このエピソードで四章は終わりです。
あそこが熱い……。最初は軽口を叩いていた理子も、次第に口数が少なくなっていった。優一郎はわざわざ歩いて移動している。誓約の間は地下六階に作られている。優一郎の寝室は地下五階にあり、フロアがやたらに広いため、歩いて移動すると結構な距離がある。
やばいなー。そろそろ思考が限界かも。潤んだ目を薄く開けて理子は優一郎の様子をうかがった。理子は可能な限り声を殺してはいたが、抱かれて運ばれている間ずっと感じ続けていた。歩きながら優一郎が器用に理子の身体のあちこちに触っているからだ。服越しに乳首を軽く撫でたり、股間を指先でつついたりされる。時々、キスもされる。最初はえっちだの何だのと笑っていた理子も、やがて余裕がなくなり、今は熱い息を吐くのが精一杯だ。
理子は軽く呻いてもぞもぞと太股を擦りあわせた。せっかく綺麗な絹のショーツをはいたのに、もうぐっしょりと濡れてしまっている。性感を覚えた陰部から愛液が漏れたのだ、という理屈は判るのだが、理子は下着を濡らしてしまったことに罪悪感を覚えていた。
「パパ、理子もう我慢できないよぉ」
泣きそうな声で言って理子は優一郎の胸に顔を擦りつけた。くすりと笑った優一郎が理子の胸を服越しに優しく撫でる。小さな悲鳴を上げて理子はぶるりと身を震わせた。
寝室に辿り着く。ドアを開いて寝室に入ったところで優一郎は一度、足を止めた。理子は閉じていた目を開けてぼんやりと寝室を見た。広々とした部屋には大きなベッドが置かれている。内装の雰囲気は落ち着いていて、理子の部屋とはイメージが大分違う。深い茶色のじゅうたんの上を優一郎が静かに歩く。
「確かに、背徳的で盛り上がるよね」
しみじみとした口調で優一郎が言う。理子は仄かな笑みを浮かべてそうでしょ、と同意した。苦笑を返した優一郎が静かにベッドに歩み寄り、両腕に抱いていた理子をそっと下ろす。
横たわった理子はのろのろと身体を捻ってベッドに顔を押しつけた。深く息を吸ってからくすくすと笑う。
「このベッド、多輝の匂いがする」
きっとここで優一郎は何人も女性を抱いたに違いない。いくらシーツや布団を変えたところで、彼女たちの気配は残っている。敏感にそれを嗅ぎ取って意味ありげに笑った理子を困ったような顔をして優一郎が見る。
「理子のそういう聡くて遠慮の無いところが好きだよ」
「開き直っちゃって……。これまで好きって言ってくれたこと、一度だってなかったのに」
にっこりと笑った優一郎を潤んだ目で見つめて理子は深い息を吐いた。身体の芯が痺れるような感覚がある。のそりと身体を動かして仰向けに戻った理子の傍に優一郎が静かに腰を下ろす。
銀色の軽いウェーブのかかった髪も、深い銀色の瞳も、整った顔立ちも、この身体も全部が男の気を惹くのだと判っている。理子は心の中で自画自賛した。せっかく最高の身体を持っているのだから、いい男にしか抱かれたくない。身を屈めた優一郎を見つめて理子はくすりと笑った。キスをしようとしていた優一郎が不思議そうな顔をする。
「パパは合格。顔もいいし、体格も好みだし、頭もいいし」
「ヒューマノイドに拘る趣味の事も知ってるんでしょ? それでも」
少し不安そうな顔をして優一郎が言う。触れそうなほどに唇を寄せたところで優一郎は律儀に動きを止めている。ばかなパパ。そう囁いて理子はくすりと笑った。
「空の主は、転じて虚ろ、洞の主とも言うわ。パパがヒューマノイドを大好きなのは当たり前なの。理子はそんなこと気にしたりしないもん」
天空の王、地上の王、青龍王、赤龍王、そして空の主。世界はこの五者に支えられている。理子はぼんやりと優一郎を間近に見つめて囁きで語った。優一郎だけがどうして王と呼ばれないのか。答えは至極簡単だ。優一郎は彼女たちの主だからだ。
「彼女たちの管理を理子にも手伝ってもらうよ。出来る?」
理子の耳許に唇を寄せ、優一郎がそう囁く。理子は小さな悲鳴を上げて首を仰け反らせた。優一郎が服の上から理子の身体に触れたのだ。優一郎は絹のドレスの上から理子の胸を優しく撫でていた。
「うん、出来ると思う」
うっとりとした顔をしつつ理子は小声で答えた。そうしている内にも身体がじんじんと熱くなる。理子は無意識のうちに腿を擦り合わせ、焦れたものをどうにかして解消しようとした。だが腿を擦り合わせると余計に陰部が疼く。
「パパぁ……。もどかしいよお」
目に涙を浮かべて理子はそう訴えた。
「どんなふうに?」
にっこりと笑って優一郎が言う。理子は身体を捩って熱い息を吐きながら何とか言葉を紡いだ。
「あつくて、あそこがじんじんして、頭がぼおっとして」
初めての感覚に理子は呼吸を乱しながら優一郎を上目遣いに見つめた。優一郎は優しく理子の胸を愛撫している。その指先がさっきからしきりに乳首を撫でているのだ。優一郎の指が乳首に触れるたびに言いようのない不思議な感覚がこみ上げてくる。
「あっ!」
不意に陰部がじん、と熱くなる。理子は掠れた声を上げて仰け反った。無意識に優一郎の腕をつかみ、理子は弱々しく首を振った。ドレス越しに優一郎がそっと理子の股間に手を這わせたのだ。軽いタッチで優一郎が理子の陰部を弄る。理子は切なさに顔を歪め、優一郎の腕を強くつかんだ。胸と股間に同時に触れられたからなのか、強い感覚がこみ上げる。
すごおい。これがセックスなの? 焦れる感覚に身を捩らせつつ、理子は心の底で呟いた。知識としては判っていたのだが、予想とは全然違う感覚がある。
優一郎と理子の念願の!w エロシーンですかね!w