岡田ユリコ(東島丹三郎は仮面ライダーになりたい)リョナ短編 作:ゴールドフォレスト
原作:東島丹三郎は仮面ライダーになりたい
タグ:R-18 残酷な描写 クロスオーバー リョナ 腹パンチ 串刺し 貫通 拷問 岡田ユリコ 東島丹三郎は仮面ライダーになりたい 仮面ライダータイガ 仮面ライダー龍騎 バンドーラ 恐竜戦隊ジュウレンジャー 特撮 アニメ 戦闘 バトル 必殺技
岡田ユリコは体格がいいですね。好みです。アニメ限定。
タイガはゲス野郎ですので使いやすいです。本当に2000年代前半の仮面ライダーはゲスが多い。エヴァンゲリオンの悪影響だと思っています。
私の話は救い手出すことが多いんですがバンドーラにしました。ライダーじゃなくて戦隊だけどね。あの一味はもう改心していると思うんですよ。非常に魅力的な悪役でした。
「そこのお嬢さん、ちょっといいものがあるんだけど、買わないかい?」
灰色のスーツ姿の岡田ユリコは今時珍しい露店の占い師の様な格好の老婆に呼び止められた。
「何ですか?私占いとかは興味ないんですけど。」
「強くなりたいんだろう、お前さん。」
図星を突かれた。
確かに岡田ユリコは強さに憧れている。かつて見た特撮の電波人間タックルに憧れて、コスプレして『タックル2号』とか名乗っている。ちなみに改造人間なんかじゃない。鍛えた身体と格闘技が武器だ。素人に毛が生えた程度だ。それでも、現実に怪人が存在するから戦うしかない。
老婆が2つ小瓶を出してきた。
「これが、精神力が持つ限り不死身になる薬。これが、望んだ強さに変身できる薬。効果は、一生。」
・・・胡散臭すぎる。立ち去ろうとした。
「まぁ試してみなよ。」
いつの間にか老婆が後ろにいた。・・・口が自然に開いていく。何だこれは。
薬を飲まされた。毒だったらどうしようかと吐こうとしたけど、吐けない。魔法で操られているみたいに。
「何を飲ませたの!」
「アハハハ!不死身になる薬だよ。もう一つの薬はあんたのリュックの中に入れておいた。・・・何故なら、その薬飲まないと、今夜であんた死んじゃうからねぇ。」
「何を・・・言ってるの・・・。」
「ちなみに、『精神力が持つ限り』と言ったよ。心が折れたらあんたは死ぬ。逆に言えば心が折れない限りあんたは死なない。でもね、グチャグチャになっても再生する自分を見て『自分は怪人だ』と思って心が折れる奴もいるんだ。そんなことは知ったこっちゃない。それまでにもう一つの薬を飲むか決断するんだねぇ。もう一度言うけど、効果は一生だよ。一生あんたは怪人のままか、死ぬか。今夜決断するんだ。」
「私はヒーローよ!怪人になんてならない!」
「じゃあ死ぬしかない。・・・残念だ、あんたは見込みがあるからチャンスを与えてやったのに。」
・・・老婆は煙のようになって消えた。
そういえば『買わないか』と言われた。代金払ってないのに。財布を見た。2万円減っていた。・・・あのババァ。
もういい、ババァのことは忘れよう。ユリコは夜の街を歩いていた。
怪人が暴れていた。
マジで?正直、ユリコは戦闘員1人相手にするのもやっとだ。同じくショッカーと戦っている仲間の応援を求めるべきか?いや、間に合わない。ここは私が食い止めなければ。私はタックルなんだから。ユリコはタックルに着替えようとしていた。
虎のような機械型の怪人が、怪人の背後から襲撃し怪人を引きずりながら小道へ去って行った。ユリコはリュックを片手に後を追っていった。
・・・小道の暗がりで虎の怪人と、虎風のスーツを身に纏ったライダーが、怪人をリンチしていた。
やがて怪人は動かなくなり、泡になって消えていった。
正直酷すぎる倒し方だ。とても仮面ライダー、正義の味方とは思えない。
ライダーの姿に見覚えがある。あれは平成ライダーの1人だ。確か仮面ライダータイガ。英雄に憧れていると言いながら非道な行為を繰り返している男。本当にあの時期のライダーは大嫌いだ。歪んでいる。でも実在したのか・・・。
「あれ?お姉さん見ちゃったのかな?・・・参ったなぁ。僕はこういう戦い方しか出来ないから、見られたくなかったのに。・・・殺すしかないかも。」
・・・背後に虎の怪人がいて背中を引き裂かれた。
「がうっ!」
背中に3つ深い傷が出来たのが分かる。ユリコは崩れ落ちた。
