※この作品はR-18です。

雄牛牧場   作:錆田缶

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相良編前編

角あり牛の相良さんはこんなイメージ↓(健全だよ、服着てるよ。)

【挿絵表示】



雄牛牧場12

「相良、牛年62人年124!よろしくなぁ!」

 

「藤原悟史です、今日からよろしくお願いします。」

 

本当に角だ、俺は初めて見る角有り牛に感動してしまう、実家の牧場では子牛の時に萌芽段階で除角してしまっていたから角の牛を見る事さえ珍しいと感じる。

 

広い牧場なら角有りも検討出来るかも知れないが俺の所は小さな牧場で、牛も人も怪我をしない様に除角の方を選択していた。

 

い、良いなぁ、角が有るって。

 

相良さんは陽久さんより少し大きく、白毛が多く顔の皺などと相まって年齢の貫禄を見せつける。

俺は相良さんの自己紹介の迫力に集まった皆んなと驚きつつも何とか口を開き自己紹介をした。

 

「あんたが牧場主だな、よろしく!」

「うっ、よ、よろしくお願いします。」

相良さんは機嫌良く俺の背中を叩きよろしくと言う、俺は叩かれた衝撃で一瞬呼吸が止まる、相良さんは人にも慣れている様でとても気さくな雰囲気だ。

 

「早速だが、、、。」

俺が戸惑っている間にも相良さんは口を開き、繋ぎのジッパーを下ろし上半身を脱ぎ貫禄のある燻んだ乳首を晒す。

「お手前拝見と行こうか。」

「分かりました。」

「お前達も見たかったら見て良いぞ。」

相良さんは豪胆に集まった仲間にそう言って搾乳室の柵にガシリと手を掛ける。

 

陽久さんとはまた違う圧迫感に俺はゴクリと喉を鳴らす、何時も通りでいい、大柄な体躯の搾乳は陽久さんで慣れている、むぎわら君とも陽久さんの二の舞にならない様搾精機のティートカップのサイズも事前にチェック済みだ。

俺は冷静にストリップカップを手に持ち相良さんの乳頭を掴みしっかり前絞りをして異常が無いかチェックし、プレディッピングをして乳頭が膨れるのを待つ。

 

「、、、。」

「何かありましたか?」

「いいや何も、続けてくれ。」

じっと此方を見る相良さんに俺は確認をするも相良さんは何でもないと言うので俺はそのまま消毒を拭き取りミルカーを装着しズレが無いか確認する。

 

「おぉ、いい機械使ってんな。」

「え?あぁ、良かったです。」

問題なく相良さんの乳はミルクラインを流れ俺は一先ずホッと息を吐く、次は。

「まぁ待て。」

相良さんはそう言って自ら牛柄ビキニパンツを脱ぎ俺の方を真っ直ぐに見る、此方も年季の入ったくすみ色で少し皮を被っている。

 

思わずその貫禄に喉を鳴らしてしまう、俺は相良さんの男根に魅入っていると相良さんのチンポはむくむくと立ち上がり相良さんが自ら完全に皮を剥いて膨らんだ亀頭を見せつける。

「消毒して、そのまま着けていいぜ。」

「わかりました。」

俺は相良さんにそう言われてノンリターン式ディッパーを持ち相良さんの正面に座る、雄の臭いが鼻腔に届いて心がグラリと揺れるのを耐え俺は下唇を噛んで相良さんを消毒、拭き取りをし、搾精機を取り付ける。

 

相良さんは調子が良さそうだしこのまま搾乳、搾精を見守る感じで良いだろうか?と一旦立ち上がりパイプラインを確認していると相良さんは此方をじっと見て何か言いたそうだ。

 

「俺はお手並拝見って言ったぜ?ケツもして貰おうか。」

「はい。」

豪胆に自身の尻を叩く相良さんに少し戸惑いつつも俺は彼の後ろに回る、人の年月では100年以上生きている彼にしてはけつ穴の締まりは衰えを見せず浅黒く中心が赤く指を誘う魅力的な肛門に俺は驚いてしまう。

 

100歳の爺さんの肛門とか見た事ないから比べ様が無いんだけど、、、なんだろう興奮する。

 

「おう、さっさとしてくれや。」

「はいっ、失礼します。」

俺は恐る恐る相良さんの尻の割れ目に手を添える、相良さんの弾力あるけつ穴はにゅるりと俺の指を受け入れその柔らかさに驚く、直ぐに指が増やせそうだ。

 

「痛かったら直ぐに言ってくださいね。」

「おう、指じゃ足んねぇ、手丸ごと突っ込んでくれや。」

「え?」

「んだ?止めるか?覚悟決めてさっさとやんだな。」

 

手丸ごと、、、フィスト?直腸検査?、、、大学で直腸検査経験はした事あるけど、実家の牧場は獣医師を呼んで検査をしていた、、、俺は混乱しながらも指を慎重に増やしていき5本指が全部入った光景に衝撃を受けながらもゆっくり相良さんのけつ穴に自分の手を押し込んで行く。

 

あの時、牛の直腸はこんな暖かさと締まりだっただろうか?牛の直腸検査は主に繁殖出来るかどうかのチェックがメインだが、泌尿器、脂肪壊死の有無、直腸の粘膜の状態など牛の体調を良く知る事が出来る大切な検査だ。

 

俺は頻度少なかったから子宮の位置もちゃんと理解できるかどうか、、、色々悩んでいると指先に分かりやすい感触がくる、あ、前立腺だ。

 

「ぬっっ!ん"んっ、おうっ、ガンガン押してくれ。」

 

相良さんの反応を見ながら俺は前立腺を刺激する、牛の直腸検査は経験が少ないけど、そう言えば人型雄牛の前立腺は毎日触ってたな。

 

そう思うと自信が湧いて来て俺は相良さんの気持ちいい刺激を探しながら前立腺を刺激し様子を見ていく。

 

「う"ん"ん"っっつ!イクぞっ!!ふん"っつ!!」

 

相良さんは男らしく絶頂してパイプラインに相良さんの精子が通っていく、俺は相良さんのアナルを傷つけない様手を引き抜き手袋を変えて真空管のスイッチを切りライナーを外していく。

 

「坊主」

「はい。」

「及第点だ。」

「え?あ、はい。」

 

取り敢えず良いって事だよな?俺が考えながらミルカーの片付けをしていると相良さんはさっさと服を着て近くにいた丈雄君達に声を掛けて牛舎の中を案内を願い去ってしまう。

 

「悟史君、どうだった?」

「驚きはしましたが、何とか搾乳、搾精出来そうでしたよね?」

相良さんの反応に喜べば良いのか分からず俺は近づいて来た真下さんに曖昧な感想を述べてしまう。

 

「俺としてはよく出来ていたと思うよ。」

「ありがとうございます。」

真下さんにそう言われてやっと俺は息を吐いて脱力する、未だ緊張の名残で心臓がバクバクしているが、俺の仕事内容はハッキリしている、今後もアニマルウェルフェアを心掛けて皆んなと大切に関わっていこう。

 

 

「で?真下、俺の発散は誰が相手だ?」

「発散ですか、、、。」

悟史と別れて牛舎に戻ってきた真下は仁王立ちで待ち構えていた相良にそう言われ顎に手を当て考える。

 

安直に行くなら体格に誤差の少ない陽久さんにお願いしたい、と真下は第一案として考える、相良の相手は他の人型牛では酷だろうし、怪我をされても困る、陽久さんも無理はさせられない、必要有れば自分が相手する可能性もちゃんと踏まえなければならない。

 

「んだぁ?誰でも構わないぞ、人以外ならな。」

「分かりました。」

真下は相良にそう言われて何処かホッとしながら素直に頷く。

「俺の体質は人型牛の奴らには平気だが、気分が上がったら俺も抑えきれねぇ、今もあの坊主、体が熱いままなんじゃねぇか?」

 

相良と話し真剣に考えていた真下は相良の言った意味を理解して相良に軽く挨拶をして早足で悟史の元へ向かう。

 

 

「成る程、確かに熱る。」

事前資料で相良さんは人に対して発情させる様なフェロモンを出せる体質らしく、彼が発情したタイミングでそれは空気中に発散させられる。

 

「空調全開で良かったかも。」

さっきの搾乳が密室ならもっと脱力して最悪動けなくなる場合も出てくるだろうと俺は濡れタオルで頭を冷やしながら最悪のケースを考える、何はともあれ冬で良かった、自宅の窓を開けて涼しい風を感じているだけでも十分回復しそうだ。

 

相良さんの体質は勿論昔の研究者が開発した中で偶発的に出来たもので、元は人の匂いを嗅ぐと人型雌牛が発情する、と言う目的で改良を推し進めた中で、人型牛のみに影響するもの、人のみに影響するもの、その何方も、と昔は定番と言うぐらいには当たり前の機能だったらしいが、矢張り色々あった為に減少傾向へ改良が進み、その名残として人型牛の性欲が強めになっているのでは?と、資料には書いてあった。

 

「業だよなぁ。」

人型牛は狂った人が興味本位として科学的に創り生まれた存在、改良の歴史を読み解けば読み解くほどに人の業に触れ何とも言えない気持ちになる。

 

まぁ、酪農をしていた時だって自分達が生きる為、金を稼ぐ為に牛達に酷な事をして来たのでは?と最近は人型牛の歴史を知る度に他の事でも気分が沈む事が多くなって来た。

 

人って、何なんだろうか?

