※この作品はR-18です。

まやかしの終わり 三部 夜の女王   作:伊駒辰葉

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エロシーンです。
男っぽい喋り方なのでBLのような気がするかも知れません。
苦手な方は注意です!
(TSした後だけど一応警報!)


年始から何やってんだこいつらは。 1

 寒い冬の季節が終わり、少しずつ空気や水が温くなる。春が訪れる頃になると途端に外は賑やかになる。色んな植物が一斉に芽吹き、庭に植えられた花が咲き始める。水輝は窓を開け放った部屋で扇情的な旋律を奏でながら歌うように言葉を紡いでいた。

 

 天の雷、空の雲。地の赤き流れ。

 我が内に眠る、深く昏き灯火よ。

 

 水輝はバイオリンでシエラザードの旋律を奏でながら口許に薄い笑みを浮かべた。窓の下に見える庭では庭師が植物に水を撒いている。バイオリンを奏でながら緩やかな足取りで進み、水輝はバルコニーに出た。

 

 空は青く澄み切っている。水輝は背中の中程まで伸びた髪を頭を振って追い払い、言葉を繋いでいった。

 

 白き城は壊れ 黒き門は砕け

 世を憂う紅は沈み 時を紡ぐ混沌は眠り

 金色の扉閉じ 白銀の翼は裂け

 天空の王 時を渡りて

 地上の王 再び顕現す

 

 もうどれだけ言葉を紡いだところでそこに力はこもらない。くすくすと笑って水輝は弓をしっかりと弦にあて、力強い旋律を奏でた。

 

 君はシエラザードが好きだね。水輝がよくこの曲を弾くからか、立城はそんな風に言う。だが水輝は特にこの曲を好いた覚えはなかった。気が付けば何となく弾いてしまっている。その表現の方が近いかも知れない。

 

 白に対すは黒。金に対すは銀。翠に対すは紫。赤に対すは青。

 天は地に触れ 地は天に混ざり 風が生まれ 雪が舞い 雷が疾り

 

 そこまで続けて水輝は口を噤んだ。言霊は理を示す。ここで優一郎はそう言った。そのことを思い出して水輝は少しだけ目を細めた。

 

 時の代は闇に入り 暁の乙女 宵の娘が去り

 浄化の力 地を埋めつくさん

 夜の女王よ 汝の主に従い 世を闇に覆い尽くせ

 光の公女よ 汝の主に従い 地に光をもたらさん

 空に描く 虹色の光

 色香に惑う 全てを愛す 心優しき王よ

 我が命に従い 空を行く羽根となれ

 世を行く闇に生きる者よ 人の心を貪る悲しき性よ

 祖は汝 汝は祖 世は我 我は世

 紫の錠は綻び 青の鍵は消える

 

 静かにバイオリンの音が消える。水輝はそっとバイオリンを下ろし、ゆっくりと部屋の中に戻った。ケースに元通りにバイオリンをしまい込んだところで部屋のドアがノックされる。返事をすると恭しく礼をした和也が扉を開ける。

 

「軽々しく世の終わりを歌わないで欲しいね」

 

 苦笑しながら立城が部屋に入ってくる。和也は大きなスーツケースを部屋に運び込んだところで一礼して退室した。

 

「今さらおれが口にしたところで、別に問題ねえだろ。どっちにしろ過ぎた話だ」

 

 きっちりとケースの蓋を閉じてから水輝は屈めていた身を起こした。立城がため息を吐いて手にしていたアタッシュケースを床に置き、足早に近づいてくる。小走りに近い足取りで近付いた立城が水輝を両腕に抱きしめる。水輝は立城に抱きしめられながら苦笑した。

 

「おいおい。たかが五日ほど出張してただけだろうが」

「君には僕の苦しみが想像できないんだよ」

 

 珍しく上ずった声で立城が言う。水輝はするりと腕を伸ばし、立城の首筋を抱いた。背伸びをした水輝の腰に手を回し、立城が身を屈める。

 

「禁断症状でも出たか?」

「黙って」

 

 笑い混じりに言った水輝に短い言葉を返して立城が唇を塞ぐ。水輝は大人しく唇を開いて舌を受け入れながら右手を伸ばした。貪るように水輝に口づけていた立城が微かに呻く。動きの止まった立城の舌に舌を絡ませながら水輝は笑みを浮かべた。スラックスの中で痛々しいくらいに勃起したペニスをさすると、立城が水輝の口の中で呻きを漏らす。

 

「すっげえがちがち」

 

 互いの唇の間に伸びた唾液の糸を舌で切り、水輝はそう囁いた。指先をペニスの根元にあてがい、手のひらで張りつめた男茎を服越しに擦る。水輝の柔らかな愛撫に立城は何かを堪えるように顔をしかめた。

 

「早く」

 

 かたく閉じていた目を開けて立城が小声で言う。おいおい、と笑って水輝は愛撫の手を止めた。切なそうに顔を歪めた立城が掠れた声を漏らす。

 

 あの日を境に状況はがらりと変わった。水輝は含み笑いをしながらわざとゆっくりスラックスのジッパーを下ろした。

 

「まだちょっと触っただけだろうが。なにせっかちなこと言ってやがる」

 

 意地悪い笑いを浮かべて水輝はジッパーを漸くいっぱいまで下ろしきった。人差し指だけを下着の中に割り込ませ、熱くそそり立ったペニスの根元から先端までをゆっくりとなぞる。

 

「お願いだから、早くして」

「ばーか。まだだって言ってんだろが」

 

 頬を染めて小声で言う立城にわざと素っ気なく答え、水輝は立城のペニスを下履きからはみ出させた。どうやら今日の立城はそういう気分らしい。そう判断して水輝は人差し指と薬指を軽く折り曲げ、間にペニスを挟んでわざとゆっくりとした愛撫を始めた。ペニスを挟んだ指を根元から先端に向かって動かしつつ、中指の先で付け根を弄り回す。

 

「あっ!」

「この程度でまさか出すなよ?」

 

 水輝の腰に回っていた手が何度も震え、その度に立城の顔が快楽に歪む。水輝は間近に立城の顔を眺めながら唇を舐めた。その様を見ていたのだろう。立城が小さな声を漏らす。

 

「指。舐めてやるからおれの口に入れろ」

「え」

 

 これから水輝がフェラチオすると期待していたのだろう。立城が戸惑いの声を上げる。早くしろ、と急かして水輝は愛撫の手を止めた。立城が慌てたように頷いて震える指先で水輝の唇に触れる。水輝は立城の指先に口づけてから唇を開き、大胆に指を咥えた。ペニスにするのと同じように立城の指を舐る。そうしながら水輝は止めていた手をまた動かし始めた。




いやはや。
年始からエロだったのですが、まだ続きます。
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