「エコンド司令官、浴槽を回収いたします」
中へ呼びかけてみるが、返事はない。
構わず中へ入ると、そこで目にした光景にラリーは再び言葉を失った。
「やっ……!」
ちょうどフィーネが、全裸のエコンドにベッドへ引き込まれるところだったのだ。
ぼすっとシーツの上で弾んだ彼女が、まるで助けを呼ぶようにこちらへ目を向ける。
目が合うと、彼女はきゅっとまぶたを閉じてしまった。
「まったく、たまらんな」
エコンドは、仰向けになったフィーネの姿を鑑賞していた。押し倒したはずみでブラウスが開き、白い乳房が露出している。
スカートもめくれており、真上のエコンドからは無垢な割れ目も見えているだろう。
「やめてっ……いやッ」
フィーネの伸ばした細腕をエコンドは難なく掴み、枕元に押さえつけた。
「くく、まだ抵抗するか。いいな……それくらいのほうが楽しみも増す」
ベッドの上に常備している拘束用の麻縄を取ると、彼女の両手首を縛り上げる。
そうしてからエコンドは、フィーネの上を向いた双丘へと顔を近づけた。べろんと下乳を舐め上げる。
ふるんと震える乳房に、ラリーは生唾を飲んだ。
舌先が触れただけで、あそこまで揺れるなんて……実際に舐めたらどれほどの柔らかさと瑞々しさなのだろう。
「あっ、んんっ……やだぁっ」
フィーネは縛られた手首で必死に引き離そうとしていた。だが胸元に張り付いたエコンドの頭はピクリとも動かない。
「無駄なあがきだ。少しじっとしていろ」
エコンドは彼女の手首を掴んで再び枕元に押し付けると、その動きだけで揺れる柔乳にむしゃぶりつく。
チュパ、ジュルと、淫らな吸着音が響き始める。
「やだっ、もうやめてっ……あぁっん」
まるで大型の魔獣に襲われているようだ、とラリーは思った。
そのくらいエコンドとフィーネには体格差がある。生贄のように捧げられた聖女に、涎れを垂らして食らいつく魔獣。
その背徳的で暴力的な光景に、ラリーは味わったことのない興奮を感じていた。
ぢゅぢゅぢゅ、と乳首を強く吸引していたエコンドが、フィーネの両膝を持ち上げて股を大きく開かせる。
そこに、いたいけな少女が受け入れるにはあまりに大きな剛直をピタリとあてがった。
(ま、まさかっ……)
処女を、奪おうとしている。
ふとエコンドが、こちらをギロリと睨みつけた。
ラリーは隣で自慰行為に耽っていたコサックの肩を掴むと、低い声で警告する。
「お前は外へ出ていろ。これ以上を見たら斬られるぞ」
本能でそう感じた。
皇帝陛下の勅命に背くのは重罪だ。
それを承知でエコンドはフィーネを抱こうとしている。
その決定的な場面の目撃者になってしまったら、最悪エコンドに口封じで殺される可能性がある。
「ちょ、え、これからイイところ……」
「上官命令だ。背けば処罰する」
それでも混乱しているコサックを無理やり外へ追い出すと、ラリーは一瞬だけエコンドを見た。
こちらに向けた口端が、ニヤリと歪んでいる。
ラリーはさっとベッドから目を背けた。
「いうッ、ぅ……いたっ、いたいっ……いやッ、やだ、抜いてっ……いやああぁっ――ッ」
フィーネが悲痛な声を上げる。
エコンドの凶棒が処女を貫いたのだ。
しばらく苦しげな悲鳴を漏らしていた彼女だったが、その声にわずかな性感がにじみ出す。
「あっ、や、あぁんっ……んんッ」
「ぐっ、おお……やはり名器だな。くっ……絞り取られそうだ」
「ぅッ……ふっ、う……んんッ……うっく、ぅっ……」
「お前は、天性の男たらしだな」
エコンドが腰を振り始めたのだろう。ヌチュ、ヌチュといやらしい水音と、ベッドのきしむ音が鳴り出す。
ラリーは浴槽の縁に立ち、必死に静かな湯面を見つめていた。
だがフィーネの甘い嬌声から、規則的に鳴る淫音から、今ベッドの上で彼女がどんなふうに突かれているのかが想像できてしまう。
