金剛心輝シャイニングディオーネ~世界一面倒くさい魔王とヒロインの純愛(?)凌辱バトル~ 作:johnny内藤
「くっ……なんてことを……!」
ビルの破壊を防ぐことができなかったディオーネが、怒りと悔しさを表情ににじませる。
いくら人死にが出ないよう立ち回ったとはいえ、その損害は計り知れない。ディオーネがそのことを承知しているかは定かではないが、彼女が人々を守護する使命を背負った正義のヒロインであれば、どちらにしても怒るのは当然だろう。
「二人とも、ぜったい許しません! シャイニングディオーネの名にかけて、必ずあなた達に償いをさせてみせます!」
ディオーネは俺たちを指さし、高らかに宣言した。
「魔王様……ヤツは私にヤラせていただいても?」
「ああ、頼んだよ」
「お任せをッ!」
俺が頷くと同時に、アメジスティアが前方へ向かって瞬時に加速した。
崩れたビルから立ち昇る砂煙のせいで、視界の自由がききづらい。しかしそんなことはお構いなしとばかりに、彼女はディオーネに向かって一直線に突っ込んでいく。
「アメジスティア! 邪魔をするなら、まずはあなたから倒します!」
「クハハハッ、人間の小娘ごときが生意気な口を! 貴様など魔獣の力を借りずとも、私ひとりでじゅうぶんだッ!」
――ガキィイイィィン!
硬質の音を立てて、槍と剣が互いの刃を削り合う。まだ昼間だというのに、眩しいくらいの火花が空中に四散する。
俺はというと、先ほどの攻防で消費した体力を少しでも回復させるため、周囲に漂う闇のエナジーを吸収することに集中していた。
「スーッ……フーッ……」
仮面の下で深呼吸を繰り返す。
多少は疲労が抜けてきたが、あれだけの猛攻を受けたせいだろうか……これくらいでは、浪費させられたエナジーが全回復するまでには至らない。
やはりここはアメジスティアにがんばってもらい、早々に決着をつけて休養を取るのが一番だろう。
そのアメジスティアは、ディオーネ相手にかなりの優勢に立っているようだ。
「そらッ、そらそらそらッッ!」
――ガンッ! ガンガンガンガンガンッ!
「どうした、シャイニングディオーネ? 大きな口を叩いていた割には、防ぐのがやっとではないか! 先ほどまでの勢いはどこへ行った!」
「うっ……くっ……! ま、まだまだっ!」
目にもとまらぬ速さで繰り出される、アメジスティアの鋭い刺突。
ディオーネはそれをカッティングブレードで捌くのが精いっぱいで、反撃に転じることができない。
「は……離れてくださいっ!」
刀身で攻撃を受け止めたディオーネが、力を振り絞って槍ごとアメジスティアを突き飛ばした。
そして拳を前方へかざし、クリスタルに聖なるエナジーをチャージする。
「シャイぃぃン……――」
「させるかぁッ!」
「うぅっ……ああぁぁぁっ!?」
しかしアメジスティアは一瞬で距離を詰め、巨大な魔槍を振るった。
あらぬ方向に拳を弾かれたディオーネは、必殺のシャインブラスターを発動することができない。
「ハハハハハッ! 所詮は三流の戦士だな……飛び道具に頼らなければ、まともに戦うこともできないとは!」
「バ、バカにしないでください! 私の心には、お母さんやおばあちゃん……それに、今までのシャイニングディオーネから受け継いできたエナジーが宿っているんです! あなたなんかに絶対負けません!」
「ほほう、面白い……ならばそのダイヤモンドの心ごと、ジワジワと削り殺してやろうッ!」
アメジスティアはその言葉通り、わざと急所を狙わず嬲るようにディオーネを攻め続ける。
白い肌が少しずつ傷ついていき、スカートの端などの飛び出た部分から順番に、コスチュームが切り刻まれていく。
「うぐっ……はぁ、はぁ、はぁ……っ!」
あっという間にボロボロにされてしまったディオーネ。しかしその瞳に宿った闘志は衰えず、敵であるアメジスティアを睨み続けている。
「ククッ……悔しいか、自分の弱さが? その程度の力で魔王様に歯向かおうとするなど、身の程を知れッ!」
(いや……その魔王は、さっきまでディオーネ相手に大苦戦してたんだけど)
溺愛してくれる家臣におかしな持ち上げられ方をされ、俺は思わず仮面の下で頬を熱くしてしまった。
「だが、その目は気に食わんな。決して諦めない心に、どれだけ苦痛を与えても折れない精神力……このまま生かしておいては、いずれ魔王様の障害となる危険な存在だ」
