金剛心輝シャイニングディオーネ~世界一面倒くさい魔王とヒロインの純愛(?)凌辱バトル~ 作:johnny内藤
……数分後、俺はようやく集中力を取り戻し、体内のエナジーを身体の中心に集めることができた。
「さて、と……それじゃあもう一回、私の攻撃を防いでもらえますか?」
背中から離れ、再び正面に回り込んだ姫菱。
そんな彼女に促され、俺は練り合わせたエナジーを一気に放出する。
――ヴンンッ!
先ほどよりも広範囲を覆った障壁が、目の前に展開された。
俺は手ごたえを感じ、「どうだ」と言わんばかりに姫菱に目を向けたのだが……。
「はぁああぁぁぁっっ!」
――ガシャァァァァァン!!
しなやかな脚から繰り出されたハイキックにより、障壁はまたもや窓ガラスのごとく砕けてしまった。
あれほど時間をかけて練られたエナジーでも、姫菱の攻撃を防げないのか……と、少なからず落胆する。
しかし――
「……そうか」
さっきまでは見逃していた
「何かつかめましたか?」
「ああ……この角度で蹴られると、パンツが見える」
「真面目にやってください!」
姫菱がスカートを手で抑え、顔を真っ赤にしながら怒声を上げた。
「こほんっ……と、とにかく、今のはなかなかよかったですよ? さっきより厚みも硬度もあって、上手に集中できていたのがわかります」
「だけどまだまだ無駄が多い……だろ? なんとなく感覚がわかりかけてきたような気はするんだけどなぁ」
「そうですねぇ、言葉で上手く伝えることができればいいんですけど……」
姫菱は人差し指を顎に当て、斜め上に顔を向けて思案する。
やがて何か閃いたのか、俺のほうに視線を戻してこう言った。
「……じゃあ、こう考えてみたらどうでしょう? いまの黒河くんのやり方は、大きなダムを全開にして、その水をあちこちにまき散らしながら、広い広い水たまりを作っているようなものなんです」
「ふんふん?」
「それよりも、もっとこう……水を出す穴をギュ~ッと小さくして、口が狭くて深いコップをいっぱいにする。そんなイメージで、エナジーを放出してみたらいいかもしれません」
姫菱が両手で何かを絞るようなジェスチャーをして、
「穴をギュッと、ねえ……例えばホースの先をつまんで、水圧を強めるみたいな?」
「あっ、そうですね! そんな感じです!」
なるほど、これはしっくりくるアドバイスだ。
俺は再びエナジーを集中させ、体内で練り合わせる。
そして言われた通り、先を細くしたホースを思い描き、エナジーの出口を絞るようなイメージをする。
――ヴン……ッ
静かな音を立てて創り出された障壁は、上半身全域をカバーしていたさっきまでのものとは違い、胸の前をピンポイントで護るくらいの大きさしかなかった。
しかしその分密度は濃く、厚みも倍近くある。見るからに重たく、丈夫そうなバリアーだった。
姫菱は一瞬スカートを気にしたような素振りを見せたものの、すぐに表情を引き締め、障壁を見つめて構えを取り――
「……はぁっっ!」
じゅうぶんに力を溜め、勢いよく放たれた渾身の回し蹴り。
俺の目に白いものが飛び込んできたが、猛スピードで距離を詰めてきた足の裏に遮られ、あっという間に視界から消えてしまう。
……そして。
――ガツッッ!!
「おおッ!」
障壁は今度こそ砕けることなく、姫菱の踵を完全に受け止めた。
今までつかみあぐねていた感覚が、スルリと自分の中に入ってきたような気分だ。
思わずテンションが上がり、俺は障壁の向こうの姫菱に呼びかけようとした。
その時……。
――シュッ! シュッ!
「……ッッ!?」
不意に放たれた正拳が、空を切って俺に迫ってきた。
一発目の突きは顔面の前で。二発目は無防備な腹の前でそれぞれ寸止めされ、拳から生み出された風圧によって、前髪や制服がフワリと舞う。
「ふふっ……油断大敵、ですよ♪ 盾が小さくなった分、今度は他の部位への攻撃にも気を配るようにしないと」
「……肝に銘じておく」
ニッコリと目を細めて告げられたありがたい御助言に、俺は苦笑いで返すことしかできなかった。