・・・背中の傷が再生していくのが分かる。不死身になる薬は本当だったのか・・・。でも、まずい。相手は自分が嫌いなものを徹底的に排除する歪んだ存在だ。こんな光景を見られたら・・・。
「あれ?お姉さん傷が再生したねぇ。怪人なんだね。ますます殺すしかないかも。」
やっぱりそうきた。こうなったらもう一つの薬を飲むしかない。リュックを・・・。
虎の怪人に奪われた。
「この中に大切なものがある感じがしたよ。させないよ。お姉さん、ズタボロのグチャグチャになっても再生するかなぁ?しないかも。ということで、思う存分切り刻む。滅茶苦茶に突き刺す。そんな光景、人には見られたくないなぁ。僕は英雄だからね。」
「あんた英雄じゃないわよ。テレビで見た誰もが、あんたをそんな風に見ていない。悪としてみてる。」
タイガの殺気が強くなったのがはっきり分かった。
「じゃあ、ミラーワールドに連れて行こうか。て、いうかさっきの怪人の時点でミラーワールドに引きずり込んで殺しておけばよかったかも。あ、そうすると、お姉さんという怪人に出会わなかったから、これでよかったかも。一石二鳥って奴?」
また、虎の怪人が背後にいて頭を掴まれた。そのままタイガの持っている小さな鏡に押し込まれた。
ミラーワールドは、そこで戦えるライダーと怪人しか存在できないはず・・・。だったが、ユリコは消えなかった。
「ミラーワールドに入ってなんで消えないのか?って思ってるでしょ。消えないよ。そうしたら、僕達ミラーワールド系のライダーは引きずり込めば勝ち確定だからね。神様かなんかが公平にしているのかな?ムカつくかも。」
「私はあんたにムカついてんだけど?」
「じゃあかかってきなよ。・・・お姉さんよく見ると全身ムキムキだね。女子レスラー?」
「教師だボケ!」
ユリコはタイガに向かって走り、ドロップキックを見舞おうとした。
空中で虎の怪人の体当たりを喰らった。
「くそっ!こっちは変身してないのよ!二対一とか卑怯とか思わないの!」
「思わないかも。僕はこの20年で色々な戦いを見てきたよ。ウルトラマンが何人もさ、タイの神だか何だかと一緒にゴモラをリンチして殺したりしてるの。凄いよね、あのセンス。とても真似できない。」
「あれは文化の違いというか、黒歴史!っていうかあんた仮面ライダー龍騎の頃20代だから、今40代でしょ!いい年して卑怯な手を使って恥ずかしくないの?」
「・・・僕はずっと25歳だよ?」
「え・・・?」
ユリコは虎の怪人に羽交い締めにされた。足も組まれ完全に身動きが取れない。
「クソ!離せ!卑怯者!」
「あー、お姉さんムキムキだし、胸も大きいし、いいサンドバックになりそう。ちょっとわくわくしてきたかも。」
ボズッ!「うぐっ!」
ユリコはタイガに1発腹を殴られた・・・。それだけで胴体のあちこちの肉が千切れた感触がする。全身が痛い。口へ血が逆流しゴボゴボ垂れていく。
「な・・・に・・・これ・・・。」
「えーと、説明モニター。『タイガのパンチ力・12.5トン。ちなみにヘビー級プロボクサーのパンチ力でも450キロ程度。』だってさ。・・・よく生きてるね、お姉さん。」
「ふざ・・・けんな・・・。あんたなんか・・・に・・・やられるか・・・。」
そう言っている間にユリコの肉体が修復されて元通りになった。スーツやシャツに大量に染みついた血ですら元通りになっていく。
(・・・不死身なのはいいけど・・・状況最悪じゃないの・・・。汚れ落ちるの要らないわよ。)
「あっ!お姉さん再生したでしょ!服が綺麗になって分かりやすいかも。というわけで今度は胸を一発。」
「まっまt」
ブジュ!「あぐぅ!」
ユリコの左胸が殴られた。乳房が潰れて元に戻らない。肋骨は全て砕けて肺や様々な臓器に突き刺さっている。
「ごぼぉ!ごぉ!あぐあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「あはは!たーのしー。おっぱい潰れてどんな気分?あっはは!」
「・・・ざけんな、いい年して英雄だとかほざいてる馬鹿が。がふっ!・・・へっ、バーカ・・・バーカ!」
血を吐いて挑発しているユリコ。だが状況は最悪になるだけで。
「・・・じゃあボディに10連発いってみようか・・・。」
「やめt」
ドゴッ!・・・ブジュル!・・・ゴジュブルュ!
