金剛心輝シャイニングディオーネ~世界一面倒くさい魔王とヒロインの純愛(?)凌辱バトル~ 作:johnny内藤
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――ピンポーン
「…………ん?」
とある休日。俺が自室でくつろいでいると、とつぜんチャイムの音が鳴り響いた。
(来客なんて珍しいな……)
そう思いながら玄関へ向かい、扉を開けると――
「――こんにちは」
「…………ッ」
廊下に立っていた女性がひとり。俺と目が合うなり、頭を下げずに言葉だけで挨拶してきた。
その顔を見て、俺は一瞬姫菱が訪ねてきたのだと思ってドキッとした。
……だがそうじゃなかった。
次に目に入ってきたのは、迫力のある大きな胸。叔母さんと同じくらいか……下手をすれば、もう少しありそうだ。
ただでさえスタイルがいい姫菱を、今よりも二回りほど成長させたらこれくらいになるかも……といった印象だ。そんなキレイな女性が、扉の向こうで俺を待っていた。
「えっと……いまお母さんいないんで」
「………………」
そう答えた俺の顔を、女性は真剣な眼差しで黙って見つめている。
……なるほど、冗談が通じる感じではないらしい。
女性はいかにも沈着冷静。何事にも動じないと言った佇まいで俺を見ている……いや、睨んでいると言ってもいいかもしれない。
見たところ、身なりのいい普通の奥さんって感じだけど……ただの一般人が、どうやったらこんな風格を身に付けられるのだろう?
俺がそんな疑問を抱いていると――
「新聞や宗教の勧誘じゃありません。私は陽花梨の母で、姫菱純玲といいます。……今日は、娘のことで話があってお邪魔しました」
「――――」
瞬間。向かい合った俺たちの間に冷気が走った。各部屋の廊下に面した窓サッシが、急激な温度変化によりミシリと音を立てる。
「――とりあえず、こんなところで立ち話もなんですから。入ります?」
「ええ、失礼します」
俺は部屋の中に親指を向け、彼女をリビングに通した。
……椅子に腰かけ、テーブルをはさんで向かい合う俺と――姫菱の母と名乗る女性、純玲さん。
俺が慣れない手つきで淹れたお茶に、彼女は手を付けようとはしなかった。
「……で、お母さん? 話っていうのは……」
「無害な学生を演じる必要はありませんよ。私は貴方の正体を知っていますから、黒河曜くん……いいえ、魔王オブジディア」
純玲さんはニコリともせず、俺の顔を正面から見据えて言った。
「……魔王、ですか。最近流行りのネトゲのジョブとか? ……俺、人妻とゲームで知り合った覚えなんてないんですけど……今日はアレですか? オフ会とか、そういう感じですかね?」
「とぼけなくてもいいと言ったでしょう。いまは前線を退いているとはいえ、私だって元は正義のヒロインです。街中で異常なまでのエナジーを放っていたあなたのことを、見間違えるはずがありません」
「――正義の?」
「ええ。シャイニングディオーネ……と言えば、あなたにはよく伝わるでしょう? 私はかつて魔族と戦い人々を守り、その力を娘に託した者です」
「………………」
姫菱に力を……それじゃあ純玲さんは、先代のシャイニングディオーネだってことか。
つまりこの女が、俺の家族が焼け死んだ一因となった――
「…………クッ――」
「……え?」
「ククッ……フフフ……あっ、ははははははは!」
腹の底からおかしさが込み上げてきて、俺は久しぶりに大声で笑ってしまった。
時代を超えて人間界を守護する
だけどたしかに、ちょっと考えればわかりそうなものじゃないか。
蛙の子は蛙という言葉があるが、だとしたらシャイニングディオーネの親は。