 

「悟史君!」

「はいっ!何か有りましたか?」

ぼんやり人の業に鬱々と浸っていると行成自宅の扉が開いて焦っている真下さんが此方に近づき膝を折り俺の顔色を伺う。

 

「あ、えっと、大丈夫ですよ?ぼんやりするけど。」

真下さんの焦りに俺の体調を心配して来てくれた事が分かり俺は真下さんに大丈夫と声を掛けると真下さんは長い溜息を吐いて俺の側のソファーに頭を付ける。

「大丈夫ならいい。」

「すみません。」

真下さんは頭を横にふって体温を確認するかの様に俺の額に手を当てる。

「確かに熱いな。」

「ですよね、相良さんの搾乳は最後にするのが安全かと思います。」

「そう、だな。」

 

未だ不安の拭えない様な表情をしている真下さんが側にいて俺は思わず俯いたその頭を撫でてしまう。

 

「これくらいなら大丈夫です。」

「少し、側に居させてくれ。」

「仕事大丈夫ですか?」

「そんなに多くは無いし、今、回している洗濯物も自動乾燥だ。」

「そうですか」

 

確かに牛舎は自動掃除機や、乾燥までしてくれる洗濯機などハイテクな物が多い、真下さんが大丈夫と言うなら大丈夫なんだろう、俺は真下さんに頷いて体が元に戻る少しの時間側に居てもらった。

 

 

「私で良ければ務めましょう。」

その日の夜、陽久は相良の相手の相談の中で穏やかに声を上げ頷く。

 

「、、、。」

誠華はそれに対して怒りで耳が吊り上がり耳の毛を膨らませるが、陽久の意図を汲もうと押し黙ったまま足元を見る。

 

「良いのか?其方のガキンチョがキレ散らかしてるぞ。」

「えぇ、私を想ってです、そして華は私の意見を優先します。」

 

相良と陽久は暫く見つめ合いリビングに緊張が走る。

 

「出来るんだな?」

「勿論。」

「後悔して喚いても責任取れねぇぞ。」

「出来ればお互い傷つけぬ様穏やかでいたいものです。」

「、、、いいぜ、受けてやる、真下!ヤリ部屋は何処だ?」

「案内します。」

 

椅子から立ち上がり訓練室へ向かう真下は途中チラリとすれ違う陽久を見る、陽久は此方を心配する真下に余裕そうに頷き、真下は未だ不安を拭えぬ顔で頷き返し訓練室の扉を開る。

真下は2人を通した後に2人の体を痛めない様、撥水マットを敷いているとその間に心配して訓練室に見学に来た丈雄と誠華が真下に近づき手伝いを申し出てくれた。

 

「初めての事ですし、万が一の事を考えて見守らせて貰います。」

「俺はいいぜ、あんたは?」

真下の言葉に相良は当然だろうと頷き陽久を挑発的に見る。

「構いません。」

陽久はいつも通り、凪いでいる様な雰囲気のまま相手におっとりと頷く。

 

2人共笑い合っているが目は一切笑っていない表情の2人に丈雄はそわそわしながら隣で姿勢正しく座っている誠華の方を見る、誠華も丈雄の目線に気付き横目で丈雄を見るがそれも一瞬で表情も変えず誠華は2人を観察する。

その堂々としている誠華に丈雄もちょっとだけ姿勢を正して大柄な人型雄牛2人を改めて眺めた。

 

「んで、どっちがいい?」

「どっちとは?」

陽久は何となく意味は分かっていたが相良に確認の為に質問仕返す。

 

「んだよ、入れるか入れられるかだろ?」

「なら私が受け入れましょう。」

「良いけどよ、俺はデカいぜ?大丈夫かぁ?」

「ええ、それに私もそこそこなもので、貴方を傷付けてしまうかも知れません。」

陽久の挑発とも言える台詞に相良は陽久をじっと見るが陽久は終始穏やかで掴み所が無いように見えこれ以上の探り合いは無駄だと判断し相良は服を全て脱ぎ捨て陽久へ一歩近づき顔を寄せる。

 

「最初はお前に任せる。」

「それでは私も失礼して。」

裸で堂々と腕を組んで立つ相良に倣い陽久も服を脱ぎ一糸纏わぬ姿になる。

 

「ほぅ、あんた良いな。」

相良は陽久の体を舐め回す様に観察して満足そうに頷く。

 

血行の良いつるりとした肌、同じ大きさと言う事もあって相良とも遜色ない鍛えられた体、灰色のツナギ服からでもよくわかる大きな胸筋、相良は期待出来ると判断して満足そうに口角を上げる。

 

「それは良かった、それでは失礼します。」

陽久はそう言って相良の大きな体に手を伸ばす。

 

陽久は相良が来る前まではこの牧場で1番大きい雄牛だった、しかし今は普通の人型雄牛に見えるのはほぼ同じ大きさの相良が側にいるからだ、特別大きい陽久から一般の人型雄牛の様に見える眺めに丈雄が興味を持って2人を眺める。

 

よく耳を澄まさねば聞こえぬ2人の呼吸音は徐々に闘牛の様に大きな呼吸となって部屋を艶やかに震わせる。

 

陽久の優しい手付きで股間を撫でられ相良は眉を顰める。

「俺は焦ったいのは苦手なんだよ、さっさとしてくれ。」

陽久は甘えた相良の顔にゆとりを持って微笑んでしゃがみ相良の陰茎を手に取りそっと竿を舐めその全てを隠す様に奥まで口に含む。

 

口内で緩やかに圧をかけ、舌を揺り動かしそっとそのまま陽久はカリ首まで引き出し、ゆっくりとしたストロークで相良の陰茎に刺激を与えていくと相良の血はドクドクと巡り雄々しく血管を浮立たせ太さを増して行く。

 

「早いですな。」

「搾乳も搾精も早い方が良いに決まってんだろ。」

陽久を見下ろし深い呼吸をし胸筋を膨らませながら当然と余裕のある顔で相良は鼻を鳴らす。

「まぁ、娯楽としてなら耐久性はそこそこだ、耐えられるか?」

「さぁ、それは試して見ませんと、華、頼んで良いですか?」

「はい。」

 

相良は華奢な子を参加させるのは危ないだろうと眉を顰める、陽久は相良を仰向けに寝させ相良の陰茎を音を立てて角度を変えながらいやらしく音を立てて啜り刺激を与える。

その後ろ、陽久の突き出した尻の近くに誠華は座り最近真下からおすすめされたローションを陽久に塗り込んでいく。

 

「っ。」

相良はいやらしい水音と穴を解され声を漏らす陽久の口の動きに少しずつ気分が盛り上がり体の熱が全体に周り皮膚の薄い場所が赤く染まっていく。

 

「華、ありがとう。」

「よろしいですか?」

「あぁ、充分だ。」

危ないから離れて居なさい、微笑む陽久に誠華は不安になりながらも出来るだけ顔に出さない様にして頭を下げ丈雄の隣に戻り座る。

 

「さて、では失礼します。」

陽久は寝そべっている相良の上に跨り四股を踏む様に腰を降ろしゆっくりと相良の陰茎を自身のけつ穴へずぶりずぶりと呑み込んでいく。

 

