※この作品はR-18です。

金剛心輝シャイニングディオーネ~世界一面倒くさい魔王とヒロインの純愛(?)凌辱バトル~   作:johnny内藤

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第18話-2

 

 ◆

 

「ハッ! ハァッ! ハァアアァァァァァッッ!!」

「くっ……ぅぐっ!?」

 

 とある廃工場の上空で繰り広げられる、熾烈なぶつかり合い。

 

 ダークアメジスティアの気合と共に放たれる連続攻撃を前に、シャイニングディオーネは先ほどから防戦一方だ。

 

「墜ちろッ! 人間がぁぁぁッ!」

 

 ――ッガギィイィィィィィンッッ!!

 

「ぁっ……くぅぅっ!?」

 

 大上段から振り下ろされた槍の一撃を、細身の刀身で辛うじて受け止めたディオーネ。

 

 しかし勢いすべてを殺しきることができず、空中で回転しながら数十メートルも弾き飛ばされてしまった。

 

「やるね、叔母さん。さすがは修行帰り……ってところかな?」

「ハッ! 勿体なきお言葉、身に余る光栄です!」

 

 二人の戦いを傍で見守っていた魔王が、茶化した調子で褒めたたえた。

 

 愛しい主君からの賛辞に、アメジスティアも最上の歓びを胸に抱いて応える。

 

 しかしその目は油断なく宿敵を捉えたまま、一切の油断も感じさせないものだった。

 

 ――実際、この日のアメジスティアの攻勢は凄まじいものがあった。

 

 容赦なく建物を破壊し、それを阻止すべく駆け付けた正義のヒロインに対しては、以前よりも格段にレベルアップした猛ラッシュで迎え撃つ。

 

 これも修行の成果……と魔王は思っているようだが、実際はそれだけではない。

 

 アメジスティアは同族たちを納得させるための結(・)果(・)を示すべく、命がけで今回の戦いに臨んでいるのだ。

 

(要は、ヤツさえ倒してしまえばいいのだろう? そうすれば、誰にも文句は言わせない――魔王様は……曜は、この私がお護りするのだッ!)

 

 秘めたる決意を燃やして、実力以上の力を発揮するアメジスティア。

 

 しかし焦りゆえか振りが大きくなり、その隙を突かれてディオーネに反撃を許してしまう。

 

 ――ブンッ!

 

「……チぃッ!?」

「そこですっ! はぁぁあああああっっ!!」

 

 振り下ろしを紙一重でかわしたディオーネが、カッティングブレードを腰だめに構えて突撃する。

 

「……ッ!? しま――」

 

 渾身の力を込めて突き出された切っ先が、まっすぐにアメジスティアの胴体に吸いこまれていく――と二人が思った、その時。

 

 ――バチバチバチッ!!

 

「……な……っっ!?」

 

 二人の間に火花のような閃光が散り、ディオーネが目を丸くした。

 

 輝く刀身が突き立てられたのは、アメジスティアの無防備なみぞおち……ではなく、突如としてそこに現れた、小さいながらも厚みのある、半透明の黒い膜のようなものだった。

 

「こ、これっ……黒河く――っ!?」

 

 そう。それは魔王である黒河曜の得意武器である、堅牢な障壁。

 

 ディオーネの剣がアメジスティアの肌に届く刹那……彼は闇のエナジーを精密にコントロールし、的確な位置にそ(・)れ(・)を出現させて配下の身を護ったのだ。

 

 ――バチバチバチバチバチッッ!!

 

 反発し合うエナジーが生み出す激しい光と衝撃に、ディオーネは目をくらませた。

 

 それは時間にして一秒にも満たない程度の出来事だったが……アメジスティアが体勢を立て直すには充分すぎるほどの隙だった。

 

 アメジスティアはブラッタースピアの穂先をディオーネに向けると、そこへ最大出力のエナジーを流し込み……。

 

「アメジストエクスキューション!!」

「――っ!? きゃぁあああああああああああっ!!」

 

 シャイニングディオーネの身体を飲み込み、空を貫く漆黒の光。

 

 至近距離から大技を撃ち込まれたディオーネは、猛烈な勢いで工場の敷地内に墜落し、コンクリートの地面に叩きつけられた。

 

「――ア゛ぅっ!? げほっ、げほっ!! ぅくっ……うぅ゛ぅぅぅ……っ!」

 

 ギシギシと軋む肋骨を押し広げ、やっとのことでか(・)細(・)い(・)呼気を絞り出す。

 

 辛うじて命は拾ったものの、身体中のあらゆる関節や筋肉が悲鳴を上げ、もはやこれ以上の戦いを続けることは不可能だ。

 

 地面との摩擦によってボロボロに擦り切れてしまったコスチュームが、彼女が受けたダメージの深刻さを物語っている。

 

 立ち上がることはおろか、指一本動かせそうにないディオーネ――そんな彼女の目の前に、魔王とアメジスティアが静かに降り立った。

 

「……どうだった? 教わった通りにやらせてもらったけど……水を出す穴を、ギュッと小さくするイメージってヤツ」

「はぁ、はぁっ……や、やられました……くすっ。特訓なんか、つけてあげるんじゃなかったです」

 

 淡々と告げる魔王に、苦痛に顔を歪ませながら答えたディオーネ。

 

 しかしその声色はどこか晴れやかで、咄嗟にアメジスティアを護った彼の機転を称えているようですらあった。

 

 ――が、そんな光景を目の当たりにしたアメジスティアは、心中穏やかではない。

 

(わ、私が修行に行っている間、二人にいったい何が……?)

 

 多くは語らずとも、まるで仮面越しの視線で通じ合っているかのような二人のやり取り。

 

 ……まるで自分だけが蚊帳の外にいるような気分だ。

 

 いままで味わったことのない疎外感を覚え、アメジスティアの心にチクリと棘のようなものが刺さる。

 

「よ……ッ。魔王様、そろそろ」

「ああ、そうだったね」

 

 そんな焦りを吹き飛ばすように、アメジスティアが配下としてわきまえた口調で、例(・)の(・)儀(・)式(・)を始めるよう魔王を促した。

 

 アメジスティアの気持ちに気づく素振りも見せず、魔王もそれに頷く。

 

「きょ、今日は何をする……つもりなんですか……?」

「別に、いつもと変わらないさ。……ああ、でも。特(・)訓(・)に(・)付(・)き(・)合(・)っ(・)て(・)も(・)ら(・)っ(・)た(・)お(・)礼(・)くらいにはなる……かな?」

 

 ディオーネの問いかけに、意味深に答える魔王。

 

 そして合図を受けたアメジスティアによって、三人は影の空間にその身を沈めていく――




※
今回の投稿で、ノクターンノベルズで
マルチ投稿中のものに追い付いたため、
次回以降はあちらと同じタイミングでの
更新になります。
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