ゾンビ世界で拠点を作って女の子ゾンビとイチャイチャするお話 作:フレキシブルコーギー
翌朝・グラウンド
朝日が昇り新しい一日が始まった。
カケル、ユイ、絡新婦の三人は、完全に武装を整え、学校の広大なグラウンドに立っていた。
カケルは黒の戦闘用強化スーツを身に纏い、ペインブリンガーを背負っている。
ユイは白とピンクのエンジェルガードを装着し、腰のツインダガーと背中のエンジェルストライクが朝日を浴びて輝いている。
絡新婦は黒い外骨格強化アーマーで蜘蛛の巨体を覆い、静かにその時を待っていた。
「よし、今日の目標は学校の東側……商店街エリアだ」
カケルは屋上から見えた景色を思い出しながら言った。
「人通りが多かった場所だからゾンビの数も多いかもしれない。だが、今の俺たちならやれるはずだ。大量に物資を回収できるだろう」
カケルは林のハーレム要塞へと向かった。
探索で手に入れた物資を運ぶためには荷物持ちが必要だ。
「荷物を持ってくれるゾンビを、林の中から三人くらい選ぼう」
カケルが林に姿を現すと女ゾンビたちが一斉に駆け寄ってきた。
「……ぁ……♡」
「……ぅ……♡」
彼女たちは主人の登場に喜び、その身体を擦り寄せてくる。
カケルはその中から三体の女ゾンビを選び出した。
「お前たち、俺について来てくれ」
選ばれた三体は嬉しそうに頷いた。
「……ん?」
その時、カケルの目にまたあのキョンシー少女の姿が映った。
彼女は他のゾンビたちのようにカケルに寄ってくることはない。
食事スペースの片隅で地面にだらしなく寝転がっている。口の周りにはカケルのザーメンがべっとりと付着しており、どうやら栄養補給ステーションで山盛りのザーメンを食べた後、そのまま満足して寝てしまったようだ。
無防備な姿は、他のゾンビたちとは明らかに異質だった。
「……まぁ、いいか。彼女は気にしないでおこう」
カケルは謎の少女に一瞥をくれると、選んだ三体のゾンビを連れてグラウンドへと戻った。
「準備はいいか?」
カケルが問うとユイと絡新婦、そして荷物持ちの三体のゾンビが力強く頷いた。
「よし、行くぞ! 商店街を制圧する!」
カケルの号令とともに総勢六名の探索部隊が東の商店街エリアへと向かって、力強く歩き出した。
彼らの前には未知の危険と新たな獲物が待っている。
♢ ♢ ♢
【現在の状況】
現在地: 学校グラウンド(東へ向かっている)
探索部隊: カケル、ユイ、絡新婦、荷物持ちの女ゾンビ×3
クラフトポイント: 5,700pt
時刻: 朝
物語の進展: 新たな探索目標として東側の商店街エリアを選定。荷物持ちのゾンビを加え、万全の態勢で出発した。
♢ ♢ ♢
学校の東門から歩くこと十数分。
カケルたち探索部隊は目的地である商店街エリアに到着した。
かつては多くの人々で賑わっていたであろうアーケード街は、今やガラスが割れ、シャッターが歪み、不気味な静寂に包まれていた。
だが、その静寂は長くは続かなかった。
「……ぁ……」
「……ぅぅ……」
カケルたちがアーケードに足を踏み入れた瞬間、どこからともなくゾンビたちが姿を現した。
一匹、二匹ではない。
路地裏から、シャッターの隙間から、建物の二階から――次々と、無数のゾンビが溢れ出してくる。その数は百を超えているかもしれない。
「すげえ数だ……!」
カケルはペインブリンガーを構えながら、感嘆の声を漏らした。
人通りが多かった場所だとは予想していたが、これほどの数が潜んでいるとは。
「荷物持ちは隠れててくれ!」
カケルは背後で震えている三体の女ゾンビに叫んだ。彼女たちは戦闘訓練を受けていない。
この数のゾンビに囲まれればひとたまりもないだろう。三体はカケルの指示に従い、近くの建物の陰へと素早く身を隠した。
「よし、やるぞ!」
カケル、ユイ、絡新婦。
三人の戦士が百を超えるゾンビの群れに挑む。
「ギギィィィィィッ!」
ゾンビたちが一斉に襲いかかってきた。
その先頭を走っていたゾンビの頭が、突如として爆ぜた。
カケルが放ったペインブリンガーの一撃だ。
「まずは、数を減らす!」
カケルは商店街の入口で足を止め、後方支援に徹する。
戦闘用強化スーツが反動を完全に吸収し、ペインブリンガーはブレることなく火を噴き続ける。
ダダダダダダダダッ!
