淫臭村フィールドワーク〜ムチムチドスケベ欲求不満おんなばかりの田舎村を調査する〜 作:ユリイカ
第25話「神の思し召し」
息急き切って襖を開けた耀を迎えたのは、服装を整え送り出す用意を粛々と進めていた笙子たちだった。結美も玲奈も昨夜の艶姿とは打って変わって項垂れ、明らかに打ちひしがれている。彼女たちも百花舞奉納が完遂された今、耀を送り出さなければならないと知っているようだった。
「皆さん、聞いてください。本来の掟の意味は違うんです!」
埃っぽい古文書を携えて、耀は声高に叫ぶ。百花舞奉納の参加者に課せられた"祭囃子はなきものとせよ"という掟。その意味するところは、一夜のことを忘れよというものではない。本来のものが長い歴史のなかで歪められてきたのだ、と。
「耀さん? いったい、何を言って……」
顔を上げた結美がきょとんとする。笙子は、耀が土蔵へ向かった理由を彼女たちには明かしていないようだった。
万が一、耀が何も見つけられず、掟が完遂されることとなった場合を考えてのことだろう。
「"祭囃子はなきものとせよ"という掟の本来の意味は、"供物"となった男の存在を、文書や記録に残してはならないというものだったんです。村の女性たちとの重婚は、本来認められるものではない。そのうえ、存在が明確になると村全体の不和に繋がる。だからこそ祭囃子、つまり男の存在はないものとして扱うことにしたんです」
「耀さん。そんなこと言ったって、結局耀さんはこの村にはいられないってことなんじゃないの?」
悲しげに睫毛を伏せる玲奈。白い浴衣を再び着用した彼女は、胸の前で指を絡める。
「違うんです。これは過去の谷倉家当主が私的にしたためた日記ですが、ここには意図的に明言が避けられつつも、誰かがいたという描写が頻発しています。それにこちらは当時の出生記録。出産の時期が、百花舞奉納の一夜だけで妊娠したとは思えないほどばらついてます」
自分がひたすら主張するだけでは、彼女たちの理解は得られない。耀は教授の助けも借りながら史料を集め、証拠を組み立ていった。自分だけでなく、客観的な分析でも納得できるようにするために。
「これは、本当なの……?」
「耀さんの言ってることが正しいのかしら」
だが、一歩及ばない。
彼女たちはこれまでずっと、掟の意味を継承し続けてきた。それを"供物"になったとはいえ、数日前に村へやってきたばかりの耀が訴えても、なかなか考えを改められるはずもない。
「んふふっ。悩んでいるようだね、君たち」
その時、耀が持つスマホからねっとりとした声がする。それを聞いた女性たちは一斉に顔をあげ、そちらに注目した。
「その声、もしかして……」
「耀クンは駆け出しとはいえ、私の愛弟子だよ。その分析は私も了解しているし、ある程度の信頼性はあると考えてもらって構わないと思うがね」
桃花村出身の教授のことは、当然笙子以外の村人たちも知っている。それどころか、彼女は結美たちからも厚い信頼を得ているようだった。鶴の一声となった教授の言葉で、彼女たちの表情は見る間に明るく、満面の笑みになっていく。
「ああ、それじゃあ、これからも耀さんと一緒にいられるの!?」
「私がもし赤ちゃん孕んでなくても、また膣内射精ししてもらえるんだね!」
ばるんっ、ばるんっと爆乳を盛大に揺らしながら飛び跳ねる結美。玲奈もキュンと疼く下腹部を撫でながら頬を赤くする。その歓喜は波紋が広がるように、周囲の女性たちにも連なっていく。
「んふふっ。ただし、掟が存在することは事実だ。君たちも、"祭囃子はなきもの"として暮らさねばならんのだよ」
意味深長に掟の部分に力を込めて釘を刺す教授だったが、喜びに打ち震える女性たちの耳にそれが届いたかは定かではない。
「耀さん!」
「うわぷっ!? ゆ、結美さん……」
突っ立っていた耀の顔面を、深い柔肉の谷間が包みこむ。感極まった結美が彼を抱きしめ、密着していた。
「ありがとうございます。耀さんとお別れなんて、本当はしたくなかったの。もう、貴方のこと、忘れられるはずがないもの」
