××月03日 PM09:22
「さて……尋問を始めよう」
薄暗い一室に一組の男女。
テーブルの上には電気スタンドと、 調書と思われる書類を挟んだバインダーがある。
二人はデスクを挟んで向かい合わせではなく、互いの額と額が触れてしまいそうなほど、密着した位置で座っている。
「お前も『狂犬』の名を聞いたことがあるはずだ」
ーーーバンッ!
威圧するようにテーブルを叩く女。
彼女の名前は尾刃カンナ…… ヴァルキューレ警察学校公安局の局長。
その視線は目の前の男、先生のことを強く見据えていた。
「私の前でシラを切るような真似は許さないからな。覚悟しておけ」
先生はうつ向いたまま、返事をしない。
しかし、彼のその口元がわずかに吊り上がっているように見えた。
その表情を読み取れないことが、彼女の苛立ちを募らせるようでもある。
「罪状がいくつも上がっている。まずはこの件だ」
カンナは調書のページをめくり、強い語気で続けた。
「住む場所を失い、公園で生活している女子生徒に、廃棄弁当を提供。見返りに性交渉を要求した……。この件において何か申し開きすることはあるか?」
男は少し考えてから口を開く。
「それは女子生徒が、施しなど受けないと言うのもので……。コンビニが処分に困っているというお弁当だったら、コンビニを助けるという意味で受け取ってくれると思いまして」
カンナは鼻で笑った。
「廃棄される弁当の対価に性交渉を要求するとは。随分と割の合わない取引だな。一体、どれだけ女子生徒のことを安く見ているんだ!」
にらみを利かせながらカンナが問いただす。
同じ女として憤りを感じているのかもしれない。
「それも……私から要求したわけではなく……彼女の方から、あくまでも『お礼』だと言ってきたので……」
ボソボソと先生が答える。
「では、性交渉をしたことは認めるのか?」
カンナの声が、低い唸りとなって響いた。
「それは……しましたけど」
「ふん……あっさりと認めたな。ではその詳細を尋ねる。該当生徒の名前は?」
「ミユ……霞沢ミユです」
カンナは調書にミユの名前を強く書き込む。
バインダーを持つ指に力が入り、ミシリ……と音を立てる。
「何回行為に及んだ?」
「えと……それは何の回数ですか?」
「性行為の回数だ!」
「逢瀬の回数ですか? それとも、射精した回数ですか?」
先生は皮肉めいた口調で、わざとらしく尋ねた。
カンナの眉間の皺が深くなる。
「い……いったい何回したんだ!?射精した回数まで覚えているなら、言え」
カンナはテーブルを掴み、身を乗り出した。
先生は厭らしい目で彼女の胸元を見ていた。
「彼女と性行為をした日の合計は三日です。ただし、射精の回数となると、話は別になります」
「……」
「初めての夜は、亀頭が膣口を割るのに時間がかかりました。そのため、一回しか膣内で射精していません。後日行った二回目の性交渉では、比較的すんなりと受け入れてくれました。彼女の膣が、私の肉棒に慣れていくのが楽しかったのですよ。それからは毎回三度は膣内射精しました」
カンナは無意識に唾を飲み込んだ。
自身の太腿の間に、何とも言えない熱を感じ始めている。
彼女は怒りを通り越し、先生の生々しい告白に、身体が反応していることに気付き、激しく動揺していた。
「お前な……避妊しようという考えは頭にないのか!?」
「避妊なしのセックスの方が『一番のお礼』になるというものですので……」
先生は、カンナの動揺を楽しんでいるかのように、ニヤリと笑った。
「最低だな。それでもお前から避妊は申し出るべきだろう! ミユにした具体的な行為の内容を聞いていくぞ……」