3発で肉を打つ音が、肉が潰れ千切れていく音に変わった。
「お゙・・・あ゙お゙!がふっ!・・・う・・・く・・・。」
ブジゴキブジュ!・・・・ボギビジャベギ!・・・ボジュゴキャゴキブチィ!
肉が奇怪な音で千切れていく。それに骨が砕ける音も混じる。
「ご・・・がはっ!ぐぶっ!ごぼっ!・・・お・・・あ・・・」
「あと4発もつのかなぁ?途中で身体が千切れちゃうかも。」
ボジュグジャ!・・・バキベキブジュ!・・・ブジュガキガキブジジチビチィ!ブチィ!
「か・・・あ・・・おごぉぉぉぉぉぉ!!!!!!あおぉぉぉぉぉぉ!!!!」
・・・ユリコの鍛えられた肉体が千切れた。腹の真ん中で雑に上半身と下半身が分かれ、大量に出血し腸などがこぼれていく。
ユリコを羽交い締めにしていた虎の怪人が、ユリコの上半身を上げていく。獲物を見せびらかすように。
「あ・・・がふっ!・・・ご・・・う・・・ぎょぼ!・・・ああう・・・。」
「9発で身体が千切れちゃったねぇ。デストワイルダー、お姉さんを放り投げちゃって。」
「がうっ!・・・あは・・・くう・・・く・・・。」
大きいゴミをゴミ置き場に放り投げられたようにされたユリコ。・・・悔しくて涙が出てきた。
・・・更に虎の怪人がユリコの下半身を喰っていく。
「ぎぃぃぃぃ!!!!!ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
(何で?何で千切れた部分の痛みが分かるのよ!・・・あのババァ!)
「あー、僕も喰ってるシーンよく見たいから、ゆっくり食べてね。」
タイガがユリコの下半身に近づいて、中腰で見ている。
(・・・分かれた部分が痛いなら・・・分かれた部分も動かせるはず・・・。)
ユリコの足がタイガのベルトを蹴り砕いた。
「あ・・・。」
(よっしゃあ!ざまぁ!変身解除!)
・・・タイガの変身ベルトが元の状態に戻っていく。
(え・・・?何で?)
タイガの顔がユリコの上半身の方に向いた。
「・・・お姉さん。舐めた真似してくれるね。言ったでしょ、僕は25歳だって。25歳から『永遠に変わらないんだよ』。僕はずーとこの姿。変身したままの姿。そう生まれたんだよ。僕は東條悟であって東條悟じゃない。ずっとこのままの姿で20年以上色々な世界を彷徨って戦わされてるんだよ。神様がいたらぶち殺したいかも。というか殺す。」
「・・・はっ!・・・じゃああんたの方が怪人じゃない・・・。何ライダー気取ってるのよ・・・。」
ズルリュ!
「あ・・・。」
ユリコの下半身が生えてきた。急速に。服も一緒に。上半身の服と癒着してすっかり元通りになっていく。
「怪人に怪人って言われたくないなぁ。」
『ストライクベント』
タイガの右腕に巨大な爪が現れた。
「もう殴り飽きたから、次はメッタ刺しね。さっきも言ったけどグチャグチャにしてあげるよ。先ほど以上にね。」
ユリコは立ち上がった。
「糞・・・。まだ痛い感覚がある・・・。でも、戦わないと殺される・・・。」
ズドォッ!
