あれからどれくらいの月日が経っただろうか…。
グラントリノのサー・ナイトアイが加わった事で更に苛烈となった特訓。
更に二人は「目指せ合格ジュラシック・ワールドプラン」の他にも更に特訓をしてオーバーワークになっていた。
当然、私達は止めた!やり過ぎは逆効果だから。だがー。
出「入るだけじゃ駄目なんです…!!他の人より何倍も頑張らないと駄目なんです!きっと追いつけない…」
勝「そうじゃなきゃオールマイトを捕まえるなんざ夢のまた夢だ。絶対に…」
出「あなたを超えるために」
勝「お前を越えてやる!!」
見据えていたのは遥か先!!ってか!!
AM「この…………っ!!!行動派オタクめ!!そういうの嫌いじゃないよ!!?」
グラントリノとサー・ナイトアイも同じ意見だった!
そこからはプランを練り直した。結果、更に激しくなった。
それでも…まさか……。
グラ「驚いたわい…」
彼らの目の前にはゴミの山の上で吠える出久と勝己がいた。
サー「まさか指定した区画外までやってしまうとは…しかも、チリ一つ無い」
グラ「俺達のシゴキについてくるだけじゃなく入試当日でここまで仕上げるとはな…しかも
AM「オーマイ、オーマイ…グッネス!!」ムキ
オールマイトも感動のあまり筋肉が膨張した。
出久が倒れる直前にオールマイトが支える。
AM「お疲れ!緑谷少年!爆豪少年も肩を貸そうか?」
勝「いらねーよ。自分で立てらぁ」ニヤ…
AM「フラフラの状態でも強がりを言えるとは…私以上にタフネスだ!!」
グラ「誇ったって良いぞ。実際、此奴は俺のシゴキで吐いたからな」
AM「グ…グラントリノ……」
今回は更に来てる人もいた。
引「出久!最高に最っ高にかっこよかったよ!」
出「か、母さん!?どうしてここに!?」
引「オールマイトさんに呼ばれたのよ!ほんっとうに頑張ったわね!」
出「なんか…ズルだな…僕は…」
瞬間、出久の目に涙が流れる。
出「オールマイトやかっちゃん、皆にここまでして貰えて、恵まれすぎてる」
バシッ!
勝「皮肉か?クソナード」
すると、勝己が出久の頭を引っ叩いた。
勝「テメェの個性は化け物で厄介で恐ろしい。だからこそテメェは特別に選ばれてこの最強の指導を受けられたんだ」
勝「堂々と胸をはりゃあ良いんだよ。 俺達は、選ばれたんだってな」
勝己の言葉に、出久は涙を拭った。そうだ、この個性を、この指導を、無駄にはできない。
すると、オールマイトが前に出た。
AM「緑谷少年。君は、自分の力と向き合い、その凶悪な個性を制御しようと、人並み外れた努力をした。君のヒーローとしての資質は、すでに私のお墨付きだ」
オールマイトは、その場でデクの個性がインドミナス・レックスであるという事実を受け入れた上で、静かに、OFAの真実を語り始めた。
AM「順序を間違えたが私の“個性”について教えよう」
そして、彼は自身の個性の秘密を明かした。
AM「私の“個性”は
出「ワン・フォー…オール…」
AM「ワン・フォー・オールは聖火の如く引き継がれてきた。力の結晶!!!!」
AM「緑谷少年。君の『恐怖の個性』を、『安心の象徴』に変えるため、そして身体を壊さずに全力で戦える器を与えるために、私はこの『ワン・フォー・オール』を君に受け継いでほしいと思ってる」
それは、出久のハイブリッド個性とオールマイトの蓄積の個性がどのように作用するか誰にも予測できない究極の賭けだった。
勝「待てや!オールマイト!情報量多すぎて理解が追いついてねぇが…わかったことは一つ…テメー正気かそれでデクが暴走したらどうすんだ!え!?」
サー・ナイトアイも、冷静だが、勝己と同様に強い反対の意を表明した。
サー「彼の言う通りだオールマイト。《インドミナス・レックス》は純粋な殺戮本能を持つ非常に危険な個性。その力に、代々受け継がれてきたワン・フォー・オールの力を重ねるなど…」