「うぅっ……も、おねがい……やめてぇ、あッ、あっあぁんっ……」
「くそっ……フィーネ、出すぞ……膣中に」
初めて聞く、エコンドの切羽詰まった声に驚く。
これまで何度か捕虜を無理やり抱いている場面に遭遇してきたが、相手がイき狂うのを冷たい笑みを浮かべて見下ろす姿しか見たことがない。
それが挿入からわずかも経たないうちに果てようとするなんて。
先ほどエコンドがつぶやいた名器という言葉を、ラリーは脳内で反芻する。
性豪で知られる男をこうまで翻弄してしまうなんて、フィーネの中はどれほど気持ちいいのだろうか。
バチュンッ、と腰を叩きつける音が鳴る。
「はぁっ、ああぁぁんっ――ッ」
さらにバチュ、バチュ、と彼女の尻とエコンドの股間がぶつかる音が響く。射精が近いのだ。
「あんっ、やあぁっ、やだぁっ……抜い、てぇ、いや、いやぁッ、ああぁっ……」
「ぐ……うおおぉっ、出すぞフィーネ、出すぞっ」
「やっ、あッ、んっあっ、あぁっ、ひっ……ぁッ、あぁっ……いやああぁぁっ――――――ッッ!」
「ぐっ、出るっ……おおおぉぉぉ……!」
雄叫びのような声が天幕の中に響き、抽送音が止む。
静かな空間を、エコンドの荒々しい吐息と、フィーネの「うっ」「ぁ」という何かに感じ入っているような声だけが満たす。
きっと、その声のたびにエコンドが腹奥に滾り汁を放出しているのだ。
気づけばラリーも、呼応するようにズボンの中で射精していた。
「……ラリー、早く湯を交換しろ」
「はっ、はい、すぐに」
不意に命じられ、慌てて浴槽を外へ引っ張る。
「ああそれと、シーツを替えておけ」
「はっ」
天幕から出ると、いまだに他の兵士たちがたむろしていた。
ラリーを見ると、股間を膨らませたままゆらゆらと近寄ってくる。中で何が起こったのかを、教えてほしいのだろう。
ラリーは彼らの期待と嫉妬にまみれた視線を無視し、黙々と浴槽の湯を地面に捨てる。
水を入れ、焚き火にくべていた熱湯を流し込んで混ぜた。
「誰か、浴槽を運んでくれ」
「は、はい!」
我先にと手を上げるコサックを無視し、他の兵士の中から二人を選び、運ばせる。
ラリーは、エコンドに命じられたとおり替えのシーツを持って再び天幕へと向かった。
あたりにカッペの姿はない。おそらく早々にテントへ戻り、フィーネの体をまさぐった感触を思い出して自慰をしているのだろう。
再び天幕に入ると、チュ、チュと小刻みな音が鳴っていた。
見ればベッドの上で、力なく気絶したフィーネの首すじにエコンドが何度も口づけをしている。
汗だくになりながら彼女にキスをしている様は、まるで初めてのセックスに夢中になっている少年のように見えた。
大きな体で彼女に覆いかぶさっているが、どうやら下半身の結合はすでに解いているようだ。
決定的なところを見ずに済んで、ラリーはほんの少し安心する。
ラリーたちに気づいたのか、エコンドは体を起こすとフィーネを横抱きにかかえて近づいてきた。
太い腕に包まれ、だらんと細い手足を投げ出している美少女の裸体に、その場にいた兵士たちが息を止める。
彼女を横抱きにしながら、エコンドは浴槽へ勢いよく腰を下ろした。
湯面が波打ち、浴槽の縁からあふれる。
「ハァ……こんなに酔ったのは初めてだ」
エコンドが天井に向けて息を吐く。
その消耗した様子から、フィーネとの性交がどれほどの快楽だったかがうかがい知れる。
横抱きになっているせいで、彼女の下腹部は太ももに隠れて見えない。その代わり腕は垂れ下がっているので、上向いた二つの美乳はしっかり眺めることができた。
フィーネの生乳を、こんなに近くで見るのは初めてだ。
横から見るとその綺麗なお椀型の形がよく分かる。
彼女の小さい呼吸に合わせて上下する、柔らかそうな乳房。
