金剛心輝シャイニングディオーネ~世界一面倒くさい魔王とヒロインの純愛(?)凌辱バトル~ 作:johnny内藤
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――時は遡り、前日の夕食時。
俺は自宅のリビングで、叔母さんに
「……特訓をつけてほしい?」
なぜかツヤツヤと血色がよく、全身にエナジーをみなぎらせている英子叔母さん。そんな彼女が、俺の言葉にポカンと口を開け、オウム返しに聞き返してきた。
「ああ、頼めないかな」
魔族の回復力(……と、シャイニングディオーネの献身的すぎる初期治療)によりあの大怪我を三日で完治させた俺は、箸を止めて改めて叔母さんにお願いする。
「ぷっ……アッハハハハ♪ 何を言うかと思ったら……そんな冗談、どこで覚えてきたんだい?」
しかし叔母さんは俺の頼みを笑い飛ばし、再びおかずが盛られた小皿に箸を伸ばした。
「いや、冗談じゃなくて……真面目な話なんだけど」
「だってあんたは魔王として、この上ないくらいの絶大なエナジーを持ってるんだよ? 特訓だなんて普通の魔族や人間みたいな真似をしてまで、これ以上強くなる必要はないよ」
「でも実際、
「あっ……あれは私が不甲斐なかっただけだよ。あの時は体調が万全じゃなくて……って言うか、ちょっと油断しちゃってただけで……と、とにかくあんな失態、あんたの前ではもう二度と見せないからさ!」
俺の言葉に、叔母さんがどこか焦ったように反論する。
「戦いの中で、純玲さんに言われたよ……俺はエナジーの使い方が、まだまだ上手くないんだってさ。たしかに叔母さんたちの戦い方を見てると、エナジーを操るスピードもパワーもぜんぜん足りてない気がするし……」
「や、やめてよ。あんたは私たち魔族の希望の星……偉大なる魔王なんだよ? なのに自分の口から、そんな弱気なこと……」
「このままじゃブラックディオーネどころか、シャイニングディオーネにだって勝てない。だから叔母さんに改めてエナジーの扱い方を教わって、俺もまともな戦力として役に――」
……と、俺がそこまで口にした時だった。
「もっ……申し訳ございませんッッ!!」
――ガタンッ!!
「……はっ!?」
叔母さんは跳び上がらんばかりの勢いで椅子から降り、床に頭をこすり付けだした。
「私が至らぬばかりに、余計なご心配を……! 魔王様の口からそのようなことを言わせるなど、側近として情けない限りです! どうか……どうかご容赦を!」
「い、いや、俺は別に叔母さんが悪いだなんて……」
「すべては私の実力不足が蒔いた種ッ! かくなる上は、必ずや今より力をつけて魔王様をお護りいたしますので……このアメジスティアに、もう一度だけチャンスを!」
英子叔母さんとしての人格を演じるのも忘れ、アメジスティアがひたすら平謝りする。
どうやら自分を責めるあまり、俺の言葉すらも耳に届いていないらしい。
(……この調子じゃ、今夜は話を聞いてもらえそうにないか)
そう考えた俺は説得を諦め、明日の朝、叔母さんが落ち着いた頃にでも改めて話し合うことにした。
――――しかし。
「……マジか、叔母さん……」
あくる朝。俺はリビングで絶句していた。
『魔王様の側近として相応しい力を付けるため、しばらく修行の旅に出ます。探さないでください。♡英子♡』
机の上に残された書置きには、そう書かれていた。
スマホへ連絡を試みてみるが、返ってくるのは無機質な案内メッセージだけ。どうやら電源を切っているらしい。
……さて、困ったことになった。と言っても、幸いにも金や備蓄があるため、食事をはじめとした日常生活に困ることはないだろう。
問題は、やはり特訓に関することだ。このままでは俺は強くなることもできず、お飾りの魔王として君臨することになる。
男として……などといったことにこだわるつもりはないのだが、かと言って、平然とその立場に甘んじるというのも気が引ける。
しかし独力で練習しようにも、今まで人間として生きてきた俺には、エナジーの扱い方を上達させるための取っかかりがなさすぎる。
だけど叔母さん以外に魔族の知り合いはいないし、エナジーの使い方を教えてくれるような人物なんて――
「…………いや、ひとりいたな」
八方ふさがりの俺の脳裏に、あの
……って、バカか。そもそも力をつけたいのはアイツを倒したいからなのに、当の本人がそのための特訓に応じてくれるはずがない。……いや、超が付くほどお人好しなアイツのことだ。必死に頼み込めば、案外オーケーしてくれるかも?
とは言え、どう頼む? 変に
だったら脅してみるか? 「お前の正体を周りのヤツらにバラすぞ」とか……いやいや、そんなことになったら面倒くさいのはこちらも一緒だ。
それならいっそ、ストレートに頼み込んでみるというのは――
……そんなことに頭を悩ませながら、俺は答えを出せないまま、三日ぶりの学園へと向かうのだった。