常識と認識操作のスキルで完璧な(性)犯罪者になった俺~このスキルで女達にやりたい放題する~ 作:nene2012
「ああ……いただきます……」
そう言って俺はスプーンを手に取りオムライスを掬って口に運ぶ。そして、一口食べると言葉を漏らしたのであった。
「美味いしいな……」
(何か誉め言葉を言わないと何されるか分かったもんじゃない……)
それ自体は特に刺激物を大量に入れたり、非常に不味く仕上げたりはしてないので一安心する。
味としても特別なものではない。むしろ、麻衣が作ったオムライスの方が美味しかった。
「良かった……大紀さんの、お口に合って……」
雫月は笑顔で言うが、その笑顔はどこか引きつり気味で不気味である。
まるで、何か企んでいるかのような表情に見えてしまうのだ。
「雫月も食べないのか?」
そう言って俺は彼女に声を掛けると、とらえどころのない笑みを浮かべて答える。
「私は……後でいい……」
そう言って彼女は俺の食べっぷりを見ている。まるで、監視されているようだ。
俺は少し緊張しながら黙々とオムライスを食べていく。雫月はそんな俺をジーッと見詰めるのであった……。
「……」
見られながら俺は黙々と食べ進める。そして、彼女が椅子に座り真剣な顔をして語るのである。
「大紀さん……今日、ここに呼んだのは話があるの……」
「……何の話?」
そう言って俺はオムライスを平らげて最後の一口を食べようとした時に彼女は口を開いた。
「昨日、ここの駅から近いラブホテルから玲と一緒に出てこなかった?」
その言葉にギクッとしてスプーンを持つ手が震え、最後の一口を食べきれず皿の上に落としてしまった。
「え?……見間違いじゃないのか?」
俺は強張った表情のまま彼女に訊くと笑顔のままだが段々と冷たい眼差しになってくる。
「……昨日、近くのスーパの帰り道で偶然見たの……大紀さんと玲がホテルから出てくるところを……」
「……ああ、玲とスペイン料理屋で会ってね……それから、ホテルの近くを通っただけだよ」
冷や汗を掻きながら平静を装い言い訳をする。すると彼女は更に冷たい眼差しを向けてきた。
「嘘つかないで! ちゃんと、この目で見たんだから!」
語気を荒げ俺の目をじっと見詰めて言うのである。
「でも……大紀さんと私は恋人同士だよね? なのに他の女とホテルに行くってどういう事?」
(見られていたのか……)
俺は心の中で舌打ちをする。雫月は俺の浮気現場をしっかりと目撃していたのである。
「ねえ、答えてよ! 大紀さん!」
そう言って雫月は立ち上がると俺に近付いてくる。その目は血走っていて狂気に満ちていくのであった。
(ヤバい……スキルを使って大人しくさせるか?)
彼女の激情した姿に身の危険を感じる。俺はスキルを使って操ろうとするのだが……。
「ねぇ、なんで黙っているの? なんで何も答えてくれないの?」
雫月は目から涙を零し俺に近付いてくる。俺は彼女の剣幕に怯み弱腰になりながら対峙するのであった。
(どうする? スキルで俺の記憶を消して赤の他人になるか?)
そんな事を考えているうちに彼女は俺の目の前まで来ていた。そして、血相を変え俺の胸ぐらを掴んでくるのである。
「ねえ! 何とか言いなさいよ!」
そう言って俺の胸ぐらを激しく揺さぶる。俺は彼女のカッと見開いた形相と勢いに気圧されて何も言えずにいる。
(雫月の奴、完全にブチギレてる……)
そして、彼女と俺はもみ合いになり床に押し倒されると馬乗りになってくる。
「ねぇ……何か言ってよ……」
呟きながら雫月は涙を流し俺を見詰める。その瞳は血走っており、とても普通の状態じゃない。
彼女は馬乗りになった状態で俺を上から睨み更に言ってくる。
「それと、あなたのスマホを見たら沢山の女達が登録してあったじゃない……その中にお姉ちゃんの名前も……どういう事?」
そう言って雫月は馬乗りのまま、俺のポケットを漁りスマホを取り出すのであった。
「あっ!……それは……」
俺は咄嗟に手を伸ばすも彼女はその手を払い除け電源を入れ、アドレス帳を開いて言うのである。
「お姉ちゃんとも寝たのね……しかも、私の知らない女達とも……」
雫月は冷たく言い放ち俺にスマホの画面を見せてくる。そこには登録してある女性の名前や番号が表示されているのであった。
(まずいな……まさか、バレるとは思わなかったぜ……)
内心でそう呟き悔やむものの時すでに遅し。もう、言い訳など出来ない状況であった。
「ねえ……私と一緒に死んでくれる?」
そう言うと立ち上がりキッチンに向かう。そして、包丁を取り出し俺に近付いてくる。
「私、大紀さんを殺したら後を追って死ぬから……」
(ヤベぇ……雫月の奴、目が本気だ!)
