※この作品はR-18です。

金剛心輝シャイニングディオーネ~世界一面倒くさい魔王とヒロインの純愛(?)凌辱バトル~   作:johnny内藤

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第17話-2

 

 ◆

 

 ――時は遡り、前日の夕食時。

 

 俺は自宅のリビングで、叔母さんにあ(・)る(・)相(・)談(・)を持ちかけた。

 

「……特訓をつけてほしい?」

 

 なぜかツヤツヤと血色がよく、全身にエナジーをみなぎらせている英子叔母さん。そんな彼女が、俺の言葉にポカンと口を開け、オウム返しに聞き返してきた。

 

「ああ、頼めないかな」

 

 魔族の回復力(……と、シャイニングディオーネの献身的すぎる初期治療)によりあの大怪我を三日で完治させた俺は、箸を止めて改めて叔母さんにお願いする。

 

「ぷっ……アッハハハハ♪ 何を言うかと思ったら……そんな冗談、どこで覚えてきたんだい?」

 

 しかし叔母さんは俺の頼みを笑い飛ばし、再びおかずが盛られた小皿に箸を伸ばした。

 

「いや、冗談じゃなくて……真面目な話なんだけど」

「だってあんたは魔王として、この上ないくらいの絶大なエナジーを持ってるんだよ? 特訓だなんて普通の魔族や人間みたいな真似をしてまで、これ以上強くなる必要はないよ」

「でも実際、ア(・)イ(・)ツ(・)ら(・)との戦いには何回も負けてるだろ? この間だって、ブラックディオーネにこっぴどくやられたわけだし……」

「あっ……あれは私が不甲斐なかっただけだよ。あの時は体調が万全じゃなくて……って言うか、ちょっと油断しちゃってただけで……と、とにかくあんな失態、あんたの前ではもう二度と見せないからさ!」

 

 俺の言葉に、叔母さんがどこか焦ったように反論する。

 

「戦いの中で、純玲さんに言われたよ……俺はエナジーの使い方が、まだまだ上手くないんだってさ。たしかに叔母さんたちの戦い方を見てると、エナジーを操るスピードもパワーもぜんぜん足りてない気がするし……」

「や、やめてよ。あんたは私たち魔族の希望の星……偉大なる魔王なんだよ? なのに自分の口から、そんな弱気なこと……」

「このままじゃブラックディオーネどころか、シャイニングディオーネにだって勝てない。だから叔母さんに改めてエナジーの扱い方を教わって、俺もまともな戦力として役に――」

 

 ……と、俺がそこまで口にした時だった。

 

「もっ……申し訳ございませんッッ!!」

 

 ――ガタンッ!!

 

「……はっ!?」

 

 叔母さんは跳び上がらんばかりの勢いで椅子から降り、床に頭をこすり付けだした。

 

「私が至らぬばかりに、余計なご心配を……! 魔王様の口からそのようなことを言わせるなど、側近として情けない限りです! どうか……どうかご容赦を!」

「い、いや、俺は別に叔母さんが悪いだなんて……」

「すべては私の実力不足が蒔いた種ッ! かくなる上は、必ずや今より力をつけて魔王様をお護りいたしますので……このアメジスティアに、もう一度だけチャンスを!」

 

 英子叔母さんとしての人格を演じるのも忘れ、アメジスティアがひたすら平謝りする。

 

 どうやら自分を責めるあまり、俺の言葉すらも耳に届いていないらしい。

 

(……この調子じゃ、今夜は話を聞いてもらえそうにないか)

 

 そう考えた俺は説得を諦め、明日の朝、叔母さんが落ち着いた頃にでも改めて話し合うことにした。

 

 

 

 ――――しかし。

 

 

 

「……マジか、叔母さん……」

 

 あくる朝。俺はリビングで絶句していた。

 

『魔王様の側近として相応しい力を付けるため、しばらく修行の旅に出ます。探さないでください。♡英子♡』

 

 机の上に残された書置きには、そう書かれていた。

 

 スマホへ連絡を試みてみるが、返ってくるのは無機質な案内メッセージだけ。どうやら電源を切っているらしい。

 

 ……さて、困ったことになった。と言っても、幸いにも金や備蓄があるため、食事をはじめとした日常生活に困ることはないだろう。

 

 問題は、やはり特訓に関することだ。このままでは俺は強くなることもできず、お飾りの魔王として君臨することになる。

 

 男として……などといったことにこだわるつもりはないのだが、かと言って、平然とその立場に甘んじるというのも気が引ける。

 

 しかし独力で練習しようにも、今まで人間として生きてきた俺には、エナジーの扱い方を上達させるための取っかかりがなさすぎる。

 

 だけど叔母さん以外に魔族の知り合いはいないし、エナジーの使い方を教えてくれるような人物なんて――

 

「…………いや、ひとりいたな」

 

 八方ふさがりの俺の脳裏に、あのお(・)せ(・)っ(・)か(・)い(・)な(・)ク(・)ラ(・)ス(・)メ(・)イ(・)ト(・)の顔が浮かんだ。

 

 ……って、バカか。そもそも力をつけたいのはアイツを倒したいからなのに、当の本人がそのための特訓に応じてくれるはずがない。……いや、超が付くほどお人好しなアイツのことだ。必死に頼み込めば、案外オーケーしてくれるかも?

 

 とは言え、どう頼む? 変に下手(したて)に出てお願いしてもナメられそうだし、強気に挑んで反発されても困るし……。

 

 だったら脅してみるか? 「お前の正体を周りのヤツらにバラすぞ」とか……いやいや、そんなことになったら面倒くさいのはこちらも一緒だ。

 

 それならいっそ、ストレートに頼み込んでみるというのは――

 

 ……そんなことに頭を悩ませながら、俺は答えを出せないまま、三日ぶりの学園へと向かうのだった。

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