AM「君達の言いたい事は分かってる。だが、今の彼ならきっと良い結果を出してくれる気がするんだ」
グラ「確かに上手くいけばあの制御不能な怪物の個性にも、何かしらの変化が現れるかもしれん。だが、失敗すれば分かってるんだろうな?此奴はとんでもない博打だぞ」
AM「承知の上です」
するとサー・ナイトアイは深いため息をついた。
サー「仕方あるまい…正直、反対だが、少しは未来は変わるかもしれない。何より、君は一度決めたら突き進む性格だからな」
サー・ナイトアイは、眼鏡の奥の鋭い目でデクを見つめた。
サー「正直に話そう。緑谷、私は一度、君を《予知》で見てみた事がある。
結果は何も映らなかった。干渉を妨害されてるようだった…」
サー・ナイトアイの予知でも見え無かった事にオールマイト等は驚いた様子を見せた。
AM「我々もどうなるかは見当もつかない。当然、断っても構わない」
サー・ナイトアイの言う通り、オールマイトの決意は固かった。「ワン・フォー・オール」という希望の力で、デクの「インドミナス・レックス」という恐怖の個性をねじ伏せ、真のヒーローの道を切り開かせようと。
出久はオールマイトの言葉を運命を分かつ提案として受け止めた。
出久「お願いします!」
出久の言葉には長年の夢と新たに背負う運命への覚悟が込められていた。
その瞬間、隣に立っていた爆豪勝己が、地を這うような低い声で唸った。
勝「チッ……クソが」
勝己は、オールマイトの言葉が「OFA」という、歴代最強のヒーローたちが受け継いできた「力の象徴」であることを理解していた。デクが「インドミナス・レックス」という「恐怖の象徴」に加えて、その力を手に入れることは、「デクが最強になる」という未来を決定づける行為にも等しい。
しかし、勝己の闘志は、決して揺るがなかった。
勝「例えお前がオールマイトの個性をもらったとしても変わらねぇ」
勝己は出久を睨みつけ、その視線はライバルへの対抗心と純粋な嫉妬、そして誰にも譲れないプライドに燃えていた。
勝「テメーの全てをぶち壊す!ソレだけだ!!」
その敵じみた言葉には、特訓を通じて培われた絶対的な自信が満ちていた。
勝「(あのジジイどもとオールマイトの特訓で、俺はもう一段階上に進んだ。デクの
勝己はこの数ヶ月間、ただ力の増強だけを行っていたのではない。オールマイト、グラントリノ、サー・ナイトアイとの特訓と助言のおかげで彼の爆破の精度、応用力、そして精神力は飛躍的に向上していた。
デクの決意と、勝己の宣言を聞いたオールマイトは、満足げに頷いた。
AM「感謝する!緑谷少年。肝に銘じておきたまえ!これはきみ自身の挑戦の証であり、勝ち取った力だ」
オールマイトは、髪の毛を一本、豪快に引っこ抜いた。
そして、その髪の毛を、まるで栄養ドリンクでも差し出すかのように、デクの顔の前に突き出した。
AM「食え」
出&勝「「へぁ!?」」
デクと勝己は、全く予想外のオールマイトの行動に、揃って間の抜けた声を上げた。最強の個性の継承方法が、髪の毛を食べるという、あまりにも非科学的で、そして滑稽な方法であることに、二人は戸惑いを隠せなかった。引子も、信じられない光景に固まってしまった。その顔は、感動の涙が乾く間もなく、混乱と困惑で真っ白になっていた。
グラ「覚悟を決めろ小僧。継承するにはワン・フォー・オールのDNAを取り込むしかない…」
サー「彼らはまだ若い。もっとファンタジーの様な想像をしても無理はないさ」
しかし、出久は混乱しながらも、「最高のヒーローになるため」、意を決した。
出「い…いただきます!」
デクは、震える手でオールマイトの髪の毛を受け取り、ゴクリと飲み込んだ。
こうして、「インドミナス・レックス」という破壊の本能を持つ少年は、「ワン・フォー・オール」という救済の力をも受け継ぎ、二つの運命を背負う人類史上最も特異なヒーローとして雄英高校の入学試験へと向かうのだった。