青い弾丸の雨が、ゾンビの群れに降り注ぐ。
頭が砕け、胴体が裂け、手足が吹き飛ぶ。アーケードの床は一瞬で血と肉片で赤黒く染まった。
「ユイ、行け!」
カケルの声にユイが動いた。
スピードブースターが起動しユイの姿が消える。
次の瞬間、彼女はゾンビの群れのど真ん中にいた。
「あぁぁぁぁーっ!!!」
ユイはツインダガーを逆手に持ち、回転しながらゾンビたちを切り刻んでいく。
ゾンビの腕を切り落とし喉を切り裂き、心臓を突き刺す。
一体のゾンビがユイに飛びかかった。
ユイは、それをエンジェルストライクで殴り飛ばし、宙に浮いたところをツインダガーで串刺しにする。
圧倒的なスピードと的確な攻撃。ゾンビたちはユイの姿を捉えることすらできずに、次々と肉塊へと変わっていく。
「ギギ……!」
だがゾンビの数はあまりにも多い。
四方八方から次々とゾンビが湧いてくる。
その時、絡新婦が動いた。
「ギィィィッ!」
絡新婦は建物の壁を駆け上がり、アーケードの天井に張り付いた。
そして無数の紫色の糸を吐き出した。
シュルルルルルルルルッ!
ベノムウェブで強化された毒糸が網のように広がり、ゾンビの群れを覆い尽くす。
糸に触れたゾンビたちは一瞬にして動きを止め、その場に倒れ込んだ。強力な麻痺毒がゾンビたちの身体を完全に支配したのだ。
「サンキュー、絡新婦!」
カケルは動けなくなったゾンビたちに向かって、ペインブリンガーの弾丸を撃ち込んだ。
絡新婦は糸刃生成装置を起動させた。
硬化させた糸を鞭のようにしならせ、動けないゾンビたちの首を次々と刈り取っていく。
カケルの銃撃、ユイの斬撃、そして絡新婦の糸。
三人の攻撃が完璧に連携し、百を超えていたゾンビの群れはわずか十分で完全に殲滅された。
アーケード街には静寂が戻った。
「……やったな」
カケルはペインブリンガーを肩にかけ、満足げに呟いた。
ユイと絡新婦もカケルの隣に立ち互いの健闘を称え合うように、頷き合った。
彼らの足元にはゾンビの死体の山が築かれていた。
商店街の探索はまだ始まったばかりだ。
「よし、あらかた片付いたな」
百を超えるゾンビの死体が転がるアーケード街で、カケルはペインブリンガーの銃口から立ち上る硝煙を払いながら呟いた。
「今襲ってきたのは、男ゾンビばっかりだったな。野良の女ゾンビをフェロモンで仲間にしながら、物資を回収していこう。一軒一軒、慎重にだ」
カケルは建物の陰に隠れていた荷物持ちの三体の女ゾンビを呼び寄せ、本格的な商店街の探索を開始した。
三人の戦闘部隊が先行し、荷物持ち部隊が後方で待機する。
最初のターゲットは、大きな十字の看板が目印の薬局だった。
ガラスのドアは粉々に砕け散り、店内には薬品のツンとした匂いが漂っている。
「……ぅ」
棚の陰から、白衣を着た薬剤師らしき男ゾンビが飛び出してきた。
カケルが引き金を引く前に、絡新婦が天井から放った糸刃がゾンビの首を正確に刎ね飛ばした。
「ナイス、絡新婦」
店内を捜索すると抗生物質、鎮痛剤、包帯、消毒液など、大量の医薬品が見つかった。
これだけあれば、当分は怪我や病気に悩まされることはないだろう。
その時、調剤室の奥から一体の女ゾンビが姿を現した。看護師の制服を着ている。
「……ぁ……?」
女ゾンビはカケルの姿を認めると一瞬警戒の色を見せたが、カケルの首元で光るフェロモン増幅装置の効果で表情はすぐに蕩けるような愛情の色に変わった。
「……ぁ……♡」
彼女はふらふらとカケルに歩み寄り、胸に顔をうずめてきた。
「よしよし、お前も仲間だ」
カケルがその頭を撫でると、ユイと絡新婦からジトっとした視線を感じたがカケルは気づかないふりをした。
次に三人は大型書店へと足を踏み入れた。
本棚は倒れ床には無数の本が散乱している。
「ここには、あまり物資はなさそうだな」
