TSとか警報ですが、身体の方は男女なので……。
BLではない……?
立城は優しい微笑みを浮かべている。それを見た水輝は慌てて目を逸らした。
「別に……関係ないし、おれには」
立城がゆっくりと撫でるごとにペニスが勃起してくる。刺激により頭をもたげたペニスを愛しそうに撫でながら、立城が穏やかに言葉を継ぐ。
「気持ちいい?」
「別に。刺激で勃ってるだけだろ」
「そう」
少し寂しそうに笑って立城は半分ほど立ち上がった水輝のペニスに顔を近づけた。その気配を感じ、水輝は黙って再び腕で顔を覆った。
しばらく二人ともなにも言わなかった。静まりかえった部屋の中に二人の息遣いと、立城がペニスを舐める音だけが響く。水輝は時折、眉をぴくりと動かしては慎重に息を吐いた。丁寧に唾液を塗し、立城は随分と長い間、ペニスをしゃぶっていた。くすぐるような刺激から、吸って舌を押しつける強い刺激を巧みに入れ替えながら愛撫される。
なにしてんだろ、おれ。立城の愛撫を受けながら水輝はぼんやりと考えた。いつもなら客にこんな風に長い間舐めさせることはない。舐めたいと申し出る奇特な客もいることはいるのだが、大抵は水輝の愛撫に根負けして早々に挿入をねだるのだ。
変な気分だった。立城の愛撫は的確に水輝の性感を刺激している。なのに不思議と水輝は強く昂奮する訳ではなく、心の何処かで安堵していた。肩にこもっていた力が自然と抜け、全身に温かな血が行き渡るのが判る。特に股間にそれは集中しているが、がむしゃらに女に突っ込みたいという欲求はない。どちらかと言えば、ゆっくりと温い風呂に浸かっている気分だった。
「そろそろいれるね」
「ああ」
静かな立城の声に答えてから水輝はそっと顔から腕を退けた。無言でパジャマのズボンとショーツを脱いだ立城が水輝を跨ぐ。屹立したペニスを手で支え、立城はゆっくりと腰を下ろしていった。
細く狭い膣口にペニスの先端が食い込む。水輝は目を細めてじっと立城を見つめた。神妙な面持ちをした立城が息を詰めて腰を下ろしにかかる。それに合わせて水輝のペニスは立城の膣内に食い込んでいった。
パジャマに包まれた細い肩が小刻みに震える。水輝は黙ってそんな立城を見つめ続けた。身体の内部が傷つくのだ。よほど痛いだろうに立城は一声も発さない。やがて水輝のペニスを赤い血が筋になって伝った。血の筋の末端を追いかけるように立城がゆっくりと腰を沈めていく。
「……ごめんね。わがままを言ったかな」
「好きにしろって言ったろ」
時間をかけてペニスを根元まで膣内に咥え込んだ立城が微かに笑む。だが例え立城が処女血を流していても、水輝の身体には何も流れ込んではこなかった。他の女を抱く時と同じ感覚しかない。
「避妊はそっちで勝手にしろよ。おれは知らねえぞ」
「心配は要らないよ。この身体では妊娠は出来ないと思うから」
「そうか」
だがそんなことを確認しなくても大丈夫だろうという自信が水輝にはあった。龍神は龍神しか孕めない。例え自分と交わっても新たな龍神は生まれない。それが立城のような力の強大な龍神が相手なら尚のことだ。
立城が床に手を付いてゆっくりと腰を上げ、ペニスの先端までを膣壁で舐めてからまた腰を下ろす。水輝はぼんやりと立城を見つめていた。痛みを堪えているのか、立城の身体が時折震えるのが判る。
「そこまでしてやることねえだろうがよ……」
半ば呆れて水輝は立城にそう声をかけた。それまで俯いていた立城が顔を上げて微笑みを浮かべる。
「したかったから。どうしても」
「気が知れないな」
ゆっくりと立城が腰を下ろすとペニスがぬかるみの中に包まれる。少し狭い膣内に飲み込まれるたびに水輝は深い息を吐いた。根元まで咥え込まれると、ペニスの先端が立城の膣奥の狭まりに擦られる。その感覚は徐々に水輝の射精衝動を高めていった。
「そろそろ出るぞ。いいのか?」
「うん」
「お前、いってねえだろ? いいのかよ」