「お"ぉ、あんた良いもん持ってんじゃねぇか。」

相良は己が締め付けられる気持ち良さに機嫌良く陽久を褒める。

「それは良かった、それでは、、、失礼。」

陽久は腰を上下に動かし相良を刺激する、相良も気持ちいいのか少し首を上げ己のイキリたつものが陽久のアナルから出て来る様を眉を寄せながら息荒く観察する。

 

「気持ちいいがまだまだ足りねぇな。」

相良は腹筋だけで起き上がり陽久を押し倒し位置を逆転させ陽久の膝裏に手を添えて赴くまま大胆に腰を振る。

 

「っ。」

「おう、可愛く反応してくれや、萎えちまう。」

何処までも物静かな陽久に相良は陽久の片足を肩にかけ体重を前に倒して乱暴に腰を振る、その皮膚と皮膚のぶつかり合う音は室内を揺らし、真下はいつ介入するべきか、止められるのかを考え冷や汗をかきながらじっとまぐわう2人を見つめ続ける。

 

「ほぉれ、お前が好きな奴にお前のいやらしい顔見せてやれよ。」

相良はそう言って陽久を起き上がらせ、お互い膝立ちのまま相良は陽久の腕を取り腰を振り、見学している若い雄牛2匹に陽久の嬉し涙を流しブルンブルンと振り回される陰茎を見せびらかす。

 

「っつ、ふっ、、、。」

陽久は赤く染まり息を乱すも時折正面の2人を安心させる様に口角をそっと上げる。

 

丈雄は聞いた事の無い人のぶつかり合う音に心配になり汗を飛び散らせまぐわう2人を見ながらも思わず誠華を抱き締める、何時もなら触る事さえ拒絶する誠華も今は大人しく丈雄に抱かれ冷徹な眼差しで目の前の光景を眺めた。

 

「まぁ、、、今日はこんなもんだな。」

相良は陽久の腕を離し、陽久は地面に手を突く、そして相良は陽久の腰に手を当て片足を上げて深く陽久を掘って行く。

「ん"っ、ぐぅっ、、、っ。」

陽久は顔を地面に向けて唸り、今どんな状態なのか分からず見学している3人は緊張する、そんな空気も無視して相良は射精の為に腰を素早く動かしドクドクと大量のねっとりとした精子を陽久に注ぐ。

 

「っ〜っはぁ、まぁ、こんなもんだな。」

相良は己が犯した穴から滴り落ちる自身の特濃精子を満足気に眺め陽久の尻を粗暴に叩く。

 

「、、、ご満足頂けた様で。」

「いや。」

相良のそのセリフにはて?と陽久は体を起き上がらせ相良の方を見やる、そこには相良が足を広げ自身のけつ穴を強調させる様に肉尻を引っ張る姿があった。

 

「あんたがまだだ。」

相良はそう言って聳え立つ陽久を顎で示す。

「、、、壊れてしまいます。」

陽久生まれてこの方行為をした事は一度も無い、それは神の御使と崇められ大切にされて来た事もあるが、そもそも人が祀る神の御使様は人が壊れる程に大きいかった、未だ脈打つ己の大丸太を隠す様に陽久はそっと己の掌で隠す。

 

「いや、問題ねぇ、俺を誰だと思ってる。」

小さくても大きくても関係ねぇよ、と拒絶する陽久を押し倒し自身のけつ穴に陽久の大丸太を当てがいズッポリと呑み込んでしまう。

 

「成る程、かなりデケェな。」

「お、お怪我は?」

「ねぇよ、しかし、あんた動くなよ。」

「っ!」

相良は陽久に指を差し注意をしてから最初の陽久の様に足を広げ四股を踏む姿で腰を動かし意識しながらけつ穴に力を込める、テンポ良くけつ穴を締める度に陽久の大丸太は戸惑いに揺れ、陽久は両手で自分の顔を隠す。

 

「んだぁ?やっと恥じらいでも出て来たか?」

ならもっと良くしてやるよ、と相良は陽久の脇あたりに両手を置き腰を素早く振って行く。

 

「っ〜っっつ!!う"っ、、、ん"ぅっ!!」

「随分いい声で鳴くな、おもしれぇ。」

相良はそう言って今度は仰け反り己の前立腺に気持ち良く当てながら陽久の大丸太を刺激して行く。

 

「あ"ぁ、凄ぇなあんた、脳が蕩けそうでもう一発出そうだ。」

そう言って相良は仰け反ったまま竿を拭きまるで道具で自慰をするかの如く腰を振る。

 

「う"ぅっ、、、。」

「おっ?イクか?いいぜ?」

相良はまた姿勢を前に傾け陽久に射精を促す様に淫らで大胆に素早く腰を振っていく、陽久もその刺激に耐えられずに腰を仰け反らせ相良の奥へ深く精子を放出させる。

 

「お"っ、おぉ、、、いっぱい出るじゃねぇか、、、飛びかけたわ。」

相良は射精された気持ち良さに喉を反り体を震わせ、震えが落ち着いた後ゆっくりと陽久の大丸太を引き抜く、引き抜かれた大丸太はくったりと精子を纏ったまま陽久の腹に寝そべった。

 

「ふぅ、まぁ、良いんじゃねぇの?真下、風呂何処だ。」

「移動の前に一旦体を拭きましょう。」

そう言って真下は立ち上がり湯桶を準備し、一つの桶を丈雄達の側に置く。

「陽久さんの事頼めるか。」

「うん。」

誠華は声は出せぬが頷き立ち上がり湯おけを持ち上げ早足で陽久に近づく、丈雄はその姿を見て焦り急いで後を追い2人で陽久を拭いて行く。

 

「やっぱデケェとモテんだな。」

「相良さん。」

「んだよ。」

思った事を呟いた相良は真下に嗜められ拗ねた様に口を突き出す、真下は分かりやすくため息を吐いてそのまま丁寧に相良を拭いていく。

 

「お2人共ありがとうございます。」

「体調の方は如何でございましょうか?」

「問題ありません」

安心させる様にいつもの様に微笑み誠華の頭を撫でる陽久だが誠華は陽久と目を合わせず丁寧に陽久の体を拭く。

「華、嘘はついて無いよ。」

「、、、なら、良いのです。」

俯く誠華は陽久にポトリと雫を落とす、それを見た丈雄は悲しくなり耳を垂れ下げ陽久の体を拭く手を止めてしまう。

 

「華ちゃん。」

「手が止まっていますよ。」

垂れた前髪の隙間から輝く宝石の様な瞳が強い意志で此方を見つめる、丈雄は今は踏み込むべきでは無いと誠華に頷き陽久の体を拭く。

 

「じゃ、風呂にでも入るか。」

拭き取りが終わった相良が元気良く立ち上がる。

「2人共、入浴介助を頼んでいいか?」

2人は真下のお願いに頷き大きな2人を風呂場へ誘導する。

 

「いやぁ、、、俺と似た体格の奴がいて良かったぜ。」

「そうですか。」

陽久は疲労か何処かぼぅとしながら湯船に浸かり、返事は上の空だった。

「んだよ、あんたも気持ち良かっただろ?」

「実は、こう言う事は初めてでして。」

「、、、は?」

 

陽久はセックスをした事が無い、男役、女役、その何方も、性に関係する宗教団体の神の御使、その存在として愛撫の様な性的な関わりは何度かある、だからこそ肌を交える気持ち良さは深く知っている筈だった。

 

「この様な体ですから、性交など生涯出来ぬと思っておりました。」

陽久は眉を下げ笑う、ショックで心を痛めた訳では無いと知り丈雄は無言で耳を上げて陽久の方を驚いた表情で見上げる。

 

「んだよ、童貞処女だったんかよ、、、なんか悪かったな。」

「いえ、事前に言わぬ私も悪いのです、相良さんは他の方では酷でしょうから。」

そりゃそうか、と相良は頷き陽久にニッカリと笑う。

「俺は相良だ、まぁ、俺は歳だからそんな頻繁じゃねぇ、又よろしく頼むぜ。」

「陽久です、これからもよろしくお願いします。」

 

2人の打ち解けた空気に丈雄は両耳を上げたまま2人を無言で凝視する、一方誠華は2人の方を見ずに只々己が映る波打つ湯船を眺めていた。

 

