金剛心輝シャイニングディオーネ~世界一面倒くさい魔王とヒロインの純愛(?)凌辱バトル~ 作:johnny内藤
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隣県との境に位置する、寂れかけた工業地帯。
そこに側近を率いた魔王が現れたという情報を入手したシャイニングディオーネ――そしてそんな彼女に随伴する形で、ブラックディオーネが共に現場へと急行していた。
「目的地までは、あと一分といったところかしら……。相手が曜くんだからって手を抜かないようにね、シャイニングディオーネ?」
「うん、わかってるよお母……じゃなかった。わかってます、ブラックディオーネ!」
釘を刺された娘が、隣を飛ぶ母に向かってかすかに頬を赤らめて言い返す。
「私のことより、そっちは問題なさそう? 気分とか、エナジーの調子とか。もしかしたらこの前みたいに、変身中にまた様子がおかしくなっちゃったりは――」
「ふふっ、心配いらないわ。この数日間、たっぷり休ませてもらったからね……今日はしっかりサポートしてあげるから、安心して見てなさい♪」
心配事を口にしたシャイニングディオーネに対し、母は頼もし気な笑顔でウィンクを投げた。
――ブラックディオーネの身に宿った、聖と闇のエナジー。
相反する二つの力は、奇跡的とも言えるバランスのもと、彼女に強大な力を与えている。
そのため無理な連続変身をするとエナジーの均衡が崩れ、精神面に異常をきたしてしまうブラックディオーネだが――今回は、以前の戦闘から二週間以上の間を空けての出撃だ。
二つのエナジーが充分に満たされている、万全の状態――
心も身体も活力に溢れた彼女は、勢いよく流れていく地上の景色を視界の端に感じながら、娘を置いていかんばかりの勢いでさらに速度を上げる。
――――
現場に近づくと、次第に凄惨な光景が見えてきた。
広範囲にわたっていくつもの建物が叩き潰され、いたるところから砂煙が上がっている。
化学物質を含んだ黒煙でないのは、ほとんどの工場が稼働停止状態だったからだろうか。
ともあれその蹂躙ぶりは――おそらく先日の純玲との会話で、気持ちを揺さぶられてのことだろう――魔王の鬱屈とした心情を表しているようだった。
反面、彼らがあまりに激しく暴れたためか、周辺に労働者や地域住民の気配は感じられない。
それもきっと意図的なもので、人々が一目散に逃げだすよう、わざと仕向けた違いない。
半ば八つ当たりとも思える破壊行為に及んだ思えば、他者を傷つけることを恐れているかのような徹底した人払い――
二律背反の矛盾した行動は、魔王の心に生じている
(よかった……これならまだ曜くんに、私たちの言葉は届くはず――!)
かつて味わった悲しい体験により、
――だが人間性は残っている。彼はまだ、後戻りできる。
凍てついて閉ざされてしまった彼の心を溶かすには、娘との触れ合いが不可欠だ。
この判断は決して間違っていないと、母として――そして少なからず黒河曜の本心を覗いた者として、確信している。
本来であれば、時間をかけてゆっくりと……というのがベストだが、そうも言っていられない。
多少強引な手段を用いてでも魔王を無力化し、シャイニングディオーネによる浄化の儀式を経て、彼を闇のエナジーから解放する。
もし娘の力だけでは足りないようなら、自らの協力も惜しまない覚悟のブラックディオーネ。
荒療治になってしまうが、本当に必要なことならば、もう一度彼と
「――――っ!?」
瞬間。向かい風にたなびくミニスカートの中心に湿り気を感じ、ブラックディオーネは内ももをすり合わせた。
「……? ブラックディオーネ、どうかしたの?」
急にスピードを落とした母の様子が気になって、シャイニングディオーネが振り返る。
「う、ううん、なんでもないの」
そんな娘に、ブラックディオーネが作り笑顔で返した。
(も、もう、ダメねぇ。いまはそんな気分になってる場合じゃないのに……)
ブラックディオーネは己を律し、再び飛行速度を上げて娘に並ぶ。
――闇のエナジーが肥大化してバランスを崩している時は、本能の赴くまま淫蕩に耽るブラックディオーネ。
