「はいっ、みんなお疲れさまー! 今日もよく頑張ってくれたね!」
平日の夕方ごろ、市街にある公園にて号令が響く。部隊を取り仕切る青年が隊員である少年少女たちに言葉を送り、彼らの活躍を評価した。
この日は市街で発生したヘルメット団とスケバン軍団との応戦だった。両者ともにレストランで注文したシュウマイにグリーンピースが乗っていなかったことで諍いを起こし、僅かなドつき合いが銃撃戦に発展。ただちにシャーレの部隊が動く運びとなった。
そんな騒動も鎮圧し、今日も事件を解決するシャーレの各学園生徒たちの混成部隊。帰りの時間になった途端、取り仕切っていた青年に生徒たちは挨拶をし、それぞれが帰路につく。これが、変わらぬキヴォトスの日常の一コマである。
そんな中、帰りゆく生徒たちの中に、同じ部隊にいた少女を呼び止める声が響く。
「あ、あのっ! 白尾さん! お疲れ様!」
ぴたりと、白尾と呼ばれた少女が振り向いた。
大きな帽子がトレードマークの少女だった。すっぽりと頭を被るほどのサイズ感は、わずかに帽子の端を下に曲げれば顔が隠れてしまう。内向的故か、自分の顔に自信がないと思われがちだが、むしろその真逆。可愛らしく整った容姿をしていた。
ぱっちりと大きな瞳に、肩にかかる程度の淡い銀髪。普段からパーカーらしきものを羽織っているが、その下にあるシャツの姿からはグッ……と衣類を押し上げる立派なモノがたゆんっ♡と。見るも可愛らしい少女――ワイルドハントの生徒、白尾エリが少年と同じ部隊の生徒だった。
少年の一声によって動きを止め、ちらりと少女の視線が彼に向けられる。内向的な性格なのだろうか、少年に話しかけられた少女はどこか声を抑えめにしていて、覇気がない。
それが、彼女自身が人見知りする性格であるため、大きな声に反応してしまったのだろうとようやく気付く。少年はそんな自分の至らなさに恥じ、彼女と会話を続けた。
「あ、あはは……ごめんね、白尾さん。つい大きな声が出ちゃって」
「い、いえいえ! そんなことないですよ。そちらもお疲れ様です……今日もすごい活躍していましたよね」
「はい、まぁ……これでも一応、そこそこ戦えるんだよ、ぼく」
戦場での自分の活躍ぶりがいかな物か。それを語る必要はないだろうと、そう言いたげに胸を張る。
なにせ、今は戦いの事よりも語りたいことがあるのだから。
「……ええと、それでね。白尾さん。この前、ぼくの作品が更新されたんだけど……どうかな? 見てくれた?」
例の件なんだけど、と付け加える。その言葉の意味がなんであるかを察したのか、エリのほうも「あぁ~……」と思い出したように語ってくれた。
少年の言う例の件、と言うのは彼が執筆しているインターネット小説の事だ。小説投稿サイトによって投稿されている、高評価高得点の人気書籍化作品。彼はその作品の原作者だ。
少年は自分の作品が好きだった。元々は何も趣味がないため、何かないかと思っている所をネットを巡回している時にサイトを見つけたのが始まり。自分の中で抱えている『とある鬱憤』を晴らすため、内に秘めたパッションを作品へと投影したことで大成功。少年は、そんな作品をエリに見せたいとずっと思っていたのだ。
エリは芸術性の高いワイルドハントの生徒だ。そんな彼女から面白いと思ってもらえれば、何か作品をよりよくするための意見がないか。そう思って彼女に作品を見てもらっていたのだ。
……もちろん、それ以外の意図はしっかりとあった。
ずいと詰め寄るようにして、彼女から感想を求める。
「その、とっても面白かったです。ほら、例の無能な隊長にリベンジした時……とか」
「でしょでしょ? ああいうカタルシスのあるシーンは読者からもウケがいいんだ。あとね、またヒロインを増やそうか考えているんだけれど……」
話がどんどん盛り上がっていく。やはり、芸術性のある話をこうして話に花を咲かせられると有意義だと思える。
