金剛心輝シャイニングディオーネ~世界一面倒くさい魔王とヒロインの純愛(?)凌辱バトル~ 作:johnny内藤
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「………………」
夕食を終えた俺はベッドで仰向けになり、天井にかざした手のひらをぼんやりと眺めていた。
(昔っから、怪我をしてもすぐに治っちゃうんだよなぁ)
この不思議な体質のおかげで、俺は子供のころに起きた
「…………ッく……っ!?」
フラッシュバックのように脳裏に浮かぶのは、あの夜の光景だ。
瓦礫の隙間から見える朱い夜空に、苦しそうな妹の声……そして自分に背中を向けて飛び去った、正義のヒロインの後ろ姿――
「…………チッ」
幼少期に植え付けられた最悪の記憶を振り払うように、俺はわざと大げさに音を立てて身体を横にする。
すると普段は上着の下に隠しているネックレスが視界に入ってきた。
「案外、コレが効いてるのかな」
それは俺が子供のころから持っている、手作りのネックレスだ。
100均で売られているような簡素なチェーンにくくり付けられているのは、一点の曇りもない、無色透明のガラス玉のような石。
俺が産まれた時、いつの間にか
それ以来、俺はコイツを肌身離さず身に着けている。
傷の治りが妙に早いのも、実はこのお守りの御利益だったりして――
「……なワケないか」
我ながら痛い妄想をしてしまった。バカバカしくなった俺は、電気を消して目を閉じる。
ともかく理由はさっぱりわからないが……奇跡的に生き延びて英子叔母さんと出会えたのも、今日みたいな無茶をして人助けができるのも、このおかしな体質のおかげだ。
◆
――十年前。住んでいた街が大侵攻に巻き込まれ、家と家族を失った曜。
ただひとり生き残った子供に、世間の目は想像以上に冷たいものだった。
誰も家族を助けてくれなかった……ディオーネだけじゃなく、警察や消防隊員もみんなみんな――
いくら子供が訴えようと、大人は同情の目を向けはするものの、「辛いのはお前だけじゃない」と言って誰もまともに相手をしてくれない。
そのことで心を閉ざした――そうでなくても公務員はおろか、世間に支持される正義のヒロインを堂々と非難する曜を、親戚たちはまるで腫れ物にでも触るかのように扱った。
何年もの間、親類の家をたらい回しにされてきた曜。
中学に上がり、いよいよ人間不信に陥りかけていた彼を引き取ると申し出たのが、母の妹を名乗る藤村英子だった。
長い間外国で仕事をしていたという彼女は、曜のために今の街に移り住み、勤め先も変えたらしい。
そしてすべてに耳をふさいだ彼と向き合い、時間をかけて少しずつその心をほぐしていった。
――そんな英子に、曜は幼いながらに初めての感情を抱いていた。