強かなりたいと決意した翌朝、空腹と共に目を覚ます。
ぐうーとお腹のアラートは思う以上に大きく、恥ずかしい。聞かれてないだろうか、そう思って周りを見渡し朝霧さんを見る。
朝霧さんは壁にもたれ腕を組みながら眠っていた。どうやら聞かれてはいないようですわね。
ほっと息を吐く。
3日前から何も食べていない、そうなるのも当然だったが恥ずかしいものは恥ずかしい。
かと言って携帯食料の入っていたバックは引きちぎられ、スマホごと行方不明。携帯代は引き落としなので払えるだろうが、不正利用はされていないだろうか。財布の中のキャッシュカードの方は電話して一刻も早く停めなければダメだろう。けれど今はそんなことを心配していられる状況じゃない。
辺りを注意深く見渡す。すると朝霧さんの側にパンのようなものが入った袋が見えた。
何もなければ耐えられる。しかし一度目にしてしまえばそうはいかない。
「何だそんなもの欲しそうな目をして」
「朝霧さん!? お、起きてたんですの?」
パッと目を開いた朝霧さんが袋を掴み、背中に隠した。
心臓に悪い、ずっと起きていて機会を窺っていたと思うくらい都合の良いタイミングだった。
「オレの股間に熱い視線を感じたからな。そんなに欲しければくれてやろうか?」
「ち、違います! 朝霧さん絶対に分かっていってますわよね?」
ズボンのチャックを下ろす動作をしながら揶揄ってくる。目を開けてすぐパンを隠したのだから絶対に確信犯だ。
「まあな。一つここでのルールを話してやろう。秩序の破綻した世界でおかしな話だろうが無秩序にも無秩序なりのルールが存在する」
「何の話ですの?」
「まあ聞け。この世界で生きていくには三つの要素が不可欠だ。探すか、奪うか、交渉するかの三つだ」
「探す奪う交渉する……」
朝霧さんの言葉を半濁する。
「探すのはまず無理だ。すぐ見つかって餌食になる。奪うのも論外。なら交渉するしかないわけだが……祥子交渉には何が必要だ?」
「……対価」
「そうだ。しかも相当上手く取り入らないといけない。相手には奪うという手段が存在しているからだ」
弱いわたくしでは交渉の立場に立つことすら難しいんですのね……この世界は弱肉強食だから。
「そういう奴は祥子以外にもいる。女や子どもだ。大抵の人間は死ぬが上手く生き延びている者もいる。弱者の立場でありながらだ。奴らはどうやって生きているか分かるか?」
「……分かりませんわ」
そもそも奪う手段が相手にある限り、一度や二度は上手くいったとしても必ずどこかで裏切られる。相手上位である限り絶対の信頼のおける手段ではない……筈だ。
わたくしには思いつかなかった。
「強い奴の庇護下に入り、恵んで貰うんだ。オレですらガキの頃は親父の庇護下に入っていた」
「庇護下に入る」
何となく話が見えてきた……気がする。
「大抵は子どもなら親、女なら男。だが子どもは兎も角女の場合どうやって庇護下に入る? 何事にも対価は必要だ。何も持ってない者が差し出せる対価ってのは何だ?」
答えはすぐ理解した。
朝霧さんはズボンのチャックを下ろした事で。
「自分の身体……」
「そうだ。庇護に入るのも、あり続ける為にも弱い女が取れる手段は一つしかないーーーー舐めろ」
つまりは身体を使って奉仕すること。何としてでも気に入ってもらって恵んで貰わなければならないということですか……わたくしの場合は朝霧さんに。
ズボンから取り出したまだ勃っていないイチモツを指差した。もう片方の手でわたくしを手招きする。
わたくしは膝をついて畳に付いた両手で進んで朝霧さんの元へ。
「ど、どうすれば……」
「先ずは勃たせろ。手で竿を持って、亀頭……出っ張ってるところを舌で舐めてみろ」
「こ、こうですか……? うっ、ぺろっ……うう……変な味……」
言われた通りに柔らかいペニスの竿を口に含みやすい場所まで持ち上げて、舌でひと舐めする。
「亀頭部分だけ指で輪っかを作って軽く上下に扱きながら、裏筋……竿の裏を下から上に舌を這わせろ」
「うっ!? 酷い匂い……ぺろっ、ぺろ、ぺろ」
親指と人差し指で輪っかを作り、ぷっくりしている部分をシュッシュと上下に動かし、半勃ちの竿裏を舐め上げる。
その際睾丸の近くまで顔を這わせた時にきた強烈な匂いを何とか耐えながらしこしこ、ぺろぺろしているとペニスが鉄の芯が入ったように固くなっていき完全に勃起していた。
ビキビキと血管が浮き出た自分の顔をよりも長い、二の腕くらいの太さもあるモノがわたくしの顔の前に……その剛直の迫力に息が荒くなる。
これがわたくしの膣内をゴリゴリって削っていたんだと考えると、じわぁとした熱いものが下腹部に拡がっていく。