彼女の目は完全に据わっており、もう何を言っても無駄であると悟る。
スキルを使い雫月から俺と玲の浮気現場やスマホを覗き見した事の記憶を消し去ろうと思いつく。
雫月が包丁を振り上げたタイミングを見計らってスキルを使ったのである。
「雫月! お前の記憶から俺の不貞行為全てが消えろ!」
「えっ?」
スキルが効いたのかキョトンとした表情で俺を見てくる。そして、包丁を持った手を下ろしたのである。
「……私、何で大紀さんに向かって包丁を持ってるの?」
雫月は驚いた表情で俺に尋ねてくる。俺は彼女の目を見て落ち着かせるよう答えるのであった。
「大丈夫だよ……ちょっと、ヒステリー気味になって我を忘れたんだろう……」
そう言うと彼女は自分の行動に恐怖したのか、ガタガタと体を震わせるのであった。
そして、床に包丁を落とすと俺に抱き着いてくるのであった。
「大紀さん……私、とんでもない事を……」
「いいよ……君が正気に戻ればそれで……」
そう言って俺は彼女の頭を撫でた。そして、暫くすると震えも治り落ち着きを取り戻すのであった。
「落ち着いた?」
「……うん」
雫月は俺に抱き着いたまま答える。しかし、まだ不安なのか俺から離れようとはしないのだ。
スキルのお陰で何とかなったが今後、雫月に余り近付くのは止めようと俺は心に誓ったのである。
「雫月……もう、帰るから……」
彼女の体を引き離そうと肩に手を掛けながら言う。しかし、彼女は俺から離れようとしないのである。
「大紀さん……今日は泊ってくれない?」
そう言って俺の胸に顔を埋めて甘えてくる。そんな雫月を見て俺は仕方なく泊まる事にするのであった。
「分かった……泊まっていくよ……」
(特別に今日だけにしとくか……)
俺が頷くと彼女はパッと顔を明るくして喜ぶのである。俺の本心を知ってか知らずか……。
そして、床に落ちた包丁を取りキッチンに戻してから2人でリビングに移動しお互い寄り添うのであった。
それからテレビを見ながら会話し風呂に入ると深夜になり、俺と雫月は一緒に寝る準備をするのである。
寝室に行く前に雫月は俺に抱き着き言うのであった。
「一緒に寝て頂戴……」
「分かった……一緒に寝ようか」
(まあ、今日で最後にしよう……)
そう思い彼女の要求を受け入れるのである。明日になればスキルを使って俺の事を綺麗さっぱり忘れさせようと企てる。
寝室で雫月が先にベッドに入って俺も後から中に入ると彼女は子供のように寄り添ってくるのである。
「ああ……暖かい……」
そう言って俺の抱擁に心地よさを感じ甘く囁くのである。そして、暫くするとスヤスヤと寝息を立てて眠りにつくのであった。
(俺も寝よう……)
そう思い目を瞑り眠りにつくのであった。
――そして、深夜。
ふと深夜に雫月は目を覚ますのである。瞼がゆっくりと開き意識が現実へと戻っていく。
隣では大紀が寝息を立て眠っているのに気付く。
最初、ボンヤリとしていたが次第に胸の奥から心がざわついてくる。
――どうして、隣で寝ているの?
――どうして、スヤスヤと眠っていられるの?
――どうして、他の女とも浮気できるの?
――どうして、私という恋人がありながら玲やお姉ちゃんと関係を持てるの?
横向きの格好から振り返り大紀の寝顔を見た瞬間、彼女の表情がガラリと変わっていく。
記憶と感情が蘇り隣で眠る大紀に不快な感情が戻ってくる……。
疑い……悲しみ……嫉妬……憎しみ等の様々な感情が湧き上がるのである。
その変化は声にならず、ただ瞳の奥で静かに燃え上がってくるのであった。
ベッドからそっと身を起こし、まるで何かに憑かれたかのように暗い部屋の中をゆっくりと歩いていく。
その姿は月明かりの中、キッチンへと向かって行く。大紀は眠ったまま、その気配には気付かないでいた。
雫月はキッチンから、包丁を取り出すと寝室へ戻っていく。
そして、寝ている彼に向かって腹部に狙いを定め、包丁を握る手に力を入れるのであった……。