ほんのりそれっぽい単語は出てきますが……。
「自慰はヒューマノイドの基本動作だからね。ヒューマノイドにとって、自慰やセックスは呼吸や食事に等しい動作なんだ」
「そうなの? でも、龍神もたくさんセックスするよね? オナニーもそう?」
興味津々の顔で理子は訊ねた。
「いや、龍神の場合は普通、相手に困ることは無いからね」
「えーっ! 理子、パパがするところがみたーい!」
はしゃいだ声を上げて理子は優一郎の腕にべったりと抱きついた。驚いた顔をして優一郎がまじまじと理子を見る。
「何を?」
「オナニー」
きっぱりと言ってから理子はズボン越しにつんつんと優一郎のペニスをつついた。
「だってー。パパには理子のこの姿がずうっと見えてたんでしょ? 悶々としたりしなかった?」
にこにこと笑いながら理子はつんつんと優一郎のペニスをまたつついた。
「理子もするところを見せてくれるなら、かまわないよ」
「二人でみせあいこするの? でも理子、したことないよ?」
笑って答えた優一郎を見つめ、理子は不思議に思いながら首を傾げた。もしかして優一郎は自慰をしているところが見たいのだろうか。そんなことを考えながら理子はつんつんとしつこく優一郎のペニスをつついた。
「見せ合いっこは嫌?」
「ううん。理子、仕方がよく判らないの。パパには見せるのはいいんだけど」
けろりとした顔をして言ってから理子は屈めていた身を起こした。ソファの上に膝で立って優一郎の頬にちゅっ、と軽いキスをする。
「じゃあ、沙雪のするところを見てみるかい? あのまま放置しておくと壊れてしまうし」
「え?」
理子は目を丸くして慌てて沙雪の方を見た。沙雪はいつの間にか床にへたり込んで俯いている。スカートを強く握って肩を震わせる沙雪を見つめ、理子は首を傾げた。
「沙雪さん、壊れちゃうの?」
「性欲制御システムはヒューマノイドの維持のために必要不可欠なんだ。まあ、あと数時間は大丈夫だろうけど」
「そうなんだ……。でも理子、えっちの先生はパパがいいなっ」
にっこりと笑って理子は優一郎に抱きついた。慌てた声を上げて優一郎が理子を抱きとめる。
「じゃあ、理子。オナニーの仕方を教えてあげる」
「うん。理子にオナニー教えて」
そう囁いてから理子は優一郎に唇を寄せた。優一郎の足を跨いで首筋に腕を回して何度もキスをする。それから顔を上げて理子は悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「でも、教えたからって放り出したりしないでね。理子はパパが大好きなんだから」
「もちろん。だけど理子、その前に、ちょっと手伝ってもらいたいことがあるんだ」
「え? なあに?」
理子は不思議に思いながら首を傾げた。
「この施設を結界で覆う手伝いをして欲しい。僕の意識に、シンクロさせて」
「うん」
理子は目を閉じて優一郎の額に自分の額を触れさせた。身体の力を抜いて意識を集中させる。大好きだよ、パパ。意識を介してそんな言葉を送ってみる。すると優一郎が苦笑するイメージを理子の意識に送り返す。
いくよ。
そう優一郎が意識する。理子は意識下で頷いてみせた。不思議なほど、優一郎の意識に自分の意識が重ねやすい。理子は特に面倒な力を使うこともなく、優一郎と意識を重ね合わせることが出来た。
二人の力が混ざり合い、緻密に織られていく。目の細かい織物と化した力は二人を中心に地下施設に広がっていった。やがて地下に埋まった施設全部がその力で覆われる。
「ありがとう。理子」
目を開けた優一郎がそう言ってにっこりと笑う。理子は静かに瞼を開けて優一郎に笑みを返した。
「ううん。パパの力と理子のって相性がいいみたい。すっごく楽だった」
素直に言って理子は優一郎に頬ずりした。
「もうひとつ、頼んでいいかな?」
「なあに?」
理子は身体を起こしてそう訊ねた。
「多輝に、この施設から出ないように、釘を刺してほしい」
僕は絶交中だから。そう言って優一郎が苦笑する。いいけど、と答えてから理子は眉を寄せた。
「電話でいいの?」
「電話のほうが、間違いが無くていいかな」
そう言って優一郎が笑う。うん、と頷いて理子は身軽にソファから飛び降りた。ドレッサーに寄って引き出しを開ける。あらかじめ優一郎に取ってきてもらっておいた携帯電話を取り上げ、理子は多輝に電話をかけた。
だが、出ない。
「あれー? 出ないよ、パパ。多輝、電源切っちゃってるのかな?」
でもそれだと鳴らないよね。理子は携帯電話を耳に当てたまま、唇を尖らせた。
「沙雪、由梨佳さんにコールを入れてみてくれないか?」
優一郎が床に座り込んでいた沙雪に声を掛ける。すると慌てたように沙雪が頷いた。
「はっ、はい!」
「もしかしてお風呂じゃない? 多輝ってママとお風呂に入ると長いもん」
それに風呂には電話は持って入らない。だが呑気な理子の気分も沙雪の答えで吹き飛んだ。由梨佳が通信に出ないというのだ。
「そうきたか……」
「もしかしてばい菌?」
嫌な予感を覚えて理子はぼそりと呟いた。優一郎は険しい顔をしている。理子は同じように険しい表情をして考えを巡らせた。
どうやら自分は囮に使われたらしい。だが、何のために今さら。そう考えてから理子は頭をかいた。
エロに入ろうとするたびに邪魔されるので理子はブチキレなうです。