「ただ命じたままの事をやるだけじゃ不足だ。やらされて仕方なくじゃなくてあくまで自分から求めてるように演技しろ」
「そんなこと言われても……」
どうすればいいのか分からない。積極的になればいいというのは分かるけどどうすれば積極的に見えるのか知識のない私には思いつかなかった。
「……褒めろ。どう褒めれば男が喜ぶか考えろ。例えばおいしいと言いながら舐めたり咥えたりすればそれが美味しいものだから自発的に欲してると思われる。勿論マズイって顔に出すなよ。どんなに嫌でも頑張って耐えろ」
「大きい……凄い……とかですか?」
「いちいち聞くな、聞く前に実践してみろ」
「朝霧さんのち○ぽ凄く大きい……ですわ。ちゅ、れろっ、それに美味しい……わたくし好きですわこの味……」
勿論味に関しては嘘だ。でも何とか眉は顰めないように意識して竿に両手を添えて亀頭にキスをした後に舌で舐める。褒める。
すると朝霧さんのモノがビクッと震える……喜んでるのかしら……
「んっ、ちゅっ、ぺろっ、ぺろっ、はむっ。ちゅー、ぷはっ。気持ちいいですか? 朝霧さんの……ち○ぽわたくしの舌で気持ちよく出来てますか?」
亀頭をアイスキャンディのようにぺろぺろ舐める。やり方が分からないなりに何とか気持ちよくなってもらおうと口に咥えたり、吸ったりしてみる。
それが合っているか、気持ちよくなれてるかわたくしは訊ねた。
「いいぞ卑猥な単語を織り交ぜて使うのも手だ。男は女から出る卑猥な言葉に興奮する。フェラも下手だが不慣れながら何とか気持ち良くしようと一生懸命で好感が持てる。手で竿を扱きながら咥えて、亀頭の周りを舐めてくれ」
「こうですか……? んあー、はむっ。れろぉー、れろ」
亀頭咥え、左手で上下に扱きながら亀頭周りを舌で回す。
ただ一定の速度、同じ場所を舐めるんじゃなく先っぽだったり、カリ首周辺だったり、朝霧さんの反応を見ながら特に気持ちよさそうな場所を這わせて探る。
「ぐっ、いいぞ祥子。そこ、いい感じだ。もっと舐めてくれ」
「ぷはっ。レロレロレロんく、ぱくっ、ぢゅるっ、ぢゅるるるるる」
舌が亀頭裏の割れ目のあたりに達すると、大きな反応があった。今まで以上にぶるっと震えたのが感覚で分かる。
わたくしはそこを重点的に舌で攻めると朝霧さんから口から苦悶の声が洩れる。亀頭から口を離し、外から亀頭の割れ目に沿って舐める。
そして再び口に含み、割れ目全体を包むように舌を伸ばして口を窄め強く吸い上げた。
「ぐぉっ、亀頭吸いいいぞ。すげぇ気持ちいい……」
いつもわたくしを愉しそうに虐めてくる時とは違う余裕のない表情。普段とは立場が逆転した優越感がこの人をもっとこの表情にさせたいという気持ちにさせる。その為には朝霧さんを気持ちよくしないと。
「朝霧さぁん……どうすればもっと気持ちよくなってくれますかぁ……わたしくしに朝霧さんが気持ちよくなる為のフェラを教えてくださいまし……」
「今の
「あーん、じゅる、ずるる、うごっ、ぐぐっ、ごほっ! ゴホッ!ゴホッ!」
朝霧さんに言われ何とか口で扱こうとするのだが朝霧さんのが大きすぎてすぐ行き止まる。それでも頑張って進めようとするが喉奥に当たりえずいてしまい口を離してしまう。
「今日は行けるとこまででいい。祥子にこの大きさのイラマチオはまだ早い」
「す、すみません……はむっ、ずるっ、じゅる、ずじゅるるる、んくっ、れる、ぷはぁっ、はあはあ……るれぇぇぇ……」
わたくしが届くギリギリの距離までで上下に口淫しながら、玉揉みする。舌を下品に広げて裏筋を撫でるのも忘れない。
扱く度に口の中の圧迫感が広がっていくのを感じ、今のわたくしのフェラでも気持ちよくなってくれているのが分かる。
先っぽから透明な液体がどんどん溢れ、味がキツくなっていくが気持ちよくなっている証拠だと思うと不思議と嫌じゃなかった。
「れるっ、ちゅっ、えぁあ、ぢゅる、ずちゅ、ひもちひひ? ずじゅるるるるる! ずちゅるるる゛!!」
「ああ、そろそろ射精そうだ。このまま続けてくれ」
「ふぁい、んっ、んっ! ふっ、じゅるっ、かふっ、じゅるるっ」
頭の動きを早め、口で上下させることだけに集中する。喉奥に少しコツンと当たって苦しかったが構わず一心不乱に。
屈辱感はない、ただ気持ちよくなって欲しいの一点で頭を振り続けた。
そしてーーー
「射精るぞ、口、離すなよ」
「ずぢゅるる、じゅるるるるっ!! んくっ!? ッッ!!?? んんんんんーーーッッッッ!!!!???」
ぶりゅっ、びゅるっ、ぶぴゅるるるるる!!! どびゅっ、どぴゅ! どぴゅるるるるるーーー!!!