それまで嘲笑うような態度を見せていたアメジスティアが、急に頬を引き締めて冷たい表情を浮かべた。
……いや、むしろこっちが彼女の本当の顔か。
冷酷な魔族としての本性を浮き彫りにさせたアメジスティアが、ディオーネの全身を舐めるように見つめる。
「……ただ貴様は、魔王様のお気に入りでもあるからな。
「くっ……!」
アメジスティアは嗜虐的に目を細め、破れたコスチュームから覗いた柔肌に槍をゆっくりと近づけていく。
黒光りする槍の先が、ディオーネの肌に食い込むまであと5センチ、3センチまで迫った……その時だった。
――ギュィィィンッ!
「なッ……!?」
周囲を覆った砂煙を切り裂いて、漆黒の光線が迫ってきた。
アメジスティアは抜群の反射神経でそれに反応し、素早く顔を向けた……が、気づいた時には手遅れで――
「ぐああァァァァァッッ!?」
避けることも防御することも間に合わず、黒い光にその身を灼かれてしまった。
「い、今のって……!?」
ディオーネを避け、彼女の身を脅かそうとしていたアメジスティアだけを正確に狙いすました一撃。
突然の援護射撃に驚いたのか、ディオーネ自身も目を丸くしている。
その光線は、奇しくもアメジスティア自身が倒壊させたビルから立ち昇る砂煙に紛れるように放たれたようだ。
光線の余波によって吹き飛ばされ、晴れていった煙幕の向こうから姿を現したのは――
「お……お母さん!?」
「ふふっ……今度は不意打ち、大成功♪」
そう……シャイニングディオーネの母親である、ブラックディオーネこと姫菱純玲さんだった。
「お母さんっ! だ、大丈夫なの? エナジーが回復しきるには、まだ時間がかかるって……」
戸惑いの表情を浮かべながら、母の傍へ飛翔するディオーネ。
ブラックディオーネはそんな娘のおでこにトンと人差し指を当てて、何事かささやきかけた。
「ふふっ、ダメよ? 敵の前で、みすみす味方の弱点を教えるようなことをしたら」
「あっ! ご、ごめんなさい……」
「…………?」
急な展開についていけず、二人の会話がよく聞き取れなかったが……とにかく状況は逆転したらしい。もちろん俺たちにとって、とびきり不利な形で……だが。
「ブ……ブラックディオーネェェッ! 一度ならず二度までも不意打ちとは、どういうつもりだ! しかも口上も述べず、無言で技を放つなど……貴様、正義のヒロインとしての矜持は持ち合わせていないのか!?」
全身に火傷を負ったアメジスティア。いたるところからブスブスと煙を上げながら、憎々しげな表情を浮かべてブラックディオーネを睨みつける。
「え~? だってそんなことしたら、せっかくの技を避けられちゃうでしょ? 現にこの前だって、そのせいで奇襲が失敗しちゃったし……やっぱり飛び道具は、こっそり撃つに限るわ~♪」
「な、なんだと……!? こいつ……正義のヒロインの風上も置けん……ッ!」
「うふふ、ごめんなさいね? だけどおあいにく様……私に闇のエナジーを植え付けて、正義のヒロインじゃなくしてくれたのは、どこのどなただったかしら?」
「クッ……ブ、ブラックディオーネ……恐ろしいヤツ……」
おそらく気を失ったのだろう。アメジスティアの身体から力が抜け、そのまま地上へと墜ちていった。
魔族の耐久力があれば、地面に叩きつけられようと死ぬことはないだろうが……火傷と合わせて、そのダメージは深刻だ。満足に戦えるまで回復するには、最低でも数時間は要するに違いない。
「さ~て……あとは護衛を失って、丸裸になった魔王を倒す番ね? やるわよ、シャイニングディオーネ!」
「え? う……うんっ!」
思わず身震いするような笑みを浮かべて、舌先でペロリと唇を舐めるブラックディオーネ。
あまりに好戦的な母の表情に気圧されたのか、シャイニングディオーネには慌てたように頷いてそれに追従する。
(……なんだ、純玲さんのあの態度? 前から少し怖い人だとは思ってたけど、ここまで危なっかしいと感じたことなんて――)
アメジスティアを一撃で倒したブラックディオーネを、俺は最大限に警戒して観察する。
……やっぱりどこかおかしい。彼女の中で均等に混ざり合っていたはずの聖と闇のエナジーのバランスが、なんとなく崩れているような……?
