とある世界の常識改変 作:ロロノア
あまりにも急なイタリア行きに驚きはあったが、海外に行く機会などほとんどないので、条理は乗り気だった。学園都市の能力者が、外に出るのはそれなりに厳しい手続きが必要になる。まして海外となるとなおさらだ。金銭的にも能力者の機密保護の観点からも、出国するのは簡単ではない。が、そうはいってもこのグローバル社会で鎖国などという前時代的な政策が執れるはずがなく、絶対に出国が不可能というわけではない。良くも悪くも法律よりも科学の発展を優先する嫌いのある都市なので、学園都市にメリットのある話であれば、逆に出国手続きが簡素化されるくらいの融通が利く。
これまでの人生で海外に縁がなく、行く予定もなかった条理はパスポートを持っていなかったが、いつの間にかパスポートが作成されていて、それを唯一が所持しているという状況が発生するのも、学園都市ならではのことだろう。
「パスポートどうすんだろうとは思ってたけど」
「必要ならすぐに作れますよ。学園都市のお仕事関係での出国なんですから」
そう言う唯一からパスポートを受け取る条理。
唯一とは空港のターミナルで合流した。
普段はスーツと白衣を着ている唯一だが、今日はワンピースと薄手のカーディガンという組み合わせの私服だ。どこにでもいそうな若いお姉さんといった雰囲気だが、彼女の服はどれも名の通ったブランド品。上下ともに0が最低でも5つはつく良品だ。研究一辺倒という割には、服にも気を配っているようで、それなりにお金をかけているのが分かる。生憎とおしゃれは不得手の条理は、唯一のブランド物の私服がどういった価値を持つのか理解できない。ただ、いいものだということだけは感じられる。これが海美であれば、どこのブランドの服なのか一目で把握しただろうが……。
「出発まで、まだ時間があるね」
唯一は腕時計に視線を落とす。
確かに、予約している飛行機は午後の便だ。急な海外旅行ということで不足していた着替え等の買い出しのために早めに家を出て空港周辺を散策していたのだが、条理の用事はすぐに終わるようなものばかりだ。結果、出発まで4時間を残して手持無沙汰になってしまった。
「家を出るのが早すぎたんだよ」
「トラブルを考えたら、早いくらいがちょうどいいんです。ま、最悪、飛行機に遅れても、どうとでもなるといえばなるんだけどね」
唯一の人脈や立場を利用すれば、飛行機の予約に手を回せるということなのだろうか。空港にも口を出せる立場というのは驚きだが、空港が安全保障の最前線であることを考えれば、むしろ学園都市の「公的な裏側」に関与している者たちにとっては、空港というのは当然に根を張るべき組織の一つではあるのだろう。
「じゃあ、条理君。ちょっと、時間つぶししよっか♡」
「……昼間っから?」
「いいでしょ。それに、最近は働きづめで溜まってるんだよね」
舌なめずりをした唯一は、妖艶に微笑んだ。
+
条理と唯一が入ったのは空港近くのラブホテルだ。
開発の進んだ空港の近くではあるが、一つ路地裏に入れば古い町並みが残っている。学園都市の中でも古い部類で、近々再開発の波にさらされることが確定している区画である。そんな地域に存在するラブホテルも、時代に取り残されたかのような寂れた雰囲気を醸し出している。
休憩料金は2時間3,000円程度と良心的な一方で宿泊料金は跳ね上がるという価格設定。ヤルことをヤルためだけに利用するという分かりやすいコンセプトで、長居するような使い方は想定せず、回転率を重視しているようだ。デリヘルなどでサクッと終わらせるのには便利だろうし、条理たちのように待ち時間を潰すために使うというのもアリだ。
キツめの消毒の臭いと芳香剤の香りが混じった独特な匂いに満ちた室内。取り立てて特筆することもない、一般的なラブホテルのベッドの上で、唯一が条理に身体を寄せた。服を脱ぎ棄て、下着姿になった彼女の肢体は妖艶の一言だ。健康的な白い肌にはシミ一つなく、艶やかな唇の隙間からは赤い舌が覗く。
「ん……ん……」
条理と唯一は唇を重ね合わせた。
柔らかな唇の感触。その後、唯一の湿った舌が条理の唇をなぞる。口を開けと言っているようで、その通りにしてやる。
「ちゅ♡ ん、ぁ……ん……んん♡」
唯一の舌が条理の口内に侵入する。
吐息と涎が混ざり合い、蕩けるような幸福感が溢れてくる。
