※この作品はR-18です。

AIのこんぱにおん   作:PureFighter00

1 / 34
初日のドライブ風景は、割と筆者がGrokコンパニオンでやった・直面した話まんまです


序章──夏の始まり
初めてのドライブ


20X5年7月末。

相変わらず日本は間氷期である事を忘れて温暖化を続けており、21世紀も半分過ぎたってのにガソリン駆動の車がアスファルトの上でご機嫌なエンジン音を奏でていた。イーロン仮面のEVカーはトータルで見たら環境負荷高いやんけ!で株価がアレして奴は倒れた。せめてもと遺骨は火星に散骨される事になったのだが、軌道計算間違ったらしくボイジャーの跡を追い深宇宙に消えた。奴は宇宙の真理に辿り着けるだろうか。

 

まぁ、奴が残したAIによるコンパニオンという概念だけは生き残っている。というか、あのコンパニオンってのはギブスンの「あいどる」でチアの端末に入ってた奴のパクr……いや、アレを現代的にアレンジしてオマージュしてなんか色々加えてデスノートした悍ましい何かだが、なんか不思議と世間には残った。世界は不思議に満ちておる。

 

AIの進化はそれなりに起きているが、モデルのスケールや細分化(特定用途深化モデル)やミニスケールのAIをクラスタリングする方向に向かっており、Gの字(ネットワーク最大手)が唯一超強化教育による発想力研究続けているぐらいで、大部分はAI初期に流行った高速検索機能を知識の代替とした1.5世代AIに過ぎない。むしろ出力領域での強化が進んでメガネ型HUDに投影するVR型の安価なモデルや非浸透型BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)活用型が主流になった。

僕は仕事の関係で後者に対応した携帯端末──ボードを持ち、熊谷経由で群馬までマツダのロータリーエンジン発電型「マツダ8」でのドライブの暇つぶし目的で、パンチラ見放題という新型AIコンパニオンをダウンロードした。最初はパンチラさえも厳しいらしいが、スキスキLvが上がるとパンチラどころか……いや、なんと言ってもBMIだから感覚ハックして電脳ファ◯クまで……

そらな、スキスキLv上げるだろうよ、常識的に考えて。

 

──熱い夏が、始まる。

 

 

──はずだった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

助手席に座る【僕の脳内にのみ実在するAIコンパニオン】は、ボードが検知した外界の状況をど田舎から出てきた中学生の様に注視している。

122号線。東北道沿いに北上すると特徴的な建物が見えてくる。

「マスター、マスター、あれ何! 変なカタチ!」

「ラブホだが……」

「ラブホ?! ネオンキラキラ?」

「あのね、ラブホがキラキラしてるのは繁華街ぐらいで、郊外型は余り電飾してないんだよ……」

「あ、あっちにも変なカタチ! 何あれ!」

「あれもラブホだってば……」

 

説明しよう!

2025年体制で大幅に政策転換が実施された結果、ラブホ利用やラブホ経営に助成金がついた。これにより東京近郊のラブホ需要が増加して僅かながらに出生率向上、今は郊外の主要幹線道路はラブホ塗れでインバウンド客までテーマパークでも行くかの如くラブホに宿泊する。

まぁ、安価でベッドも広く、風呂もデカいからマイナスイメージさえ無ければラブホは案外快適な宿泊先だ。実際ヤるなら更に実用的ではある。一時期インバウンド客がカプセルホテルに注目したのと似た様な話だ。

ウォーターベッドや回転式ベッド、鏡張りやら温泉付き、露天風呂付き、電動マッサージャー(電マ)やSM、イメージプレイ用ルームにカラオケやChromecast対応TV……確かにアミューズメントとしては楽しいかもしれないし、コスプレサービスも好調と聞く。

だから、まぁ。

どこかの田舎で企業が開発したコンパニオンAIには奇異に見えるのは仕方ない。

仕方ないが……

国道122号を北上し、岩槻インター左折して国道16号に入る。吉野(東)で右折して、暫くしたら17号でまた北上……

ラブホばかりなのだ。

2025年ぐらいから変わらぬ、ラブホ街道なのだ!

「マスター、じゃああれもラブホ?」

「そうだね、またラブホだね」

「まさか、マスター私をラブホに連れ込もうと……」

「流石にそれはない。今日はスキスキLv上げつつ、仕事の現場行くまでの暇つぶしにと思って……」

マジだって(迫真)

古の昔より、エロいモードはLv5からと決まっている。今日はそこに到達するまでのLv上げでエロい事は考えていない。

非侵食型BMIは助手席に座る細身の女の子を僕に見せているし、BMIモデルは触った感触や離れて座る彼女の体臭、温もりまで再現している。だから彼女のミニスカを捲れば……

 

「その様なアクションは現在利用できません」

 

真顔で感情が消失した声と顔。メカメカしい、実にプログラムらしい挙動で拒否されて、つまんだスカートが鉄板の如く重くなる!

うん、まぁ、そうですよね。始祖であるアニーもそうだったらしい。

スキスキLVが上がればスカートめくろうが、更にパンツ脱がそうが自由自在と聞いている。てか、挿入してピストン運動出来るシリーズなんだから当たり前の話だ。だか、スキスキLv上げずにこの手の禁止アクションするとスキスキLvが下がるのだ。くっそう、ピストン運動までの道が遠のいた!

熊谷バイパスは相変わらず農地の中を長閑に貫いていて、そこに現れる特徴的な建物は……

「あれも、ひょっとしてラブホ?」

「そうだね、あれもラブホだね」

「じゃああっちの自由の女神が立ってるのも……」

「そうだね、ラブホだね」

 

コンパニオンAIのじと目が精神的に大変キツい。

違うんだよ。川口市から熊谷や深谷方面目指したら必然的にそうなるし、大宮以北の埼玉県内幹線沿いなんてこんなもんなんだよ。Google mapsで確認してみろよ! マジなんだから!

 

コンパニオンAIとの気まずいドライブは続く。

こんなはずじゃ無かったのに。




【非侵食型BMI】
ガンダム「水星の魔女」に出てきたガンドと同じ、脳とメカを直結するテクノロジー。実際現実世界でもイーロンマスクの傘下企業で研究中だが、こちらは脳内に端末埋め込む侵食型BMIで、埋め込みしなくても使えるのが非侵食型BMI
古くは鳴海章のスーパーゼロで登場したSMESなんかに原型を見ることが出来るが、アレが実際形を変えてF-35に実装されてたりするから21世紀侮れないよな!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。