 

新しい仲間がやって来て皆んなの様子を観察するが、相良さんは快活陽気で牛当たりが良く今日も丈雄君を機嫌良さそうに肩車してくるくる回って遊んでいる。

 

丈雄君はすっかり相良さんと仲良くなったのか良く遊んでもらっているし、真下さんも相良さんには子供に見えるのか随分構ってもらっている様に見えた。

 

男性らしい男性が苦手な秋茂君、大きい声や元気な雰囲気が苦手な達也君もある程度距離を置いて接してくれている様で2人共酷いストレスには晒されてない様だ、陽久さんとも散歩仲間としてこの辺の森を一緒に歩く姿も見かける。

 

けれど誠華君は陽久さんの事もあり益々内に籠り粛々と陽久さん周りの掃除や、小物作りなどをしていて達也君より部屋を出なくなってしまった、丈雄君が遊びに誘っても反応してくれず、健康状態は問題無いものの、どのタイミングで声をかければ良いか真下さんと様子見をしている段階だ。

 

話に聞くときっかけは陽久さんが相良さんの相手役となりそこから誠華君があの様子になってしまったらしい、誠華君は陽久さん一筋だからなぁ。

 

だろうな、と言う気持ちと、さてどうしようか?と言う気持ちを揺らしながら俺は雑草抜きから腰を上げて背伸びをする。

 

「おう、精が出るな。」

凝った体を伸ばしていると相良さんに話しかけられる、一緒に遊んでいた丈雄君は宿題に牛舎へ戻ったのか、遊び道具を取りに行っているのか、いつの間にか居なくなっていて今は相良さんと俺だけになり牧場の外はとても静かだ。

 

「少し話がしてぇ、いいだろ?」

「はい。」

相良さんと話す機会は少なかったので俺は有り難く誘いに頷くと相良さんは近くの切り株の椅子にドカリと座り自身の膝を叩く。

乗れと?いやそんな事「ほら、座んな。」座って良い様だ。

 

俺は失礼しますと挨拶をしておずおずと相良さんの太ももに座る、相良さんの太ももは大きく俺が座ると足が少し浮く、バランスの悪い座り方に身を揺らしていると相良さんは当たり前のように腕を回して来て逞しい腕に支えられ俺は失礼にならない程度にそっと腕に寄りかかる。

 

「お前、牛は好きか?」

「え?はい。」

売られて行く牛と離れる度に落ち込む程度には、俺は相良さんの質問に反射的に頷くと相良さんはニコリと笑って俺の頭をガシガシ撫でる。

 

「で?お前はどいつが好きなんだ?」

「え?」

どいつが好き、、、どの枠で?乳牛の事?乳牛種は主にホルスタイン、ジャージー、ブラウンスイス、エアシャー、ガンジーの5種。

「ジャージーですかね?」

 

ジャージー牛は小柄で乳も濃厚で美味しい、そして人懐っこい可愛さ、大学に居たジャージー牛が可愛くていつか俺が親父から引き継いだら一匹ぐらいは飼えないか真剣に考えていた時期がある。

 

「あ?んだって?」

「え?」

相良さんは俺の返答が気に入らなかった様で少し怒り気味だ、話の流れがこれじゃないなら人型牛についてって事だったりするだろうか?

「お前この牧場の中でどれがお気に入りかって聞いてんだよ。」

「お気に入り?ぜ、全員大切な人達です、真下さんとは恋人ですけど。」

お気に入り、その言葉に引っ掛かりを覚えたまま不機嫌な相良さんに俺は萎縮してしまう、これ、逃げられないんじゃ無いだろうか、俺は小さな恐怖が芽生え初めてゾワゾワと鳥肌が立って行く。

 

「あぁ、まぁ、そうか、まぁあいつは使えるからな、そりゃ気にいるか。」

「、、、。」

何か考えている相良さんに怯えつつも俺は相良さんの話す言葉に耳を傾けて違和感の原因を考える。

 

「で?真下はいつ廃牛にする予定なんだ?」

「は?」

俺は完全に固まってしまう、廃牛、廃用牛?、、、それは病気や怪我、乳が出なくなった事により食肉へ回される牛の事だ。

 

「廃用牛制度はこの牧場には有りません。」

俺は気持ち悪くなりながらも必死に言葉を紡ぐ、俺は最後まで真下さんと生きると決めた、決めている。

 

実際にこの牧場を経営するに当たって人型牛の怪我、病気、ストレスなどでの死は制度として埋葬迄の流れは整えられてはいる、けれどそれは人型牛達が穏やかに寿命を終える事を目標にこの牧場は運営している中のマニュアルの一つであり、この場所が設立された理由が元々営利より保護を優先とした牧場だ、だからこそ廃用牛になる事は無い。

そもそも人に近い人型牛と言う倫理感、そして畜産動物には動物愛護管理法が適用される、この国では人型牛を守る制度はちゃんと出来ている。(事件がゼロの訳では無いが)

 

最近では此処の運営元の会社で新しい挑戦として牧場では無く住宅街に住む、と言う実験も行われていると毎月発行される会社の小冊子に情報が載っていた。

 

他の所でもその傾向は見られ人型牛は徐々に家畜の枠を薄めて人の輪の中へ混じろうとしているのを肌で感じている。

 

「だから、大丈夫ですよ。」

廃用牛と言う言葉が出たのはきっと古い時代の蔑みの言葉の事で仲間想いの相良さんは大切にされているか気にして俺に質問した事なのかもしれない。

 

「あ?」

けれど相良さんは何故か不機嫌に怒りを此方に向け睨みつけて来る。

「あのなぁ、、、お前よ。」

そわり、俺の体を支えている相良さんの手が俺の体を撫で、服の上から太い中指がグッと俺の乳首をじっくり捏ね始める。

 

なんで?

 

「お前が此処のルールじゃねぇんだろ?」

「一応、権限は有りますが、強制は余程の事が無い限り有りません。」

自身を傷つける行為、相手を傷つける行為を辞めない場合には強制拘束は俺権限で出来る事は出来るが、皆んないい人達なのでする必要は全く無い。

 

「そんなじゃねぇよ、お前下っ端だろ?上が全員廃牛にするっつったら皆んな死ぬじゃねぇか。」

「え?ぐっっ、、、。」

俺は相良さんに怯えていた筈なのにどんどん力が抜けてさっきから痛い程に、揉まれている乳首がジンジンと心地良く下半身に血が巡る感覚が来ておれは体を強ばらせる。

 

「会社はそんな事しねぇってか?会社の更にその上は?どうすんだよ、会社より上の奴が俺らに痛みがあるのも無視してゴミのように扱うかも知れねぇだろうが。」

「会社より上、、、っっ、まっ、待ってくださいっ。」

確かに何処にも確定した安心は無いのかも知れない、どうしようもなく強い力がある人が人型牛を嫌悪する程嫌いだったら?そうで無くても非道で残虐な事件は今なおこの牧場の外、世界各地で起こっていて会社の会議に赴いた時に議題の一つとして語られていた。

 

俺はどう言葉を返そうかと悩んでいると相良さんが俺の膨らんだ股間を反対の手の人差し指でカリカリとイジらしく擦り弾きその気持ち良さに思考はぼやけて物事がちゃんと考えられない。

 

「ぅうっ。」

 

止めようと手を伸ばすも力が入らず俺は相良さんにいい様におもちゃにされビクビクと体を震わせながら嬌声が漏れ出てしまう、おかしい程に体が反応して自分でも怖い、相良さんのフェロモンだろうか?搾乳していた時よりも遥かに強い熱に俺は必死に口を開く。

 

「やっ、やめて下さいっ、、っんっ。」

「可愛く鳴くな、、、真下に諦めさせる為に真下の前でテメェを壊してやろうか?」

「っ〜っっ!!」

散々焦らされ痺れる体に相良さんは親指でグッと服の上から俺のけつ穴を押す。

 

やっばい、相良さんの手つきは乱暴で痛いのに体は快楽的に反応し続けて強制的に興奮しているのが分かる、反抗する力も無く気持ち良さに喉を反らしてしまう、マジで壊される、俺は静かな怒りを此方に打つける様にじっと真顔で此方を見る相良さんに恐怖しながら下着に染みをつくる。

