※この作品はR-18です。

ブルアカ【背徳の快】シミコとツルギとマシロがエッチで悪い子になっちゃった話   作:a-su

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シミコの欲望ノゾキミ絵本【後編】

 ◆ 本の世界 ◆

 

『犬になりたいんだね。何も考えなくて済む、私のペットに』

 

「はい」

 

『犬はしゃべらない』

 

「……わん」

 

 シミコは欲望をさらけ出す。いつも先生が仕事をしているシャーレの執務室──に見える空間で、赤い首輪とリードをつけられた。

 

『犬は二本足じゃない』

 

 裸の状態で、四つん這いになることを命じられる。

 

「う……」

『早くしろ』

 

 リードをグイと引かれた。床に膝をつき、前屈みになる。

 

「くぅ……」

『犬は膝をつかない』

 

 またリードをグイと引かれ、体が前につんのめった。命令されるまま、お尻を持ち上げるようにして四つん這いになる。

 

(み、見え、ちゃう)

 

 きっと両脚の間にある恥ずかしい所が、丸見えだろう。

 恥ずかしくてたまらない。でも、

 

『よくできたね。シミコは自慢のペットだ』

 

 従順さを褒められると、それもたまらない。

 見せつけてしまっているところが熱くなり、ジワッと液体がにじむ。

 

「わ……ん」

 

 慰めたい。露出させられるばかりで刺激に飢えた下半身をイジくりまわしたい。そう思って手を伸ばすと、

 

『こらっ』

 

 尻たぶをピシャリと叩かれた。

 

「あ、くぅ」

 

『犬はオナニーしない』

 

「くぅ……」

 

『可愛がってほしいなら、お尻を振って表現するんだ』

 

「くぅ……ん」

 

 四つん這いのまま、操られるようにお尻を振った。

 

『それでいい。ご褒美だ』

 

 先生はリードを引きつつ、シミコの秘所をまさぐった。

 

「あぅ」

 

 たちまち脳がシビれる。大きな唇と小さな花びら、二組のひだひだがニュアンスの異なる感動を出力してきた。

 

「わぅん、ぁぅん」

『ははは、気持ちいいね』

「わふぅん……」

 

 気持ちいい。鼻から息が漏れる。

 

『もっと気持ちよくしてほしいだろう?』

「わん、わん……」

 

 もっと触ってほしい。その一心で腰を上げる。

 

『なら私の命令には絶対服従だ。分かるね?』

「わふ……」

 

 絶対服従。その響きに、背筋がぞくぞくする。

 

『返事は?』

「わん!」

 

 お尻を左右に揺らす。柔らかいお肉の動きが一拍遅れていて、それも恥ずかしくて気持ちいい。

 

『いい子だ』

 

 先生は指を肉芽にあてがってシゴき始める。シミコにちょうどいい強さで、ちょうどいいリズムで。抗いがたい快楽信号で、下半身にくすぶっている熱いものをどんどん育てていく。

 

「くぅぅん、ぅう~っ、ぅう~っ」

『もっと大きく鳴け』

「わぅ、わん、あぉ~ん」

『もっとだ』

「ぅう~~~っ、ぁう~~~~っ!」

 

 命令されて鳴く。何も考えずに鳴く。

 ぱちん。育ちきった熱いものが、はじけた。

 

「ぅ~~っ、ぁっぁぅぅ~~~~ッ!」

 

(私は犬。先生のペット)

 

 シミコは何度も体を跳ねさせる。そのたびにFカップの胸が弾む。そこに生まれた痛みさえ、今のシミコには絶頂を引き立てるスパイスだ。

 

『イッたんだね。クリがコリコリしてるよ』

 

 先生の指は止まらない。一定のリズムと、ちょうど良い強さを保ち続ける。

 

 しこしこ、しこしこ、しこしこ……。

 

「わん、わぉん、ぅう~~っ!」

『ほら、イけ。もっと鳴け』

「あおぉ~ん! あぉぉ~ん!!」

『イけ』

「ぁおぉぉぉ───────ン」

 