カケルがそう呟いた瞬間、本棚の影から数体のゾンビが飛び出してきた。
ユイが動いた。スピードブースターを発動させた彼女は、残像を残しながらゾンビたちの間を駆け抜ける。
ツインダガーが閃くたびに、ゾンビの首が宙を舞った。
「……!」
ユイは最後のゾンビを切り伏せるとくるりと振り返り、カケルに向かって小さくピースサインを見せた。
「いいぞ、ユイ!」
最後に一行は商店街の奥にあるスーパーマーケットへとたどり着いた。デパートほどではないが、ここにもまだ多くの食料が残されているはずだ。
店内は広く薄暗い。棚の間に無数のゾンビが潜んでいる気配がする。
「ここが本命だな。総力戦だ!」
カケルがペインブリンガーを構え、ユイが双剣を抜き絡新婦が天井に張り付く。
「行くぞ!」
三人は一斉に店内へと突入した。
銃声斬撃音、そして糸が空気を切り裂く音が、スーパーマーケットの中に響き渡る。
男ゾンビは容赦なく殲滅し、遭遇した女ゾンビはフェロモンで次々と仲間に加えていく。戦闘と仲間集めを同時にこなしながら、三人は店の奥へと進んでいった。
数時間にわたる探索と戦闘の末、カケルたちは商店街エリアのほぼ全域を制圧することに成功した。
「ふぅ……こんなもんか」
カケルは、汗を拭った。
商店街はほぼ制圧し、物資も大量に手に入れた。新たに女ゾンビも仲間に加わり、今日の探索は大成功と言えるだろう。
「よし、そろそろ帰ろう」
カケルが、部隊に撤収を命じようとした、その時だった。
「オォォォォォォォンッ!!!」
突如、商店街の外、大通りから不気味な遠吠えが響き渡った。
それは、ただの獣の鳴き声ではない。聞く者の背筋を凍らせるような、死と腐敗の匂いをまとった咆哮だった。
「!?」
カケル、ユイ、絡新婦の三人は、一斉に音のした方向へと振り返る。
スーパーマーケットの割れたガラス窓から外を覗くと、大通りに異形の影が見えた。
それは巨大な狼の姿をしていた。
だがその身体は半分腐り落ち、骨や内臓が剥き出しになっている。爛々と輝く両の眼は、飢えた獣の殺意に満ちている。その口からは、絶えず腐臭を放つ涎が滴り落ちていた。
カケルは、瞬時に鑑定能力を発動させた。
【中位種ゾンビのステータス】
名前: 不明
称号: 腐肉食らいの狼
派閥: 腐り王女派
累計殺害人数: 241人
概要: 狼の姿をした凶暴かつ狡猾な中位種ゾンビ。高い身体能力と知能を持ち、群れを率いて襲撃してくる。魂食らいの巨狼の配下。
特殊能力:
超強力な咬合力
優れた聴覚と嗅覚
高い俊敏性と反射神経
ゾンビを食べると一時的にパワーアップし、速度が最高まで上昇する。
弱点:
火炎放射器の炎
鋭利な切断武器
脆弱な頭部と喉
「中位種か……!野生動物のゾンビも進化するのか……!?」
カケルは異様な姿に息を呑んだ。
絡新婦と同じ中位種。だがその姿はより獣的で、より純粋な殺意に満ちている。
そしてその背後には、同じように腐りかけた数十体の狼ゾンビの群れが控えていた。
腐肉食らいの狼はカケルたちに気づくと、口を大きく開き再び咆哮を上げた。
「正面から戦うぞ! 」
カケルの怒号が夕暮れの商店街に響き渡った。
目の前には中位種「腐肉食らいの狼」と、その配下である数十体の腐敗した狼ゾンビの群れ。だが、カケルの瞳には恐怖ではなく燃え盛る闘志が宿っていた。
「荷物持ちと、戦う自信のない者は下がっていろ!」
カケルは背後で怯える女ゾンビたちに叫んだ。
新たに仲間に加わったばかりのゾンビと荷物持ちの3体。彼女たちはまだ、このレベルの戦闘には耐えられない。
しかし、その中で数体の女ゾンビが前に出た。
さっき仲間に加わった元・警官の女ゾンビと、元・体育教師の女ゾンビだ。彼女たちは瓦礫の中から鉄パイプを拾い上げ、カケルの隣に立った。
その瞳には恐怖を乗り越えた、戦士の覚悟が宿っていた。