エリがもっと喜んでくれている……そんな風に見えた。面白い作品に触れたことで、きっと彼女の芸術的センスにも多少なりとも磨かれたであろうと、そう思えたからだ。
さて、そろそろ作品の展開的にも新しいヒロインを出したい。少年の書く作品には、エリの会話からヒントをもらって書いているのだ。作品のヒロインである『内向的だけれど主人公の事をマスターと呼んで慕うヒロイン』以外にも、『ちょっとオカルティックな不思議ちゃん』、『品行方正で変わった趣味のある真面目な子』、『素直になれないツンデレ系』。これらを取り入れたキャラクターたちが、思いのほか読者にウケているのだ。
『エリの時みたいに』彼女の会話からそのヒントをもらいたい。なによりも、こうして話を続けていく中で楽しく会話を弾ませていられる。そうして、もっと続けようとして――
「あれ? 二人ともまだ帰ってなかったんだ?」
「っ……♡♡ は、はい! マスっ……せ、先生!」
「……あ、はい。先生」
咲かせていた話の花が、過剰に注がれる水のように割って入ってくる大人の言葉。
子供同士の間に、大人が割り込んでくる。まだ帰らない二人を見て、シャーレの大人が少年たちの間に口を挟んだ。
「そろそろ暗くなるからね。エリも、ワイルドハントは厳しいんだし……」
「あっ……は、はい! ごめんなさい、お話はまた今度で!」
……そうして、話は中断されてしまった。
せっかく楽しく繰り広げていた会話も、大人に促されるまま帰されてしまう。足早にさっていくエリの背中を見送り、小さくなっていく彼女を見守りながら少年も帰路についた。
寂しい、と思ってしまう。だけど、この寂しさも力に変えて、自分は作品を書き続けるのだと決意を新たにする。
ネットの世界で読者が待っている。最新話を更新せねばと、少年は帰路についた。
※
【――以下 『小説、書こうよ!』 に掲載されている書籍化している超有名作品】
【異世界最強の追放者――私欲で追い出した見る目のない無能な大人は死ぬほど後悔するがしったことではない。ぼくの事をマスターと呼んで慕ってくれる爆乳少女が甘やかしてくれて幸せです――】
【話数:38話 評価数:高得点 ランキング:上位 感想:三桁】
【第1話】
「――オイ、『無能』。お前はもう追放だ」
その言葉を耳にした途端、俺は難聴になったのかと自分を疑った。
今、この大人は何を言ったんだ?
「ま、待ってください隊長。あの、なんでぼくが部隊から追放されなきゃ……」
「なんだ? まだわかってないのか? さすが無能だな。自分の力を理解していないがゆえに簡単に疑問を口に出せるのか。恥というモノを知らないのか?」
ぼくのことを馬鹿にする目の前の大人が、教室でみんなの前でニタニタと笑いながらそう言ってくる。
周りのほうもぼくのことをくすくすと笑っていて、誰も庇ってくれない。
待ってくれ。そんなの、おかしいじゃないか。ぼくはみんなの力になっていたじゃないか……
「そんな! ぼくは、ぼくは今まで部隊に尽くしてきました! 部隊の消耗品や物資、さらには戦闘中の『バフ』といった能力向上だってぼくがいなければ!」
「なんだ『バフ』とは? そんな訳の分からないような言葉を使って、俺のことを馬鹿にしているのか?」
「……なにを、いって……」
ぼくが今までどれだけ部隊に尽くしてきたのか、これまでの事を並べ立てた。だけど、隊長は眉一つ動かすことなく、心を動かされることなく、ぼくの言葉に耳を貸してくれることはなかった。
それどころか、ぼくの『バフ』の力を信じてもくれなかった。
ぼくは戦闘中に共に戦う仲間の事を念じることで『バフ』をかける事が出来る。『バフ』をかけられた仲間は、身体能力や思考力がアップし、とても強くなる事が出来るんだ。
これは隊長を含め、仲間の誰にも言っていない。ぼくのように裏方で輝く人間は、出来るだけ目立つことは避けたかったから誰にも報告しないでおきたかったんだ。
だから、ずっと陰で支えてきてたのに……それなのに……!