 シミコは命令されるままに絶頂した。誰もいないシャーレの執務室で首輪をされ、犬扱いをされながらの性的絶頂。何回も、何時間も、繰り返し……。

 

 

 

 

 

 先生は、少しずつシミコを躾(しつ)けた。

 最初は剃毛(ていもう)だ。へとへとになったシミコを仰向けに横たえ、クリームをたっぷり塗る。

 先生が動くなと命令し、シミコは鳴いて従う。

 カミソリが肌の上を滑った。

 

『ほら、できたよ』

「ぁぅん」

 

 つるりとキレイになった陰部を見ていると、まるで今までの人生がウソだったかのように思えてくる。初めて生えた一本の毛に悩んだ記憶もまがい物で、生まれた時から自分は犬だったのではないか、と。

 

「はぁお、あぉぉぉっ」

 

 ご褒美に肉唇を愛撫してから、先生はシミコを床に下ろす。そして目の前に皿のようなものを置いた。犬用のエサ入れだ。

 

『犬は指を使わない。人間と同じ食事をしない』

「わん」

 

(私は犬。先生のペット)

 

 シミコは四つん這いのまま、エサ入れに顔を突っ込む。

 犬、犬、と心の中で唱えながら、手を使わずにドッグフードを食べる。

 

「がっ、がふっ……」

 

 喉が渇くと、水飲み皿も与えられた。舌を使って水を飲む。

 手は使わない。シミコは犬だから。

 

『いいコだ』

 

 先生の手が、大きな蜘蛛みたいに背中を這い回る。垂れ下がった乳房の付け根をくすぐり、次は下腹部へ。

 

「ぁぅん。くぅぅん」

 

 やがて、生理現象がシミコを苛んだ。食事をして水を飲めば、出るものが出る。そういう痛みが下腹部を責め立てている。

 

「ぅ、く」

 

『トイレかい?』

 

 先生は、犬用のトイレを出してきた。一メートル四方のトレー状で、大きいのも小さいのもできるタイプだ。

 血の気がサアッと引く。

 

(い、いや)

 

 いくらなんでも、先生の前で排泄(はいせつ)なんて──。

 

 パァン! パァン!

 

「きゃうっ!」

 

 シミコの尻たぶが、左右均等に叩かれ弾ける。

 

『犬が恥ずかしがるか?』

「だって、そんな、それは、死ぬよりっ」

『じゃあ死ね』

 

 パァン!

 

「きゅうん、きゅうぅ~んっ」

『死んで生まれ変われ。ものを考えない、言葉を話さない犬に』

 

 パァン!

 

『分かったら首を縦に振れ、この駄犬!』

「きゃうぅ~~ッ!」

 

 鮮やかな五感に、苦痛と罵声、恐怖が染みた。

 首をぶんぶんと上下に振って、シミコは恭順の意を示す。

 

『ははは、いい子だ。ご褒美をあげよう』

 

 すると、じんとシビれるお尻に愛撫が与えられた。優しいタッチでなぞられ、腰回り全体に妖気めいた熱がわだかまる。

 

「あぉん、あぉ~ん……」

 

 奇妙な安らぎがシミコを包む。叩かれて、苦痛を与えられて、でもコレでいいんだ、コレがいいんだと思ってしまっている。

 人間の思考じゃない。

 家畜化されたイヌの思考。

 主人に愛玩され、飼育していただくペットの思考。

 

(私、どうぶつだ)

 

 シミコは腰を浮かせる。尻を高くして、尻尾を振るような動きで先生にアピールを繰り返す。

 

『まだ叩いてほしいのか?』

 

 パァン!

 

「あぉ~ん……」

 

 お尻を叩かれると、頭が薄ぼんやりとしていい。何も考えないケモノになれる。

 

『ほら、歩け、ほら!』

 

 パァン!