「……お前たち」
「……ぁ!」
カケルは、短く頷いた。
負けるわけにはいかない。
「行くぞッ!」
「グルルルルァァァァッ!」
腐肉食らいの狼が咆哮を上げると同時に、配下の狼ゾンビたちが一斉に襲いかかってきた。
そのスピードは、人型のゾンビとは比較にならない。
「ユイはボスを! 絡新婦は雑魚の足止めを! 俺が援護する!」
カケルは即座に指示を飛ばし、ペインブリンガーの引き金を引いた。
青い弾丸の嵐が狼ゾンビの群れに叩き込まれる。だが、敵は素早い。数体は頭を砕かれて倒れるが、多くは弾丸を掻い潜り、その距離を詰めてくる。
「ッ!」
その時、一陣の風がカケルの横を吹き抜けた。
ユイだ。
スピードブースターを起動させた彼女は一直線に「腐肉食らいの狼」へと突撃する。その手には白銀に輝くツインダガーが握られている。
ユイのダガーがボスの巨大な爪と激突し、火花を散らす。
ボスは巨体に似合わぬ俊敏さでユイの攻撃を捌き、超強力な咬合力を持つ顎で噛みつこうとする。
ユイはエンジェルストライクでその顎を殴りつけ、バックステップで距離を取る。
一進一退の攻防。ハイレベルな戦いが始まった。
「ギギィッ!」
その間、絡新婦は建物の壁を駆け上がりアーケードの天井から戦場を見下ろしていた。
そして、量の紫色の糸を吐き出す。
ベノムウェブが地面に張り巡らされる。
突進してきた狼ゾンビたちが次々とその毒の罠にかかり、動きを鈍らせた。
「今だ!」
カケルは動きの鈍った狼ゾンビたちの頭を、ペインブリンガーで正確に撃ち抜いていく。
絡新婦は、硬化させた糸刃を放ち、獲物の首を次々と刈り取っていく。
「……ぁあ!」
元・警官と元・体育教師の女ゾンビも、鉄パイプを振るい、果敢に狼ゾンビに立ち向かう。
カケルたちが作り出した隙を突き、弱った敵に止めを刺していく。
カケルたちの猛攻に押され「腐肉食らいの狼」の巨体には無数の傷が刻まれていた。
絡新婦の毒糸が絡みつき、ユイの斬撃が肉を裂き、カケルの銃弾が骨を砕く。確実に、着実にボスは追い詰められていた。
だが――
「オォォォォォォォンッ!!!」
劣勢だと悟ったのか。
腐肉食らいの狼は、これまでで一際大きな咆哮を上げた。その叫びは、悲鳴にも似ていたが、同時に、何かを呼び寄せるような響きを持っていた。
濁った瞳が、カケルを捉える。
その視線には、飢えた獣の殺意と、そして――知性があった。
「何か……嫌な予感がする……!」
カケルの直感が、警鐘を鳴らす。
次の瞬間、狼の行動が理解不能なものへと変わった。
ガブリッ! ズズズズズッ!
狼は大通りに倒れていた男ゾンビの死体に食らいついたのだ。
腐りかけた顎で骨ごと肉を引きちぎり、貪るように食べ始める。
「なにをやっているんだ……?」
カケルはその異様な光景に困惑した。
戦闘中に味方でも敵でもない死体を食べる? 意味が分からない。
だが、すぐにその意味を理解することになった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ……。
「ウォォォオォォォン!!!」
狼の身体が、みるみるうちに膨れ上がっていく。
筋肉が盛り上がり、骨が軋み巨体がさらに巨大化する。そして瞳に宿る光がさらに強く、鋭くなっていく。
「そうか……これは、鑑定で見た奴の特殊能力だ!」
カケルは戦闘前に鑑定した情報を思い出した。
『ゾンビを食べると一時的にパワーアップし、速度が最高まで上昇する』――それが腐肉食らいの狼の持つ、恐るべき特殊能力だった。
狼の姿が完全に変貌を遂げた。
その身体は先ほどの1.5倍はあろうかという巨大さ。筋肉は隆々と盛り上がり、爪と牙はさらに鋭く長く伸びている。
そして――瞳が、再びカケルを捉えた。
「みんな気を付けろ! 来るぞ!」