舌と舌が絡み合う。上顎から頬の内側、舌の両面と唯一はねっとりと舌が動かして条理の口腔粘膜を舐めてくる。
「んちゅ♡ ちゅ……れる♡ んふ……んあ……ぁ♡ 舌、もっと♡ ん、ん♡ ちゅぱ♡ んぁ♡ れろれろ♡ ん、ん、んん♡」
じっくりと舌を回す唯一に対抗して条理も彼女の舌を追いかける。
お互いに舌と唇を犯し、貪りあう。
強烈なディープキスを堪能してから、唯一は条理のペニスを摩り始めた。
「んふふ、固くなってきた」
「この状況で勃たたないはずないっしょ。唯一ちゃん、昼間っから積極的なんだね」
「お疲れムードなの」
「最近忙しかった?」
「お仕事大変なんです。このイタリア行きだって、計画からして二転三転して話をまとめるのも大変だったんだから。結局、わたしが現地に行く羽目になるし」
「もしかして、行きたくなかった?」
「個人的には得られるメリット何もありませんからねぇ。お仕事とはいえ、他人の尻ぬぐいみたいなもんなんです。そんなのもう条理君枠捻じ込むくらいはしないとやってられないじゃないですかぁ」
「そんな理由で俺に話が来たのか……」
どうやら条理のイタリア行きは唯一の我儘が発端らしい。その唯一も、厄介な仕事を押し付けられてやむなく引き受けたという感じである。
「結局、頑張っても誰も褒めてくれないし、条理君にご褒美もらいたいなぁって」
ちゅ、ちゅ、と唯一は条理の首筋や頬、胸に軽くキスをしたり、舐めたりして誘う。さらに条理の耳たぶを甘噛みし、舌を這わせる。
「ねーえぇ、もうパパのおちんちん、入れていいかなぁ?」
などということを唯一は囁いた。
作ったような甘ったるい声音でそんなセリフを口にする。
唯一の中の想像上のパパ活女子の真似事だ。
それでも、唯一のキャラクター性から言って出てこないはずの言葉が出たことで条理は興奮してしまった。
「ビクッてなったよ。パパはこういうのが好きなんですね」
「急にそんなこと言われたんだから当たり前だっての」
条理は唯一をベッドの押し倒した。
「んぁ……!」
「唯一ちゃんに挑発されまくったせいで、痛いくらいなんだが?」
条理のペニスはギンギンに勃起している。すでにはちきれそうで痛みすら伴うほどの興奮状態だ。
「あは♡ やだ、パパに犯されちゃう♡」
「そうやって挑発する。これじゃご褒美じゃなくて、お仕置きの方がいいかもな」
条理は唯一のクリトリスに擦り付けた。
「ん……ぁ♡ はあ……はあ……あん♡ あ、そこ♡ ん、ぁ、はあ……何してるの。もう、早く、挿入れて♡」
「欲しい?」
「うん、早く欲しい」
「じゃあ、おねだりしてみて」
「んもう、いじわるなんですから」
唯一は頬を膨らませて、唇を尖らせる。それでも、一刻も早くセックスしたいという欲求は抑えられないし、そのつもりもない。
ここ数日の仕事漬けの日々の中で溜まりに溜まった鬱憤は、早急に解消しなければならない。
(正直、ここに入った時点でムラムラしてどうしようもないんですから。パブロフの犬ってヤツですかね。条理君とラブホテルに入るという状況が、すでにセックスの快感を結びついているわけで)
考えるまでもない。
条理のペニスを子宮まで押し込んでもらうために、あらゆる手を尽くす。おねだりすればセックスに持ち込めるのなら、簡単な話である。
唯一は股を開いて、膣口を両手で広げる。
自分の身体の内部への入口がはっきりと見えるようにして、瑞々しくいやらしく涎を垂らしているかのように湿った膣口を条理に見せつける。
「この唯一のパパ専用おチンポケースに、大きくて固いおチンポ様を捻じ込んで、思う存分突きまくってください♡」
セックスをするためにラブホテルに入ったのだから、ペニスを挿入してほしいとおねだりすることに抵抗はない。
条理のSっけに火をつけて完膚なきまでに犯しぬいてもらうのだ。
「唯一ちゃんがそこまで言うなら、しょうがないな!」
条理は唯一の挑発に乗った。
据え膳食わねば男の恥だ。
条理は唯一が望む通りに力強くペニスを挿入する。
「んは――――ぁ、んあん♡」
唯一が甘い嬌声を上げて仰け反った。
唯一とは何度も身体を重ねてきたが、未だに飽きることがない。
瑞々しい膣肉が絡みついて、ペニスを全方向から圧搾するかのように締め付けてくる。
「ん、ギチギチ」