 

「駄目!!」

「、、、んだよ。」

丈雄君が大声で叫び相良さんは手を止め拗ねた子供の様な顔をして丈雄君の方を見る、た、、、助かった。

 

「悟史さんいじめないで!怒るよ!」

「もう怒ってんだろ。」

「え?んと、止めないともっと怒るから!」

「、、、仕方ねぇなぁ。」

相良さんはぐったりとした俺を地面に放り投げゆっくり切り株から立ち上がる。

 

「悟史さんっ!いじめないでって言ったでしょっ!相良さんの事嫌いになっちゃうからね!」

丈雄君は俺を抱き起こしてぎゅうと抱き俺を相良さんから隠す様にして相良さんに威嚇する。

 

「お前なぁ、、、いいか、丈雄、人間は残虐な生き物なんだぞ、そんな弱そうで上の指示しか聞けねぇ唐変木より俺の方がカッコいいだろ?」

「悟史さんは、とうへんぼく?じゃないよ、俺の大好きなカッコいい人だもん!1番だもん!酷い事言わないで!」

丈雄君の怒りに相良さんは面倒臭いとでも言う様に大袈裟にため息を吐き、此方を見下ろしながら頭をポリポリと掻く。

 

「相良さん!」

そこへ騒ぎを聞きつけた真下さんと秋茂くん、陽久さん、が此方に駆けつけ相良さんは3人の方を向く。

「真下ぁ、お前が管理してるんだろ?人なんていらねぇよなぁ。」

 

「必要です。」

真下さんはとても冷たく冷静に素早く相良さんへ返答する。

 

「、、、っはぁ、部屋戻んわ。」

相良さんは真下さんの意見に残念そうに眉を下げ牛舎の方へ姿を消すと同時に3人は俺達の側に駆け寄ってくれる。

 

「すみません、ご迷惑を」

「悟史君が無事ならいい、丈雄君、偉いぞ、ありがとうな。」

「うん、、、ちょっと怖かった、相良さんと喧嘩しちゃったから後で謝らないと。」

相良さんの方も心配する丈雄くんは耳を垂れ下げ落ち込むがそれを落ち着かせる様に真下さんは丈雄君の頭を撫で良くやったと背中を軽く叩く。

 

「取り敢えず悟史さんを安静な場所に移しましょうか。」

「そうですね、秋茂君、丈雄君を頼む。」

「はい。」

陽久さんの提案で俺達は俺の自宅のリビングに移動する事にした、そして先程あった事をむぎわら君含めて皆んなに報告する。

 

「あー、んー、まぁ、最悪の最悪の最悪のそのまた最悪のケースなら有りえるけど、、、なんか、隕石とか破滅予言とか、、、そんな奴を心配してる感じに近いよねぇ。」

「少し話をした分には?」

 

人型牛には体内にチップが埋め込まれていて、常に管理監視されているので俺の仕事用タブレットには先程の相良さんとの会話が文字となって纏まっていた。

 

俺含めて相変わらずプライバシー無いなぁ。

 

「豪胆な方だったが、気さくで仲間想いの御仁だと思っていた、、、此れは俺達人型牛に対してと言う事か。」

真下さんは眉間の皺を深くしてタブレットを眺める。

「まさかそこまで人への嫌悪があったとは、、、困りましたな。」

「俺、悟史さんは怖くないけど、変わりで違う人が来たら、怖いです、かね?」

陽久さんは腕を組み悩み、ソファーで息も絶え絶えに丈雄君に膝枕をされ休憩している俺を眺めている秋茂君は困った様に首を傾げている。

 

「うんと、相良さんは人が嫌いで、人である悟史さんも嫌いって事?」

「そう、とも言えるが、個体で見ている感じでは無いな、兎に角、人と言う存在が怖くて憎い、そんな感じに受け取れる。」

「そっか、怖いんだ。」

丈雄君は耳を垂れ下げしょんぼりしながら何かを考える様に俺の頭を撫でる。

「むぎわら君、相良さんの家畜歴は簡素だったけど、前から兆候はあった?」

「ん?100年越えの人だからなぁ、古すぎると差もあり何、見たいな歴史に生きてる人だよ、ここ最近は穏やかでニコニコ過ごしている感じだったかな、前の牧場は仲間の世話役をしていて穏やかに暮らしていたし、人との関係も友好的との報告だね、まぁ、虚偽が無ければ?」

相良さんは此処に来る必要は無いのでは?と首を傾げたくなる程平穏に暮らしていた様だった、むぎわら君曰く相良さんの大柄な体型が人型雌牛のストレスになるらしくここ最近は配置場所に困っていたらしい。

 

「大きいってカッコいいのにね。」

「そう、だね。」

確かに大きいはカッコいい、けれど先程圧を掛けられ逃げ場の無い状態で詰問されている時は壊されるんでは無いかと恐怖を感じた、大きいは強く、圧倒的だ。

 

「相良さんとの話し合いは俺中心で、悟史君と2人きりになったら警戒する事、先ずはそれで様子を見るか、むぎわら君早めに報告を頼む。」

「はいはい、相良さんと悟史君が2人っきりになったら要警戒ね、新しく登録しておくから真下さんに様子を知らせればいい?」

「それで頼む。」

真下さんは頷き、そして陽久さんの方を見る。

「何処で誠華君の様子はどうでしょうか?」

「大人しく今日も1人で刺繍をしております。」

「そうですか。」

 

「華ちゃん元気無いから心配なんだけど俺何か出来る事無いかな?」

丈雄君は誠華君の事が心配な様で陽久さんに声を掛ける。

 

「そうですね、少し時間を下さい、華は自分の気持ちを隠す子です、私が話しかけた方が1番早く解決するでしょう。」

「陽久さんよろしくお願いします。」

真下さんもこれは陽久さんが適役と判断して頭を下げ、陽久さんもわかりましたと頷く。

 

 

話し合いもそこそこに終わり、真下さんは相良さんの確認へ、陽久さんは誠華君の確認へ牛舎に戻り、秋茂君は丈雄君の勉強道具も含めて持って来て俺の自宅で勉強している。

 

丈雄君は、有難い事に側に居てくれているが先程の事を思い出して少しイライラしている様で耳がそわそわと上下に動いている。

 

「悟史さんとうへんぼくって何?」

「え?あぁ、気が利かない人?なんだろう、使い物にならない人って言うか、役立たず、みたいな感じかな?」

何となく分かっているけどいざ説明すると合っているのか不安になる様な余り使わない単語だ。

 

「悟史さんに役立たずって相良さんは言ったんだ。」

丈雄君は唐変木の意味が分かり、分かり易く頬を膨らませ耳を上げ毛を立たせている。

「まぁ、実際まだまだな所はあるし、もっと色んな関わり方が出来ればいいかなぁとあれこれ考えるのに見守る事優先になって関わり合いとして積極性に欠けるかも?」

 

自分で言ってて己の足らなさに情け無く乾いた笑いが出てしまう、皆んな自主的に行動出来るいい子達ばかりで、そして信頼できる頼もしい真下さんが居るからこそ俺は焦らず成長の方に目を向けられていたんだと思う。

 

「そんな事無い!悟史さんは俺たちの事ちゃんと見てるし!ちゃんとお仕事してるもん!!俺凄く腹が立ってきた。」

丈雄君はムカムカが止まらない様で俺の側に寝そべり俺に抱きつき胸元にグリグリと頬擦りをして服をたくし上げる。

「赤くなってる、まだ痛い?」

「まぁ、ヒリヒリするけど、直ぐに治るよ。」

「じゃぁ腫れてない方にする。」

そう言って丈雄君は相良さんに真っ赤にされた乳首とは反対の乳首に口を付けて俺の胸を吸い始めた。

 

「丈雄君?」

どう言う事?

「ぶぅ。」

「あぁ、はい。」

 

丈雄君が不満そうな声を出したのでご機嫌を直そうとチュウチュウ右胸を吸われながら取り敢えず丈雄君の頭を撫でておく。

 

丈雄君、ストレスが上限極まった時の甘えが暴走するとこんな事になるんだナァ、初めて知った。

 

勉強道具を持って戻ってきた秋茂君も俺の様子を見に戻って来た真下さんもこの状況には驚いていたし、まぁ丈雄君ならするだろうと言う空気で2人共直ぐに冷静さを取り戻して各々の俺の家で行動を取り始めた。

 

「あ、丈雄君その吸い方立つから、駄目。」

「むぅ、こう?」

「、、、うん、それならいいかな。」

いいんだけど、俺君らみたいにおっぱい出ないけど?丈雄君に一応聞いてみるも丈雄君はそれで良いらしい、何だっけ、幼児退行だっけ?

