金剛心輝シャイニングディオーネ~世界一面倒くさい魔王とヒロインの純愛(?)凌辱バトル~ 作:johnny内藤
「ま、魔王様……ッッ!」
「ふぅ……間一髪」
アメジスティアを庇うように立ちはだかった俺は、仮面の下で冷や汗を流しながらため息をついた。
……そう。圧縮したエナジーの障壁を張った俺が二人の間に割り込んで、ディオーネの拳を阻んだのだ。
「くろ……っっ、ま、魔王オブジディア! 邪魔をしないでください!」
「いやぁ……するだろ、邪魔。一応、たったひとりしかいない大事な部下だしさ。二対一でいじめられてるのを、見て見ぬふりするのも気が引けるって言うか……」
「魔王様、この私が至らぬばかりに……申し訳ございませんッ! お仕置きでしたら、後ほどベッドでたっぷりと!」
隠しきれない欲望を漏らしながら、アメジスティアがどうにか態勢を立て直す。
「なるほどぉ……これで二対二、というわけね? これなら遠慮なく本気が出せそうじゃない♪」
「お母さん、いままで遠慮してたの……?」
娘の隣にブラックディオーネがつき、俺たちと向かい合う。
「チィッ、なめるな! 魔王様のお力を得た私なら、貴様らごときに遅れなど!」
「……あんまり期待しないでほしいなぁ」
そして二人だけの魔王軍と、正義のヒロインの母娘コンビが、空中でぶつかり合う。
……が、戦力の偏りは明らかだった。
「はぁぁぁぁっ! はっ、やっ、ていっ、やぁっ、たぁぁっ!」
「くっ、うっ……! ちょ、ちょっと待っ――」
――バババババッ……ミシミシ……ピシッ!
「…………げっ!?」
ブラックディオーネの息もつかせぬ連撃を浴びている内に、俺が張った障壁にヒビが入っていく。
「ふぅん、やっぱり……エナジーを練るスピードも、それを固めるパワーも問題外。まだまだ経験不足のお子ちゃま……ってところかしら♡」
「はぁ、まあ……いままで過保護な
ねっとりとした視線を絡めてくるブラックディオーネに対し、「まいったなぁ……」と、俺は仮面の上からポリポリと頭をかいた。
「貴様ァッ! 魔王様を愚弄するような口を……ハッ!?」
「よそ見をしないでくださいっ! ……えええぇぇーーーーーいっっ!!」
――ドゴォォォォッ!!
「グハぁッ……!! ァ……アアアアアアァァァァァァッ!?」
俺にピンチに気を取られたアメジスティアの隙をつき、ディオーネがお腹に一発いいのを入れる。
渾身のパンチが直撃し、アメジスティアは身体を二つ折りにしてしまった。
もともとブラックディオーネの攻撃によりダメージを負っているうえに、俺というお荷物のことを常に気にかけながら戦うアメジスティア。
圧倒的な戦力差を前に、俺たちは次第に追い込まれていく。
「ハァッ、ハァッ……ま、魔王様、お怪我はッッ!?」
「おかげさまで、ぜんぜん平気。……それより、ごめん。魔王の力があれば、少しは力になれると思ってたんだけど……」
「……フフッ、なにを仰いますか。魔王様が傍にいてくださるだけで、アメジスティアは千の軍勢が味方についたに等しい力を得られます!」
フラフラになりながらも互いを庇い合い、強がりを口にする俺とアメジスティア。
そんな俺たちを見下ろすように、シャイニングディオーネとブラックディオーネが目配せするようにうなずき合った。
「シャイニングディオーネ……私のタイミングに合わせられる?」
「うん、やってみる!」
そしてそれぞれ右手を突き出し、クリスタルをこちらに向けてパワーを溜め――
「――ダブルッ!」
「――シャイぃぃぃン……」
「ブラスタァァァァーーーッッ!!