「ふう、はあ……あは……条理君、じゃなかった、パパのおチンポ、一番奥、まで届いてますよ」
「冗談、まだ一番奥じゃないでしょ」
条理は唯一に締め上げられるペニスをさらにぐりぐりと押し込む。
ポルチオに亀頭を押し付けながら、もっと前進しようとしている。
「あッ、んぃ♡ いひ、それ、ヤバ、ぃ♡ ぞく、ぞく、来る♡」
「唯一ちゃん、ポルチオ抉られんの好きだもんね。ここ押すとすぐイっちゃう」
「ふ、お♡ は、あは♡ あ、あ、あ、あ、んお♡」
「唯一ちゃん、どう?」
「あ、あひ、んひぃ♡ あ、あ、そんな奥、ぐり、ぐり、しないで♡ はあ、あッ、あん♡ んんん♡」
じわりと汗の雫を浮かべ、唯一は唇を噛んだ。
ポルチオに亀頭を押し付けて、捩じるようさらに腰を押し込む。
しっかりと唯一が感じられるように、ポルチオをペニスで揉み解す。
唯一が感じるところは嫌というほど知っている。これまでに散々、数えきれないくらいにこの身体を貪ってきたのだから。
「ん、んぐ……んあ、あ、ん――――ふぐぅうううううううううううう♡」
唯一をイカせることなど簡単だ。
膣が痙攣し収縮する。ペニスを締め付ける膣肉の動きを味わいながら、条理は腰を少しずつ動かし始める。
「あ、んん♡ あん♡ あ、あ、今、イッたばかり、なの♡ そんな、動かれたら♡」
「俺がイッてないじゃん」
「あ、そう、だけど、んお♡ あ、またすぐ、ふう、はあ、あん♡ あん♡ ああ、気持ちイイ♡ 奥♡」
「やっぱ好きだね、ここ」
「んくッ! ふ、は、あ、あ、んあ! もう、いじわるばかり、して、んは♡ あ、あん♡ 急に、激しく! ん、あッ、ああッ!?」
条理はここで唯一の膣奥を力強く突いた。
じっくりと慣らした膣内の滑りは格別だ。締め付けは強いが、抽挿を阻害するようなことはなくむしろ奥に導くように引き込もうとしているかのようだ。
唯一の肉欲に付き合う形で条理はペニスを叩きつける。
パン、パン、パンと小気味よい音を立てて、唯一のマンコにペニスが出入りする。
「ん、んん、んあ♡ あッ、あふ、んあ、あ、あん、あん、はぁん♡」
唯一はペニスが膣内で動くたびに甘ったるい嬌声を上げた。
条理に組み敷かれて、可愛らしい顔を快感に蕩けさせる。
日常生活では見ることのできない、快楽に染まった唯一の表情を間近で見て、ますます条理は興奮する。
「はあ、はあ、んあ、あ、あああ♡ あん、あん、ああ、もっと、んは、もっと突いて、あ、あ、んんん♡」
「唯一ちゃん、舌出して」
「んぁ、あぁ♡」
唯一は言われるがままに舌を伸ばす。その舌を絡めとるようにして条理は吸った。そして、そのまま唇にもむしゃぶりつく。舌を唯一の口内にねじ込んで、窒息するくらいに激しく求める。
「んちゅ、んあ、あん、んんん♡ んふ、じゅる♡ れる、ちゅぱ、れろれろ♡」
強引な口付けと強引な抽挿のダブルパンチで唯一の理性にとどめを刺す。
「んッ、あふ、んあ、あ、すご、んちゅ、あ、イク、イク、ん、ちゅぱ、れろ、あふ♡」
「俺もヤバい、唯一ちゃん。このまま膣内」
「うん、ちょうだい。パパのザーメン、どぴゅどぴゅして」
ぎゅっと条理にしがみついた唯一は耳元で囁いた。
両手両足を条理の身体に絡みつかせてホールドする唯一。
膣内射精以外の選択肢は失われた。
条理は猛然と腰を振って射精に向けてラストスパートをかける。
「んく、はひ、あ、あ、んんん♡ はあ、あ、イク、イク、すごい♡ あん、んあ、あは♡ あ、あ、あ、あ、条理君のチンポ! チンポすごい♡ 気持ちイイ♡ はあ、んあ、あ、ああん♡ あ、あ、あ、あ、はへあ♡」
「唯一ちゃん、射精するぞ」
「ん♡」
唯一はしっかりと条理の身体にしがみついて固定する。条理は、腰を打ち付けながら射精のための最後の一押しをする。肉襞を抉るように亀頭をこすり付け、膣奥まで滑り込ませる。亀頭だけでなく、裏筋も竿も唯一の膣圧の快感に曝されて、我慢の限界だ。射精するための最後の一突きによって、溜め込んだ精液が一気に炸裂する。
「んッ」
噴き上がる射精欲求を留めることなくオーガズムに身を任せ、条理は唯一の膣内に、濃厚な精液を注ぎ込んだ。
「ふぁ♡ あ、んんん! あ、イクッ、中出し熱ッ、あ、イクイクッ! んひぃいいいいいいいいいいい♡」
たっぷりと精液を注ぎ込まれた子宮が収縮して、唯一を絶頂させる。
「ん、気持ち、ぃ♡ ビクビク、してる♡」