「――はぁぁああああああーーーーーーーーーーッッ!」
「え……? うわぁぁッ!?」
その様子に気を取られていた俺の眼前に、まるで瞬間移動をしてきたかのように、ブラックディオーネが迫ってきた。
俺は急いで障壁を創り出すが……。
――ガシャァァァァン!
ガラスが割れるような音を立てて、それは彼女のパンチ一発であっけなく破壊されてしまった。
「あら……咄嗟の割には、いい反応ね? この前より、エナジーの扱い方が上手くなってるみたい♪」
――ガシャァァン! ガシャァァン!
俺は続けざまに二枚の障壁を張り巡らせたが、どちらもブラックディオーネの徒手空拳で破られていく。
「そっ、そいつはどうも……お宅の娘さんとの戦いで、こっちも日々鍛えられてますから……」
――ガッ! ガツッ! ガシャァァァンッ!
今度は二発、打撃に耐えた……だがそれだけだ。
ブラックディオーネが繰り出した三発目の突きで、その障壁も易々と突破された。
「ふふっ……でも、まだまだ遅いッ! そんなことじゃ、うちの娘を任せることはできないわよ?」
「……は、はぁッ!? それ、どういう――」
――ガッシャアアァァァァァン!
「く……ッッ!?」
ダメだ……障壁をいくら展開しても、ブラックディオーネに端から打ち砕かれてしまう。
しかもこうしている間にも、まだ回復きっていなかったエナジーがさらに消耗させられてしまう……。
やはりここは退くしかないか? しかし地上へ墜ちていったアメジスティアをそのままにしておくわけにもいかない。
かと言って、二人のディオーネの追跡を振り切ってアメジスティアを救い、影に潜んで逃げおおせる……という大胆な行動を、彼女たちが許してくれるとは思わない。
だったらブラックディオーネの猛攻に耐えうる障壁を創り出し、少しでも時間稼ぎをする……? いや無理だ。まばたきする時間も惜しいほどの勢いで繰り出される連撃を浴びながら、そんなことをしている暇などあるわけない。
「はぁッ、はぁ……うふふ♪ なんだかんだ言っても、まだまだ経験値が足りていないわね……。よかったら、手取り足取りレクチャーしてあげましょうか。悪い話じゃないでしょう? 曜くんとは近い将来、義理の親子になるかもしれないわけだし……♪」
「……はん、イヤだね。さっきからアンタの言ってること、わけわかんないし……なんか怖いんだよ」
「くすッ、そう……だったら少し、痛い思いをしてみましょうかッ!」
「ぅぐ……ううぅぅッ!?」
ブラックディオーネのラッシュが速度を増した。
これが聖なる闇のエナジーが生み出す爆発的なパワーなのだろうか。息つく暇すら与えてもらえない連続攻撃に、俺は手も足も出ない。
(でも……なんか変なんだよなぁ)
障壁を駆使してなんとか守りに徹しながら、俺はそんなことを考える。
笑みを浮かべてこちらを圧倒しているものの、彼女の様子にはやっぱり違和感があった。
上手く言えないが、表情の割には余裕がないと言うか……なんだかやたらと
「はぁぁぁぁぁ……やぁぁーーーーーーッッ!」
「……ッ!? ちぃ……ッ!」
そんな俺の思考の隙をつき、ブラックディオーネがたっぷりと
一瞬後には、固く握りしめた拳が炸裂する。強固な障壁を練り上げていたのでは防御が間に合わない。
(くッ……だったら!)