薄く、彼女の肌から微かに甘い香りが立ち上がる。頬を紅潮させ、潤んだ瞳で耀を見る結美は、すでに一人の女でしかない。
「ちょっと、結美さん!」
今すぐにでも第二夜をおっ始めそうな結美に、背後から鋭い声がかかる。耀と共に振り返った結美の前で腰に手を当てて睨むのは笙子である。
「耀君は一晩通して立派にお役目を果たして、古文書の解読までしてくれたのです。疲労困憊の身を虐めてはいけません」
「う、それは……そうかもしれませんけど……」
大人の包容力たっぷりの結美も、笙子には頭が上がらない。まるで母親に詰められる娘のように肩を落とす。
「――ですので、今日のところは身を休めていただきましょう。幸い、ウチには布団の用意もありますので、あちらで」
「ちょ、ちょっと! 耀さんは白樺荘のお客様なんですよ。ウチに戻っていただく方がいいでしょう」
「あんな石段を下らせるわけにはいきません。とにかく邪魔なので帰ってください」
「じゃ、邪魔って言いました!? 笙子さん、ちょっと化けの皮が剥がれてますよ」
「化けの皮とはなんですか!」
年齢も考えず、頬を膨らませて言い合う熟女たち。その様子を他の村人たちが生温かい目で見守っている。
「ね、耀さん♡」
そんな騒ぎにかこつけて、耀にそっと囁く声。
玲奈がむにゅりと胸を押し当てながら、耀の体にしなだれかかる。一晩ですっかり女としての磨きがかかった彼女は、自身の魅力を使いこなして雄を誘惑していた。
「祭囃子はなきものとせよ、ってことは、耀さんと子作りセックスしてる時はみんなそれを無視しないといけない、ってことなんですよね?」
「う、うん。文献を見た感じだと、"供物"がしたい時に、したい
「だったら、ここでヤり始めても、みんな止められないって事だよね♡」
あくまで紳士的に、と今更のように背筋を伸ばす耀の胸板に、玲奈の手が這う。服の下へ蛇のように潜り込んだ腕が耀の肌を撫で、ねちっこく弄った。突然の行動に驚きながら止めようとする耀だったが、すかさずもう片方の腕がズボンの下へと潜り込む。
「ほら、耀さんももう大きくなってる♡ いいよね、耀さん。私もう我慢できないよ♡」
ぐっと距離感の縮まった口調で唇を舐める少女は、止める間も無く彼の口を封じる。
「玲奈!? 何をやってるの!」
「ずるい、私だって――」
彼女の先行に気が付いた結美と笙子も、言い争いを忘れて止めにかかる。だが、そんな二人に鋭い声が飛んだ。
「おっと。ダメだよ二人とも。"祭囃子はなきものとせよ"だよ」
「っ!」
「そ、そんな」
耀の手から落ちたスマートフォンから、教授が厳しく指摘する。
玲奈はしゅるしゅると浴衣を脱ぎ捨て、未熟な陰唇を男の切先に当てがっている。ずぶりと柔らかくとろけるような肉が男根を迎え、少女は艶やかに声をあげた。祝祭の夜を再現するような甲高い囃子の声が、広々とした部屋を突き抜ける。
「ああっ、いいっ♡ 耀さんのおちんぽっ♡ ふふっ、みんな見てるのに、知らないふりしてるのっ♡ これ、好き♡ みんなに見られながらするの、気持ちいいのっ♡」
「玲奈ちゃんっ、すっかり変態になっちゃって……。くぅ、いきなり締めすぎだっ!」
「射精してっ♡ お母さんたちに見られながら、いっぱい種付けしてっ♡」
熱い抱擁をして、胸を潰すほど密着しながら、玲奈は早速軽い絶頂に達する。
周囲にはたちまち甘い淫香がたちこめ、周囲の女たちを刺激する。だが、掟は絶対だ。
「くっ、う……。とにかく、よ、耀さんは白樺荘で過ごしてもらいます」
「今後とも長くお世話になるのですから、んっ、わ、私が責任をもって……っ!」
結美と笙子の二人も、真横で恥も外聞もなく乱れる二人を直視しないようにしながら、今まで通りの会話を続けようとする。
奇妙な因習に支配された、異様な光景が呈されていた。
「耀さん♡ いっぱい射精してね♡ 好きな時に好きな人に、好きなだけ♡ 誰が何してようが関係ないんだもん。んっ、お、おほぉっ♡」
"供物"として捧げられた者は、神と同じ存在となる。
耀は舌を絡めながらビクビクと下半身を震わせる少女を抱きしめたまま、その数奇な展開に溺れていった。