精子が登り、限界まで亀頭が膨れ上がった瞬間白濁液が暴発する。勢いよく放たれた精子が喉奥へ射撃。
「ぐびゅっ!? んんんん!? んー!!んー!!!?ん゛ん゛ん゛ん゛んーーー!!!
直接胃に流し込まれなかった精液が口の中に入り切らず、引き抜いたち○こがわたくしの顔を汚していく。
「おゔぇっ」
「おっと吐き出すな。そのまま口の中で溜めていろ」
ようやく射精が止まった時、顔にかかる強烈な匂いと口の中の粘つきで喉に引っかかる感覚と苦味が耐えられず吐き出そうとするが止められる。
わたくしは必死に口から出ないように我慢する。
「良し口の中の開けて見せてみろ」
「えぁぁぁー」
精液が溜まった口の中を見せる。朝霧さんはわたくしの口の中を覗き込み、笑みを浮かべる。
……こんなの見てなにが嬉しいんですの? ただ口の中を見せてるだけですのに、男の人はよく分かりませんわ。
「もういいぞ、飲み込め」
「ッ!? んくっ、うくっ、ゴクッ、うえっ」
へばりついた精子を何とか飲み込もうとするが、半分きたところで止まる。それ以上喉が通らず吐きそうだった。マズイものも一瞬で喉を通るなら耐えられるだろう。だがそれが続けてくると話が違う。
へばりつく喉への不快感、嫌いな味が常に襲いかかっている嫌悪感がこれ以上先に進ませない。
「飲み切れないか?」
ブンブンと喋れないので頭を強く振って頷く。命令無視は本意じゃないがこれは本当に無理だった。
仕方ないと朝霧さんは側の袋からパンを取り出し、食べやすい大きさまで千切る。
「口開けろ」
「えあああ、うぐっ!? んぐ、んぐ」
わたくしの口の中にそのまま突っ込んだ。
「ほらそのパンに精液染み込ませて食べろ。固形物ならそのまま飲み込むよりはマシになるだろ」
「んぐっ、ぐちゅ、くちゅ、んちゅ、ーーーゴクン」
硬いパンだったので精液を入れる為に咀嚼し、しっかり染み込んだところ飲み込む。朝霧さんの言うとおり、固形物を通してなら何とか全部飲み込めそうだった。
「あー、もう一個……」
「たく、しょうがねぇな」
一回で全部使うことは出来なかったので、朝霧さんにおねだりする。
それを実行してもらう為に、腰を振って媚びを売る。
プライドなんて関係なかった。ここではプライドなんて邪魔なだけ。
それは成功し、自分に食べ物を恵んでもらえる。
「ほら、顔についた精子を塗りたくったジャムパンだ。味わって食べろよ」
「はい……いただきますわ。ぱくっ、もぐもぐ、んぐんぐ」
最後にわたくしの顔にかかった精液を掬い取ったパンをしっかり咀嚼して食べる。歯にへばりついた精子を絡めとるように転がして飲み込んだ。
「良しあとはお掃除フェラだ。オレの尿道に残ってる精液を吸い出せ」
「んく、こ、こうですの……? ずるっ、ずるるるるる。んくっ、んくっ」
出したのに変わらず固いままの、けれど先ほどよりは柔らかくなったち○こを吸い上げる。這い上がってくる精液、だがそれは少量で飲み込めた。
「ぷはっ、はあはあ……また元に戻って……」
「まだ一回だからな。もう2回もやってるんだから分かるだろ。オレが一回出したくらいじゃ全然萎えないって。2回戦いくぞ、ほら口で奉仕しろ」
「はい……でも、あの……」
もどかしかった。朝霧さんのち○こにご奉仕をしていた時からずっと股ぐらが切ない。触って欲しい。わたくしも気持ちよくなりたいと思っていた。
「何だ触って欲しいのか?」
「うう……はい」
「駄目だ」
「な、何で……?」
「何で? なんでオレが気持ちよくなる為にお前を気持ちよくしてやらないといけないんだ? お前を気持ちよくしたら等価交換じゃなくなるだろ」
「うう……そんな……」
これはパンを恵んでもらう対価として朝霧さんを気持ちよくなってもらう。そこにはわたくしを気持ちよくさせる事は契約に入っていない。それは分かってる、分かってますが……酷い。酷いですわ。朝霧さんのイジワル。
「だが自分で自分を慰めるのは許可しよう。オレが祥子を気持ちよくさせるわけじゃないからな」
「えっ、それって」
「オナニーだ。した事くらいあるだろ?」
「ありませんわよ! このかた一度も」
それを聞いた朝霧さんはマジかと呟く。誰もが常識的に知っていることを知らなかった相手に対する馬鹿にした顔だった。
し、仕方ないでしょう? した事ないことはした事ないんですもの!
