスミちゃんの胸を揉むのが一番大好き」
「こ、このっ……君が胸を揉むときは決まってセックス開始の合図だって言うのに、こんな場所でいきなり揉み始めて何を考えてるの?」
「そんなの決まってるでしょ。私の方がエスミちゃんを満足させるほどセックスが上手いってことを、今から証明するんだよ」
「はぁっ⁉ ほ、本気なのそれ⁉ というか、今ここで始める気⁉ 正気なの聖園⁉」
ここはナギサがお茶会を開くために特別に用意した別室であり、ミカの私室でも無ければエスミの私室でもありません。
それに部屋の外にはナギサとミカ、ティーパーティーに属している両名の専属付き人が待機しており、もしここでミカの宣言通りセックスなんてものを始めてしまっては外の居る彼女たちに最悪情事の内容を聞かれてしまう恐れがあります……とは言うものの、実はエスミが2人とは恋人関係であり、かつ毎晩セックスで彼女達に抱かれているという事実は付き人たちにも既に知られているのですが、悲しいことにエスミ本人はその事に未だ気付いていません。
故にミカがこうして乗り気である一方で、場所が場所だけにエスミはかなり慌てているのでした。
「バカッ‼ このお転婆娘‼ ダメッ、ストップッ、停止っ、止まれ‼」
「アハハッ、もう片言みたいで何を言ってるのか意味不明だよエスミちゃん。ここはおとなしくして、私に抱かれようね☆」
そういうや否やエスミの胸をいじるミカの手がさらにいやらしく、かつねちっこい動きへと変化しました。
衣服越しとはいえ、これでも今までに何十回以上もミカの手で触られてきた事実はエスミの身体も嫌というほど覚えています。そのためミカがあれこれと胸を触るたびに過去の記憶を呼び起こすような形で様々な刺激をエスミの体中に走らせました。
それこそミカが撫でるように胸を指先でなぞれば、エスミの背中がピクリっと反応して微かな情事の記憶を呼び起こし、次に指で軽くエスミの胸の先端を弾いてみれば、ビクッっと痙攣したかのような勢いで身体が反応し、ベッドの上で淫らに喘いだ記憶がフラッシュバックするのでした。
もはや胸を触る行為自体が、エスミを発情させるためのスイッチでありセックスに向けた前準備となっていました。
そのためミカが胸を本格的に触り始めてほんの僅か数分でエスミの呼吸は酷く荒れ始め、もはや自分の意志で立つのもやっとな姿へとなり果てていました。
もっとも本人はそんなこと一切認めるつもりは無いのか、歯を食いしばって耐えているようですが。
「……んっ…………さい、あくっ……」
当初は後ろから抱き着いていたはずのミカに対し、今ではエスミの方が自ら彼女に寄りかかる形で体重を預け、荒れた呼吸を整えようと必死になっています。
一方でミカは満足そうに笑みを浮かべたまま自身の大きな羽でエスミの身体を丸ごと覆うと、今度は優しく胸を愛撫しながら彼女の首元に顔をうずめ、匂いを嗅ぐのでした。
「うん、良い感じ。エスミちゃんの身体、ようやく準備が出来たみたいだね。良い匂いがするよ☆」
「その……匂いで私の発情を確認するのはやめて……すごく恥ずかしいんだから……というか、いい加減胸から手をはなして……んぁっ……だから、先っぽを摘まむなっ……」
「諦めようよ、エスミちゃん。もう身体の方は準備万端みたいだよ?」
コリコリッと胸の先端を衣服越しに摘まみながら、ミカはにっこりと笑みを向けます。
「エスミちゃんだって本当は分かってるんでしょ? もう自分の身体が完全にそれを求めちゃってるって」
「だ、だからって、今ここでするのは違うでしょっ……」
「どうして? ここがお茶会の部屋だから? それとも目の前にナギちゃんがいるから?」
チラッと挑戦的な視線を向けるミカ。
その視線の先には当然、幼馴染であるナギサの姿がありますが、肝心の彼女は目を細めただ無言でミカを見つめ返していました。それが何を意味するのか、エスミはもちろんのことミカ自身も分かっていません。
