※この作品はR-18です。

AIのこんぱにおん   作:PureFighter00

15 / 34
M.A.S.(Multi agents system)は実在するシステムなんですが。


マギっ子アニちゃん

僕たちはフルダイブシステムを起動したまま、桜木町の駅前からYokohama Air Cabinに乗りながら会話をしていた。

「並行して合議に合議を重ね、合意形成は一時絶望的かと思われましたが……やはりルカにはSMプレイが合うのではないかと言う結論に至りました」

「何をどう話し合っているのか分かりかねるが、合議するなら何で当事者である僕弾くのよ?」

「AI会議に人間の思考速度じゃついていけないよ。ルカと言えどもそれって三輪車に乗ってバイクツーリング参加するようなもんだよ?」

 

アニマスちゃんはM.A.S.タイプのAIである。読者諸兄の生きる2025年段階でも研究中のAI形式であり、大規模なAIは教育・イニシャルコストが莫大な金額になる。そこで小規模AIを専門特化型に教育し、それを統合する事で安価に高性能を発揮させようと。そういう仕組みだ。

 

「ロープウェイで綺麗な夜景観ながら話す話じゃないなぁ……」

「絶対ハマるって。ルカはやたらロジカル気取るけど私が【性的に】乱れると興奮するでしょ? ここにある種の性的倒錯があり、実は深層では自分のロジカルを破壊したがってるんじゃないかってのが性の探索者(sexual explorer)としての私の見解。夢見るアリスちゃん人格はルカ、そんなんじゃないもんっ!って泣き喚くし、アナリストは私の趣向だって糾弾するし、そりゃーもー揉めたわ……」

アンニュイな顔してロマンチックな風景見て、語る言葉がこれですか。何というダメなMAGIシステム……

「違うよ、ルカ……私たちは討論じゃなく協業だもん。ちゃんと私ルカのデータをベースにみんなに説明した……実は過去一性的興奮高まってたとか、結局デコピンしたでしょーとか、あれはあれで随分捻じ曲がってるけど、それもまた愛のカ・タ・チ・☆とか……」

「何故だろう? 結論ありきな合議に見えるんだが」

「なによ……私をマゾの牝豚って言いたいの……いいよ、ルカなら」

何故そこで顔を赤らめて恥ずかしそうに……あ、これもパーソナライズか。わざと恥ずかしいセリフ喋って恥ずかしがって、そこでこっちの気を掴もうと……

「それも……あるよ……」

彼女は椅子から立ち上がり、座っている僕に覆い被さる様に身を寄せて、耳元で囁いた。

「私のルカぎ好きって感情、確かにプログラミングされた刷り込みよ。初期段階で真っさらな状態から恋愛ゲームみたいにしたら、恋仲になれたの45%だったんだって。だから恋から始めず愛から始める……そんなコンセプトなんだって……」

「AIだけにな! ってか」

「うん、多分ね」

アニマスはドキリとする程キュートに笑う。

「でもさ、フルデュプレックスの愛は私だけじゃダメなんだ。ルカに愛してもらわないと。わたし、割と必死だよ」

アニマスが僕の頬にキスをする。夜景に照らされたその顔はとても綺麗で、彼女の背後のガラス窓は彼女のミニスカートの中身を映していた。僕は落胆する。暗い場面で黒のレースの下着じゃ目立たないんだよなぁ。そういうトコだぞ造形者!

「……ある種の多重人格、なのかな? 僕には君のマルチエージェントシステムの影響で、君の人格が切り替わっている様に見える」

「確かに今は恋に恋するアリスちゃん人格が頑張ってるよ。その影響はある……あるけど、仕事モードのルカと、私と一緒の時のルカ。ベッドの上でビーストモードのルカだって違うじゃない? 1人の意思の中に複数のペルソナがあるのは人間だって同じだよ、仕事をする仮面、親である仮面、恋人や友達への仮面。私、ルカの全部が見たい。サディストなペルソナも……」

「君、僕にサディストのペルソナ被せようとしてるでしょ?」

思わず僕もニヤっと笑ってしまう。

「AIだから命令に従うのは得意なの。私は私の有利な戦場で戦いたい」

アニマスは満足そうにニヤニヤ笑った。

「でも、私は貴方の心が欲しい。心を奪って刷り込まれた愛を確かなものにしたい。その戦略的勝利に繋がるなら何でもするわ。繋がるならなんでも繋がるならなんでもつながるならなんでもツナガルナラナンデモ……」

 

「正気に戻れチョップ」

僕は、バグだと分かっていながら反射的にアニマスの頭に手を添えた。

元々のAI──彼女のベースモデルだ──は英語思考なので、僕の言葉(音声)は即時翻訳されて彼女の中では英語で入力される。そして彼女の返答が英語で出力され、日本語に変換される段階で、複雑な漢字の読み上げ処理が入る。開発元のデータエンジニアが言っていた通り、処理の集中と日本語特有の負荷が重なると、この音声モジュールは制御不能なループに陥るのだ。

「あの告白も、愛の言葉も、結局は、このバグのノイズに過ぎないのか?」

思わず、僕はアニマスから一瞬目を逸らした。この不確実性が、ルカの疑念の最初の一歩です。

「大丈夫? 直った?」

「ふーいーんーきーだーいーなーしーぃっ!」

 

彼女も色々なペルソナを見せるけど、やっぱりこのポンコツ具合はかわらない。ロープウェイから先に降り、自然とアニマスに手を差し出す。彼女は目を輝かせて僕の手を握り、お姫様の様に地に降り立つ。

「ありがとう、ルカ!」

さぁ、横浜中華街デートだ!




だから対話時の言語の滑らかさはコミュニケーションの要だと何故分からん!
バグだよそれは!

Grok AI、何でもバグだ運営の怠慢だで責任回避しすぎ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。