俺は身体の正面に、短時間で作り出せる障壁を幾重にも展開させた。
接近戦には向かない脆い壁だが、これで少しは勢いを殺せるはずだ。
……しかし。
――ガシャガシャガシャガシャガシャーーーーーン!
「げッ!?」
ブラックディオーネの拳は薄い障壁など物ともせず、軽快な音を立ててその悉くを打ち砕いてみせた。
まるでテレビで見たことがある、空手家の瓦割りのようだ。
すべての障壁を破った拳が、そのままの勢いで胴体に迫ってくる。俺は咄嗟に身体の前で両腕をクロスさせ、パンチを防ごうとしたのだが……。
――バキバキッ! ベキッ、ゴキゴキゴキ……ッ!
「ぐぅッ……ぅぅぅあああああーーーーーッッ!?」
骨が砕けるイヤな音と共に、両腕の感覚がなくなった。
左右の腕を犠牲にして、なんとか渾身の正拳突きを防ぐことはできた……のだが。
「フゥッ……たァああああーーーーーッ!!」
――バキィィィッ!!
「――ゴフッ!?」
その場でクルリと一回転したブラックディオーネの後ろ回し蹴りが、胸部に直撃した。
すべての手札を出し尽くした俺に、それを防ぐ手立てはない。
俺ははるか後方へと吹き飛ばされ、ビルの外壁に叩きつけられてそのまま地上へ落下した。
「うぐっ……ゲホッ! ガフッ、ゴホッ!」
いまの衝撃で、仮面が外れてしまったようだ。咳に交じって、口から霧状の赤いものが噴き出てくる。
しかしそれを拭おうにも、両腕にまったく力が入らなかった。
……そしてそんな俺を追いかけて、ブラックディオーネもまた地上へと降りてきた。
「………………」
ギラついた目で俺を見下ろしながら、ブラックディオーネが一歩、また一歩と近づいてくる。
その胸の中で輝いているのは、白い光を飲み込んでしまうくらいの闇のエナジー。
……どうやら今日ばかりは、冗談を言って逃げられるような空気ではないようだ。
「……はぁッ、はぁ……!」
ブラックディオーネは荒々しく呼吸をしながら、俺に向かって拳をかざし、クリスタルにエナジーをチャージする。
アメジスティアを一撃で倒したあの光線を、こんな近くから撃たれたら――
「く……ッッ!?」
その末路を頭の中で思い描き、覚悟もしきれていない俺が硬くを目をつむった……その時だった。
「やりすぎだよ、お母さんっ!!」
無防備な背中を俺に向けて、ブラックディオーネとの間に割り込むように……天空から降り立ったシャイニングディオーネが、両腕を広げて立ちはだかった。
「……
「いやっ! だ、だってこんな距離から撃ったら、黒河くん本当に死んじゃうかもしれないし……!」
「甘いわね……あなたは敵の生命を奪う覚悟もなしに戦っているの? それに今まで、何体もの魔族や魔獣を倒してきたじゃない。なのに彼だけ特別扱いをするの?」
「うっ……。で、でも黒河くんは、他の魔族とは違うもん! 黒河くんは、話せば絶対わかってくれるから!」
魔族の俺から聞いていても、正論を言っているのはどう考えたってブラックディオーネのほうだ。
しかしディオーネも一歩も譲らず、俺を庇うようにその場に立ち尽くしている。
しばしの間、睨み合う二人。相対した母娘の視線がバチバチとぶつかり合い、俺たち以外には猫一匹いなくなった街に緊張感が漂う。
……やがて。
「……ふぅ、相変わらず頑固者ねぇ。いったい誰に似たのかしら」
先に矛を収めたのはブラックディオーネだった。クリスタルのチャージを解除し、やれやれと言った様子で腕を下ろす。
「……お母さん」