ブラスタぁぁぁーーーーーーーーーっっ!」
声を合わせて放たれた、二人の必殺技。
白と黒の波動はうなりを上げて俺たちに迫り、螺旋状に絡み合いながら一筋の光と化す。
「クッ……!!」
俺はヒビだらけの障壁を張るが、こんなものは時間稼ぎにもならないだろう。
――ピシピシピシッ……ガシャァアアアアアアアン!!
障壁はすぐに破られ、その光が俺たちに届く直前――
「魔王様ッッ!!」
アメジスティアが俺を後ろに突き飛ばして、光線の前に身を躍らせた。
「……クッ……!! ア、ア、アア゛ア゛アアアアァァァァァァ……ッッ!?」
しかしその傷ついた身体では、二人分のエナジーを受け止め切れるはずもなく……。
――ッッッ、ドォオオオォォォォォーーーーーーーーーーーン!!
激しい爆発音が響き渡らせ、俺たちは周囲の建物ごと、聖と闇が混ざり合ったエナジーの奔流に飲み込まれた。
――パラパラ、パラパラパラッ……
しばしの静寂の後……弾け飛んだコンクリートの破片が降り注ぐ中、俺は目を開いた。
爆発の衝撃で仮面はどこかに吹き飛ばされており、素顔が外気に晒されている。
「――――アメジスティア!」
「ハッ……ハッ……ハッ……ハッ……」
見るとアメジスティアは地面に横たわり、苦しそうな浅い呼吸を繰り返していた。
どうやら生きてはいるようだが、あれほどの破壊力を持った二つのエナジーを同時に浴びたのだ。回復までにはかなりの時間を要するだろう。
俺はと言えば、すでに身体中のエナジーが尽きていて、もはや立ち上がることすら困難だ。
これでは転移の魔術を使い、アメジスティアを連れてここから脱出……という展開も望めない。
そんな俺の前に立ちはだかるように……シャイニングディオーネとブラックディオーネが降り立った。
「く……黒河くんっ、無事だったんですね!? はぁ……よかったぁ~~~……」
「こ~ら、最後まで緊張感を途切れさせないこと。これも口が酸っぱくなるほど教えた、基本の心得でしょ?」
「はっ!? そ、そうだった……えっと……あ、悪は絶対許しません! シャイニングディオーネ……だけじゃなかった! 二人のディオーネの勝利です!」
目の前で繰り広げられる、正義のヒロイン流のよくわからない母娘のやり取り。
それににツッコミを入れる余力も、もはや俺の身体からは尽きていた。
「そ、それはそれとして……こほんっ。魔王オブジディア! 生きていたんですね!?」
「ああ、生きてるよ。……死んでないだけだけど。見ての通り、エナジーはもう打ち止めだ」
両手を上げて、これ以上戦う力が残っていないことをアピールする。
「ふふっ、そうみたいね? 身体の中に残っている闇のエナジーは、ほとんどゼロ……」
……そんな俺の顔を覗き込み、ブラックディオーネがふっくらとした唇に微笑みをたたえた。
「でも時間が経てば回復しちゃうのよねぇ? ……ってことで、シャイニングディオーネ? 魔王
「う……うん……ほ、本当にお母さんも来るの……?」
頬を真っ赤に染め、胸の前でモジモジと指をこすり合わせるディオーネ。これからまた
「もっちろん。あなたは魔王を浄化してあげたいんでしょ?」
「う……うん」
「私だってそれは同じ……あの時、私が見捨てたせいで魔王になる道を歩んだ
「おかあさ……う、うんっ、わかった!」
母娘は互いに理解し合ったように言葉を交わし、そしてこちらを見て――
「ま、魔王オブジディア……いまからあなたを、シ
「ふふふふっ……覚悟してるのよ? 二人の正義のヒロインが、たぁ~っぷりと時間をかけて……あなたを癒してあげるから♡」
片方は、緊張とドキドキ感でうるませた――もう片方は、欲情に満ちて粘り気を帯びた――そんなそれぞれ異なった目線を、俺に絡ませるのだった……。