「それなのに初見であんなにイってたのか。才能の塊だな」
「嬉しくありませんわ、そんな才能欲しくありません」
「いや濡れやすい、感じやすいのは女としていいことだ。それだけ男にとっても気持ちいいってことだからな」
わたくしが否定してもそれを否定して褒める。でもそれは最終的に自分に直結する。上から目線の見下しだ。ペットを褒めるようなものだ。
なんて自分本位。だというのにちょっとだけ喜んでしまったのは内緒です。
「まあ話はこれくらいで続きするぞ。片手で握って舐めながら、もう片方の腕を自分のま○こへ手を伸ばせ」
「わ、分かりましたわ。れろ、れろっ」
四つん這いになって竿を扱き、亀頭を舐める。朝霧さんに言われたように片腕を自分股へ向かわせる。
「昨日お前にやってやった手マンを思い出しながら自分で弄ってみろ。気持ちいいってところを触りながら見つけてそこを重点的にいろんな方法で責めろ。そうしたらいつかイく」
舐めて、擦って、弄る。その3つを同時に行うのは難しい。弄ることに集中して他が疎かになる度に朝霧さんから注意が入る。
満遍なく、自分も相手も気持ちよくなる。それが出来るまで何度も何度も指導が入った。
とはいえ自分が気持ちよくない時に限って声をかけるだけの自分優先な物言いでしたが。
わたくしと彼が同時にイったのはそれから1時間くらい経ってからだった。
ーーーーーー
「うう、顔中べとべとですわ……」
「ほら、これで拭けよ」
「ハンカチとかじゃなくて食べ物で拭く事になるなんて最悪ですわ……んぐっ」
「今更だな」
パンを袋ごと投げ渡される。取り出したパンで顔を拭いて食べる。
食べ物をこんな風に使うなんて少し前まで考えもしなかった。ワイシャツで拭くのも後々嫌なのでしょうがなく使ったが本来食べるものではないものを身体に入れるというのは抵抗感が拭えない。
それでも出来てしまうあたりわたくしもこの悪辣な状況に適応しようとしているのだろう。嫌悪感以上にお腹を満たすことの欲求が上回っていた。
「……また同じ本ですの? よく飽きませんわね」
「いい本は何回読み返してもいいもんだ。いい女を何回抱いても飽きないようにな」
「だ、だからそんなことをしても無駄だと……」
「誰もお前のこととはいってないが?」
「う、うるさいですわ……!」
投げ渡した後、すぐ読書に入る朝霧さん。この人には余韻というものがないのだろうか。
確か読み終えたのを昨日確認した筈だが、また最初から同じ本を開いている。
いくら口説こうと無意味なことを伝えるが、朝霧さんにそう揶揄われ勘違いした恥ずかしさで悪態をついた。
「いたんですの?」
「あん?」
「何回だ、抱いても飽きない人ですわ」
「? 何だ嫉妬か?」
「違いますわよ! ただ、ふと気になっただけですわ……」
そう、本当にふと思っただけだ。何回も抱く……つまりいつでも手元に置いておきたいって方が、朝霧さんにいたのか。
「さてどうだろうな。自分に都合がいい存在だから置いといた奴はいたがーーー」
「祥子ちゃん!!」
「………そよ?」
「海斗!」
「杏子……?」
一瞬考え込み、答える途中聞き覚えの声に振り返る。
そこにはわたくしの元バンドメンバーの長崎そよが駆け寄り、その後ろからミニマムショートの赤髪の女性が現れた。