淫臭村フィールドワーク〜ムチムチドスケベ欲求不満おんなばかりの田舎村を調査する〜 作:ユリイカ
提灯の頼りない灯りの下を、笙子は転がるように駆け降りていく。彼女は耀の手をきつく掴み、決して離そうとはしなかった。薄墨を流したような闇のなかを走り、荒い吐息だけが聞こえる。
「笙子さん、なんで……」
「はぁっ、はぁっ。いいから、走って!」
半裸のまま外に連れ出された耀は混乱していた。なぜ笙子に手を引かれているのかも分からず、ただ足を動かしている。
「ま、待ってください。足が――うわっ!」
「きゃあっ!?」
だが結美と玲奈に絞られ、果てたばかりの彼は疲労困憊だ。足元も見えない山の斜面を駆け降り続けるのは難しく、足がもつれて転倒してしまう。前を走る笙子の肩を咄嗟に掴みながら、彼女を下敷きにしないよう身を捻り背中から地面へ。
二人はお互いを抱き合いながらゴロゴロと転がり落ちた。
「うぐっ」
「大丈夫!? 大変、骨は折れてない?」
「な、なんとか……。すみません、笙子さんこそ怪我はありませんか?」
落ち葉にまみれながら、耀はこの期に及んでようやく笙子の姿をまじまじと見た。普段は喪服じみた暗い色合いの和装に身を包んでいた笙子だが、今は山の中へ入るためか動きやすそうなスポーティな出立ちだ。肢体に密着するウェアはラインを如実に浮き上がらせ、和装の下に隠されていた豊かな凹凸があらわになっている。長い黒髪を荒くひと束にまとめ、白いうなじが見えているのもギャップがある。
耀は彼女が切れ長な瞳を心配そうに揺らしていることに気が付いた。
「笙子さん、どうして――」
「しっ」
なぜ助けに来てくれたのか。そう尋ねようとした矢先、耀の口は笙子のたおやかな手に封じられる。
「耀さーん。どこですかー?」
「一緒に子作りセックスしましょうよぅ」
斜面の上の方から、結美と玲奈の声がする。それと共にゆらゆらと揺れる光も見えた。
「初瀬川さーん。一緒に気持ちいいことしましょう」
「お祭りは楽しいですよぉ」
他の村人たちの声もある。障子越しに親娘との3Pを覗いていた女性たちだろう。声はとろりとしていて蠱惑的だ。今すぐにでも彼女たちの元に姿を現したいという衝動が湧き上がる。
だが身じろぎする耀の身体を、笙子がぎゅっと抱きしめて抑えた。
「ダメよ。行ってはダメ」
「ああ、笙子さん……。でも、結美さんたちが呼んでるんです」
耀の頭に、薄桃色の霞が満ちていく。あの小さな部屋の中で味わったお互いに汗を混ぜるような濃密な体験がフラッシュバックする。二人が心配しているなら、いかなければならない。
「やっぱり桃花の女の匂いは、殿方には毒になるのね。……耀さん、気をしっかり持って。貴方が行けば、今度こそ助けられない。身も心もボロボロになるまで搾られてしまうの」
茂みのなかで密着したまま横たわり、笙子は訴える。耀の肩を掴み、鼻先が触れ合うほど近づいて語る。
「だから今は我慢して。お願いだから」
「んぷっ」
呂律が回らず、視線も曖昧な耀を見て、彼女は悲しげに柳眉を寄せた。そして、タンクトップが汗で張り付いた巨乳の谷間に彼の顔面を埋める。汗と共にかもされる濃密な女臭が耀の思考を鈍らせる。花のように甘ったるい匂いは彼を弛緩させた。
その代わりに、彼の肉体は熱を帯び、笙子の下腹部に硬いものがグリグリと押し付けられる。
「ああっ、だめ……。冷静になって。――今は、んっ♡」
笙子の声も濡れ始める。だが彼女は懊悩しながらも頭をふり、欲望を払う。真紅の唇を噛み締めながら青年を抱きしめ、じっと息を潜める。
「耀さん、どこへ行ったの?」
「耀さーーん」
村人たちの声が近づいてくる。
笙子は呼吸を押し殺し、柔らかな肉体を耀に密着させる。全身で蓋をするように彼を覆い隠し、じっと物陰に潜む。ライトの灯りが二人のすぐ上を何度も往復し、足音が至近距離に響く。
結美と玲奈は薄い浴衣を羽織っただけの姿で、恍惚とした表情をしていた。股間から愛液を垂らしながら、青年を求めて彷徨っている。
何度も彼の名前を呼び、ライトを左右に巡らせる。
笙子はじっと動きを抑え、下でもがく耀を抑える。見つかれば、今度こそ終わりなのだ。百花舞奉納が始まってしまう。
「耀さん、いっぱい楽しいことしましょうよう」
「おまんこ気持ちいいよお」
灯りは少しずつ離れていく。
笙子は油断なく警戒を続け、村人たちの姿が見えなくなるのを待つ。いくら桃花の女たちとはいえ、性的興奮も永続するわけではない。十分に時間をおけば、彼女たちも冷静になるはずだ。その間、耀を隔離する必要がある。
「耀さん、立てますか。我が家へ――ひゃんっ!?」
すっかり下敷きにしていた耀の様子を窺う笙子は、突然何かに突き上げられる。不意の一撃に驚き年不相応の高い声を慌てて抑えた彼女は、下から伸びてくる腕に絡め取られる。
「笙子さん、可愛い。おっぱい大きくて、いい匂いがする」
「かわっ!? よ、耀さん、今はそれどころでは。冷静に――んんっ!?」
結美と玲奈の二人と汗だくのセックスをして、更に笙子と密着し続けた耀は、もはや理性など欠片も残っていなかった。野外という状況も忘れ、笙子の柔肉を揉みしだく。大きくもハリがある桃尻を鷲掴みにしながら背中に腕を回し、驚く彼女の唇をむしゃぶる。
なんとか引き剥がそうと彼の胸板に手を付く村長だが、その力は次第に弱々しくなる。
「んじゅ、ダメよ――わたし、貴方を助けんちゅっ――じゅりゅっ♡ あんっ♡」
理性と本能の間で、熟した女は揺れ動く。自身に言い聞かせるような言葉を塞ぐ接吻が、容赦なく襲いかかる。
青年の怒張は薄い布越しに恥丘を押し、先端が強く擦り付けられる。生殖本能をダイレクトに刺激するノックが、彼女の子宮を震わせた。
青年の腕が徐々に下がり、笙子の腰を伝う。レギンズの縁に指をかけ、そのまま滑り込む。ゴツゴツとした男らしい太い指の感触、彼女が久しく感じていなかった雄の気配が、ぐっしょりと濡れた秘部へと達する。青年の指先が秘裂を割り、中へと入ろうとしていた。
「だ、だめっ!」
その間際、笙子は勢いよく跳ね上がる。
耀はぼんやりとした表情で、彼女に向かって手を伸ばす。
「今はダメ。貴方がつらくなるの。――お屋敷に戻りましょう。そ、そこでいっぱいシてあげるから」
鋼の意志を取り戻し、笙子は赤面しながら青年の耳元で囁く。誘うように身をくねらせ、雌の肉体をアピールする。こうしなければ、青年は動かないのだ。コクコクと頷く彼の手を握り、笙子は再び歩き出す。
「ごめんなさい、初瀬川さん。こんなことに巻き込んでしまうなんて」
悔恨の強く滲む声を漏らしながら、笙子は周囲を警戒しながら谷倉家の屋敷へと逃げ込んだ。