「いいな? 荷物を揃えてここから出ていけ。もうお前は用済みだ」
……呆れるとしか言いようがない。自分の部隊のことも把握せず、ただ必要ないからと気持ちのままに部下を切り捨てるその姿。あまりにも、無様だ。
ぼくは、ずっとこんな奴に付き従っていたのか。こんな奴に、こんな、大人に……ぼくは、言いように使われていたのか……
「……わかりました。今まで、お世話になりました」
※
「ひどいっ!!! ひどいですよ、ひどすぎます!!! 今までずっと尽くしてきたのに……それなのに追い出すなんて!」
怒りのマークを額に浮かべているみたいに、すっごく怒ってくれている女の子。同じ部隊の、同じ仲間。『リエさん』が、義憤にかられていた。
「……気にしなくていいよ。どうせ、目立たない裏方だったしね。ぼくみたいな隊員が一人いなくなろうが、隊長からすればどうでもいいことなんだよ」
「だからって!!! こんなのっ! こんなのひどすぎます!! ……あなたは優し過ぎるんですよ。だからそうやって誰かに使われて……使いつぶされちゃうんですっ……」
ほんとうに、良い人なんだな。ここまで怒ってくれるなんて、この部隊は嫌な人ばっかりだったけど、リエさんのように良い人がいるならちょっとは心が救われたかもしれないな。
「……決めました! 私もこの部隊から抜けます! 一緒に出ましょう! こんな場所!」
「えっ!? そ、それはダメだよリエさん! キミは隊長から目をかけてもらっているのに……」
「大丈夫です! こそっと抜け出して、後から抜けたことをメッセージで送ればいいんです! 元からそんな面倒な手続きも要りませんし……ね!」
ぎゅっと、リエさんがぼくの手を強く握る。
「そうだ……これからはあなたが隊長になればいいんですよ!」
「え、えぇぇっ!? ぼくが!? む、無理だよ! ぼくなんて、そんな……」
「無理じゃないです! ……自覚ないかもしれませんが、あなたは実は誰よりも有能なんですよ? そんな才能を見極められない部隊よりも、あなたが自分の力を活かせる場所で働けばいいんです!」
「……う、うーーーーん……」
ほんとうに、そうだろうか?
無能や役立たずと言われて、引き留められることなく追い出されたぼくなんかに……本当に、そんな力があるんだろうか?
……いや、やるやらないじゃない。やるしかないんだ。ぼくのことをこうして信じてくれるリエさんのためにも……!!
「……あ、あのっ、これからはあなたのことをマスターって呼んでいいですか?」
「えっ、い、いきなりなんで!?」
「だって、これからはあなたが隊長なんですから! これからはあなたがマスターなんです!」
「――えへへ♡ よろしくお願いしますね! マスター♡」
【第38話(最新話)】
「な、なんでだぁぁぁぁぁぁぁぁ!! なんでっっ……!! おれがっ、こんな無能なんかにぃぃぃぃっ゛!!」
あまりにもみっともない光景だった。大人として周囲に対し、威張り散らしていた結果がこれだ。
ただ他人を利用しようとするだけで、自分は何もしようとせず、目先の利益だけに走り続けてきた結果がこれだ。
だけど、なんであれこの大人に対してやることは一つだ。
「……元隊長。お前が、ぼくに対してやったことはもういいよ。どうでも、いいさ。でもな」
「殺せっ!!! もはや人質なんてどうでもいい! 誘拐したリエごと殺してしまぇぇぇぇぇぇ!!」
「ぼくの仲間に手を出したことは――許しはいないさ」
喚き散らし、隊員たちに命令を出すだけの大人。昔は立派な人たちに見えたこの隊員も、今となっては考えなしに大人に従っているだけの人形でしかない。
後ろで、ぼくの仲間が――彼女たちが見持っている。だけど、彼女たちに手を出させない。アイツは、ぼく自身の手で決着をつけてやるんだ。
「ま、マスター……!」
「助けに来たよ、リエ。一緒に帰ろう」
【――作品の感想】
・【へるめっと】ずっと前からファンでした! 書籍化おめでとうございます!
