※この作品はR-18です。

よう性   作:崇大

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男女平等の仕組み

唐突に感じるかもしれないが、少しだけ僕の話に耳を傾けてほしい。これから投げかける問いについて、ほんの片隅で構わないから、真剣に考えてみてほしいんだ。この問いは、僕たちが当たり前のように享受し、あるいは当然の権利として主張している、とても根本的な概念に関するものだ。

 

 果たして、男女は本当に平等と言えるだろうか。

 

 もしこの問いが投げかけられたら、君はどう答えるだろう。現代日本を取り巻く法的な整備だけに目を向ければ、きっと「イエス」という答えが頭に浮かぶだろう。憲法における法の下の平等や男女雇用機会均等法、育児・介護休業法。僕たちが生まれる遥か以前から、先人たちの血と汗の積み重ねによって築き上げられてきた制度のおかげで、少なくとも書面上では性別に関係なく人生の選択が可能な世界に私たちは生きている。

 

 しかし、一歩外に出て社会という現実と向き合えば、そこには法律だけでは拭い去ることのできない課題が横たわっている現実を目の当たりにする。それは重く淀んだ、根深い問題だ。

 

 例えば、家事や育児の負担がなぜか一方に傾きがちな暗黙の了解。あるいは企業の中枢で意思決定を担うポジションにおける男女比の極端な偏り。こうした現象は法律で定められているものではない。むしろ、それは長い年月をかけて文化という名の古いOSが作り上げた一種の“バグ”と言えるかもしれない。「男ならこうあるべき」「女だからこうするべき」という実体のない固定観念。その見えない鎖が僕たちの可能性をふさぎ、自由を何気なく奪ってはいないだろうか。

 

 僕が思うに、本当に重要なのは単なる数字合わせや形式的な平等ではない。性別というフィルターを完全に取り払い、それぞれの人間が持つ個性や努力、志によって正当に評価される世界。「生まれ持った条件」に左右されず、誰もが自分らしく人生の可能性を切り開けること。そのためになすべき努力こそが、今を生きる僕たち自身へ課された使命ではないだろうか。

 

 この問いを深く掘り下げることは、単なる社会学的議論以上のものになる。それは僕たちひとりひとりの価値観を揺さぶりながら、何を大切に守り、何を手放し、どんな形で他者と向き合うべきなのか。そのような社会そのものの在り方そのものを再考させられる、内なる省察とも言える機会になるはずだ。

 

 結局のところ、僕が言いたいことはシンプルな1つの真理だ。性別に関係なく、誰もが尊厳を持ち、公平な機会を享受するべきであるという考え。それは実に純粋で揺るぎようがない当たり前のことだ。

 

 そう、自分の中ではこの信念をしっかりと抱いているからこそ、不平等や不条理な状況を見ると居心地の悪さを感じるし、その理想について真剣に語り合える場を求めていたように思う。

 

 それなのに、不意に顔を上げた瞬間思ったんだ。僕が今立っているこの学び舎には、そんな息吹はまるで存在しない。この空間が醸す閉塞的で硬直した価値観。それらは僕の理想とはあまりにも隔たりがあり、それどころか議論しようとする試みすら無意味に思わせるほどだ。

 

 そんな現実を目の当たりにしながら、僕は深く溜息をつき、自分自身を責めるばかりだ。「どうしてこんな学校を選んでしまったのだろうか……」という疑念が頭をよぎる。

 

 理想を語れば語るほど、この場所がどれほど異質であるかが浮き彫りになる。僕が望んでいた「平等な機会」や「個人の尊重」は、校門をくぐったその瞬間から、まるで遥か彼方の物語でしかないように感じられた。そんな思考の中で、自分なりに答えを探し求めていたはずが、気づけばあまりにも皮肉な結末に行き着いてしまった今がある。

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