 

「稀に人型雄牛も育児を手伝うからな、丈雄ももしかしたら赤ん坊の時に雄牛のおっぱいを吸っていたかも知れない。」

相良さんの確認を軽く終えた真下さんは俺の為にお茶を淹れてくれて台所から戻って来る。

「なるほど、そうですよね、授乳は男性女性どちらも可能なんですよね。」

人型雄牛、雌牛の乳は何方も成分は変わらない、人間が飲むのでは無く子を育てる為の乳、雄牛が育児にそんな形で参加していてもおかしくは無いだろう。

 

真下さんは前の牧場で人型牛の世話をして来た訳だけど、授乳とかした経験あるのかな、、、。

 

羨ま、、、いや、既に御相伴にあずかっているな、大人気ない考えはやめよう。

 

「赤ん坊の時の記憶って無いです。」

「皆んなそうじゃ無いかな?」

秋茂君の悩みに自分の記憶を辿りながら俺はそう答える。

「ぼんやりと有ったり、全く無かったりと様々かもな。」

「俺は何となく抱っこされてた記憶は有るよ、ふわふわあったかいの。」

「丈雄君は記憶あるんだね、真下さんは?」

「そうだな、、、ぼんやり過ぎてなんとも、抱きかかえられた記憶はあるかも知れん。」

 

真下さんは上を向きながら自分の記憶を探してそう答える、皆んなにも子牛の時代があったんだなぁ、俺は以前むぎわら君の会社で行われたイベントで見かけた可愛い子牛達を思い出す。

 

今も可愛いと思う事は多々あるが、此処にいる3人の子牛時代もきっと可愛かったに違いない。

 

「皆んな可愛かっただろうな。」

俺は胸元で甘えている丈雄君の頭を撫でながら3人の子牛時代を想像して癒されているといつの間にか相良さんのフェロモンで変調していた体調は戻り又それぞれ今日を過ごした。

 

 

「華、少しいいかい?」

「なんでしょう?」

「良かったら一緒に散歩に行かないか?」

「陽久様の望みであれば。」

お昼過ぎ、陽久は誠華を誘い森林浴の出来る山林の歩道をゆったり歩いていく。

 

「昔から自然の中にいたせいか、こう言った場所が落ち着いてしまうね。」

「はい。」

陽久は森に囲まれた前の住処でも良くこうやって沢山の人に囲まれながら散歩をしていた、此処に来てからほぼ1人で静かなこの場所を味わいながら歩き好きな時に足を止めのんびり過ごす、陽久は己の人生でその何方も経験出来る事が嬉しかった。

 

陽久は時折誠華の様子を見ながらも何も聞かず共に森の中を歩く、一緒に歩くだけで今は良いと分かってはいるが誠華の暗さに思わず陽久は口を開いてしまう。

 

「華」

「なんでしょうか?」

呼び掛けてしまったが陽久は何を話そうかと口籠もってしまう、陽久は誠華に何かを求める事はしたく無かった、もしそれをして仕舞えば陽久に忠実な誠華は自分を押し殺して陽久に従うだろう。

 

「怖い思いをさせてしまった、すまない。」

「、、、。」

誠華は驚くと同時に目を潤ませる。

 

「陽久の決断を私は否定致しません。」

 

努めて自分を押し殺し陽久を優先する誠華に陽久はありがとう、とはいえなかった、陽久は真面目で繊細な誠華に手を伸ばし壊れ物を扱う様に頬を撫でる。

 

「華、、、もう少し歩こうか。」

 

自分為に生きなくていい、そう言っても誠華の意志は陽久に仕える事を生き甲斐とし、それ以外他は無いとして軸を置いている、そんな子に自由に生きろと手を離しても彼の生き方は変わらないだろうし、益々生きづらさが出てしまうだろう、そう思うと陽久は言いたい言葉を呑み込んでしまう。

 

陽久はこの子に何が出来るだろか、何を返せるだろうかと悩みながら誠華と一緒に暫し森を歩いた。

 

 

「そんな拗ねた顔すんなよ。」

「次悟史さん虐めたら本当に相良さん嫌いになっちうからね。」

「わーった、わーった、んでそんなに人が良いかねえ。」

今日の反省会、未だ相良の前で眉を顰める丈雄を相良は大量の息を吐きながら渋々頷く。

 

「そもそもその気持ちは人型牛が人に反逆しない様に遺伝に組み込まれた物かも知れねぇんだぞ?」

「はんぎゃく、いでん?」

丈雄は相良に難しい言葉を言われて眉間の皺が取れ首を傾げる。

「人に悪さしねぇ様に体弄られてるって事だ、わかるか?」

丈雄は相良の言った事が何となくわかり頷くが、その意図はよく分からなかった。

「弄られてるの?」

「そうだ、お前らが角が無いのも遺伝子操作って言う弄られた証拠だ。」

 

相良は己の角を指差し盲目にも見える人間好きの丈雄に現実をわかって貰いたくて言葉を続ける。

 

「人ってのは我儘で命をおもちゃの様に使う残虐な生き物なんだよ。」

「悟史さんはそんな事しないもん。」

「だぁ、悟史以外が悪い奴だったらどうにもなんねぇだろうが。」

「俺の知ってる人は皆良い人だったもん、相良さんは悪い人なの?」

「だから人型牛と人は違うだろうが。」

「同じじゃ無いけど似てるもん。」

「だー。」

 

相良の考えと丈雄の考えは平行線でどうにも話が噛み合わない、その無駄な話し合いの中で達也がパソコンから顔を上げて口を開く。

 

「人間が人型牛を改良してるのは事実ですが、好きになるのは生物の本能的部分で類似する物ならその辺の生物なら当たり前に備わっている機能だと思いますよ。今の所この牧場では危険な事になっていませんしそこまで懐疑的に考えるの面倒じゃないですか?」

相良は賢い受け答えをする達也の方が丈雄より幾らか丸め込めそうだと、達也に向かって分かりやすく大げさに頷く。

「自然ならいいが、俺達は意図して改良されてる、それが正しいなんて可笑しいだろ?」

「まぁ、元々の始まりがそうですし、自然繁殖とは真逆で不自然では有りますね、けれどそれは赤子が保護を求める様に此方も生存本能として必要な物だと思いますよ。」

「お前さんドライだなぁ、お前も人に散々嫌な事されなかったか?人なんて高慢だよな?」

 

兎に角相良は大切な同胞に人と距離を置いて欲しかった、そして感情に訴える様に達也の方を見るが達也はチラリと丈雄を見て返答する。

 

「なんなら悟史さんより、丈雄に嫌な事されてますし、俺は悟史さんに保護されてる方が今の所最適解ですかね。」

 

丈雄は達也が丈雄に対して酷い事を言うも何故か嬉しそうに笑う、それは相良が来る前にお互いに気持ちを打つけ合い本音を知っているからだ。

 

「、、、秋茂は?人間嫌だよな?」

達也の予想外な反応にこの流れは拙いと数々の傷跡を背負いこの牧場に移された秋茂へトラウマを抱える秋茂なら自分の気持ちを理解して貰えるだろうと相良は秋茂へ話を振る。

「え?、、、悟史さんは弱いので、怖くないです、人は勿論怖いけど、俺大きい男性苦手で真下さんも陽久さんも怖いし、女子っぽい誠華君も時々びっくりして。」

 

秋茂は申し訳無さそうに耳を下げ背中を丸くする、秋茂は復讐心よりも何も無い事を望んでいる、そしてトラウマとして未だ反射的に男性らしい、女性らしい、は怖く体が緊張してしまう、皆んなそんな酷い事はしないと理解しているからこそ秋茂は申し訳なさそうに背中を丸めた。

 

「秋茂さんは秋茂さんで大丈夫!怖かったら俺が代わりに真下さんとかに聞いてくるから!」

丈雄は胸を張って任せろと自信満々だ。

 