・【BOY】リエちゃんかわいすぎ。おっぱいでかいからすき。
・【めがね】元隊長、最新話で落ちぶれててマジざまぁwww
・【せいぎ】アニメ化したらマジでみるわ
・【ペロペロ】評価系投稿者に馬鹿にされてるけど、無視していいですよ!
・【朽木修羅】この作品おもしろすぎですねぇ。手前の作品と負けず劣らずハイクォリティですよぉ。ちなみに手前が書いた『最強の怪談家』もぜひ(他作品で自作品の宣伝をしたため、規約違反によりコメント削除済み)
※
【――数日後】
「……な、なんだ? なんで、シャーレのオフィスで物音が?」
今日は少年がシャーレの当番を務めていた。青年に対して快く思ってない物の、それでも仕事は仕事だからと割り切り、やり終えたその日の帰り道のことである。
……忘れ物をした。自分が在学している学園近くの駅に到着し、そこで自分のボールペンがないことに気づいたのだ。作品のアイディアを思い浮かんだときにメモ用紙と共に所持していた、思い入れのあるものだった。作業中に落としたことを思い出し、すぐさまシャーレの方へと戻る。
シャーレに到着。すぐさまビルの中に入って、オフィスへと足を運ぶ……そこで、ふいに過る嫌な予感が。通路内にて、物音を立ててはならぬと声を押し殺す。戦闘において、音をたてぬ足取りは地味ながらも有効なスキルだ。特に、敵へと接近する場合、相手の寝首をかくことだって出来るのだから。
しんと静まり返る通路内。反響する音はなく、それがかえって張りつめたモノをぼくに感じさせた。何もないがゆえに、何かが起きていることを想起させたのだ。
……その違和感の元が、シャーレのオフィスからだと気づいたのは先ほどのセリフの通り。あそこだけが、何か言いがたい『嫌な物』を発しているのが分かった。
何かが、ある。と言うよりは、何かが起きていると言った方が良いだろう。耳をすましてみれば、僅かながらも掠れた音と明確ではない声が何とか拾える。
一体、何が。自分の感覚と聴覚に身を任せ、拾い上げた音の解像度を高めるために感覚を研ぎ澄ませれば――
「っ……! 苦悶の、声……!?」
苦しみ喘ぐ、人の声。それも、聞き知った人の――白尾エリさんの声だと分かった瞬間、ぼくは青ざめた。
噂だけなら知っている。先生はシャーレのオフィスに生徒をコスプレさせて、いかがわしいことをさせていると。それならば、今こうしてエリさんの声が聞こえている、という事は……!!
嘘だ、嘘だ、嘘だ。なんで、なんでエリさんが苦しめられているんだ。どうして、エリさんがここに居るんだ。確かあの人は当番じゃないって言ってたのに……!
――その時、ぼくの頭の中に……ぼくの物語の主人公が語り掛けた。
――助けに来たよ。リエ、一緒に帰ろう
……あぁ、そうだ。この状況は、ぼくの書いた物語とリンクしているんだ。傲岸不遜の敵を思いっきりぶちかまし、ヒロインを助け出すざまぁ展開その物。今、ぼくはそれらと同じ場所に立っている。
(っ……リエ……いやっ、エリ!!!)