「え・・・?」
腹部全体が痛い。見てみると4本の爪が腹から飛び出ていた。ユリコは背後を見た。・・・虎の怪人がいた。
「・・・お前は背後からしか攻撃できないのかよ・・・。ぐふっ!」
タイガが接近し巨大な爪でユリコの両胸を貫いた。
ズブリュゥ!
「おぐぅつ!・・・が・・・。」
「ははは。お姉さんの胸、気持ちいいかも。どっくんどっくん心臓が動いているのが分かるよ。・・・心臓貫かれてるのに動いてるんだねぇ。化物。」
「その言葉、そっくり返すわ・・・。ごぼっ!・・・はぁ。はぁ。はぁ。」
「デストワイルダー、お姉さんの腹から爪を出し入れして。僕も胸から爪を出し入れするから。」
ジュボジュボグジュジョボ
ボジュゴキャグキャブジュ
「あぐっ・・・。がはっ・・・。あお・・・う。ぐぶ・・・。」
・・・30分このままだった。ユリコは刺され続け、血は常に作り出されているのか止まらない。
「流石にもう飽きてきたかも。フィニッシュしようかな。」
突き刺すのが停止した。
「・・・そう、流石にね・・・。私もやられっぱなしじゃ飽きてんのよぉ!」
ユリコは右の拳で殴ろうとした。
・・・虎の怪人に右肩ごと切断された。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
右腕は吹っ飛んでいった。ユリコのリュックの近くに。切断面から血飛沫が止まらない。
タイガも虎の怪人もユリコから爪を抜き、距離を置いた。ユリコは崩れ落ちた。
『ファイナルベント』
虎の怪人が背後からユリコの頭を押さえつけた。そのまま地面を引きずっていく。
タイガが左爪を振り上げて待ち構えている。
ズギュブ!
「あ゙・・・。あ゙・・・。」
ユリコは腹を貫かれた。背中から凄まじい出血を出して。口からも盛大に血を吐いて。
そして爆発した。ユリコの全身・・・頭部や手足や胴体がバラバラになって砕け散った。
「あー終わりか。つまんないの。雑魚怪人にファイナルベント使うまでもなかったかも。」
グチュグチュグチュ
「ん?」
タイガは肉が動く嫌な音を聞いた。ユリコの肉片が集まっていく。
まず頭部が形成された。
「・・・こんな身体にしたババァが言ってたわ。『グチャグチャになっても再生する自分を見て自分は怪人だと思って心が折れる奴もいる』って。確かにそうね。こんな風に自分が再生していくのは気持ちが悪い。でもね、私の心は折れない。だって仮面ライダーも電波人間タックルも元は怪人だもの。」
ユリコの肉片が集まっていくペースが速くなっていく。
「何言ってんの?化物。・・・ガソリンぶっかけて焼こうか?」
「ああ、そうだったわね。あんた、そういうことやってたわね。自分より強い相手には卑劣な手段でしか戦えないビビりの英雄さん。」
「・・・ちなみに、デストワイルダーがもうガソリン調達してきたよ?」
ユリコには見えないが虎の怪人がガソリンタンクを持っていた。
ユリコはもう全身がほとんど元に戻っていた。
「あのさぁ。アダムスファミリーって映画見たことある?お化けの家族の映画。」
「あるけど、何が言いたいんだかよく分からないかも。」
「それで、手だけのメンバーがいるでしょう?器用に動いて家族を救出するの。・・・いや、腕がついてるから結構重くて大変だった。真似すんの。」
タイガはユリコのリュックの方を見た。開けられて中身を探されてる痕跡がある。
「帰りは楽だったわね。こうやって自動で腕が戻ってきた。」
ユリコは右腕を上げた。小瓶がある。
タイガと虎の怪人は無言でユリコに襲いかかろうとしたが、ユリコが薬を飲む方が速かった。タイガ達はユリコに爪を突き刺そうとしたが、ユリコが倒れた状態から人間ではあり得ない速度で、高々と跳躍する方が速かった。
