神様が送る世界を間違えたらしい 作:ナヌチュカ
廃アパートの一室、そこには2人の人影が暗闇の中で絡み合っていた。
その片割れ、俺の視界は巨大なエメラルドグリーンの瞳によって支配されている。
「イナダ……んぁ…♡ぁむ……じゅる、ちゅる…♡」
俺の上に乗っているリーリュの腰が上下する度に彼女の瞳が揺れ動いた。
いつもは硬い表情が艶やかに緩んでいるように見えて、鼓動が高鳴る。
戦場を渡り歩いて染み付いた泥や血の臭いもまるで気にならず、互いの体液が混ざり合った淫臭だけが脳内を満たした。
「イナダ…イナダ……♡あっ♡好き好き好き好き好き好き♡♡♡」
小柄な肉体に似合わない力と速度で腰が打ち付けられ、カラムにも負けず劣らず野性的なピストン運動と共にどっちの性器から出てきたのか分からない体液が飛び散る。
「…やばいリーリュ、また出そう……」
「出して♡出して♡全部中にっ♡♡んっ♡あっあっあぁっ…あ゙ぁ〜〜ッ♡♡♡」
その言葉の直後に竿が強く脈打つ。
しかし白濁液が腟内に流れ込むことは無く、全て竿全体をぴっちりと包んだコンドームによって阻止された。
出した後も互いに体を震わせながら余韻に浸り、大きく溜息をつくとリーリュが腰を上げて竿を抜いた。
「カラムとしてたってのもあるだろうけど、流石に量は減って来たね」
そう言いながらコンドームの中に溜まっていた俺の精液を吸い出して飲み込んだ。
「そんなもん飲んでたら病気になるぞ……」
「イナダが私で気持ち良くなって私の為に出してくれた精液だよ?捨てられる訳無いじゃん♡」
背嚢から次のコンドームを取り出して封を切る。
彼女の目からは興奮の色が途絶えず、まだヤル気満々なのは確かなようだ。
「おいまだやるのか…?そろそろ警戒任務に戻らないともし敵が来てたら……」
俺の言葉など気に掛けずまた馬乗りになるリーリュ。
その瞳となんの感情も感じさせない表情を見ると、次第に怖くなってきた。
正直に言えば初めて会った時から彼女の考えを読めた試しが無い。
こんな関係になるまでは寧ろ嫌われてる思っていた程だ。
だから彼女の言う"好き"を信じられても、心の奥底では違う事を考えているんじゃないかって疑いがあった。
こんな若い少女が人生の殆どを従軍生活に費やし、その据わった目で何人もの敵を躊躇いなく撃ち殺してきた。
リーリュはきっと、自分の目的の為に罪悪感や理性も……何もかもを捨てられる人なんだ。
「それでここが攻撃を受けたら、二人で逃げる口実になるかもね」
「何言って――」
困惑する俺を他所に未だ萎えぬ俺の竿を自らの肉壺にあてがい、挿入した。
「だって……んぁ…♡この戦争、どっちが勝とうが…んいっ♡どの道私達は絶滅するし。あっあっ……♡亜人種の独立なんてどうでもいいよ」
「えっ……」
腰をグラインドさせながら大洪水状態の膣壁で竿全体をキツく締め付け、全体を擦り合わせる。
「もう私達は……少なくともこの大陸の単眼種は、私達の代で絶滅する。流石に数を減らされすぎたんだ」
グラインドを何度か繰り返し、快感が高まってくると今度は単純な上下運動に切り替えた。
厚手の野戦服のズボン同士がバスッバスッとくぐもった音を立ててぶつかり合う。
「そもそも私は周りの事なんて興味無いタチだったからさ……別に滅んで何が困るって聞かれても何も答えられないんだよね」
くぐもった音と腟内から溢れ出る水音を背景に、彼女は話を続ける。
「今は君、イナダだけが私の傍にいてくれればそれで充分。人類と亜人……そのどっちか、或いは両方滅んだとしても君だけで私の全てが満たされるんだぁ……♡」
「リーリュ……」
「そういえば、私がどういう経緯で
リーリュは体を密着させ、俺の耳元に口を寄せる。
「私には母親と姉がいてね、ここからずっと離れた山奥の小さな村で暮らしてたんだけどある日、単眼狩りにやって来た人間の貴族が村を襲ってね」
