金剛心輝シャイニングディオーネ~世界一面倒くさい魔王とヒロインの純愛(?)凌辱バトル~ 作:johnny内藤
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「……ハァアアアァァァァッッ!!」
「えぇえええーーーーーいっっ!!」
――ガギンッ! ガキィィィンッ!!
空中でぶつかり合い、火花を散らしているダークアメジスティアとシャイニングディオーネ。
郊外の街の朽ちた電波塔の上に立ち、俺はその光景を少し離れた場所から見守っていた。
「フハハハハッ! なんだなんだ、シャイニングディオーネ! 今日はずいぶんと太刀筋が荒れているではないか」
「当たり前ですっ! この前は、お母さんと私にあんなひどいことをして……私、怒ってるんですからね!」
「クククッ……甘えに満ちた、実に貴様らしい言葉だな。あのとき貴様は負けたのだぞ? 敗者はすべてを奪われて当然ッ! むしろ命を残して帰してやったことを、感謝してほしいくらいだ」
「感謝なんてできません! それにその理屈でいくなら、あなたたちだって負けたら何も文句は言えませんからね……? 今日という今日は、覚悟してくださいっ!」
――ッギィィィィンッ! ギャリギャリギャリッ!!
耳障りな音を立て、アメジスティアの槍とディオーネの剣が互いの刃を削り合う。
……たしかに今日のディオーネは、いつもと気合の入り方がまるで違う。どうやら本気で怒っているようだ。
普段の優等生然とした顔とは違った、初めて見せる感情的な怒りの表情。
アイツでもあんな顔ができるんだな……そう思った俺は、ついつい仮面の下で笑みを浮かべてしまった。
「そらそらっ、攻撃のスピードが落ちてきたぞ。疲れてきたのか? それとも……
「――なっっ!? あ、あれは、小さいころのくせがつい出ちゃっただけで……お、お母さんのことは、いま関係ないじゃないですかぁっ!」
先日の戦いで純玲さんを「ママ」と呼んでしまったことを持ち出され、顔を真っ赤にするディオーネ。
たった一回のことを覚えていて、いまそのことに触れるなんて……叔母さんも中々性格が悪い。
俺がそんなことを考えていると――
――ブンッ!!
「くっ……!!」
「ほぉら、隙ありッ! そこだァァァ!」
大振りの攻撃をディオーネが外した瞬間、アメジスティアが一気に距離を詰めた。
――ガギィィィッ!!
咄嗟に剣を構え直し、横薙ぎに振られた切っ先を受け止めるディオーネ。
彼女の首から数センチほど先の位置で、激しい鍔迫り合いが始まった。
「ククククッ……意気込みは立派だがなぁ。そのように怒りに任せた雑な剣では、どれだけ振っても私には届かんぞ?」
「うっ……ぅぐっ……! ま、まさか最初からこれを狙って……?」
やはり経験の差は大きいらしい。アメジスティアは相手の怒りを利用して戦局が有利になるよう誘導し、ディオーネはまんまとそれに乗せられてしまったというわけだ。
「フフッ……さらばだ、シャイニングディオーネ……♪」
「くっ……!!」
そしてアメジスティアの刃が、ディオーネの首筋に触れようとした……その時だった。
「――シャインブラスターーーッ!」
「……なにっ!? クゥッッ……!!」
凛とした声がどこからともなく響いてきたと思ったら、空中に漆黒の閃光が走った。
死角から迫ってきた光線に気づき、アメジスティアがギリギリでそれを避ける。
「……っく……っ!」
もう少しで首と胴体がおさらばしようとしてディオーネも、距離を取って体勢を整え直す。
アメジスティアを狙って放たれた、黒いシャインブラスター。
(あの技は――)
俺も含めて、その場にいた全員の視線が、光線が放たれた場所へと向けられる。
俺がいる電波塔よりもわずかに高い、半壊したビルの屋上。そこに立っていたのは――
「光を越えた黒き輝き……ブラックディオーネ、ここに見参っ!」
――そう。豊満な肉体でパツパツに押し上げられた、闇色に染まったコスチュームに身を包むもうひとりのディオーネ……ブラックディオーネだった。
「お……お母さんっ!? なんでここに……い、家で待っててって言ったじゃない! それに、その格好は……」
ブラックディオーネの登場に、娘であるディオーネまで目を丸くしている。どうやらとつぜん差し伸べられた救いの手は、彼女にとっても寝耳に水だったらしい。
「な、なぜだ……? 貴様の中にあった闇のエナジーは、大部分が娘に注ぎ込まれたはず……なのに、なぜ再びその姿に変身をッ!?」
想定外だった伏兵の登場に、アメジスティアも動揺の色を隠せない。
「ふふふっ……それが私にも驚きだったんだけどね? あなたたちに植え付けられた闇のエナジーと、私の中に少しだけ残っていた聖なるエナジー……その二つが合わさることで、私の中に新たなパワーが生まれたの。おかげでこの通り、自由に変身できるようになったわ♪」
「あ……新たなパワーだと!?」
「そうねぇ、さしずめ『聖なる闇のエナジー』……ってところかしら?」
「そのままではないか、貴様ァッ!!」
安直すぎるネーミングだけど……純玲さんの中に宿ったエナジーが、再び変身できるほどの力を彼女に与えたというのは真実らしい。
……もしかして俺たちは、とんでもない眠れる獅子を起こしてしまったのでは……?
