※この作品はR-18です。

性魔伝説パールヴァティー   作:坂本太郎

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第二十一章:日常の境界線と、嫉妬の炎

羅刹との「決別の試み」が失敗に終わり、八雲は完全に羅刹の支配下に置かれた。彼は、自分の理性と意志で羅刹を拒否することができなくなり、パイの目を盗んで羅刹に精を供給し続けるという、背徳的な日常が八雲の新たな常態となった。

 

羅刹は、八雲の抵抗がなくなったことで、さらに大胆になった。彼女は、八雲の心を完全に掌握したと確信し、盟約の「パイにバレなければ」という条件の境界線を、意図的に侵食し始めた。

 

月曜日、学校の昼休み。

 

八雲は、パイと三人で中庭のベンチで昼食をとっていた。羅刹は、パイと親しく話しながらも、水面下で八雲を攻め立てる。

 

「綾小路さん、このお弁当、すごく美味しそうね。藤井くんは、毎日こんなに愛情のこもったお弁当を食べられて幸せね」

 

羅刹はパイに優しく話しかける。その直後、パイが箸を置いた瞬間を見計らい、羅刹は八雲の膝の下で、自らの足首を八雲の足首に絡ませた。

 

八雲の体は、一瞬で反応する。彼の体内の無限の精が、羅刹の接触によって激しく騒ぎ立てる。

 

(やめろ、羅刹……パイが隣にいる!)

 

八雲は、羅刹を睨みつけるが、羅刹は涼しげな笑顔をパイに向けている。

 

「ねえ、藤井くん。最近、少し顔色が良くなったわよね。何かいいことでもあったのかしら?」

 

羅刹は、八雲の顔ではなく、八雲の股間へと視線を一瞬だけ向けた。その視線は、八雲の体内の熱を正確に捉えている。

 

「あ、ああ……そうか? 別に、何もない」

 

八雲は、必死に平静を装う。彼の声は、羅刹の魔力とパイへの恐怖で、わずかに震えていた。

 

「えー、やっくんの顔色が良くなったのは、きっとわたしのおかげだよ! 最近、ちゃんと健康的なご飯食べてるもんね」

 

パイは、羅刹の言葉を素直に受け取り、笑顔で八雲の腕に抱きついた。

 

その瞬間、八雲の腕に抱きつくパイの体が、微かに硬直した。

 

「……っ」

 

パイは、八雲の体に触れることで、羅刹の魔力の残滓と、羅刹の接触によって八雲の体内で生成されている過剰な精の熱を、無意識に感じ取ったのだ。

 

パイの瞳の奥で、黄金の光が、雷鳴のように一瞬だけ光った。

 

(熱い……この熱は、私の飢餓とは違う、不快な熱……。そして、この女の、媚薬のような匂い……!)

 

パールヴァティーの嫉妬の感情が、パイの意識を激しく揺さぶる。パイは、無意識のうちに羅刹へと鋭い視線を向けた。

 

羅刹は、パイのその一瞬の殺意に満ちた視線を感じ取ったが、動じない。彼女は、パイの意識がパールヴァティーに乗っ取られる直前の臨界点を狙っているのだ。

 

「あら、綾小路さん、どうしたの? 急に真顔になって」

 

羅刹は、パイの目を真っすぐに見つめながら、八雲の足首に絡めた自分の足で、八雲の股間を軽く撫で上げた。

 

その刺激は、八雲の理性の最後の防壁を打ち破る。八雲は、顔を赤らめ、身動きが取れなくなった。

 

パイは、八雲の体の急激な熱の上昇と、羅刹の悪意ある接触を、本能的に理解した。しかし、彼女の意識は完全に綾小路パイのままだ。

 

「ううん、なんでもない! ちょっと、眩しかっただけ!」

 

パイは、無理に笑顔を作り、羅刹から離れた。しかし、彼女の心の中には、八雲を奪おうとする「誰か」に対する、激しい嫉妬の炎が燻り始めていた。

 

その夜、八雲の部屋。

 

パイは、八雲のベッドに横たわりながら、荒い息を吐いていた。パールヴァティーの覚醒サイクルが、羅刹の過剰な精の吸収によって、完全に崩壊していた。

 

「やっくん……お願い……熱くて、苦しい……誰かに、私のものを、奪われているみたいで、怖い……」

 

パイの言葉は、幼馴染の不安の言葉であると同時に、パールヴァティーの嫉妬と怒りの予兆だった。

 

八雲は、もう隠し通せないことを悟った。羅刹の大胆な侵食は、パールヴァティーを限界まで追い詰めている。

 

パールヴァティーの「怒りの覚醒」は、もうすぐそこまで来ていた。そして、羅刹はそれを望んでいる。二人の三只眼の最終決戦の舞台は、整いつつあった。

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