金剛心輝シャイニングディオーネ~世界一面倒くさい魔王とヒロインの純愛(?)凌辱バトル~ 作:johnny内藤
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「これでトドメです! シャイぃぃン……ブラスタぁぁーーーーっっ!!」
「ギシャアアァアアァァァァァァァッ!?」
――シャインブラスター。
それは手の甲に備えたクリスタルから放たれる、聖なるエナジーを束ねた熱光線。シャイニングディオーネの必殺技だ。
数十分にわたる激闘の末に、人の身体に蛇の頭部を持った魔物――街のあらゆる場所に火を放った怪人――は
「はぁ、はぁっ……こほんっ。悪は絶対許しません……シャイニングディオーネの勝利です!」
美しく輝く金色の長髪……それにプリーツが入ったスカートを風にたなびかせ、正義のヒロインが勝ち名乗りを上げる。戦いの行く末を見守っていた群衆は、それを聞いて彼女に喝采を送った。
人々からの声援に応えるように、美少女ヒロインは端正な顔を柔和にほころばせる。
それだけではない。
内側から弾けんばかりの生命力を秘めた、エネルギッシュな肢体。
まだどこかにあどけなさを残した童顔に不釣り合いな、大きく実ったバスト。
そのどれもが人々の目には魅力的に映り、彼女をヒロインたらしめている。
シャイニングディオーネこそ、長きにわたって侵攻を続ける魔物から人類を守る最後の希望。
多くの市民から圧倒的な支持を受ける、正義のヒロインの完成形だ。
――と。
「…………えっ?」
トプン、とどこからか水音が聞こえ、ディオーネは辺りを見回した。
すると倒れていた魔物の影が底なし沼のように波打って、その屍を飲み込んでいく……。
「――フフフッ。見事だシャイニングディオーネ。さすがは我らの怨敵……と、今日のところは負けを認めてやろう」
声は影の中から聞こえた。
姿を消した魔物に代わり、せり上がるように影から現れたのは――
「……っっ!? ダークアメジスティア……!!」
そう呼ばれたのは、人間とは違うと一目でわかる、紫色の肌をした妖艶な美女。真っ黒に艶めいた紐状のコスチュームで急所を隠した、魔界の住人だ。
同時に蛇の魔物の影に潜んで指令を下し、街を襲わせていた張本人でもある。
「なんだその顔は? 貴様の活躍で、たしかにこの街は守られたのだ……もっと嬉しそうな顔をしろ」
アメジスティアが挑発的に腕を組むと、露出度の高いボンテージのような衣装には到底収まりきらない爆乳が押し上げられ、ムニュリと形を変える。
淫魔である彼女のそんな仕草を近くで見たら、人間の男など一瞬で心奪われ虜になってしまうことだろう。
「クククッ……クフハハハハハ! そうだったな! これは失礼した……本当は街を守れてなどいないということは、他ならぬ貴様が一番よく知っているのだったな!」
「…………くっ!」
心をえぐる嘲笑に、ディオーネが表情を強張らせる。
「いくら聖なるエナジーを操る戦士と言えど、ひとりで全ての者を救うことなど不可能に等しい……守られなかった一握りの人間は、貴様に見捨てられたことを怨みながら死んでいく。貴様が無用に戦火を広げるばかりにな」
アメジスティアの言葉に、ディオーネは悔しそうに奥歯を噛み……しかし核心を突いた反論もできないまま、相手を睨み続ける。
アメジスティアの言うことにも一理ある。現にこの日も、魔物を仕留めそこなったばかりに何度も逃げられ、その間にも広範囲の建物に被害が及んでしまったのだから。
「それでもっ! ……それでも私は……自分にできる精一杯のことをするだけです!」
爪が食い込むほどに固く握った拳を震わせて、戦闘の構えを取るディオーネ。苦し紛れに口から出てきたのは、手垢にまみれた根性論だった。
明らかな敵意を自分に向けるディオーネの顔を見て、淫魔は黒いルージュで彩られた唇の端を
「拳を下ろせ、シャイニングディオーネ。今日は貴様の勝ちだと言っただろう? ……フフ。貴様が暴れてくれたおかげで、目的のものも充分すぎるほど集まったからな」
「……? どういう意味ですか」
「貴様が街に混乱をもたらすほど……人々を失望させればさせるほど、怨嗟の思いは闇のエナジーとなり、我らを満たしていく。魔王様復活への、この上ない供物だ」
「……魔王……」
「ではさらばだ、シャイニングディオーネ。次の街でも、せいぜい活躍してみせるんだな。我々魔族の手から人々を守る、
最後にひときわ邪悪な笑みを浮かべて、アメジスティアは自らの影に全身を沈めていった――
「………………」
構えていた拳を下ろしながらも……ディオーネは今日の勝利を喜ぶことができなかった。
彼女に届くのは、周囲からの人々から送られる温かな拍手や、賞賛の言葉――
そしてそれに交じって伝わってくる、戦いに巻き込まれて怪我をした人や、家族や仕事場を失った人たちの感情だ。
なぜ自分たちは助けてもらえなかったのか。どうして自分ばかりがこんな目に――
「…………っ!」
そんな物言わぬ者たちの視線から逃れるように、ディオーネもまたその場から飛び去った。
街に残されたのは、魔物に破壊され、あちこちから煙を上げる建物。
感謝の言葉を口にして、正義のヒロインに手を振りその姿を見送る大多数の市民。
そして癒えることのない傷を負った、ごく一部の人々だった。