 

(叩いて。しつけて。私を生まれ変わらせて)

 

 這ってトイレに近づく。

 トイレの中に入って、和式便器をまたぐような姿勢をとる。

 叩かれ続けた下半身全体が燃えるようだ。じんじんとした熱は脳まで登り、理性をとろけさせる。

 興奮のあまり肩で息をした。決定的な一線が目の前だ。

 

『ご褒美だよ』

 

 パァンッ!

 一際強く叩かれて、体が大きく跳ねる。乳房が弾む。お尻が突き出される。理性の糸が、焼き切れた。

 

(私は犬) 

 

 シミコは下腹部の力を緩める。そして──。

 

 

 

 

 

 しつけを終えてから、先生はシミコに何も求めなくなった。ただ愛玩してくれるだけ。

 

『ごはんの時間だよ』

「へっ、へっ」

 

 食事の時間も、先生が管理してくれる。

 

『トイレの時間だよ』

「わんっ!」

 

 トイレの時間も、先生が管理してくれる。

 

『オモチャの時間だ』

「へ、へっ、へっ」

 

 遊戯や快楽も、先生が管理してくれる。

 今日は、電池で震えるオモチャで遊んでくれるようだ。オモチャを床に投げ、「取ってこい」と命令する。

 

 シミコは命令通りにした。もちろん手は使わずに口で咥えて、四つん這いで運ぶのだ。そしてご褒美をもらうために、服従の姿勢をとる。仰向けになって腹を見せ、股を開く。

 

『シミコの好きなぴゅっぴゅをしようね』

「あぉ~ん」

 

 先生はオモチャのスイッチをオンにして、アソコを嬲る。

 

『さあ、ぴゅーってしなさい』

「ぁへーっ、へーっ」

 

 シミコは、尿とも愛液ともつかない液体を飛ばした。放物線を描いて、ピューッと。

 

『ぴゅーっ』

「へ、へーっ」

 

 シミコは何も考えない。言われるがまま、透明な液体を吹き続ける。舌をピンと突き出して、目をくるりと裏返して、えも言われぬ開放感に身を震わせた。

 

『ほら、ほら』

「へーっ」

『ぴゅ──っ』

「へぇ~~~~」

 

 

 

 

(シ……ミコ、シミ……コォ!)

 

「あぇ……?」

 

 どこか遠くから声が聞こえる。低めのハスキーボイスだ。

 

『は は は──もっと壊れてくれ、読者様。そうなれば君は、私だけを読み続ける。永遠に私を楽しんでくれるだろう?』

 

 なんだ先生の声か。意味は分からないけど、どうでもいいや。

 

(起きろシミコ、正気に戻れ!)

 

 あれ、まただ。また声が聞こえる。この声は先生と違う──私を叱っている、このハスキーな声は──。

 

(必ずそこに行くから、あと少しでっ)

 

 ……来なくていいです。

 

(き、きひいいぃっ!? なんでっ)

 

 助けてもらう理由がないです。私は最低(さいこう)に無様(しあわせ)な犬だから。

 それに、それに──。

 

『さあ、起きろ犬。次のお楽しみだ』

 

 こんなニセモノがお似合いの私なんかと違って、あなたは、本物の先生とデートできるんですから。

 強くて可愛いあなたが、こんなニセモノに無様な姿をさらすことになったら、イヤだから。

 だったらここで、ずっと犬でいようかなって──。

 

(くっそおぉっ! 古関っ、まだ入れ……シミコぉ……必ず……そこ……行くから……!!)