淡い乳輪は白い素肌との境界が曖昧で、その真ん中でピンと立っている薄桃色の乳首は、思わず口に含んでみたくなる。
その蕾の小ささは、フィーネがまだ未成熟であることを証明していた。
これまで見てきたどれより、いや宗教画や想像で思い描いてきたどの乳よりも美しく、淫靡な乳房だ。
無垢で清らかな寝顔も相まって、この世のものとは思えないほど神秘的な光景だった。
この場にコサックやカッペを連れて来なくてよかったと思う。
ラリーはその矮小な優越感に浸るしかなかった。
(女神すら羨むような美少女を、エコンド司令官は……)
好き勝手にむさぼり、舐め、しゃぶり、蹂躙したのだ。
天使を思わせるような美貌を歪ませ、泣かせ、初めての性の快楽で塗り潰したのだ。
うらやましい。
そんなラリーの嫉妬心に気づいたのか、エコンドは愉しそうに笑った。
「くく、貴様らにもいいものを見せてやろう」
そう言うとエコンドは、フィーネの太ももの間に手を入れるとクチュクチュと音を立て始めた。
「……ん、ぁっ……」
彼女のまぶたがピクリと動き、唇がわずかに開く。
角度的に見えないが、そこの湯面が波立つ様子から、フィーネの幼穴に指を入れて弄んでいるのだろう。
ついでにとばかりにエコンドは横抱きにしながら、彼女の乳房を揉み始めた。
ピアノを弾くように指を一本ずつ動かし、乳肉に指を食い込ませる。指の間からこぼれた薄桃色の乳首が、指の動きに合わせて上下左右に向く。
「おおぉぉ……!」
兵士の一人が、下品な歓声を上げた。
「んッ……」
吐息混じりの甘声を漏らし、フィーネがうっすらと目を開ける。エコンドによる性感で意識が浮上してしまったのだろう。
それを見てエコンドが口角を歪ませる。
「起きたか、フィーネ。お前は寝顔もそそるな」
「ひっ……やだ、離して……あんっ、んんっ……」
湯の中から鳴る淫らな音が、いっそう大きくなる。湿地帯をかき混ぜるような音だ。
「さて、続きをしようか」
「いやっ……お願い、もう嫌ですっ……」
エコンドの宣告に、フィーネが涙目で訴える。
そんな顔で懇願され行為を止める男などいないだろうに、とラリーは心中でため息をつく。それどころか、雄の嗜虐心を煽る結果にしかならない。
エコンドはさらに口端を歪ませると、彼女を軽々と持ち上げた。
自分のほうに向かせると、ゆっくりと湯の中へ下ろしていく。
「あっ、ぐ……ふぅっ、んッ……や、だぁっ」
向かい合わせになった対面座位の格好だ。
フィーネの細い背中が、妖艶に反り返る。湯の中では再び凶悪な肉槍が、彼女の膣穴を貫いたのだろう。
「エ、エコンド様っ、挿れたのですか!? 陛下からの勅命では処女を奪うなと……」
空気の読めない兵士の一人が驚き声を上げる。
「……貴様、ずいぶんな物言いだな。繋がっているかどうか見てみるか?」
エコンドが眼光鋭くその兵士を睨みつける。
確かに対面座位だし下半身は湯の中にあるので、実際に彼女の膣にエコンドの肉棒が挿入されているのかは見えない。
睨まれた兵士は「ひっ」と情けない声を上げると、そのまま押し黙ってしまった。
その反応にふっと鼻を鳴らしたエコンドは、フィーネの胸元に吸い付いた。
彼女の背中越しに、エコンドの瞳に愉悦が混じっているのが見える。
肝心の乳房や乳首にしゃぶりついているところは見せず、悶々とするこちらの様子を愉しんでいるのだ。
やがて湯面が揺れ、パシャパシャと音を聞こえ出す。
湯の中で、エコンドが腰を動かし始めたのだろう。
「いッ…… んんっ、ふ、ぁッ……んっ……」
快感に耐えるようなフィーネの嬌声が聞こえる。
きっと今、彼女の顔は羞恥と快楽に染まっているのだろう。それをエコンドは独り占めしているのだ。
さらにエコンドは、フィーネの後頭部を掴んで無理やり口付けをした。
