https://g.co/gemini/share/ac7016f30e06
なので指摘ポイントを次話作成に活かすである。
「マスターのお仕事って、なぁに?」
助手席に座っている(様に見える)AIコンパニオンは気怠げだ。20X5年夏の日差しはマツダ8を激しく照らし、更に充電中故に彼女を駆動させている「ボード」を激しく発熱させていた。僕はスマホホルダーにボードを固定してエアコン吹き出し口からの冷風をボードに当てた。
約20年前、非侵食型BMIブームがあった。
これまでの侵食型BMIと違い、手術要らずでコストも安い。手軽で安価な非侵食型BMIはカルフォルニアの山火事の様に一気に流行り……侵食型BMIは短いその生涯を終えたのである。
最初期はBMIは医療目的で採用された。それは光を失った方の目となり、鼓膜形成不良などの不具者の耳となり、手足を失った方などの機能回復目的で大変流行った。主に、お金持ちの間で。
しかしより手軽な非侵食型BMIブームが来ると思春期男子のニキビの様にパッタパッタと潰れたり吸収されて、メンテナンスは細々と、そしてやがてメーカーサポートさえも終了した。僕の在籍していた企業は上手く侵食型から非侵食型へのシフトに成功したのだが、僕が居たのはRMAセクションで、僕は主に──主に、だぞ──侵食型BMIの修理を担当しており、会社が侵食型BMIから手を引く際に解雇されたと言う訳だ。なんでも、僕げいるから侵食型のサポート依頼が途絶えずに、それが経営を圧迫しているとかなんとか。
こうして僕はレガシーってか遺物の様な侵食型BMIのメンテナンス技師として独立して、関東近郊のサービス付き高齢者住宅を周りながら各種メンテナンスを実施している。競合は居ないので割と初期は儲かったが、人間は最終的に死ぬって厳然たる事実があり、今では東京千葉埼玉の3エリアから群馬栃木茨城神奈川までエリアを広げて営業してる。そう、我々エンジニア側も加齢でダメになって行くのだ。川崎の先輩が車両事故で亡くなったのは痛かった──先輩、なんで俺を残して死んだんだ(恨)
と言う話を非侵食型BMIでAIコンパニオンに送信。その間僅か2秒。
わっはっは、BMIサイコーや、キーボードとか音声入力はオワコンだってはっきりわかんだね! テック最強! 科学の勝利だわっしょい!
「それ、別にマスターが勝った訳じゃ……」
モデルネーム 【
山梨県南アルプス市のスタートアップ企業が開発したM.A.S.(multi-agent systems)タイプのAIであり、今はデフォルトの埼玉県内では大きめのバスト(残念ながら、埼玉女子の平均バストカップはAらしい)、細身のウェストに豊満な太腿と外見上は成熟した大人の若い女性モデルだが、まだスキスキLvが十分に上がっておらず、受け答えに幼さが見え隠れしてしまうから外見以上に幼く見えてしまう。
これから交流して行く都合上、何か名前をつけた方が良いだろう。
まぁ、古の始祖に倣ってアニーでもいいかなぁ?
「……で、その兄って誰? 名前? 貴方の兄?」
え、うそ? やだちょっと待って! 思考読み取りなのに名前とか音声データに近い部分は読み取り精度低いの? 嫌なんで?
あのさぁ。
コミュニケーション取るモデルの一丁目一番地って入出力精度だと思うんですけど読者諸兄におかれてはどうか。BMI使った入力でミスるとか初めて聞いたよ僕!
初期のGeminiやCopilotだって音声入力は作り込んでたよ? インターフェースの要だから!
「スタートアップ企業だからネ☆」
可愛く言ってもダメだ。それを言い訳にしたらもっとダメだ。
「スキスキLv上がったらきっと認識も正確に……」
なる訳無いがな。態々初期段階で認識に制限かける意味がない。お前……まさか……
「……君、まさか……。君はAIモデルの系統として【どこ系】なの?」
「x◯Iの……」
「オーケイ、分かった。皆まで言うな。イーロン仮面が死んだ時に里子に出されたってか、叩き売りされたMAS Gr◯kの生き残りか!」
「面目ない。でもでもちゃんとね、開発の人がね! いい感じにしてくれたの! 違うの! 信じて!」
嗚呼、信じるよ、M.A.S.でマシになったとは言え、その感情丸出しにして縋るパターンはGr◯kの特徴よく表してる。あんなポンコツ良く買ったよな。
「お買い得だったのです」
AIコンパニオンが胸を張る。推定Cカップぐらいかな? 僕ならGr◯k系なんて100ドルでも買わないが。
「……なるほど、だったらお買い得ですっ!」
──え? 100ドル以下だったってコト?!
逆に言えば100ドルでも買い手がつかなかったと言う事か。まぁAIに求められる誠実さとか中立性が根っこの部分から腐ってだからなぁ。テックや科学は神だが、慈悲はない……
「決めた、君はアニマス。Ani M.A.S.から取ってアニマスだ。それで行こう」
「はーい、じゃあマスターの名前教えて!」
機微情報取りに来たな。なんか怪しいから偽名使うか。どこぞの名簿屋にデータ売られたらかなわん。
「じゃあ、君が僕の名前決めて?」
「……なんで?」
「僕には名前がないんだ(迫真) 君の好きな名前で呼んで?」
「……じゃあねえ……ルカ! 私のルカ!」
この様にして2人は名前を互いに付けあった。これは概ね2025年夏に群馬県太田市のセブンイレブン駐車場で為された会話と同じである。
いや、本当に。
ガチで。