 

 シミコは、遠ざかっていく声を名残惜しく聞きながら、目から体液をこぼした。

 

 

 

 

 

『今日は散歩に行こう』

「わん!」

 

 ある日、先生は裸のシミコを外に連れ出した。トリニティの公園を歩き、通りがかった生徒たちにペットを自慢する。

 

『まだ十五歳なのに、とても肉付きがいいだろ?』

『可愛い~。お尻もおっぱいも大きいねぇ』

 

 生徒たちが、シミコを褒めてくれた。

 羽川ハスミが頭を撫で、静山マシロが首筋をくすぐる。

 

『あはは、ベロ垂らしちゃって』

『マジ愛玩動物って感じ~』

 

 生徒たちが嗤(わら)う。そして、シミコの体をもてあそぶ。

 栗村アイリが耳たぶを揉んで、守月スズミがお腹をさする。蒼森ミネがお尻を撫でて、歌住サクラコがおっぱいを揉んで、聖園ミカが乳首をコリコリする。

 

「あぉん、おんっ」

『すっごい腰ヘコ。発情期かな?』

『先生、繁殖はさせないの?』

『ああ。妊娠を意識させたら、義務や責任なんて余計なものを思い出しかねないからね。これから病院で去勢するんだ』

 

 去勢と聞いて、シミコの心がおどる。子供を産めない体になれば、いまだ知らないペニスの快楽を味わえるのだ。本当の意味で愛玩動物になれるのだ。

 

 そう、先生の子供を授かれない体になってしまえば…………しまえば…………もう、取り返しが…………。

 

(……あれ?)

 

 一人だけ何もしてこない女生徒がいる。黒い制服、黒い長髪。顔を伏せていて表情は見えない。自分の腕を押さえつけるように抱きしめて、じっと立ち尽くしている。

 

『へっ、へっ』

 

 彼女の気を引きたくて、シミコは生徒たちの手から抜けだした。そして、次々と芸をしてみせる。

 先生の命令を待とうとは思わなかった。

 

「わふ、わん」    お座り。

「きゃん、きゃん」  おまわり。

「くぅん、くぅぅ~ん」ちんちん。

 

 頭を使って、いかにも犬らしい芸を披露する。それでも女生徒は何も言ってくれない。ただ見ているだけ。

 シミコは、なんだか悲しくなってきた。芸をする自分の姿が、あまりにも滑稽に思えてきたのだ。

 

「はう、はうぅ」

 

 長い黒髪のあなた。どうか目を背けないで。円堂シミコが、どんな存在かその目で見て。そして私のことを軽蔑(きもちよく)して……。

 

 女生徒が、低めのハスキーボイスで言った。

 

「──お嬢ちゃん。お前が本のページをめくる音は、俺の心に響くメロディーだ。その調べに乗って、俺も知恵の旅に出たくなっちまった──」

 

 シミコは、はっと身を強ばらせる。

 知っている声だ。知っている台詞だ。彼女《・・》に貸した恋愛小説の中で、悪い男が読書好きな女子高生にささげた言葉。人間の知性を褒め称える言葉。

 

 我知らず、シミコは女生徒に手を伸ばした。

 

「ツ、ル……」

「きひっ。きひひっ、きひひひひ……!」

 

 その手をはっしと掴(つか)んだ女生徒が、狂ったように笑い出す。口元をくわっと開き、異形の光輪(ヘイロー)を真っ赤に輝かせる。

 生徒たちが身構え、先生がうめいた。

 

『君の出番など、私のプロットにはない』

 

「そぉれがどうしたぁ……『正規のやり方』で入っただけだぁ」

 

『生徒ごときに〈私〉の使い方が分かるものかっ』

 

「くひ、ひっ。古書館の魔術師を、トリニティをナメるなよ」

 

『きさま……本物の剣先ツルギッ、くわぁ────っ!』

 

 先生が絶叫すると、生徒(ニセモノ)たちが一斉に飛び出した。獣のごとき素早さで、ツルギに向けて一糸乱れぬ突撃。

 

 しかし!!

 

「ギャァハハハッ! アバれる時間だぁ─────っっ!!」

 

 深紅のオーラに包まれたツルギが、腕の一振りで生徒たちを弾き飛ばす! シミコを守るように立ちはだかり、彼女たちを千切っては投げ、千切っては投げる!

 強い! 絶対に強い! そして!

 

(格好いいッ!)

