第1話 尻忍
――東京のとある高校に通う少年「狩尻 狩人」は学校に忘れ物をした事を思い出し、夜中に学校に忍び込む。目当ての物は回収できたが、帰る途中で屋上に続く階段の方から騒がしい事に気づく。
「何だ?こんな時間に誰かいるのか?」
不思議に思った狩人は調べに行くと、屋上に繋がる扉の窓から信じられない光景を目にした。最初に見えたのは男子生徒であり、背格好から上級生だと思われた。
(名前は覚えてないけど、確か三年の先輩だよな?何でこんな所にいるんだ?)
夜中の学校に男子生徒一人だけが佇んでいる事に狩人は疑問を抱くが、彼は目を凝らすと屋上にいるのは一人だけではない事に気づく。
(いや、奥の方に誰かいるぞ。あれは……まさか!?)
男子生徒と向かい合うように立っているのは女子二人であり、どちらも学校の制服ではなく、まるで忍者を思わせる恰好をしていた。二人とも露出が多い格好をしており、どちらも美少女と言っても過言ではないほど整った容姿をしていた。
片方は桃色の髪の毛を腰元まで伸ばし、身長は狩人よりも高いが顔立ちは可愛く整っていた。体型に関しては胸は大きく、推定でGカップはあると思われた。もう一人の方は金髪の髪の毛に褐色肌が特徴的な美少女であり、こちらも胸は大きくEカップはあると思われ、もう一人の少女とは対照的に身長はかなり低い。
(二人とも凄く可愛いけど、なんだあの格好?コスプレか?まさかこんな場所で変なプレイしてるんじゃないだろうな!?)
狩人が学園に入学してから三か月近くは経過しているが、屋上にいる二人の美少女は見たことがない。いったい何者なのかと疑問を抱くが、男子生徒の方が息を荒げながら語り掛ける。
「ぐうっ……尻忍め、ここまで追って来たか!!」
「もう逃がさないよ!!」
「今度こそ浄化してあげるんだから!!」
男子生徒は全身から血管を浮き上がらせ、血走った目で二人の美少女を睨みつけた。男子生徒の告げた「尻忍」という言葉に狩人は疑問を抱き、二人が何者なのか気になった。
(しりにん……「尻忍」で合ってるのかな?お尻の忍者という意味か?まさか本当にこんな場所でいかがわしいプレイを楽しんでるじゃないだろうな……ごくりっ)
美少女と言っても過言ではない二人組がこれから男子にいかがわしい目に遭うかもしれず、少し期待しながら狩人は窓を覗くのを止められない。だが、どうにも三人の様子がおかしく、全員が演技をしているようには見えない。
男子生徒は二人と向かい合う形で両腕を広げると、不敵な笑みを浮かべた。女子二人はそれを見て警戒するが、唐突に男子生徒の背中から黒色の触手の様な物が生えてきた。
「俺の邪魔をするなっ!!」
「嘘っ!?」
「まさか怨霊《レイ》を実体化できるの!?」
男子生徒の背中から生えてきた触手が女子二人に迫り、慌てて彼女達は逃げようとした。しかし、触手は二人の身体に纏わりついて空中に持ち上げる。
「「きゃあああっ!?」」
「どうだ!!俺の怨霊の力は!!」
「なっ……!?」
あっさりと触手に捕まった二人は全身を触手に締め付けられ、この時に二人のスカートも捲れてお尻が丸見えになった。狩人はその光景を見て目を見開き、彼が見てきたどんな女性よりも魅力的なお尻をしていた。
(な、何だこの尻は!?どっちも犯罪だろ!!)
桃色の髪の女の子も背が小さな女の子も年齢ば狩人とそれほど変わらないと思われるが、どちらも大人の女性顔負けならぬ
触手に縛り付けられる際に偶然にも女の子達は狩人にお尻を突き出す形となり、どちらも安産型で形良いお尻をしていた。今すぐにでも飛び出して顔を埋めたい程の魅力的なお尻を二つも前にして狩人は股間を抑える。
(嘘だろ、俺はおっぱい派だったのに……この尻は反則だろ!!)
