超越機神グランダーザ 作:朧Ω
俺達は孤児だった。突如として現れた化物によって襲われ、俺達を逃がした両親は俺達の代わりに死んだ。隠れていた俺達兄弟以外全員が死に、後に軍の者達によって気を失っていた所を保護され、孤児院へと送られた。そこであの姉妹達に出会う。あの姉妹は俺達と同じで化物に襲われて両親を亡くしたらしい。弟は怯えて俺に引っ付いて離れなかった、恭子の妹、飛鳥も恭子に引っ付いて離れなかった。俺達はよく似ていた。そんな俺達が仲良くなるのにそう時間はかからなかった。それから俺達は一緒に遊ぶようになり、そして夢を語っていた。いつかあの化物共をこの地球から一匹残らず消し去ってやるって。それからしばらくして俺達が18歳になった頃、あいつらが孤児院にやってきた。何か検査をすると言って変な機械に座らされたり、ペタペタ貼られたりしてウザかったが、それが終わった後、孤児院の中で俺達四人だけが引き取られることが決まった。引き取られる時、あの男、プロフェッサーが俺達に近付いてきて目線を合わせて言ったんだ。
「化物を倒す力が欲しくはないか?」
って。もちろん俺達は速攻で首を縦に振った。それから二年が経って今に至る。二年間のずっとロボット操縦の基本操作や体力作りをさせられていた。おかげで俺達は望まずとも体が仕上がっていた。恭子や飛鳥なんか鍛えたおかげでモデルみたいな体型になってより色気が増した気がする。こんなことを気にしてるのは俺と紫亜だけだろうけど。
「兄さん、ボーッとして何してるのさ」
「ん?あぁ、昔を思い出してたんだよ、あの姉妹と出会った時のな」
「ははっ、懐かしいね。あの頃は僕も飛鳥もお互いの家族にベッタリだったもんね」
「そういえば紫亜はいつから飛鳥のことが好きになったんだ?」
「ッ!?え?ん?な、なんのこと・・・かな?」
「隠すなよ、俺だって恭子のことがいつの間にか好きになってたんだから」
「・・・それって最近?」
「いや、気付いたらいつの間にあいつを目で追ってた。最近はより強くなってる気がする」
「兄さんも、なんだ・・・僕もいつの間にか目で追うようになってたんだよね。昔も可愛かったけど、最近は二人とももっと可愛くなったし」
「まぁ、あいつらは鈍感だから気付いてねぇんだろうな」
「気付いてくれてない方が嬉しいけどね、恥ずかしいから」
「そうだな」
そんな話をしていると部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「旭、紫亜、居る?今からご飯食べに行こうと思ってるんだけどアンタらも来ない?」
「・・・噂をすればなんとやら、だな。あぁ、居るよ、今行く」
二人は急いで寝巻きから着替えて部屋の外へと出る。すると、風船ガムを膨らませながら恭子が文句を言ってきた。
「おーそーい」
「すまんすまん、で?今日の飯はなんだ?」
「今日は昔懐かしおばあちゃんの日本定食セットだってさ」
「昔懐かしおばあちゃんのって所のネーミングは誰がしたんだ?」
「アタシ〜」
「やっぱお前か」
「別にいいでしょ〜?実際日本定食って昔懐かしい感じがするし、日本人としてはこれぞいつもの!って感じするしぃ〜、ねぇ?飛鳥」
「うん、そうだね姉さん」
「飛鳥、あんまり恭子を甘やかすなよ、だから飯とか盗られるんだぜ?」
「そうそう、飛鳥、あんまり恭子を甘やかすのよくない、僕らのご飯が減っちゃう」
「ちょっと!アタシが大食いみたいに言わないでくれる?ただの食べ盛りなんだから」
「食べ盛りにしては二人前をペロリと平らげたうえで俺達のまで奪おうとするんだからすげぇよ、太るぞ?」
「太りません〜アンタらだって同じ筋トレメニューやってんだから分かるでしょ?あんなキッツイのやらされたら太りたくても太れないしお腹もすくっての」
「確かにあれはキツイよな・・・」
「僕、思い出しただけで筋肉痛になりそう」
「私も・・・」
「まぁ、それもこれも全部戦う為なんだから仕方ないでしょ。とは言っても今更お勉強なんてしたくはないけどね」
「同感」
全員が揃ってうなづいている。その時だった、けたたましいサイレンが鳴り響き渡ったのは。俺達は急いで格納庫へと走り出した。スサノオに乗り込むとモニターにプロフェッサーが映し出される。
「今回は昨日とは違い、大群が押し寄せている」
「防衛が突破されたのか?」
「その通りだ。すぐに体制を立て直したものの、何万という数がこちらに向かって来ている。ここから先を突破されると避難地区が危ない。大勢の人の命がかかっている、大変な仕事だが、頑張ってくれ」
「分かってるよ、行くぜてめぇら!」
「了解!」
全員出撃し、その光景に度肝を抜かれる。本当に昨日とは打って変わって空と大地を埋め尽くすほどの化物がこちらに向かってきている。
「こりゃすげぇな・・・恭子達は飛んでるやつらを!俺達は歩いてるやつらをやる!」
「了解!しくじるんじゃないわよ!」
「誰に言ってんだ!」
二機づつに分かれ、敵を片付けていく。しかし、一体一体は強くなくとも数が多すぎてこのままでは弾が尽きる方が先なのは明白だ。すると、モニターに鰯田の顔が映し出される。
「お前達!何故タケミカヅチにならない!?」
「あ?タケミカヅチってなんだ?」
「私の講義をちゃんと聞いていないからだ馬鹿者!スサノオ達にはそれぞれ合体機構がある、出力、火力は今とは段違いに上がる!そしてスサノオ達の合体機構には様々な種類がありーーー」
「あ〜分かった!とりあえず合体すりゃいいんだろ?紫亜!行くぞ!」
「アタシ達も行くわよ!飛鳥!」
「了解!」
ボタンを押し、画面に出てきた合体シーケンスを認証すると、機体が自動で変形を行い、合体する。
「二神合体!タケミカヅチ!!!」
「早速見せてもらうぜお前の力を!!!ストームブラスト!!!」
大地に足を固定し、両腕から放たれる嵐のような攻撃は地上の化物達を巻き込み、化物同士をぶつけ合って破壊し尽くした。そして、空中では恭子達のタケミカヅチが攻撃の準備に入っていた。
「行くわよ!ダイナマイトブレイザー!!!」
両掌から広範囲に振り撒かれた炎は化物に当たった瞬間大爆発を起こし跡形もなく木っ端微塵にした。あれだけいた化物達は一体残らず消え去っていた。
「すげぇな!タケミカヅチ!この力さえありゃーーー」
その時、またモニターに鰯田の顔が映し出された。とても不機嫌そうにしている。
「お前達!帰投後、さっさと飯を補給し、さっさと私の所に来い!タケミカヅチの講義をまたしてやる!!!」
「・・・はーい」
全員のテンションが一気に下がった瞬間だった。