 

『そんなバカなーッ!?』

 

「血祭りだぁ! ア゛──ッヒャッヒャッヒャ!!」

 

『ツルギィ! ここは欲望の世界だぞ? 欲望こそパワーだ! 正義なんぞのために私を拒絶した君は力を奪われるはず! なぜそんなに強い!?』

 

「それは正義!」

 

『ふざけるな! なぜ来れた! なぜこんなパワーがある! いやそもそも、なぜシミコを助ける!? 道徳に背き、してはいけないコトをした悪い子だ! 私の誘惑に負けて君を裏切った悪い子なんだ! それを助けるなんて正義にもとるだろうがぁ!』

 

 シミコの心臓が跳ねた。

 だがツルギは、凶悪な笑みを深くするばかり。

 

「ハァァァ……その答えはただ一つゥ……私がァ! シミコのことを、大好きだからだァ──ッ! 私なんかにも優しくて、色んな本を教えてくれて、好きな男が同じシミコが大好きだ! 格好よく助けて、恩を売って、あわよくば友達になりたいからだァァア゛──ッヒャッヒャッヒャァ──ッ!」

 

 狂笑。奇声。読むまでもなくさらけ出されたツルギの心。

 その下らなさと清々しさに、シミコの目から涙があふれる。

 

「ツルギさぁん! 私も! 私もあなたが好き!」

 

「ヒャァァッ! 友情は正義! つまり正義は欲望! そして欲望がパワーならぁ!」

 

『お・の・れ背徳者どもがっ──な、なニィ!?』

 

 何てこと! ああ、何てことだ! ツルギの口元から、赤い火が漏れ出したではないか!

 

「友情は、ファイヤーッ!」

 

 剣先ツルギの吐いた火が、生徒たちを一瞬で焼き尽くす!

 

『火!? 嫌だ、燃やさないでぇ!』

 

 そして先生は、背を向けた瞬間ツルギの火に巻かれた。地面に転がり、芋虫のようにのたうつ。

 

『もう二度と燃えたくないッ! 火は、火はイヤだーッ!』

 

 ボロボロと崩れ落ちていく様は、まるで燃える紙だ。全て灰になるのも時間の問題だろう。

 

『助けてシミコ、助けてぇ』

 

 もだえ苦しむ飼い主を、シミコは黙って見下ろしていた。

 

『君の欲望さえあれば、私はっ』

 

「見苦しいから止めてください」

 

 自分でも驚くくらい冷たい声が出て、シミコは、なあんだ《・・・・》と思った。

 

(なあんだ、私……犬になれなかったんだ)

 

 赤い首輪を外し、ポイッと放り捨てる。

 書にいわく、犬は三日飼えば三年恩を忘れないらしい。なら「こんな弱くて醜い存在に飼われていたのかぁ」と白けているシミコが、犬であるはずはないだろう。

 

 燃えていく先生の醜態に比べて、ツルギがシミコの肩を抱く力強さの、なんと魅力的なことか……。

 

「古関が、こいつは精神医療のために書かれた本だって。欲望を分析して心を治すためのたオーパーツ……だった、らしい」

 

『私を読んでくれ……燃やさないで……捨てないで……』

 

 先生(ニセモノ)が──いつかのどこかで燃やされて、誰からも忘れられてしまった古い本が、なおも命乞いをする。

 

『どんな欲望でも、描き出してみせる……私の読者でいてくれ……私を本でいさせてくれ、シミコォ……』

 

 みじめな……だけれど必死な姿で、読者であるシミコに訴えかける。本好きとしての好奇心を揺さぶり、司書としての使命感を刺激する。

 

(……燃やしたくない)

 

 危険だろうとなんだろうと、本はあくまで本だ。何が描き出されようと、それは人の内側にあったもの。

 こいつのした事は、シミコがしたかった事なのだ。なのに……。

 

「人に危害を加えないって、約束できますか」

 

『もちろんだ!  約束する!』

 

「シミコ?」

「大丈夫、心配しないでツルギさん」

 