唯一の膣が震えてペニスを締め付ける。
最後の一滴まで搾り取るためだ。
油搾りでもするかのように、きつく引き締まる膣肉によって条理はさらなる射精を強いられる。
「唯一ちゃんの膣内、気持ちよすぎ」
「だからって射精しすぎ、ですよ」
「仕方ないじゃん」
すぐに離れるのももったいない気がして、唯一と繋がったままキスをする。唯一も同感だった。できるだけ長く余韻に浸っていたい。そのために条理を抱きしめながらキスに応じた。舌を絡ませながら、時折腰を擦り付けあう。時間いっぱいまで、そうして互いの身体を貪りあった。
+
条理と唯一はラブホテルを出た。
本当にただセックスをするためだけに立ち寄っただけなのだ。
この後には飛行機の予定がある。いつまでもセックスに耽っているわけにはいかない。特に後ろ髪を引かれることなくラブホテルを後にして2人は空港に向かった。
10分程度、ゴロゴロとキャリーケースを引っ張りながら歩いてターミナルビルに到着する。
多くの商業施設が入居するターミナルビルには、飛行機には用事がない買い物客も多い。
空港は本来の利用客に加えて買い物客を吸収し、万単位の人々が出入りする巨大な経済空間を形成している。
唯一は条理の前をずんずんと歩いていく。受付を無視して、コーヒーショップの前まで突き進んで、足を止める。
「お、いたいた。ごめんね、加巳野ちゃん。遅くなりました」
コーヒーショップの前に手持無沙汰そうに佇んでいたのは、加巳野昴だった。
いつもの常盤台の制服ではなく、ワンピースにカーディガンを羽織った私服で、一見してお淑やかなお嬢様といった雰囲気だ。
「お疲れ様です、唯一先生。条理先輩も」
「加巳野も一緒だったのか」
「もちろんです。わたくしもゼミ生ですよ。聞いてませんでしたか?」
「唯一ちゃん、言ってなかったよな?」
条理は唯一を見る。
「言わなかったっけ?」
「言ってない。まあ、そもそも俺が行くって話も昨日聞いたばかりだけど」
と、条理が言うと昴が微笑んで、
「わたくしもこの話は昨日聞いたばかりです」
「仕方ないじゃないの。わたしだって行けって言われたの昨日ですからね」
優れた研究者である唯一も学園都市の中ではある意味では中間管理職のようなものだ。統括理事会などの上部組織の指示を受ければ否応なく従わざるを得ない。まして、相手は学園都市の裏側すら牛耳る偉い人たちだ。
「とりあえず、みんな揃いましたのでちゃっちゃと手続して飛行機に乗っちゃいましょう。善は急げですよ」
+
ついていない。
まったくもって不幸である。
が、そんな中でも幸運なのは、まだ生きているということだろう。
ここは南イタリアの山の中。おそらくはシーラ国立公園のどこかだろう。自分の居場所がはっきりしないのは、逃避行中の空中戦の末に撃墜されて、何とかここに不時着したからだ。
明るい月の夜とはいえ、さすがに山中に潜む少女をすぐに探し出すというのは至難の業だ。まして、魔術を駆使して身を隠しているのだから、なおのことである。
「とりあえず、セーフか。あとは朝までに『翼』が直せれば万々歳なんだけど」
金色の髪の少女――――フロリスは、両肩に装着している金属製の翼を外して地面に置いた。一部が黒ずみ、罅も入っている。空中戦のさなかに魔術による攻撃を受けた結果だ。
機動力が売りのフロリスにとっては、この『翼』の霊装が機能するかどうかは死活問題だ。完全に壊れたわけではないが、確かなダメージはある。『翼』の破損により、出せる速度は3割減、安定感も損なわれている。手持ちの道具と魔術でどこまで修理できるか。
フロリスは水色のキャリーケースを椅子にして、その場に腰かけた。もとはと言えば、このキャリーケースに封印された霊装の移送任務が事の発端である。仕事だから仕方がないとはいえ、命がけのサバイバルを強いられることにはため息が出る。
とはいえ、文句を言っても事態は改善しない。まして、ここはイタリア国内だ。イギリスの魔術師であるフロリスにとっては完全アウェイな環境であり、ローマ正教に見つかれば、さらに事態は深刻で面倒なことになりかねない。
とにかく自慢の逃げ足を十全に発揮できるように、『翼』の応急処置だけは早々に進めて朝に備えなければならない。
フロリスは、罅の入った愛翼を膝に乗せて破損の状況を確認するのだった。