しかしセックスを始めようかとしているこの状況下でも尚、行動はおろか口さえ挟んでこないのでミカは彼女に構う事はなく、エスミに再び意識を集中させました。
「ほら、エスミちゃんの〝ここ〟はもう濡れて準備万端みたいだし、早く降参しちゃわない?」
いつの間にか片手をひっそりとエスミの股に移動させ、布越しとはいえ先ほどの胸の愛撫ですっかり濡れ始めているのを触った感触だけで察するミカ。おかげでエスミは増々恥ずかしそうに耳を赤く染めるのですが、既に抵抗する力を完全に削がれている今の彼女に出来ることはありません。
となると、もはや抵抗もままならないエスミに唯一残された最後の砦は言葉による拒絶のみとなるのですが、それすらも先ほどから全くミカに効いた試しがなく、事実上エスミの完全敗北と言っても良い状況です。
故に、今のエスミの反応を見て頃合いだと判断したミカは、そのまま衣服の中に手を侵入させ、いよいよ本格的にセックスが始めようとした、その時でした。
「もう十分でしょう、ミカさん。これ以上続けるのであれば、いくら私でも黙ってはいませんよ?」
エスミの衣服の中に手を入れようとしたミカの両手をガッチリと掴み、その先の行動を止めたナギサ。
そして怒りと不満、そして呆れを混ぜ合わせた声を発し、彼女は長い付き合いである幼馴染をエスミから強引に引き剥がしました。
直後、ミカがその可愛らしい顔をひどく歪ませます。
「ねえナギちゃん。さっきまで黙って見物してたくせに、今更横やりを入れるなんて最低だよ」
「何が最低ですか。エスミさんの静止も聞かずに勝手に暴走したくせに。だからミカさんは性にひた走る獣なんです。ああ……エスミさん、大丈夫ですか? ミカさんのせいとはいえ、そんな惚けたような顔をされてしまって、せっかくの美人な顔が台無しですね。他の方がその顔を見れば、あまりのギャップに永遠に脳裏に焼き付いてしまったことでしょう」
そう微笑しながらエスミを優しく抱きしめ、続けて頬を撫でるようにして手を添えながら語りかけると、エスミは未だ回復出来ていない身体を動かしながら『あ、ありがとう』とひとまず窮地を救ってくれた事に対して礼を口にしました。
「でも私、別にそんな惚けた顔なんてしていないから……」
「おや、そうでしたか。では私の見間違いだったようですね……ええ。むしろ見慣れた光景過ぎて誤認でもしてしまったのかもしれません」
「……あの……桐藤?」
まるで納得したような反応を返したナギサでしたが、しかし言葉とは裏腹にその視線は常にエスミに注がれています。加えて未だ体力が回復していないエスミは自然と自らナギサに抱きつくような形となっており、おかげで身長が同じである2人の顔はすぐ間近にありました。
となるとエスミの視線の先にはナギサの綺麗な瞳があるわけで、流石に公言こそしていないものの、彼女の瞳がこの世で一番好きな瞳であるエスミとしてはかなり心臓に悪い状況となっています。
なので、せめて距離だけでも離して一旦呼吸を整えたいと感じたエスミは、ひとまず身体を動かそうとしましたが、それよりも先にナギサの大きな羽が彼女を包み込むようにして動いたのが先でした。
「……ふえ?……」
ぎゅうっ、とミカにも負けず劣らず強い力で羽によって包み込まれ、先ほどよりも更にナギサとの距離が縮まったことでエスミの胸が不覚にもキュンッと高鳴ります。
そして未だに真剣な目でこちらを見つめているナギサの美貌についうっとりとしていると、直後エスミの唇はナギサに奪われていました。
「……っ……んっ!?」
「……んぅ……ちゅっ……」
しかしただのキスではありません。