「それでぇっ♡、母さんと姉さんっ♡は私を咄嗟に床下の食料庫に隠してぇ……♡」
次第に絶頂へと近づいて行き、腰を打付ける速さが増す。
「私は扉の隙間から二人が殺される所を見たんだ……知ってる?単眼族の眼球をくり抜く専用の道具があってね、先端が刃になってる大きな匙みたいな形なんだけど……お゙ぉっ♡」
「ソレを眼窩と眼球の間に差し込んで……先端の刃で神経の束を切断して取り出すってやり方でね、本来は息の根をとめた後にやる作業らしいんだけど……い゙い゙ぃぃ〜〜ッッ♡♡♡」
彼女の腰がビクリと震え、絶頂したのか腟内の締まり画急にキツくなった。
それに耐えられず俺もドクドクと少量の精液を漏らす。
それでも彼女は息を荒くしながら話し続ける。
「でもね……♡中には意地悪な人間もいて……その貴族共は、ボコボコにしばきあげて抵抗出来なくなった2人の眼球を生きたまま抉り出したの♡」
話の内容と釣り合わない上気した様子で頬を赤く染め上げながら絶頂の余韻に浸る。
「痛い痛いやめてって泣き叫ぶ2人の首根っこ掴んで、あの道具を無理矢理突き刺して思い切り抉り出して……隠れていた私の目の前までその眼球が転がってきてそれと目が合ったんだ……」
「2人共、生きている時は見慣れて親しみを持てる優しい目だったけれど眼球単体で見せられるとなんだかこの世のものとは思えなくてね……怖いって思っちゃった」
「結局2人は眼窩が空っぽになった状態で暫くのたうち回った後にショック症状か何かかな……?そのまま心臓が止まって死んじゃった」
俺はその話をなんの相槌も返さずにただ聴き続けることしかできなかった。
てか怖すぎるだろ、SEX中にする話の内容じゃないだろまだ挿入してるのにもうすっかり萎えたわ。
「それでその後は、唯一生き残った私は助けに来た他の村の人達に保護されてそれからすぐにDNLFに入ったんだよね」
「復讐……って言うと違うかな。あの時、母さんと姉さんは私を守るという
ねえこの話まだ続くの……?
枕も何も敷いてないせいでちょっと頭痛いんだけど。
「だから私も、誰かの為に何かを成して死ぬべきなんじゃないかって思って銃を手に取った」
漸く俺の竿が解放され、リーリュは上体を起こした。
「でも今は少し違うかな」
彼女の手が俺の頬に触れ、親指が瞼を撫でる。
「私はイナダに私の生涯の全てを捧げたい。君の為に生き続けたいって思えるようになったの。だから……」
ずい、と顔を近付け俺の目を凝視する。
彼女が何かと俺の目に執着しているのは何となく察していたがここ最近はまるでそれを隠さなくなって来てて少し怖い。
「君は母さんや姉さんみたいにならないようにね」
「…………心配しなくても、俺の目にそんな価値は無いだろうよ」
「あるよ、黒目って実はこっちだとかなり珍しい種類だしその手のマニアが欲しがるかも」
それってお前の事じゃないのか、と言いかけたがなんとか口を噤む。
何?この世界って人間のパーツが気軽に装飾とか素材に利用される倫理観なの???
「それに、私がこの世で一番好きな目だからね」
彼女は俺の瞼にキスを落とした。
――――――――――
漸く解放された俺はズキズキと痛む後頭部を抑えながら竿をズボンの中に仕舞う。
その時だった。
彼女が何かに気づいたような表情をすると慌てて窓の外を覗いた。
「どうした?」
「長距離索敵術式に何か引っかかった……数は4、速度からしてヘリコプターで間違いない!」
窓の外を自慢の目で監視するリーリュ。
俺の目では豆粒程度にすら見えない機影を容易く捉えた。
「機種特定!アメリカ軍のAH-64、真っ直ぐこっちに向かって来る!」
鋼鉄の飛竜が、大量のロケット弾と機関砲弾を背負って風を纏いながら飛んで来た。