気持ちは、すでにあの人の元へと駆け出していた。必ず助け出して、ぼくが描いた物語と同じように……キミの手を取って見せると。
※
――っぢゅっ゛♡ ぢゅるるるるるっ゛♡ ちゅっ、っちゅぅぅぅ~~~~~~っ゛♡♡
「にゅ、ぢゅぅぅ、るるるるるっ……♡♡ にゅふっ、っちゅっ……♡ ぷあっ♡ にゅへぇぇぇ~~……♡ ましゅたぁっ♡♡ ちゅっ、ちゅー……♡ ちゅーしながら、い~~~っぱい、ちゅきあげてくだしゃいぃっ……♡♡」
――どぢゅっ゛♡ どぢゅっ♡ にっぢゅにっぢゅっ……♡♡
「ふにゃっ゛♡ ん、んぁぁぁあっ♡♡ おまんこ、ちゅくの、つよすぎますよぉっ♡♡ からだ、おもいっきりこすれちゃっ゛♡♡ んにゃぁぁ~~~~~~っ゛♡♡♡」
静かなオフィス内に、淫らに響く少女の声。誰もいないからと気を許しあいながら、少女の声からあらん限りの嬌声を振り絞っていた。
ソファに腰を掛けた青年の上、そこに少女が――特徴的なトレードマークである帽子を大きく揺らして下半身を揺らし上げている。その真下、女の証である披裂へと咥えこんだ逸物をじっくりと舐めとりながら、よりむしゃぶりつくように腰をグラインドさせてズッと重々しい尻を叩きつけた。
スプリングが、大胆に軋む。ずしりぎしりと激しく鳴らし上げながら、向かい合って抱き留めてくれる男の唇に舌先を伸ばしながら熱く密着。じゅるじゅるとみだらに啜り上げる汁音が、PCの機械音を上書きするほどにオフィスを満たした。
「っ……はぁ、何を言ってるの……エリのほうからこっちに来たんでしょ? 当番じゃないのに……まったく」
「にゅ、にゅへぇっ゛♡♡ ご、ごめんなしゃいぃっ♡♡ だ、だってぇ♡ マスターと、いっぱいえっちしたくってっ♡♡ さいきん、ぜんっぜんあえなくってぇ♡♡ ……ぁぁむ、ちゅっぅぅぅ……♡♡」
呆れたような声を出しながら、上で跨る少女の頭を撫でつつ優しい声をかけた。仕事の時間に穴をあけてしまうのに、それでも甘えてくる少女の気持ちに応えるためにも、こうして彼女と共に居られる時間を用意したのだ。
そんな我儘を受け止めてくれる青年の気持ちを汲み取りながら、熱く唇を重ねていくエリ。柔らかく吸い付く感触が、心地よさと楽しさが胸の中を満たした。
「っっ……っぱっ……♡ えへへ……♡ 寂しかったから……♡ いっぱいしたかったんです……♡」
「ここ最近は仲の良い男子がいたでしょ? 邪魔しちゃ悪かったかなぁって」
互いに気持ちを確かめ合いながら、腰をグラインドさせつつ肉穴の中で擦れ合う感触を感じ合う。二人の中で蕩け合う感触に浸り合いながら、思い出したようにエリと関係性のある少年を話題にあげた。
とろけるような心地よさに、陶酔しているエリの頭。一緒に溺れ合うような気持ちよさを味わっていく中で、ふいに過る少年の名前が――まるで、異物のように思考の間に挟まれた。それが、エリの心の内だった。
「あ~……ぜんぜんぜんぜん! あの人とはそんな仲じゃないですし……それに、よく面白くない小説をおすすめしてくるから、ちょっと苦手だったんです……」
問われたから答えるだけですと、そんな事務的に処理するように少年の話を終えていく。