しかしそうでない時の彼女は、本来の人格であるしっかり者で貞淑な母親そのものだ。
そんな彼女ですら、思い出しただけで下腹部を熱くしてしまうほど苛烈だった、魔王による肉欲調教。
――彼を捕らえて儀式を行えば、もう一度アレを味わうことができる。
――今まで出会った
心の奥底に芽生えた淡い期待を自覚しながらも、見て見ぬふりで蓋をして――ブラックディオーネは娘と共に、魔王の捜索を続ける。
――――
崩れゆく鉄骨が奏でる、幾重にも重なった轟音。
その中心である場所の上空に、魔王は佇んでいた。
「見つけましたっ、黒河く……ま、魔王オブジディア!」
先に気づいて声を上げたのは、シャイニングディオーネだった。
ブラックディオーネも娘に続き、彼と対峙する。
「――なんだ、今日は授業参観か? わざわざ母娘で連れ立って……ご苦労なことで」
仮面の下でやれやれとため息をつくような素振りを見せつつ、ポツリと魔王が漏らした。
「あら、ご苦労なのはそっちじゃない?」
そんな皮肉交じりの挨拶に、ブラックディオーネが肩をすくめながら言い放つ。
「人殺しがしたいのなら、もっと賑やかな街のほうでやればいいのに……。わざわざこんな
「………………」
「え? えっ? あ、あの……お母さん? 黒河、くん……?」
二人の間に流れ始めた剣呑とした空気に戸惑うあまり、シャイニングディオーネの口調が
――いまの物言いは、ブラックディオーネなりの挑発だ。
魔王の本音をさらに探るため……あわよくば心を乱して集中力を奪うために仕掛けてみた、姑息と承知した上での小細工。
だが魔王はそんな挑発に動じることなく、普段通りの淡々とした口調で皮肉を重ねた。
「ああ、たしかにな。そういうの、本当だったら小学生までで卒業しておくべきなんだろうけど……あいにくそれを教えてくれる両親は、もうこの世にいないもんで」
「ふぅん、そう。だったら亡くなった親御さんの代わりに、私があなたを躾け直してあげようかしら――」
黒河曜と姫菱純玲の事情を知る者の間では、暗黙の了解として
それをずけずけと口にし合いながら、魔王とブラックディオーネはそれぞれの身体の中で、静かにエナジーを燃やし始める。
一見すると、極めて冷静なように映る二人。
だが周囲の空気がグニャリと歪んで見えるほどの圧迫感……そして緊張感が、彼らを発信源として急速に広がっていく――
「も……もうっ! お母さんも黒河くんも、ちょっと落ち着いて――」
オロオロしながらも、シャイニングディオーネが気丈にも二人の間に割って入ろうとした……その時だった。
――ドオオォォォォォォンッ!!
「…………はっ!?」
工場の屋根を突き破り、突如として地上から空に向かって放たれた黒い光の束。
ディオーネは超人的な反射神経で身をひるがえし、自らを狙い撃ちにした攻撃を間一髪ところで避けた。
「フハハハハッ! 待っていたぞシャイニングディオーネ……貴様の相手はこの私だ!」
「くっ……アメジスティア!」
倒壊する工場の中から飛び出してきたのは、ダークアメジスティアだ。
魔王の命を受け、立ち並ぶ工場を破壊するのに使っていたのだろう――得物であるブラッタースピアを携えて、ディオーネ目掛けてまっすぐ突撃してくる。
「いいわ。
「う、うん。わかった、おか……ブラックディオーネ!」
先ほどのやり取りを見て、本当に魔王のことを母に任せていいのだろうか……と、一瞬不安げな表情を見せたシャイニングディオーネ。
――だが、いまは議論や詮索などしている場合ではない。
そう考えたのかすぐに表情を引き締め、母の言葉を聞き入れてアメジスティアを迎え撃つ。
「さて、と――ということで、あなたのお相手は私ということね」
すぐ隣で始まった娘と宿敵のぶつかり合いをよそに、ブラックディオーネが魔王へと向き直った。
「悪いけど、今日は手加減できないわよ? 必ずあなたを連れていくためにも、全力で叩きのめしてあげるから……前までの私と同じだと思っていたら、
「……いやな
不敵な笑みを浮かべるブラックディオーネの言葉に、げんなりした口調で肩を落とす魔王。
ともあれ、それを闘いのゴングとし、ブラックディオーネが一気に距離を詰めて先制攻撃を仕掛けた。