そして、空中で丸まって何回転もしながら変身する。
「エイッ! ヤー!! トー!!」
そう叫びながら変身完了した。電波人間タックルの姿に。それより露出が多い姿に。
「プッ!ダッサ!」
タイガは嘲笑した。
次の瞬間、タイガはラリアットを喰らい吹き飛ばされ、後方にいた虎の怪人にぶつかり転がっていく。街の大通りまで転がっていく。
「ダサい?そんなこと言わせなくさせてやるわ!これが私の望んだ強さ。『戦死したタックルを超える強さ』!生まれてから20年以上も何一つ変わってないあんたなんか粉々に爆散させてやるわよ!」
ユリコはタイガ達の方に走っていった。・・・虎の怪人の姿がない。
・・・背後から襲いかかろうとしていた。
「お前はそれしか芸が無いのかよ!」
ユリコは後方に回転しながら飛び、虎の怪人の首を両脚で挟んだ。そのまま後方に倒れ虎の怪人の足首を掴み半回転し頭部を叩き付ける。
「電波投げ!」
フランケンシュタイナーというプロレスの投げ技である。だが虎の怪人はアスファルトに頭部がめり込んで逆立ち状態で動けない。ユリコは虎の怪人の右脚に飛びつき、足首を掴みそのまま引きちぎった。
「電波投げ!」
柔道の膝十字固めを立っている状態で行った。千切ったので、それより酷い。左脚もすぐさま千切る。
虎の怪人がアスファルトから頭部を抜いた。・・・足がない状態なので、どうすればいいか分からない。正面にユリコがいた。
タイガが爪を突き刺すように背後から襲いかかってきた。ユリコはタイガの爪を避けてそのまま腕に飛びつき、きりもみしながら倒れ込んで投げた。
「電波投げ!」
ドラゴンスクリュー。本来は足にかける技だが腕にかけた。タイガが吹っ飛んでいったので、邪魔がなく虎の怪人にとどめが刺せる。虎の怪人は両腕をブンブン振り回して抵抗している。もうそれしか手段がないから。しかし、正面から近づけないので、ユリコは丸まって回転しながら背後に回り、両腕を羽交い締めにし、高く跳躍。50メートルくらい跳躍。そのまま後方に反り落下。虎の怪人を叩き付けた。
「電波投げ!」
ダブルアームスープレックスという。虎の怪人は身体から放電し爆散した。
「これで一対一ね、仮面ライダータイガ!」
「あぁムカつくなぁ、ムカつくなぁ!・・・あっ、これ使おう。」
『フリーズベント』
ユリコは固まって動けない。
「不味い・・・。どうしよう・・・。」
「顔面ぶっ刺してあげるよ!」
タイガが走って接近してくる。ユリコの顔に爪が届くか否かの瞬間に、
「電波投げ!」
ユリコは体内から衝撃波を出してタイガを吹っ飛ばした。これが本来の電波投げ。・・・全然投げていない。
「・・・お姉さん、全部電波投げじゃん。技名無いの?」
倒れた状態でタイガが呟く。・・・次の瞬間にはユリコに足首を掴まれていたが。
「・・・あ。」
そのままタイガを回転して振り回す。ジャイアントスイング。
「電波投げ!」
そのまま近くにあった5階建てのビルの、5階の壁にめり込ませる。
タイガが壁から頭を抜いた。・・・次の瞬間にはユリコに片腕で頭部を掴まれていた。そのまま地面に落下。
「電波投げ!」
ネック・ブリーカー。ユリコが先に起き上がり、身構える。タイガはよろよろと立ち上がった。
「・・・ちょ、ちょっと休戦しない?先ほど説明したけど、僕は戦いたくて戦ってるわけじゃないんだよ。そう生まれさせられただけなんだ。・・・待って。」
「命乞いなら、戦いが始まる前にすべきだったわね。」
ユリコは一気にタイガに接近し、腹に飛び膝蹴りを食らわす。
「ぐぶぉぇ!」
