が、機械で裸なので……エロでしょうか、これ。
胸に四角く開いた窓の中に手を突っ込んでいた優一郎は、大きく息を吐いて屈めていた身を起こした。ついつい熱中してしまった。とんとんと腰をこぶしで叩いてから優一郎は改めて機体を見下ろした。
成人女性の形をした機体の要所には八つの宝珠が埋め込まれる形になっている。胸の部分に一つの宝珠を埋め込んでから優一郎は開いていた窓を閉じた。
理子は開いた股の間を覗き込んでいる。へー、と言いながら理子が指先でつついているのは機械仕掛けの女性器だ。
「理子、モーターとギアの取り付けは終わったかい?」
「あ、うん。終わったよ」
ぱっと顔を上げて理子がにっこりと笑う。理子は最初ははしゃいでいただけだったが、覚えが早く、優一郎の教えたことをとてもよく理解した。どうやら作業が終わったところで機械仕掛けの女性器を観察していたらしい。
「安価なタイプの女性器ユニットは基本的な構造は、電動式の玩具と変わらない。パーツはダッチワイフメーカーに外注しているんだ」
「え、そうなんだ?」
ふむふむ、と頷いて理子が機体の股間を覗き込む。薄いプラスチックに似た触感の陰唇を軽く指で左右に押し開き、まじまじと膣内を観察している。
「さてと、そろそろ起動して、基本動作テストをしてみるかな」
「ねえ、パパ。さりげなくセンサーの位置がパパのに合ってるのはわざと?」
膣口から中を覗き込みながら理子がぼそぼそとした声で言う。
「とりあえずはね。どうせ直ぐに壊れて交換することになるから。一度父上と交わってくれれば、父上に対応したパーツも作れるけどね」
「ふうーん」
そうなんだ、と呟いてから理子が顔を上げる。
「それじゃあ理子、スイッチを入れて」
「はーい」
理子が機体のへそに指を入れてスイッチを押す。するとそれまで身動き一つしなかった機体がぴくりと動いて目を開けた。
「紫さん、おはようございます」
にっこりと笑って優一郎はその機体に挨拶をした。この機体には紫が納まっているのだ。紫は驚いたように優一郎を見つめ、それから酷く落胆した顔をしてため息を吐いた。おはようございます、と儀礼的に言って目を背けてしまう。
「理子、テスト動作を開始させて」
「はあーい」
元気に返事をして理子が紫の股間を探る。すると紫がぴくりと眉を動かし、ぎこちなく自分の股間に手をあてがった。自慰を始めた紫の股間を理子がまじまじと覗き込む。
「感度はどうですか?」
「問題ありません」
にっこりと笑いかけた優一郎に紫がかたい顔をして答える。その手は艶めかしく動き、陰部を弄っている。
「僕だけでなく、理子の命令にも絶対服従すること。わかってるね?」
「はい」
短く答えて紫が優一郎に目を戻し、微笑みを浮かべた。
「わたしは優一郎様と理子様にお仕えする機械ですから」
そう言ってから紫はまた笑みを消し、唇を引き結んだ。
「理子、性感レベルを上げたり、いろいろ動作を試してみて。壊れてもすぐに直せるから、気を遣う必要はないよ」
「パパ……もう壊れちゃってるよ?」
戸惑い気味の顔をして理子が言う。優一郎は不思議に思って紫の股間をのぞき見た。いつの間にか紫の女性器は無惨に拉げていた。どうやら紫が力任せに握りつぶしたらしい。
「紫さん、夢中になって過失で壊すのは問題ありませんけど、故意に身体を壊すことは今後禁止します」
「申し訳ありません。夢中になってかき壊してしまいました」
にっこりと笑った優一郎に負けない微笑みを浮かべて紫が言う。
「安定するまで、保持ベッドで休んでいてもらいましょう」
そう言ってから優一郎はぱちんと指を鳴らした。一瞬で三人が保持ベッドのある部屋に移動する。紫はその場に佇み、急に股間に手を突っ込んだかと思うと壊れた女性器を機体から引っこ抜いた。驚いた顔をする理子の手に紫がそれを押しつける。
「すみません、理子様。せっかくお作りいただいたものを壊してしまって」
「あ、ええっと……」
圧壊した女性器の部品を手にした理子が困惑した顔をする。
「理子、ごめんね。紫さんの手足をこのベッドに固定してくれないか?」
「うん」
慌てたように頷いた理子が手にしていた部品を近くの台に置き、ベッドに向き直る。紫は自分から大人しくベッドに上がった。理子が所定の位置に紫の手足を固定する。
「こう?」
「それでオッケー。このベッドは自動修理機能付きでヒューマノイドの自慰動作をアシストするためのベッドなんだけど、とりあえずは自慰ではなく、ディルドの抽挿やマニュピレータによる刺激を使うしかないね」
下手に自慰をさせると紫はまた女性器を自分で壊しかねない。優一郎はベッドに付いたスイッチボックスを操作した。紫が横たわるベッドが自動的に動き、紫の上体が少し持ち上げられる。足を大きく開いた紫の股間の下から現れた金属製のアームが壊れた女性器を自動修復し始める。紫は無表情でベッドに横たわったままだ。
「理子、行こう」
理子を促して優一郎は部屋を出た。うん、と頷いた理子が優一郎の手につかまってついてくる。ドアを閉めたところで理子は小声で呟いた。
「あの人、死んじゃうね」
極々小さな呟きを聞き取り、優一郎は隣を歩く理子を見つめた。
「理子はどうするべきだと思う?」
「一度翳った命は理子もどうすることも出来ないよ。理子は命が見えるけど、ほんとに見えるだけだもん」
少し唇を尖らせて理子が呟くように言う。
「そうか。それなら仕方ないね……。理子」
「なあに? パパ」
しっかりと優一郎の手をつかんで廊下を行きながら理子が顔を上げる。
「僕は、戦う道を選んだことは後悔していない。理子は、こんな僕についてきてくれるかい?」
「パパって真面目すぎ……。もう少しライトに考えられない?」
少し困ったような顔をして言ってから理子はこくんと頷いた。立ち止まった理子につられ、優一郎も足を止めた。背伸びをした理子が軽く優一郎の唇に口づけする。
「ありがとう、理子」
優一郎は理子を両腕に強く抱きしめた。理子が優一郎の背に腕を回して背中をぽんぽんと軽く叩く。
「君が居てくれて、本当によかった」
「きゃっ!」
優一郎が胸に顔を埋めた途端、理子が可愛い悲鳴を上げて身を捩る。優一郎は柔らかな理子の胸に何度も頬ずりした。
いちゃつこうとするたびに邪魔が入る2人w