「んだよ、お前ら、寂しいじゃねぇか。」

若い人型雄牛の3人は此処の牧場主にすっかり骨抜きにされている様で相良は眉を下げ大袈裟に溜息を吐く。

「相良さん寂しいの?」

「当たり前だろ?人なんていらねぇ、俺らだけで仲良くしてこうや。」

「人が入ると寂しいの?」

「そうじゃなくてなぁ。」

「こいつ馬鹿なんで理解させようとすると徒労に終わりますよ、説得するの諦めて他の手打って下さい。」

やはり相良と丈雄は話が噛み合わない、達也はパソコンから視線を上げずに頭の悪い会話は聞きたくないとバッサリ言い放つ。

 

「はぁ、キツイ言い方するねぇ。」

どうにもならない状況に相良は行き詰まりを感じ頬杖をつく。

「達也君ぐらい頭良くするにはもっと勉強しないと。」

「そうそう、宿題以外に自習でもしたらどうです?この前漢字かなり間違ってたんでしょ?」

「んぐっ、そう!俺自習する!」

相良が苦悩してる端では可愛らしい会話がなされ、丈雄は焦りながら勉強道具を取りに自室へ去ってしまう、会話も終わりかな?と静かになった空間で秋茂は読みかけの本を開く。

 

「んだよ、、、はぁ。」

相良も腕を組み押し黙り、今日はもうダメだろうと諦め不機嫌そうに自室へ戻った。

 

 

「相良さんの様子はどうでしょうか?」

「矢張り揺さぶっては来るな。」

「揺さぶって来る?」

夕食後の会議として俺は自宅に真下さんを招いて相良さんのその後の様子を聞く。

 

「人型牛の存在起源は人が創り出した事から始まるのは知っているだろう。」

俺は1番最初に知った人型牛の存在理由を思い出して頷く。

「だからこそ、相良さんは人型牛が人を好きであるのはそう創られたからだ、と主張している。」

「実際人懐っこい、は交配の項目にも上位に入ってますね。」

 

好みの性格、見た目を創り出す交配の研究はかなり進んでいてその分野の資料は相当の厚みが有る。

 

「だからこそ人を思う気持ちはまやかしで有り、人に縋る事により安心を得ると言う依存性が発揮されているんじゃ無いかと相良さんは訴えている。」

 

真下さん曰く、人に惹きつけられる気持ちは人が都合良く創り出した幻、本当は高慢で残虐なのが人、そう言って相良さんは人型牛と人との距離を取らせて依存を軽減し人型牛を救いたい様だった。

 

、、、正直その気持ちも分かってしまう。

 

この世界に来てから学んだ人型牛の歴史、そしてそれに伴う事件の数々、今現状の問題、人同士でさえトラブルが有るその環境下で愛玩用として生まれた存在は何処までも雑に扱われて来たかと言う記録でも有った。

 

それに伴い、本来の乳牛に付いての取り扱いについても色々考えさせられて俺自身落ち込む事も多くなっている。

 

知れば知るほど、相手の気持ちを考える、思い遣る、と言う事がどれだけ難しいか、それにどれだけの矛盾が孕んでいるのか、未だ俺も此れだと納得する様な答えを出せていない。

 

「すまない、悟史君はこの世界の住人では無かったし、1人に問題を押し付けるものでは無いともわかっているつもりだ。」

「はい。」

 

真下さんもその複雑さを理解しているのか俺を気遣う言葉を掛けてくれる。

 

「それでも、、、俺は確かに悟史君に依存している気がする。」

「そう、ですかね?」

 

そうかも?と思いつつも、過剰な感じは、、、する様なしない様な、俺は今迄の真下さんを思い出してどう言葉を掛けてあげれば良いか分からず困惑してしまう。

 

「つい、俺が悟史君の1番であって欲しいと、1番頼りになる雄牛でいさせて欲しいと、その言葉が欲しいと図々しくも甘えて来た自覚はある。」

「、、、。」

俺は素直に心の中でそうですね、と言うってしまうがこれを声に出して良いものか悩んでしまう。

 

そう、確かに真下さんは寂しがり屋で、前の牧場の事もあり捨てられるのが怖い、頼りにされたいと言う気持ちを抱えている人だ。

 

「でも、俺も、、、否定されるのは、怖いですし、俺、皆んなの優しさに救われてますし、、、う"ん、えっと、、、それは俺だって同じですよ。」

俺がここ以外で生きたらどうなるか、散々人との繋がりを諦め、離れる牛達に毎回絶望を感じ、俺がこの仕事に出会わなくて実家で酪農家をする人生、はっきり言って嫌すぎる。

 

「俺、此処が好きで、居場所だって思ってます、俺、この安心をくれた皆んなに何か返せる様に頑張りたい、です。」

真下さんは俺の方を見て、俺も真下さんの方を見る、2人黙ったまま暫く見つめ合い情け無くふにゃりと笑ってしまう、そして緊張が解けるとまた言葉が自然と生まれる。

 

「俺、嬉しいんです、真下さんが俺に気持ちを向けてくれるのが、俺を見てくれるのが、俺だって誰かに気づいて欲しい、否定しないで欲しいと思う寂しがり屋なんですよ。」

 

人だって、人型牛だって、生まれた時から親が居なければ生きていけない、寂しさとは生きる為の根っこの様なもので俺達はそれを抱えて誰かを求めて、誰かを満たしたいのかも知れない。

 

「俺達同じですね。」

 

そう笑う俺に真下さんの暖かな手が重なり、お互い自然と身を寄せ合う、真下さんの暖かさが心地よい、俺が心満たされる様に真下さんも寂しい気持ちが埋まってくれたら良いなと俺は思う。

 

 

「どうもー、定期セキュリティ点検のむぎわら君でーす。」

「久しぶりむぎわら君。」

よく聞いているむぎわら君の緩々な声に安心しながら俺達は自宅のワープゲートで挨拶を交わす。

「久しぶりだね、悟史君は、やつれてる?」

「まぁ、大丈夫。」

俺はそう言われて自分の顔を触る、確かに大変な事もあったけれどこれと言って思い付くものは無い。

 

今回むぎわら君は点検だけでなく、相良さんの件もあり直接現場確認の為に派遣されて来た、矢張り今回の相良さんの件は俺1人では対応が難しいと判断された様だ。

 

「なら、良いけど、ほい、これ上げる。」

青い猫型ロボットが道具を取り出す時の効果を歌いながらむぎわら君は薬を取り出す。

「人型牛フェロモン耐性薬〜、これを1つ飲む事によって人型牛のフェロモンに反応し難くなりまーす、飲むタイミングは朝夕一錠です、よろしく。」

「ありがとう、これ副作用ある?」

俺は有り難くむぎわら君が差し出した薬を受け取り副作用について確認する。

 

「そうだね、少し眠くなるかなぁ、あと人によってはお腹が緩くなるそうです、運転には気をつけて。」

「わかった、気をつけるね。」

俺は早速薬を取り出して一粒飲み込み、むぎわら君と共に外へ出る。

 

「あ!むぎわら君だ!!」

「どもー、むぎわら君だよー。」

丈雄君は久しぶりのむぎわら君に嬉しそうに駆けつけて来て世間話を少しする。

 

「司君から聞いてるよ、勉強頑張ってるんだってね、そんな良い子にはこれを上げよう。」

そう言ってむぎわら君は道具鞄から懐かしいピロピロ笛を取り出す。

 

なんで?