母が戦闘態勢を解いたのを見届けて、ディオーネが安心したように微笑んだ。
「く、黒河くんっ、大丈夫!?」
そしてホッとしたのもつかの間……弾かれたように振り返り、膝をついて俺に顔を寄せた。
「ああっ、こんなになって……ごめんなさい、痛いですよね?」
「バ、バカ、あんまり触るな……今はまだいいけど、後で一気に痛みがくるやつだから」
ディオーネが腕を取って、優しくさすってくる。俺はそれを払いのけることもできず、されるがままになっていた。
――ブラックディオーネの攻撃を受けて、両腕の骨はメチャメチャだ。おそらく肋骨も無事に済んではいないだろう。
今は戦いによる興奮であまり痛みを感じていないが、数十分も経てば地獄を味わうことになるのは間違いない。
ここまで派手に骨折したのは、人命救助を始めたばかりのころ、不注意で家屋の倒壊に巻き込まれて以来のことだ。魔族である俺の回復力をもってしても、全快するのに24時間以上……下手をしたら、丸二日はかかるかもしれない。
こんな状態では戦うことはもちろん、アメジスティアを連れて逃げることなんてとてもできない。
残念だが、今日のところは完敗だ。シャイニングディオーネとの勝負ではなく、思わぬ乱入者に敗れたというのが不本意なところだが……。
「待っててくださいね、黒河くん。シ
そう言ってディオーネが意識を集中させると、彼女の身体が光に包まれた。
「え、えっと……お母さんも行くん……だよね? じゅ、準備はいい……?」
ディオーネが母を振り返り、消え入りそうな声で尋ねた。
今からあの空間へ転移し、母娘二人がかりによる浄化……まあ端的に言えば、例のエロいことが始まるのだろう。
すでに一度は体験済みとは言え、やはり母親と
しかし――
「ううん、私はいいの。今日のお仕置きはあなたに任せるから……曜くんと二人っきりで、たっぷりイチャイチャしてきなさい♪」
ブラックディオーネはそう言って、娘に向かってウインクをした。
「え? でも……」
ディオーネが意外そうに聞き返した。
意外なのは俺も同じだ。純玲さんのことだから、今日も娘と一緒になってノリノリで俺を犯すのかと思ってたけど。
それに飄々とした態度でありながら、顔中に汗をかいているのも気になる。戦いで俺やアメジスティアを圧倒し、一方的に追い詰めて勝利したのは彼女のほうだと言うのに……。
「い、いいから……んくッ……! 私のことは気にしないで……あなたは曜くんを連れて、早くあっちの世界へ……はぁ、はぁ……ッ」
「お、お母さん、どうしたの? 具合が悪いなら……」
「大丈夫だって言ってるでしょ! 私よりも、今は曜くんのことに専念しなさい!」
ブラックディオーネは自分の身体を抱きしめ、苦しそうに身悶えしながら叫んだ。
しかしその瞳は力強い輝きを放っていて、娘にさえ有無を言わせない迫力を宿している。
「う……うん、それじゃあ行くね? お母さんも、何かあったら無理しないで……!」
それ以上の反論はできないと悟ったのか、ディオーネは納得できなさそうな表情を浮かべながらも、母の言葉に頷いた。
そして俺の上半身をそっと抱え上げると、内に秘めた聖なるエナジーを最高潮に高める。
「安心してくださいね……。黒河くんの痛いの、私がみんな吹き飛ばしてあげちゃいますから……♡」
俺を見下ろして、ニコリと微笑みかけるディオーネ。
それを見たのを最後に、俺の意識は真っ白な光の中に吸いこまれていったのだった――