舌を強引にねじ込み、エスミの舌すら愛撫してしまうディープキスと呼ばれる濃厚なキスでした。突然のことにエスミは驚きで目を見開きましたが、対してナギサはさも当然と言わんばかりに彼女の背中に手を伸ばすと、このキスを受け入れろと言わんばかりにさらに抱きしめてきます。
「……わーお……ナギちゃんって、本当に濃厚だよね」
一方でその様子をただ見ているだけだったミカは呆れた様子で溜息を吐くと、懸命にナギサのキス攻撃から逃れようと暴れ出すエスミの背中を眺めながら『無駄な抵抗なのに』と言いたげな顔をするのでした。
事実、ナギサの濃厚なキスは徐々にエスミの抵抗力はおろか、その意志さえも次第に奪っていき、開始から数分が経過した頃にはエスミ自身も舌を動かしてその愛を受け入れるようになるなど、完全にナギサの攻めが勝利を手にしていました。
(ナギちゃん、エスミちゃんのあんな姿を間近で見て我慢出来るような性格じゃないし、結局こうなるのは分かっていたけど……何だか私、そのお膳立てをしていたみたいで複雑なんだけど……)
ただし、ミカはその様子を見て大きな不満を抱えるのですが、その瞬間にナギサの視線がチラッと彼女の方へ向けられました。
その視線が果たして何を意味しているのか、それに気付けないほどミカも馬鹿ではありません。
あれはナギサからの挑戦状です。
私の方が、エスミを心から満足させるほどの技術を持っているという、一種のマウントなのです。
ミカはそれに対し、大袈裟にも笑顔を返しました。ナギサの瞳が警戒心からかさらに細くなり、そのままエスミを一旦解放します。
「……ぁ……」
濃厚なキスを前にして流石のエスミも無気力になってしまったのか、そのまま唇を閉じることも忘れ、だらしなく口を開けたまま、先ほどまでナギサと濃厚なキスをした証である唾液が両者の間に細く綺麗な橋を作り出しました。
そのまま重力によって真下に向かって徐々に下がり、やがてプツンッと途切れそうになったその瞬間、突如ぐいっとエスミの身体が後ろへと引っ張られます。まるで沼の奥底に沈んでいくところを無理やり引っ張り上げるようなその動きは、途切れる寸前だった唾液の橋をさらに伸ばしました。
「……なっ!?」
果たして驚きの声をあげたのはエスミとナギサ、どっちだったでしょうか。
何であれ、先ほどまでナギサに抱きしめられていたエスミを無理やり引っ張る形で引き剥がしたミカは、そのままエスミを後ろから抱きしめるようにしてその身体を受け止めると、自然な手つきで彼女の顎を掴み、くいっと優しく自身の方へと向けてその唇にキスをしました。
「んっ……ちゅっ、ぅ……んぁ……んぅあ……」
ちなみに先程まで伸びていた唾液の橋はミカのキスによって強引に断ち切られており、今度は彼女の舌が強引にエスミの口の中に入り込んでいます。その姿はまさに強奪というよりは侵略と言うべきでしょうか。
ナギサの舌によってたっぷりと愛撫されていたはずのエスミの口内は今、ミカによって激しく上書きをされているのでした。
もっともエスミやナギサに比べて背丈が若干低いミカとしては、この密着した状態でのキスは中々に体勢的にも辛いところがあります。加えて後ろから抱きしめる形で強引にキスをしている訳ですから、どうしても長時間その体勢をキープするのは無理がありました。
そのため何度か呼吸のために口を離すと、ほんの数秒だけ息を整え、そして再びエスミの口に食いつくなどし、ともかく今のミカはまるで餌をついばむ小鳥のように必死でした。
その愛らしい姿に感化でもされたのでしょうか。エスミも無意識ながらにミカの空いている手を握ると、そのまま彼女に身を委ねる形で姿勢を崩し、彼女の濃厚なキスを静かに受け入れるのでした。
「……はぁ。これでは私とミカさん、果たしてどちらが上手なのかハッキリしませんね。エスミさんも最初はあれほど嫌がっていたはずなのに、あんなにも乗り気になられているようですし」