くの字に曲がったタイガの両腕をひねり上げて、タイガの上半身を前倒しにしている状態で高く跳躍した。50メートルくらい。さっきの虎の怪人はそれで倒したけど足りないなぁ。・・・100メートル。まだまだ足りない。・・・500メートル。この高さなら死ぬだろう。そのまま一気に落下し、タイガの全身を叩き付ける。巨大なクレーターが出来た。
「電波投げ!」
ダブルアーム・フェイス・バスターという。・・・タイガは倒れたまま全身から放電している。
「・・・何なんだよ・・・。僕は東條悟でもないし、仮面ライダーのように変身解除も出来ない、戦うことを義務づけられた訳の分からない存在。僕は何なんだよ・・・。」
「怪人じゃない?・・・私も怪人。そしてタックル2号。」
「く・・・そ・・・。」
タイガは爆散した。
・・・数十秒後には、ユリコは元の世界に戻っていた。・・・当初の怪人が暴れていたため、警察が来た。・・・ユリコを怪人だと思っている気配がした。
「やべっ!」
ユリコは逃走した。
ユリコは現場から一気に数百メートルは離れて、近くにあった公園で変身解除した。
・・・何か妙な楽曲が聞こえる。近くに行ってみるとヘンテコな怪人達が踊っていて、その中心に魔女の姿をしたあのババァがいた。
「やぁ、お嬢さん。強くなったねぇ。・・・怪人になって。」
「私は怪人。それと同時に岡田ユリコ。またの名をタックル2号。・・・そう決意したの。」
「・・・いい目だ。私が見込んだことだけはあるよ。」
「・・・なんで私を強くしたの?」
「私はね、美しい自然や楽しそうな子供達の笑顔が大嫌いなのさ。・・・ところがだ、最近は自然が枯れ果てたり、戦争やらで子供達が泣いてるじゃないか。壊しようがない。ちっとも面白くない。悪意ばかりが満ちている。・・・あのタイガって奴も本物じゃなくて,その悪意から生まれた悪霊みたいな存在だよ。」
「まぁ、あいつも可哀想な存在だった訳ね。」
「だから私はね、まず世界を、宇宙を平和にしようと思った。それから灰色に塗り潰す。私は魔女バンドーラ。出来ない事なんて無いからね。」
「・・・思い出した。あなた結構憎めない悪役だったわよ。やっぱり」
「改心したなんて言うんじゃないよ。勘違いするんじゃないよ。お嬢さん達正義の味方はすぐ勘違いする。でもね、この世の悪はバンバン生まれてくるのに、正義の味方は足りなくて足りなくてしょうがない。だからお嬢さんをヒーローにしたのさ。・・・まぁ世界が平和になったら殺しに来るけどね。」
「あなたみたいなタイプ、現代だとツンデレって言うのよ。」
「今すぐ殺してやろうか?そんな言葉くらい知ってるんだよ。」
「分かったわ、もう言わない。・・・その代わり、今日くれた2本の薬、あと7セットくれない?私の仲間に飲ませる。私1人が強くなっても意味が無いから。」
「随分強突く張りだねぇ。あれだろ?一緒にヒーローごっこしている連中だろ?私にはあんたより素質があるように見えないけど。・・・いいよ、あげるよ。」
ユリコはバンドーラから大きい箱を貰った。中に薬が7セット入っている。
バンドーラは空飛ぶ海賊船を喚びだした。
「この世界はあんたらに任せるよ。滅ぼさないようにしてくれ。私が滅ぼしに来るんだからね。」
「待っているわ。」
ユリコは思った。バンドーラが来てもこの世界を滅ぼさない。でも、来るまでにこの世界を平和にしてやろうじゃないか。バンドーラ達は、これからも様々な世界に行くのだろう。身勝手な善行をばら撒きながら。
数日後、ユリコはヒーローごっこをしている7名を島村三葉のファミレスに集合させた。
「と、言うわけで、ここに強化薬がある。飲むのは自由よ。これからも、ごっこを続けるか、ヒーロー=怪人になるか、選択してね。」
予想通り7人全員が飲んだ。ユリコはほくそ笑んだ。その顔は初代タックルこと岬ユリ子よりバンドーラに近い笑みをしているんだろうなと、自分で思った。