何となく気が咎めて水輝は渋い顔で訊いた。立城は何故か龍神の力を全てシャットアウトしてしまっているようだ。本来ならこうして性器を擦りあわせているだけで感じるはずなのに、わざわざ普通に交わっているらしい。だからのんびりと擦っていたところで立城は破瓜の痛みしか感じられないのだ。
いや、もしかしたら単におれが弱くなってるからかもな。そう内心で呟いて水輝は立城の返事を待った。
「いいよ。別に、達することが目的じゃなかったから」
「変わりもん」
呆れた顔で呟いて水輝は深く息を吐いた。立城がそれまでより少しだけ早く腰を沈める。その刺激で水輝は射精した。思わずうめき声が漏れる。立城は微笑みを浮かべてそんな水輝を見つめ、ゆっくりと腰を上下に動かした。射精中のペニスを膣壁に擦られたことで強い衝動がこみ上げ、水輝は立て続けに何度か射精した。
「少しの間、こうしていていい?」
水輝が射精し終えた後、立城が小声で訊ねる。好きにしろと言い放って水輝は乱れた息を整えた。うん、と頷いた立城が視線を下げ、二人の肌の密着した下腹部を見つめる。
「部屋が汚れちゃったね」
「そんなもん、拭けばいいだけだろ。フローリングなんだし」
射精後のだるさにため息を吐きながら水輝はぞんざいに答えた。そうだねと苦笑して立城がふわりと身を倒す。急にのし掛かられたことに驚いて水輝は慌てて立城の肩をつかんだ。
「おい! 大丈夫なのか!?」
「うん。ちょっとこうしたかっただけ」
水輝の胸にぴたりと顔を押しつけて立城が呟く。水輝はほっと息を吐いて立城から手を離した。
「びっくりさせんなよ」
「明日もまたお店に行っていい?」
水輝の胸に頭を預けたまま、立城が小声で言う。水輝はため息を吐いて額を手で覆った。
「勝手にしろ。どうせ止めても来るだろうが、お前は」
「ねえ。何で僕の名前を呼んでくれないの?」
唐突に立城が話を切り替える。水輝はぎくりと肩を竦めて目元を手で覆い隠した。軽く笑ってから水輝は答えた。
「さすがに討ち滅ぼされたりはしたくないからな。今のおれが軽々しくお前の名前を呼んだらどんな目に合うか」
「嘘つき」
即座に立城が切り返す。水輝は笑いを納めて憮然とした態度で言った。
「……おれがどう呼ぼうが勝手だろうが。文句があるなら出てけ」
「意地悪だなあ……」
小声でそうぼやいて立城がくすりと笑う。知るか、と吐き捨てて水輝は深々と息を吸った。ゆっくりと息を吐き出してまた深く息を吸う。何度か深呼吸をしてから水輝は顔の上から手を退け、立城を見やった。
ゆらりと身を起こした水輝は目を丸くした立城の腰をつかみ、軽々と持ち上げた。その拍子に血だらけの膣内からペニスが抜ける。
「洗ってやるから来い。どうせろくに動けないんだろうが」
ぶっきらぼうに言って水輝はひょいと立城を両腕に抱え上げた。驚いたような声を上げた立城を抱え、水輝はバスルームに向かった。足で扉を蹴り開けて湯気がまだ残るバスルームに入る。
「あの」
「いいから脱げ。シャワー出すぞ」
ぺたんとタイルの上に座り込んだ立城に声をかけてから水輝はシャワーのコックを捻った。バスタブに向かってしばし湯を流してから立城を見やる。立城は水輝の言った通りにパジャマの上衣も脱いで裸になっていた。
水輝は黙って立城の身体を洗い流した。ついでに自分の身体も手早く洗い流す。困ったような顔をしている立城を抱えてバスルームを出てタオルで丁寧に身体を拭く。元通りにパジャマの上衣を着せたところで水輝は立城を抱えてベッドに歩み寄った。
静かに立城の身体を横たえる。手早く部屋を掃除してから水輝はもの問いたげな顔をしている立城の横に潜り込んだ。リモコンで部屋の電気を落として腕を強引に伸ばす。腕枕をされる格好になった立城が息を飲む気配が伝わってくる。だが水輝はそれを無視して瞼を閉じた。
何のかんのと流されやすい質の水輝。