ふうん、と呟いて立城は微かに笑った。これまで仕えていた数人の女たちが立て続けに消える。麗が最期に送ってきた思惟を読み取って立城はくすりと笑った。
「仕方のないことだよ。君が詫びる必要はない」
窓辺に立って外を眺めていた立城は小声で呟いた。麗、鈴、楓。彼女たちには真也の力がこめられていた。だがもう今、手元にそれはない。残念だけどね、と呟いて立城はゆらりと振り返った。
その場の空気が揺れ、部屋の中央に一人の女が現れる。パジャマを着たその女は立城を見てぱっと明るい顔をし、慌てたように目を逸らした。
「おかえり。水輝」
「あ、ああ」
小声で答えて水輝が俯く。立城は微笑みを浮かべて静かに水輝に近付いた。どうしたの、と声を掛けて膝を折って顔を覗き込む。
「あの、な? ええと」
「ふうん」
まとわりついていた気配を見て取った立城はそう呟いて腰を上げた。戸惑った顔をして水輝が頭を上げる。
「それで? 少しは反省した? 僕の所から逃げ出したこと」
立城は微笑みを消して感情のない声で淡々と訊ねた。すると水輝が眉を寄せて唇を引き結ぶ。
「逃げたつもりは」
「逃げたでしょう?」
困惑した水輝の声を遮って立城は言葉を返した。するとまた水輝が唇を引き結ぶ。居心地が悪そうにしていることを知りつつも、立城は素知らぬ顔で告げた。
「異世界への逃避行は楽しかった? あちらの僕によくしてもらったんだ?」
「あ、ああ」
どうやらこちらと向こうの時間の流れには若干のずれがあるようだ。あれほど疲れ切って動くことが出来なかった水輝の身体も、少し回復しているらしい。
「そうそう。子供には僕が名前をつけておいたよ。伊吹と青藍。いい名前でしょう?」
にっこりと笑って立城が言うと、水輝の顔が凍り付いた。
「なに? その顔は。もしかして水輝は気に入らなかった?」
「いや、あのな? ええと、そのおれの名前なんだが」
懸命な面持ちで水輝が言葉を並べようとする。それを遮り、立城は笑ってみせた。一歩だけ水輝に近付いて首を傾げる。
「君は水輝でしょう? 何を言っているの?」
「だ、だから! それは!」
「もう。余所に遊びに行っている間に熱でも出たの?」
困ったように笑って立城は水輝の額に自分の額を押しつけた。何か言いかけていた水輝が顔を歪めて押し黙る。少し熱があるね、と言って立城は水輝からそっと離れた。
「まだ君の身体はちゃんと治っていないんだよ。しっかりと休んだ方がいいね」
「あの! おれは!」
何かを決めたように頷き、水輝はパジャマのズボンを握りしめて全身を強ばらせて大声で言った。
「おれは立城が好きなんだ! 愛してる! 傍にいたいんだよ!」
一気にまくし立ててから水輝は全身で息をした。それまで微笑んでいた立城の顔から静かに笑みが消える。立城は無言で水輝に近付き、腕を振った。平手で打たれた水輝が悲鳴を上げて床にへたり込む。
「何を言っているの? 小鳥が王を愛するのは当たり前でしょう? そんなこと、いちいち報告してくれなくていいよ」
「立城!」
勢いよく顔を上げた水輝がそう呼んで立ち上がろうとする。だが立城はそんな水輝の頬に何度も平手を見舞った。その度に水輝は床に崩れ、身体を震わせて懸命に起きあがろうとする。
「だから、おれは立城を!」
「まだ言うつもり?」
必死の面持ちで立ち上がった水輝の頬を立城は容赦なく張り飛ばした。悲鳴を上げた水輝が床に崩れ落ちる。立城は静かな目で水輝を見下ろし、ため息を吐いた。
「余計なことをさえずっていると、舌を切ってしまうよ?」
はっとしたように水輝が目を見張る。立城は黙って水輝のパジャマの胸ぐらをつかみ寄せた。苦しげな声で呻いた水輝がパジャマをつかむ立城の手を懸命に退けようとする。
「セックスしようか」
間近に顔を寄せて立城は口許に嗤いを浮かべた。息を飲んだ水輝が真っ青になって身を捩る。
「まだ治ってないって言ったのはお前だろうが! 何でそんな」
「煩いよ」
ぼそりと呟いて立城は空いた手で水輝の頬を打った。喉の奥で声を飲んだ水輝が唇を噛んで立城を睨む。立城は薄い嗤いを浮かべてそうだよ、と頷いた。
「水輝はそうして僕を睨んでいないとね」
「いつまで逃げてんだよ!」
立城を睨んだ水輝が怒声を張る。立城はそんな水輝を何度も殴りつけ、片手で乱暴にパジャマのズボンと下着を引き下ろした。まだ出血の止まらない水輝の膣に指をねじ込む。その途端、水輝は息を殺して身を震わせた。
「たかが鞘が偉そうな口をきくもんじゃないよ。君のここは僕の刀をしまうところだって教えてあげたでしょう?」
「うっ、あっ、やめ」
歯を食いしばり、息を詰めて水輝が必死に抵抗しようとする。
「ほら、昇ってごらんよ。悔しい? 僕にこんな風にされて」
「や、だ、離せ! うっ、あっ、だめ、あっ、身体がっ、勝手に」
嫌がりながらも水輝の身体が反応し始める。ひくん、と腰を震わせた水輝の膣内から血に混じって愛液が漏れてくる。立城は指で乱暴に膣内をかき回した。
「やっ、いやっ、いやあ!」
悲鳴を上げた水輝が泣きながら身を捩る。立城は足で水輝のズボンと下着をはねのけ、手早く自分のペニスを引っ張り出した。
「やだ! いれちゃ、やだ!」
子供のように泣きじゃくって水輝が何度も首を振る。立城は黙って水輝の腿の間に身体を寄せ、片方の手でパジャマの胸ぐらをつかんだまま、もう片方の手で水輝の足を開かせた。嫌がる水輝の膣に一気にペニスを突き入れる。その瞬間、水輝は高い声を上げて背を反り返らせた。
「ふふ。達して嬉しい? 肉芽が悦んでいるね」
軽々と水輝の腰をつかみ、立城は乱暴に膣内を突き上げた。膣奥の口にねじ込まれたペニスに肉の芽がまとわりつく。水輝は虚ろな眼差しをして淫らに腰を振り始めた。
「君は何も考えなくていい。快楽だけ求めておいで。……ああ、いい声だね」
水輝の嬌声に目を細め、立城は乱暴に腰を揺すり続けた。すっかり快楽に囚われた水輝が甘えた声で鳴き、立城の身体に足を絡める。不安定に揺れる水輝の身体を支え、立城は膣内に精液をぶちまけた。
この2人もなあ……と思いながら書いた記憶が!
確か! うん、そうです!
……書いたのはもう20年以上前なのかー……。