「んむっ……ぅッ、けほ……んあっ、んッ……んくっ……かはっ……」
そのうめくような彼女の声から、小さい口内にエコンドの大きな舌が差し込まれているのが分かる。
(口づけ、まで……)
ラリーは、フィーネが唇を奪われている場面を見るのは初めてだった。
建物や馬車内、この天幕内でも散々に奪われていたのだろうが、実際に目の当たりにすると、衝撃は大きい。
「んっ、うぅっっ……ぷはぁ、っ……んむっ! んっんっ……んんんッ」
彼女の喉奥から鳴る、くぐもった悲鳴が興奮をかき立てる。
「んっ……は、ぁっ……」
フィーネが拷問のようなディープキスから解放される。
同時に、エコンドは彼女をかき抱きながら動きを止めた。
(また、中に放ったのか)
ビクビクと華奢な肩を震わせるフィーネ、そして眉間にシワを寄せて力んでいるエコンドの様子が、深い射精を物語っていた。
「……はぁ、はぁ……やっ、また……出てる、の?」
「なんて女だ」
朦朧とした様子の彼女に、エコンドが息をのむ。
もうラリーたちが居ることなど忘れていたのだろう。エコンドの瞳には、もうフィーネしか映っていない。
呆然とするラリーたちを気に留めることなく、エコンドは立ち上がって彼女をベッドへ引っ張り、自身は仰向けに寝転んだ。
「俺の上に跨がって腰を振れ」
「い、いやっ……」
首を振るフィーネを無理やり引き寄せる。彼女の肢体を易々と腰の上に乗せ、嫌々と首を振る彼女に構わず肉棒を突き刺した。
「あぅッ……んうぅぅぅっ――ッ」
彼女の甘美な悲鳴がこだまする。
「腰を振れ」
エコンドが股間をズンと突き上げると、フィーネの体が浮いた。さらに彼女の腰を前後にも動かして、小さい体を好き勝手に揺らす。
「あっ、あぁんっ、いやぁっ……とまってっ、ああぁぁんっ――ッッ」
腰の上で踊るフィーネの淫らな姿を、ラリーたちはただ凝視するしかなかった。
その場にいる誰も、皇帝陛下の勅命のことなど忘れて見入っていた。
エコンドの腰の動きに合わせて上下に揺れる乳房、艶めかしい腰つき、飛び散る汗と涙、振り乱される蜂蜜色の髪。
その全てが淫靡だった。
いつしかフィーネはエコンドの腰の上で気絶していた。それでも彼女が倒れ込む暇を与えないほど、エコンドは激しく突き上げ続けた。
「ぐっ、うぅぅっ……!」
獣のような呻き声を発し、エコンドが痙攣する。
やっと突き上げから解放されたフィーネの肢体が、ゆらりとエコンドへと倒れ込む。
その小さい体をぎゅうと抱き締めながら、エコンドは思い出したようにこちらを睨んだ。
「口を閉ざしておけ」
その殺気のこもった眼光に、ラリーたちは震え上がる。
「湯を、替えますか?」
かろうじてそう言ったラリーに、エコンドは不機嫌そうに顔をしかめた。
「不要だ。貴様らはもう出ていけ。俺の許可なく立ち入ったら斬る」
余裕のない顔だ。
もうフィーネを抱き潰すことしか考えられないのだろう。
それほどの、女なのだ。
ラリーはズボンの中ですでに何度も射精していた。きっと隣に佇む兵士二人も同じだ。
「承知しました」
奥歯を噛みしめながら、ラリーは兵士たちと天幕を後にした。
外に出ると、あたりはすっかり夜闇に包まれている。
ラリーは、いまだ呆然自失ながら顔を紅潮させている兵士二人をテントに帰すと、天幕の前に集まっていた他の兵たちも解散させた。
全裸で放置されていたエラを捕虜用のテントに運び込み、自分はまた天幕の前に戻る。
(エコンド司令官は、きっと俺にもいい思いをさせてくれるはずだ……)
副官として、天幕を覗こうとする不届き者を見張るため。
そういう建前で、ラリーは中から聞こえてくる情事の音に耳を澄ませた。
その夜、静まり返った駐屯地内には、明け方近くまでベッドのきしむ音と、肌と肌がぶつかり合う音、そしてフィーネの悲鳴と淫らな嬌声が響いたのだった。