 安心させるために手を握って指をさすれば、ツルギは「うひぃっ」と変な声を出した。

 

「シ、シミコ、握り方がイヤらしい……」

「色々あったんです」

 

 シミコはしゃがみ込み、先生の顔をのぞき込んだ。

 

「私の本になってください。欲望を満たすための道具に」

 

『なります! どんな欲望も満たしてさしあげます! だから私を読んでくれぇ!』

 

 本の中に留まるつもりはない。本は人の内側なのだ。人が本の内側にいてはならない。

 だけど正直に言えば、うずく。調教された体が切ない。

 

「こほん、例えば……強くて格好良くて可愛い大切な友達と、セックスしてみたい、とか」

 

 驚愕して「シミコォ!?」と叫ぶツルギを尻目に、シミコは欲望をさらけ出す。

 

「これって、とてもイケナイ事ですよね?」

 

 

 

 

 ◆ トリニティ総合学園、ツルギの部屋 ◆

 

 放課後、ベッドの上。

 

「くひぃっ……シ、シミコぉ……」

 

 シックスナインの体位で花びらを甘がみしてやると、ツルギは被虐に濡れた声を出した。

 シミコの目の前には、ツルギの秘部がある。昨日お風呂で毛を整えてあげたから、清純な形状がよく分かった。

 

「HEY、デザイア」

 

『はいご主人様』

 

 シミコが呼びかけると、あの黒い本が宙に浮かび上がる。

 

「クリトリスの上手な舐め方を教えて」

 

『はい、お答えします。まずクリトリスとは、陰部のあちこちに根を張った快楽神経の終端であり、露出部分です。そのため、まずは陰部全体をしっかり舐め回すことが重要で──』

 

「ふむふむ……んれぇ~……」

「あ、あ……シミコぉ……れろ、れろ……」

 

 デザイアの応答を聞きながら、その通りにツルギの秘部を舐め回していく。ツルギも、シミコの恥ずかしいところをザラついた舌で舐め始めた。

 夕日が差し込む部屋の中で、大切なお友達と、いけない遊びに興じる。とても気持ちいいが、まだまだイクつもりはない。もっとツルギを喜ばせなくては。

 

『次に、快楽神経の集中する部分を重点的に刺激します。ツルギ様の被虐癖を考慮すると、歯で軽く噛んで吸いながら──』

 

「あむ、ぢゅう」

「あはぁ! あ゛ぁ~~!」

 

 ツルギが体をのけぞらせ、匂いの濃い液体を分泌した。

 

「はひゅう、ひゅうぅ……」

「んふ……ツルギさん、声、カワイイ」

「あひ、いひぃ……恥ずかしいよぉ……」

 

 恥じらうツルギが愛おしい。シミコは人間らしく丁寧な舌使いで液体を舐めとり、そのイヤらしすぎる味わいに陶酔した。

 

(ああ……デザイアを持ち帰ってよかった)

 

 欲望を読み取り分析できるデザイアのおかげで、献身的で体つきもエッチな親友をガールズ・ラブの虜にできた。強くて格好良くて可愛いツルギと最高の友達になれて、しかもイケナイ欲望を満たす遊びまでできて、シミコは幸せだった。

 

(でも──)

 

 でも本当は、お腹の奥が不満を訴えている。ツルギも同じことを言っていた。二人ともバージンだから、女の子が秘める本当の快楽ポイントを刺激できないのだ。

 そこに入り込み、刺激していい人は、ただ一人だけ。

 

「ツルギさん。生徒が先生の赤ちゃんを妊娠するってぇ、最高にイケナイ事、ですよね」

 

「そうだねシミコ。しかも友達と一緒に妊娠するとかぁ、最高にイケナイ事、だよね」

 

 二人は声を揃えて、自分たちの欲望をさらけ出す。

 

『はい、お答えします。シャーレの先生を誘惑するには──』

 

 

 

 

 

 シミコの欲望ノゾキミ絵本 了

 

   『めくっていいのはアナタだけ』に続く

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