そんな俺の思いをよそに、ブラックディオーネがシャイニングディオーネに鋭く呼びかける。
「やるわよシャイニングディオーネ! 昔の練習、覚えてるわね?」
「う、うん、おかあ……じゃなかった。はいっ、ブラックディオーネ!!」
そして母娘のディオーネが同時に宙を駆け、前後からアメジスティアを襲う。
「はぁぁぁっ! やぁっ! たぁぁぁーーーーッッ!」
「クッ……ぬぅッ……!」
ブラックディオーネが繰り出す鋭い蹴りの連撃を、紙一重で避けるアメジスティア。しかし――
「えいっ、えいっ! ……えぇぇぇぇぇいっ!!」
――バキッ! バシィッ!!
「グアぁぁッ!? き、貴様らッ……!」
その先にいたディオーネの拳に自分から突っ込んでいく形になり、それをもろにくらってしまう。
「まだですっ! はぁぁぁ~~~……っ!」
「チッ……!!」
追撃のパンチを繰り出そうと、ディオーネが拳を振りかぶる。
二人の挟み撃ちになることだけはなんとか避けようと、アメジスティアは慌てて急上昇した。
「逃がさないわっ!」
するとブラックディオーネが真上に腕を伸ばし、右手の甲に備えたクリスタルをアメジスティアに向ける。
「――カッティングブレートッ!」
「…………なッ!?」
ブラックディオーネが叫ぶと同時に、クリスタルから黒い光の刃が伸びた。
その刃はシャイニングディオーネが操る直剣状のカッティングブレートとは違い、まるで鞭のように柔軟にしなり、アメジスティアの足首に巻き付いていく。
「はぁぁあああああああっっ!!」
――バキィィッ!!
「ぅグッ……!? ああああああぁぁぁぁぁぁっ!!」
逃げることを封じられたアメジスティアに、下から迫っていたディオーネのアッパーが炸裂した。
その衝撃で足の拘束が解けたアメジスティアは、そのまま数十メートルも吹き飛ばされてしまう。
「クッ、小癪な……脆弱な正義のヒロインごときが、たかが一匹増えたところでェェェッ!!」
抜群に息があった母娘のコンビネーションから抜け出し、アメジスティアは改めて巨大な黒槍――ブラッタースピアを持ち直した。
「――アメジスティアっっ!!」
そんな彼女を追いかけ、高速で接近するブラックディオーネ。その右手に携えられた黒いカッティングブレードは、先ほどまでのしなやかな曲線ではなく、鋭い直線を描いている。
「フッ、打ち合いが望みか……? 来いッ!!」
剣を大きく振り上げたブラックディオーネ。それを受け止めるべく、アメジスティアも槍を上段に構える。
二つの黒い刃はそのまま激しくぶつかり合いを――することはなかった。
――スカッ
「な……なにィッ!?」
衝撃に備えていたアメジスティアだったが、手応えなく槍をすり抜けていく刃を見て、驚愕の声を上げた。
「ふふっ……どうやら
そうささやいて微笑んだブラックディオーネがいつの間にか左手に備えていたのは、シャイニングディオーネのものと同様、純白に輝く聖なるエナジーの刃――
「に……二刀流だとッッ!?」
防御のために槍を上げきっていたアメジスティアは、二の太刀に対応することができない。
そして鞭状にしなった白い刃がアメジスティアの全身に巻き付いたと思うと、ブラックディオーネは勢いよく左手を引いた。
「受けなさいっ! ブリリアントスライサァァーーーッ!」
「グアアあぁぁぁぁぁぁぁッ!?」
引き寄せられた刃はアメジスティアの身体を走り、その肌に傷をつける。
まさに必殺の一撃……アメジスティアは全身から血を噴き出し、苦悶の表情を浮かべている。
「ハァ、ハァッ、ハァッ……お、おのれ……よくも私に、こんなッ……!」
「あらあら、いまのじゃ仕留めきれなかったのかしら。う~ん……私にとっても新しい力だし、まだまだ付け焼き刃ってところかしら?」
二つのクリスタルに刃を収め、コキコキと手首を鳴らすブラックディオーネ。
聖なるエナジーと闇のエナジーを組み合わせたまったく新しい戦法に、アメジスティアは予想以上の苦戦を強いられていた。
……するとブラックディオーネの背後から――
「……はぁぁぁぁああああああああっっ!」
満身創痍のアメジスティアにトドメを刺すべく、シャイニングディオーネが突撃してきた。
「クッ……!」
アメジスティアも咄嗟に防御の構えを取るが、重傷を負った身体でディオーネのパワーを受けきるのは荷が重いだろう。
「えええーーーーーーいっ!」
それでも容赦なく繰り出される、スピードを乗せたディオーネの全力パンチ。
その腕がアメジスティアの身体に届く――その直前。
――ババババババババッ!!
「……っっ!? くっ……!」
突如としてそこに現れた透明な壁にディオーネの拳が触れた瞬間、激しい音と共に、周囲のビルが明滅する光に照らされた。