 

俺が戸惑っている間にも丈雄君は目をキラキラさせてむぎわら君にお礼を言って使い方を教えてもらう。

「わーっ!面白いっ!むぎわら君ありがとう!秋茂さん達に見せてくる!」

「ん?なら10本入りで買ったから袋事持って行って。」

丈雄君は益々元気に輝いてむぎわら君にお礼を言ってピロピロ笛の入った袋を受け取って颯爽と皆んなに所へ戻って行く。

 

「元気があって宜しい!」

むぎわら君は腕を組み堂々と頷く。

「、、、何でピロピロ笛?」

「え?ただの思い付き?時々遊びたくならない、ピロピロ笛。」

「そう思った事無いなぁ」

「悟史君、何事も隙間は必要なんだよ、君は色々1人で抱え過ぎ、緊張し過ぎ。」

思い当たる節があり過ぎて、むぎわら君の言葉にドキリとしてしまう。

「そう見える?」

むぎわら君の方を見るとあっさり頷かれ俺は下唇を噛む。

「まぁ、だからこそ採用されたのも有るよ。」

むぎわら君はニコリと笑って3本飛び出すピロピロ笛を俺の方に向けて吹く。

「後で丈雄君に見せなよ、喜ぶよ。」

「そうだね、ほら、奥の手は最後に見せるべきじゃない?」

三又ピロピロ笛が奥の手?俺がむぎわら君に呆れ気味な目線を送るも、むぎわら君はニコニコ余裕そうで、早速セキュリティ整備に行くと俺に手を軽く振り1人ザクザク目的地へ歩き出す。

 

突拍子も無い事もするが何時も頼りにしているむぎわら君が側に居るだけで少しホッとしてしまう自分が居た、今頃牛舎の皆んなはピロピロ笛で楽しんでいるだろうから邪魔は出来ない。

 

「畑見たら備品確認するかな。」

俺も俺で作業に取り掛かる為に一歩踏み出し今日を始める。

 

 

「司先生は人と人型牛は分かれた方がいいと思う?」

「ん?俺はそう思わないかなぁ。」

司は小テストの採点で丸を付けていると丈雄に質問され顔を上げて答える。

「どうしてそう思ったの?」

「相良さんが人が怖くて、仲間を守りたいと思っているから?」

「あぁ、相良さんか、成る程。」

司も鈴木から事の顛末は聞いていたので丈雄の話に直ぐに頷く、司から見ても相良は愛想良く元気な方だと思った、仲間に対してはとても良い人なのだろう。

「俺は人が勤める会社で働いているし、色んな人を見て来たけど、俺はこの仕事辞めたく無いかなぁ。」

 

人の社会で唯一と言っていいビジネス牛、司は様々な人と関わって来た、悪意ある者、同情する者、ただの興味本位な者、真面目に淡々と仕事をする者、バランス働く者、良い人悪い人、様々な人と会って来た、だからこそ司の言葉は丈雄に響く。

 

「色んな人がいるよ、その中で君達を俺を大切にしてくれる人が居て、今も色んな人が俺達人型牛を支えてくれているんだ。」

司は最前線でその光景を見て来た、世界の非常さに儘ならぬ悔しさに泣く者、挑戦し続ける者、人型牛を心底愛する者、人の光も多く見て来た、そして自分も挑戦する仲間の1人である事に司は自信を持っていた。

 

「うん、色んな人が居て、俺達を大切にしてくれる人もいっぱいいるんだよね。」

丈雄はホッとした様に目を細め笑う、その可愛さに思わず司は丈雄の頭を撫でる。

「そうだよ、そして勉強をしっかりすれば丈雄君も直接それを見れる機会が来るかも知れないので、勉強頑張りましょう。」

司は採点の終わった小テストを丈雄に差し出し間違っていた所を復習させ、秋茂の方を見る。

「秋茂君は大丈夫そう?」

「書いても書いても覚えられない場合どうすれば良いですかね?」

「あー、うーん、俺の覚え方だと、インプット、アウトプットを繰り返す、かな?」

そう言って司は紙を折り端に漢字を書いて隣に読みを書く。

「で、端を折って見えなくして、漢字を書く、採点して、読みを書いてまた折って、数回したら開いて確認。」

「ありがとうございます、やってみます。」

「うん、俺はこれで試験を切り抜けたから、多分頭に入るはず。」

「試験?」

「主にパソコン系の資格を取る試験を受けて来たよ、有ると色々便利でねぇ、後は真下さんと一緒に取った車の免許とか?」

「車!司先生ってやっぱり凄い人なんだね!」

「いやぁ、それ程でも。」

丈雄は司に尊敬の眼差しを向け、それに満更でも無い司は嬉しそうに耳を下げ微笑む。

 

「いい先生してるねぇ。」

「あ、鈴木さんお疲れ様です。」

勉強が会談になり掛けた所で真下に案内されて牛舎へお邪魔しているむぎわら君が3人に軽く挨拶してそのまま牛舎の警報器の側に行きシステムを確認する。

 

「真下さん、カメラどう?違和感とか気になる所無い?」

「死角は無いと思うし、ノイズなども無く綺麗だな。」

「そう?ならこのままでいいか、設定変更は会社でも出来るし、そう言えばまだ半年も経ってないから綺麗っちゃ綺麗だよねぇ。」

真下は半年経っていないと言う事にそう言えば、と口に手を当て考える。

 

「半年経っていないのか。」

「経ってないんですよ、なのに流石と言うか色々ありすぎて、、、まぁそれも悟史君が相手の懐に入るのが上手と言うか、好かれ易いと言うか、そのおかげで解決も早いんだけど、なんかねぇ、そのせいで時の流れが早く感じるんだよね。」

本当希少種ですわ〜とむぎわら君は呟きチェックしていた機械からコードを抜き片付け作業をする。

 

「確かに、好かれやすいな。」

「ね、多分他の人じゃあそこまで警戒心無くすの無理よ、だから相良さんも案外早いんじゃ無い?」

「そうだといいんだが。」

真下が悟史の身を案じて憂いていると相良が2人の側にやって来る。

 

「んだあ?新しい人間か?」

「どうもー、何時もお世話になってます、24時間サポートむぎわら君ですー、今日はセキュリティの定期検査に来ました、一泊二日予定です、よろしくお願いしまーす。」

「ほぅ、あんた悟史より上の立場の人だな?」

「そうですね、会社としては僕の方が責任ありますねぇ。」

相良は品定めする様にむぎわら君へ近寄るがむぎわら君はいつ通りニコニコと愛想良く笑い自己紹介と此処に居る説明をする。

 

「ふーん、であんたは誰に興味があるんだ?」

「はぁ、すみません、僕彼女一筋なんで興味無いですねぇ。」

「へぇ、彼女持ちか、まぁ閉鎖された此処なら誰とやってもバレねぇな。」

「はぁっ!?こっちは2日彼女から離れて1日寝顔見過ごすのに耐えきれないからお願い倒していっぱいバブバブチャージして来た身ですけど!?既に帰りたいですけど!?」

穏やかだったむぎわら君は相良にブキギレ如何に自分の彼女が可愛いか至高か語り出し、真下に宥められ、相良は奇妙な生き物を見る顔でむぎわら君と距離を取る。

 

「もう二度とそう言う事言わないで頂きたい。」

「悪かったよ。」

真下は相良が謝る姿に驚き、その間にも相良は邪魔したな、と言ってその場を離れてしまう。

 

「むぎわら君は凄いな。」

「ん?違うよ、彼女が素晴らしいんだよ?」

当たり前の様にそう言うむぎわら君に真下は尊敬にも近い気持ちで微笑む。

 

「所でバブバブチャージってのはなんだ?」

「詳細は省くけどいっぱい甘えて来たって事だよ、人は大人になっても思いっきり甘える事が必要なんだよ、その経験が有るからこそ俺は働けてるの、真下さんだって心の支えがあるとエネルギーの出方が違うでしょ?」

「まぁ、そう、だな?」

「自分で自分を理解し受け止められれば外の価値観に揺らがないで済むし、それはそれで良いんだろうけど、僕は彼女の側が幸せだし、満たされているからやっぱり彼女が至光なんですよねぇ。」

 

人は、人が居ないと己を見る事すら出来ないんだよ、と深そうな事を言うむぎわら君に、矢張り人も人型牛もそんなに変わりは無いのだろうと真下は改めて思う。

 

「帰ったらむぎわら君の時間を使わせて貰ってありがとうと彼女さんに伝えて下さい。」

「彼女なら軽くいいよーって言うよ、そこが可愛い、好き。」

うんうん嬉しそうに頷くむぎわら君は直ぐに思い出した様に顔を上げて今日の夕飯について真下と話す、その頼もしさに前から助けられていたなと真下は思い出す。

「人の料理をもう少し学びたいんだ、手伝わせてくれないか?」

「いいよ、今日はお好み焼きのソースの香りで悟史君に飯テロをしよう。」

むぎわら君は悪戯をする顔でニヤリと笑い、真下はお手柔らかにと苦笑いを溢した。




相良さん後編は溜まり次第更新しまーす。

悟史君がんばれ〜。
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