母から娘へ――その使命と聖なるエナジーは、正統な形で次世代へと引き継がれていたのだ。
そんな簡単なことにも気がつかなかった自分の間抜けさに、俺は笑いを抑えることができなかった。
「……何がおかしいんでしょう」
とつぜん笑い出した俺の態度に、純玲さんは明らかにムッとした様子で尋ねてきた。
「何人も人を使って調べさせましたが……あなたが娘と同じ学園に通う、普通の学生ということ以外はわかりませんでした。だけどそんなに強すぎる闇のエナジーを垂れ流しにしていては、私の目はごまかせませんよ?」
「くっくくく……いや、すいません、ごめんなさい――――悪かったよ。まだ魔王になりたてでさ……エナジーを隠して生活するなんて発想、頭になかったんだ」
「――――っっ!!」
笑いすぎて溢れてきた涙を指で拭い、俺は反省するフリをしてみせた。
正体を隠すのをやめた俺に対して、純玲さんが警戒心を露わにする。
「……陽花梨はあなたの正体について頑なに話そうとはしませんでしたが、なんとなく察しはついています。あなたは魔王としての力に目覚める以前にも、娘――シャイニングディオーネと、何度か接触していましたね? そのときの彼女の様子……あの子は明らかにあなたを特別視していたと、報告書にありました」
「………………」
姫菱は先輩ヒロインである母親にも、俺のことを秘密にしてくれていたのか……。
なんとなく嬉しい気分になり、俺はまたしても緩みそうになる頬を引き締めた。
「もしあなたも娘のことを大事に思ってくれているのなら……あの子を悲しませるようなことはしないでください。あの子だって、気にかけているクラスメイトと戦うのは辛いはず……だからどうか人間界のことは諦めて、魔界へ還ってもらえませんか?」
純玲さんは目を伏せて、母として穏便な解決策を提案してきた。……と言っても、こちらに100%の譲歩を求めてのことだが。
「イヤだと言ったら?」
「……たしかに私は、すでに娘に聖輝石を託した身です。だけどたった一度変身するくらいのエナジーなら、この身体の中にまだ残っています。この最後の力を使って、刺し違えてでもあなたを――」
純玲さんが顔を上げ、大きな胸に手を当てた。その目には姫菱とそっくりな、他を圧倒するような決意と覚悟が込められている。
俺はそれを見て、この人がたしかに姫菱の母であり、先代シャイニングディオーネであるということを実感させられた。
「やめようよ、怖いことを言うのは。こんな場所で
「……やむを得ません。悲劇の元凶である魔族の王……それであなたを倒せるのなら――!」
純玲さんの体内で、いまにも溢れ出しそうなほどのエナジーが渦巻いているのを感じる。
全盛期を過ぎてもなお、彼女は恐るべき正義のヒロインであるようだ。
「へぇ……そうやってまた、1000人の命を救うために100人を犠牲にするんだ。……あの日、俺の家族にそうしたように」
「…………? 何を言って……」
俺の言葉に、純玲さんが不可解な面持ちで眉をひそめた。
「十年前の大侵攻の夜……アンタはたしかに俺と目が合ったよね。なのに一家四人が埋まった民家より、マンションが倒壊するのを防ぐことを選んだ。そうやって取りこぼされた命……それが俺の家族だよ」
「…………っっ!?!? あ……ああああぁぁぁっ……!!」
それを聞いて、純玲さんは青い顔をして立ち上がった。
蹴り飛ばされた椅子が、ガタリと音を立てて床に倒れる。
その時の記憶が鮮明によみがえったのだろうか。純玲さんが激しく動揺すると、彼女の中のエナジーが揺らいだのが見えた。
その瞬間を、俺
――ガキィッ!!