性癖が歪む程の魅力満載の桃尻を前にして狩人は歯を食いしばり、どうにか二人を助けたいと思う。しかし、得体の知れない力を持つ相手に狩人は躊躇してしまう。その間にも男子生徒は二人の下着の中にまで触手を伸ばす。
「くくく、尻忍といっても俺が本気を出せばこの様だ!!」
「いやぁっ!?そ、そこは駄目ぇっ!?」
「こんな触手なんかに……ひゃあんっ!?」
少女達のショーツに触手が入り込み、それを見た狩人は目を見開く。このままでは二人とも触手にお尻を弄ばれる可能性があり、それだけは阻止したいと思った狩人は飛び出す。いきなり現れた彼に全員が驚き、狩人は二人を捕まえる男子生徒に目掛けて奇声を上げながら突っ込む。
「おるぁあああっ!!」
「だ、誰だ……ぐあっ!?」
「ふえっ!?」
「な、何!?」
狩人は全力のドロップキックを男子生徒に喰らわせると、相手の男は体勢を崩して二人の少女を拘束していた触手の力が緩む。その一瞬の隙を逃さず、少女達は触手を振り払うと、二人は男子生徒の元に駆け寄る。
「春香お姉様!!」
「うん、任せて!!」
「く、くそぉっ!?」
男子生徒は慌てて体勢を立て直そうとしたが、少女たちは目にも止まらぬ速さで駆けつけ、男子生徒の両足に組み付いて押し倒す。胸が大きい方の少女は「春香」という名前らしく、彼女は自らのお尻を男性の腹部に目掛けて振り下ろす。
「尻忍奥義、桃尻落とし!!」
「ぐはぁあああっ!?」
春香が男子生徒の腹部にお尻を叩きつけた瞬間、強烈な振動が校舎に伝わる。男子生徒は白目を剥くと、背中に生えていた黒色の触手は消えていく。
目の前の光景に狩人は戸惑い、何が起きたのか理解できない。一方で男子生徒を気絶させた少女二人は起き上がると、自分達を助けてくれた狩人に話しかける。
「え、えっと、助けてくれたんだよね?」
「さっきはありがとう。でも、君は誰なの?うちの生徒?」
「え、いや……俺はその、通りすがりの生徒というか」
狩人は二人に話しかけられて困った表情を浮かべ、とりあえずは起き上がろうとした。だが、倒したと思われた男子生徒が目を見開き、狩人に向けて腕を伸ばす。
「がああっ!!」
「うわぁっ!?」
「えっ!?」
「そんなっ!?」
男子生徒の腕から蛇の形をした触手が放たれ、狩人の股間に迫る。少女達の痴態を見せつけられた時に狩人は勃起したままであり、服を突き破って黒蛇は肉棒に纏わりつく。
「ぐあああっ!?」
「ま、まずいよ秋香ちゃん!!早く彼を助けないと!!」
「待ってお姉様!!まずはこっち!!」
「ぐおっ!?」
秋香と呼ばれた少女は狩人よりも先に男子生徒の元に駆けつけ、目にも止まらぬ速さでヒップアタックを繰り出す。
「桃尻突き!!」
「ぐああああっ!?」
残像が生み出す程の速度で秋香はお尻を男子生徒に叩きつけると、今度こそ意識を失ったのか白目を剥いて倒れた。すると男子生徒の身体から黒い霧のような物が噴き出し、それを確認した秋香は額の汗を拭う。
「良かった……こっちは浄化成功したよ!!そっちの男の子は!?」
「た、大変だよ!?もう身体の中に怨霊が入ったみたい!!」
「そ、そんなっ!?」
「う、ううっ……!?」
股間に纏わりついた黒蛇は狩人の身体の中に溶け込むように消え去り、それを見た春香と秋香は顔色を青ざめる。このままでは狩人の命は助からず、春香は何とか助けようと秋香に相談した。
「こ、こうなったら浄化するしかないよ!!」
「でも、私もお姉様もさっき尻技を使ったばかりだからもう力が……」
「あっ!?ど、どうしよう!?」
二人が男子生徒に繰り出した技でなければ人間に憑依した「怨霊《レイ》」を浄化できず、しかも使用後はしばらくの間は技が使えなくなる弱点があった。悩んでいる間にも狩人は苦しみ、徐々に彼の身体に異変が起きる。
黒蛇に咬まれた股間が膨れ上がり、今にもズボンを突き破って中身が出てきそうな勢いだった。それを見て春香と秋香は頬を赤らめ、彼女達に残された手段はただ一つだけだった。
「こ、こうなったら
「ええっ!?で、でも……」
「他に方法はないよ!!大丈夫、ちゃんと練習はしてきたし……」
「ううっ……わ、分かったよ」
春香と秋香は狩人を救うため、早速準備に取り掛かる――