すると無理やりミカにエスミを横取りされたにも関わらず、これといって不満げな姿を見せず、むしろ余裕な態度を取り続けているナギサはわざとらしく額に指を当てて困ったような仕草をしました。
そして今も尚、濃厚なキスをしている2人の姿を見ながら、何かを思いついた様子でパンッと手を叩いて音を鳴らします。
「ミカさん。せっかくですし、これから共に勝負をしてみませんか」
ミカはその言葉をしっかりと耳で拾うと、エスミをキスから解放し、幼馴染に対してジト目を向けました。
「私がナギちゃんと勝負?」
「ええ、そうです。もはや今のエスミさんに前戯はもう必要ありません。ご覧の通りすでに私たちの手によって身も心も屈服状態となっています。ですので、今から〝本番〟を始めたところでエスミさんが拒絶することはまず絶対にあり得ないでしょう……そこで提案です。私とミカさん、一体どちらがエスミさんを本番で気持ち良く絶頂へと導き、そして彼女からの愛を多く受け取ることが出来るのか……そういった内容の勝負をするのです」
「……へえ。ナギちゃんにしては珍しい提案だね。そんな事を言うキャラじゃないはずなのに」
「私も性行為に関しては、エスミさんを満足出来るほどの技術を持っていると自負していますので。それにミカさんとはエスミさんを恋人に持つ仲間であり、同時にライバルになります。私だって、エスミさんの恋人として彼女の1番を幼馴染に譲る気は毛頭ありません。こうして再び3人で集まれたのですから、むしろ好都合です。久しぶりに3人で夜を過ごすのも良いとは思いませんか?」
「…………」
ミカは未だに惚けた状態のエスミを後ろから抱きしめながらほんの数秒だけ無言でいましたが、やがて幼馴染という古い付き合いからか、ナギサの言い分に納得したようで笑みを零しながら頷きました。
「うん、いいよ。いわゆる幼馴染対決ってやつだよね。でもそんなこと言っても良いの? 私、絶対に勝つ自信があるんだけど、こういうの」
「おや奇遇ですね、私も自信はかなりありますよ。エスミさんも場当たり的な展開とはなりましたが、宜しいですよね。このままスルーされるより、むしろこのまま本番を迎えた方が良さそうですし。その、身体がだいぶ仕上がっているようなので」
ある意味で満身創痍となっているエスミの姿を見ながらナギサがそう優しく語り掛けると、キスの連続で完全に疲労しているエスミは肩で荒く息を整えながらすっと片手をあげました。
「その前に……流石に場所ぐらいは移させて……このまま本番なんか始めたら私……喘ぎ声を抑えられる自信が無いんだけど」
その言葉を受けミカとナギサはお互いの顔を見ると、そのままクスっと笑みを零しました。
「確かに。エスミさんはかなり声が大きい方なので、このまま始めてしまっては非常に危ないですね。是非ともそうしましょう」
「私は別にここで始めても良いんだけどなぁ。エスミちゃんが私の名前を何度も呼びながら感じてくれるあのエッチな姿、見ててすっごく病みつきになっちゃうから」
「それは私も同感ですが……しかし、ここは流石にエスミさんの立場を尊重するべきでしょう。外には私たちの付き人が待機している訳ですし、私たちだけのエスミさんを他の方々にお見せしても良いのですか?」
「あっ⁉ 確かにそうだよね‼ うん、分かった。なら早速場所を移そうかエスミちゃん‼」
ぎゅうっと後ろから強く抱きしめながらミカはそう声を上げ、ナギサは彼女の姿に呆れたように肩をすくめました。
対してエスミは惚けた顔はそのままに先の展開が読めているような様子で大きな溜息を吐くのでした。
「……まさかとは思うけど……これ、朝までコース直行な感じ?」
こちらPART・1なので、申し訳ありませんが本番はPART・2になります。
あまりにも長くなりそうだったので分割します。
※次回は生やしての本番になります。ただし、いつ頃続きを投稿できるかは未定です。