「……っっ!? あ……ぐぅっ……!?」
「ククククッ……久しぶりだな、シャイニングディオーネ。まさか貴様がこんな身近に暮らしていたとは思わなかったぞ」
「あ……あなたはっ……ダークアメジスティア!?」
純玲さんがこの部屋に入ったときから、ずっと彼女の影に潜んでいたアメジスティア。
純玲さんが心を乱したほんの一瞬の隙をついて背後に姿を現し、細い首に槍を回して彼女の動きを封じたのだ。
策にはまった純玲さんが目線を横に向け、後ろにいるアメジスティアを憎々しげに睨んでいる。
「フフッ、なんだその目は? つれない態度じゃないか。かつては命のやり取りをしたライバルだというのに」
「ま、魔王の復活に、やはりあなたが絡んで……ぅ、ぐ……っ!?」
純玲さんの白くなまめかしい首に、横渡しにした槍の柄がどんどん食い込んでいく。
このままでは息もできなくなりそうだ。俺はアメジスティアに目で合図を送り、その拘束をほんのわずかばかり緩めさせた。
「最近、俺たちの周りが妙に騒がしかったからさ。あんまり詮索されるのも面白くないし、アメジスティアに警戒していてもらってたんだ」
「じゃ……じゃあ、最初から私のことに気づいて……!?」
「いや、そうじゃない。だってアンタ、偽名を使ってたろ? 捕まえた探偵とか興信所の職員からいくら聞き出しても、依頼主の正体なんか見えてこなかったよ……ま、みんなアメジスティアに食べてもらっただけで、俺は何もしてないけど」
「え? 食べたって……そ、それじゃあ彼らは……!?」
「ああ、いやいや、モノのたとえだよ。だってヤツらから報告書もらったろ? 食べるって言っても、淫魔の食べ方ってものがあるんだよ」
そう。俺たちの周りをコソコソ嗅ぎまわっていた連中は全員アメジスティアの
しかしそれでも正体をつかませない依頼主をおびき出すため、俺たちはある程度の情報を持たせて、あえて彼らを生かして帰すことにした。
その結果、彼らが持ち帰った情報に乗せられてノコノコやって来たのがこの純玲さん……というわけだ。
とは言え俺たちのことを探っていたのが姫菱の母親で、まさか先代の正義のヒロインだとは考えてもみなかったけど……。
「じゃ、じゃあ彼らがアメジスティアの情報を私に話さなかったのって……?」
「……フフッ、そういうことだ。魔王様には遠く及ばないが、久しぶりの人間の味も、まあ悪くはなかったぞ?」
アメジスティアは男たちを闇の空間に集め、肉体のあらゆる部分を使って、彼らから情報を文字通り
そのときの淫らな饗宴を思い出したのか、アメジスティアが淫蕩な笑みを浮かべて、ペロリと舌なめずりをする。
「かわいそうに……俺の時とは違って、完全に手加減なしの本気モードだったから。あの人たち、もう普通の女相手じゃ満足できない身体にされちゃったよ」
「あ、ぅ……そ、それは……」
俺の言葉の意味を理解したようで、純玲さんはアメジスティアを睨みつつも、その頬をほんのりと赤らめた。
「……フフッ、興奮したか?」
「んあっ……な、何を!?」
アメジスティアが片手で槍を保持しつつ、もう一本の腕を純玲さんの胸や下腹部に這わせていく。
「ほほう……結婚して娘を産み、精神的にも肉体的にもずいぶんと豊かになったものだなぁ?」
「いゃっ、放して……! んぁっ、あっ、あん……あっ、ああぁぁぁっ!」
「胸も尻も……戦いに明け暮れていたあの頃と比べて、じつによく実っている。現役を退いて油断しているのか……それとも人間の夫に揉まれ続けたおかげか?」
「………………」
からかうようなアメジスティアの言葉に、純玲さんは怒ったような顔でむっつりと黙り込み、目をそらしてしまった。
「…………? ククッ……フハハハハハ! そうか! 夫には相手にされていないのか!」
「くっ……!」
純玲さんの瞳が悔しさに染まる。
アメジスティアは人が持つ性欲を感じ取り、その肉体がどのように使われているかを知ることができる。
その淫魔の眼力に、内面に溜め込んでいたフラストレーションを見抜かれて、純玲さんは目尻に涙の粒を浮かべた。
「気の毒になぁ。人の身には余るエナジーを内側に蓄えて、満足に欲望も発散できぬまま熟れていく人妻の身体……今にもはちきれそうに、悲鳴を上げているではないか」
「い……いい加減なこと言わないでっ!」
アメジスティアの指で、胸の先やわき腹を揉み込まれ、純玲さんが切なそうに身をよじった。
「フッ……まあいい。思わぬ大物が網にかかったのだ……貴様の処遇は、魔王様に決めてもらうとしよう。私の空間で、たっぷりと時間をかけてな」
「……!? あ、ああっっ……!!」
純玲さんの影がトプンと波打ち、液状化してその身体を飲み込んでいく。
「よろしいですね、魔王様?」
「ああ、それでいいよ」
そして俺たちも同様に、影を通じてアメジスティアの世界へと降りていくのだった。