彼から見せられた作品に関しても、エリにとってはそこまで心の琴線に触れることはなかったようだ。彼女の芸術的センスの内側においては、彼の技量がどうであれ、経験を積むためのモノとして役に立つことは何にもなかったらしい。
だから、特に。悪意もなければ敵意もなく。ただ、彼女自身が自然と『あわない』『つまらない』で片づけてしまう。それを本人に向けて言わないだけ、有情と言えるだろう。本人に直接、言わなければ。
……ただ付け加えるならば、彼女の話の内容からして、小説のモデルになっていることに気づいてない、と言うのは幸運なのか不幸なのか。
「むぅぅ……それよりも、今は私の事だけみなきゃだめじゃないですかぁ……♡ ほら――」
――どっっっっぷんっ゛♡♡♡
「はいっ♡ ますたぁ専用のぉ……♡ 使い魔デカパイ♡♡ お仕事頑張れるように、い~~~~っぱいマナを吸い取ってくださいね♡」
シャツを捲り上げ、包み込むように支えていたブラを思いっきりずらして見せれば、どゆんっ゛♡♡ と揺れ弾む白色の豊乳が露に。
ゆっさゆっさっ゛……♡♡と吊り下げられる眼前の光景はあまりにも艶めかしく、見る者を惑わす力が宿っているかのようだ。この魅惑的な肉房が、ネットの世界では多くの男子たちを魅了し、一部では早くも二次創作のネタにされているだけの価値が宿っているのだ。
そんな、魅惑的の肉房が一人の青年にだけ捧げられていく。がっしりと掴んだおっぱいを寄せながら、ヒクつく先端に唇を寄せて、
――ぢゅぅるるるるるるるるっ゛♡♡ ぢゅっ゛♡ っぢゅ~~~~~~~~~っ゛♡♡
「にゅやぁぁっぁあ゛~~~~~~~~~っ゛♡♡♡!! は、はひぃぃいんっ゛♡♡ お、おっぱひぃぃっ゛♡♡ りょ、りょうほう、しゅい、ちゅちゃぁぁあっ゛♡♡」
思いっきり顔を押し当てながら、豊かな肉房に沈んでいく。ふんわりとした爆乳がクッションのように男の頭を受け止めて、疼く先端を堪能してもらう。
甘く食みながら、たっぷりと吸い付いていく。口の中にふんわりと押しはさみながら、舌の上でコロコロと転がる乳頭の柔らかな感触とほんのり香る汗の交じり合い。啜り上げればより味わい深く、そして咥えこんだ逸物は切なげに引き締まって吸い付いてくれる。
ぎゅっとエリの体を抱きしめる。求め合う体と体を確かめ合いながら、昇り上がるモノを今、彼女のナカへと注いでいく。
「んにゃっ゛♡ んにゃあぁぁぁあんっ゛♡♡ ま、ましゅたぁっ゛♡♡♡ しゅき、しゅきですぅっ゛♡♡ ましゅたぁだけのっ゛♡ ましゅたぁ、だけのぉぉっ゛♡♡ せんよう、おまんこにっ゛♡♡ い~~~っぱい元気になれるマナ、そそひでぇっ゛♡♡」
――ぶびゅるるるるるるるっ゛♡ びゅぐっ゛♡ ぶびゅ~~~~~~~っ゛♡♡♡
「んにゃぁぁあっ゛♡ はぁぁぁぁ~~~~~~っ゛……♡♡♡ えへ、えへへへ……♡♡ ましゅたぁ……すき、すきぃ……♡」
どくり、どくりと噴出する子種の発露が、どぷっ……とエリの胎の内を満たす。熱く弾ける子種の熱が、じっくりと彼女のナカを満ち満ちて焼け付いていく。誰でもない、他でもない、ただ一人の男の精だけを受け止めるために。
……互いに互いを愛し合う中、気づかない間にほんの僅かに開かれていたオフィスの扉。落ちていた唾液と涙に混じった染みが、通路に落ちていたことを二人が気づくことはなかった。
※
【おしらせ】
体調不良のため、しばらく更新をおやすみします。