金剛心輝シャイニングディオーネ~世界一面倒くさい魔王とヒロインの純愛(?)凌辱バトル~ 作:johnny内藤
◇
――朝の教室。
「………………」
姫菱陽花梨は授業を聞き流しながら、昨日の出来事を思い返していた。
魔王オブジディアこと黒河曜の前で何人もの男に犯され、なまめかしい声で喘ぎ、何度も絶頂してしまった――そんな自分の姿を、最初から最後まで余すことなく彼に見られてしまったのだ。
(うぅっ、恥ずかしい……よ、よりにもよって、黒河くんの前であんな……)
とは言え、男たちをけしかけたのは、他でもない曜なのだ。
以前までの彼は、性格はドライで口が悪く、反発心が強くやや社会性にかけていたものの、根っこには不器用な優しさを持っていた。
なのにいまは「陽花梨に人間の醜い部分を見せるため」と言って、彼女を徹底的に追い込み、他の男を使ったレイプも辞さないという非情の魔王と化してしまった。
曜からはいつも厄介者扱いされていたけど、二人の関係は決して悪いものではなかったはず……と、少なくとも陽花梨は信じている。
もうあの頃のような関係には戻れないのかな――陽花梨はそんな悲しみで胸を痛める。
(……黒河くん……)
チラリと曜の席をうかがうと、彼は授業などにはまったく興味がないようで、机に肘をついてうつらうつらと舟を漕いでいた。
つい昨日、あんなに壮絶な凌辱劇を繰り広げたとは思えないほど吞気な姿だ。
(黒河くん……私が大勢の男の人に乱暴されたこと、なんとも思ってくれないのかな……?)
そう思うと、ますます気分が重くなる。
……だが陽花梨の凌辱に関わった男たちの記憶を消し、彼女が無事地上に戻れるよう取り計らってくれたのも、また彼だ。
もしも曜の命令がなければ、シャイニングディオーネはあの時点でダークアメジスティアに殺されていたことだろう。
いったい彼は何を考えているのか……陽花梨は曜のことがますますわからなくなっていく。
「………………」
陽花梨は誰にも気づかれないようスカートのポケットを探り、ブローチを手に取った。
純白の輝きに満ちていた聖輝石の中に、墨汁を一滴、水に垂らしたような――ほんのわずかな黒い影のようなものが渦巻いていた。
これこそが、陽花梨が母に教えられた「闇のエナジーを直接注がれる」という行為がもたらした結果だろう。
まだ白い輝きが大部分を占めていて、陽花梨の身体や精神に影響を及ぼすような変化は感じられない。
しかし曜は、別れ際に「次はこうはいかない」と言っていた。
つまり今後も彼はシャイニングディオーネに戦いを仕掛けてきて、それに負ければ昨日のように
「…………っ」
近い未来に必ず訪れるであろう、絶対負けられない戦いに、陽花梨は悲痛な闘志を燃やす。
同時に、以前のような優しい彼に戻ってほしい……そんな祈りを込めて、ギュッとブローチを握ったのだった。
◆
――その日、俺はアメジスティアと共に、海にほど近い工業地帯を襲撃していた。
俺はまず、アメジスティアにできるだけ派手に暴れるよう命じた。
そうすれば人々は放っておいても避難を始め、建物への攻撃が楽になる。
その上で可能な限り音を立て、大げさに街を破壊する――それが
「――待ちなさいっ! ダークアメジスティア……それに、魔王オブジディア!」
……案の定。誘いに乗ったシャイニングディオーネが、破壊の現場に駆け付けた。
宙に浮きながら凛々しい顔つきで俺たちを睨み、いつでも戦闘に入れるよう油断なく構えている。
「よう、思ったより早かったな。先日のことでもう戦うのイヤになって、尻尾を撒いて逃げるかと思ってたけど……けっこう図太い性格だな」
「ず、図太いんじゃありません! これは、そう……正義の心です!」
俺が煽るように言うと、ディオーネはムキになったように顔を真っ赤にして、ポーズを決めた。
……あれはカッコイイつもりなんだろうか。
「私の心は、あんなことじゃ砕けません! 必ずこの街を救い……あなたの心も救ってみせます!」
そして正面から俺の顔を見据え、叫ぶ。
よくもまあ、あんなに恥ずかしいことを真顔で言えるな……と、俺が仮面の下で呆れていると――
「我が主を救うだと……? 思い上がるな、人間風情が!!」
無人の工場を破壊していたアメジスティアが、槍を携えてディオーネに突撃した。
「魔王様! ここは私にお任せを!」
「ああ、頼んだぞアメジスティア」
そして二人の戦士が、空の上でぶつかり合う……!
――ガキィィィインッ!! ギャリィン! ッギイィィィィン!!
槍と剣がぶつかり合い、両者の間に火花が散る。
俺はその様子を、少し離れた空中から眺めていた。
辺りには工場の破壊によって生じた
彼女たちはそれを巧みに避け、時に目くらましに利用し、熾烈な戦いを繰り広げる。
(叔母さん、俺が言った通り派手にやってくれたな……ちょっと張り切りすぎだけど)
そう思いながら、俺は何気なく煙の根元を目で追った。
――すると。
「…………ッッ!?」
もうもうと立ち昇る黒煙の発生源……もう使われなくなって廃墟と化した工場の真下に、二人の少年の姿があった。
廃工場の探検でもしていて逃げ遅れたのだろうか。彼らは恐怖で足がすくみ、その場から動けないようだ。
アメジスティアがダメージを与えた建物は、金属同士がこすれ合う不快な音を響かせて、今まさに崩れようとしている。
このままで彼らは下敷きに――
「――チィッ!!」
何が計算だ――と俺は自分の浅はかさを呪いながら、少年たちがいる地点目掛けて急降下を始めた。